薬剤師まさのりのぼやき -25ページ目

薬剤師まさのりのぼやき

薬剤師だって人間だもの

ハトを触った直後に少年を治療するシーンでうずうずした。


犬屋敷さん! 手を洗って下さい‼︎


ハトは空飛ぶドブネズミとか言われてるそうですよ!


あんな能力が備わったら僕ならどうするかなあ。電子薬歴の入力作業とかものすごく楽になりそう。疑義照会の電話もハンズフリーだ。レセプトの取り下げ作業なんかもサクッとシステムに侵入して…って何気に犯罪だね。

在宅に行けば爺さん婆さんが急に元気になり、自分で通院できるようになっちゃう。
いやそもそも病院が必要なくなる?
患者数は徐々に減る。ってなると医師会と薬剤師会、製薬メーカーその他諸々を敵に回すことになるのだろうなあ。
僕は捕まってバラバラに分解されてしまう。いかんいかん、こんな身体になっちゃったことは誰にも知られてはならぬ。
健診はどうしよう? レントゲンとかどんな風に映るんだ? 電カルはごまかせても現場の技師の目はごまかせない。だからといって健診拒否はできない。
そうなるとああっ、もう会社にはいられない。


とまあこんな風に、いくらでも妄想で遊べる楽しい映画でしたよ。
「一般名処方は原則として後発品を調剤してください」
何年か前、KRSのなんちゃら管理官がおっしゃった。

原則はそうでしょうけどね、患者と医者はそうは思わないわけですよ。
「一般名=メーカー不問=先発でもいい」
と解釈されても日本語的には一切問題ないわけよ。

一般名処方というタマムシ色で医師会や先発メーカーにもいい顔しつつ、実際の後発品推進は保険薬局に丸投げジャーマンなわけですよ。
そんなに後発を推したいなら処方箋の表記を【般】じゃなくて【後】にすればいいじゃん。
どうしても先発希望の場合は疑義照会を要するってことにすればいいじゃん。


適応症の問題だってそう。
本気で後発を使わせたいなら生物学的同等性が担保された時点で適応症も見なしで同等ってことにすればいいじゃん。
疑い深い僕は、先発品の追加適応は後発対策なんじゃないかと疑っいる。というかむしろ確信している。先発に適応が追加されると「ああそろそろ後発が出るのか」なんて思っちゃう。


いろんなところから医師会と先発メーカーへの忖度が見え隠れ、っていうか丸見えで、現場でギューギュー締め上げられてる立場としては、てめえKRS、本気でやる気あんのかと。

そう言わざるを得ない。
最近の錠剤やカプセルの刻印は意味不明の記号番号じゃなくて、小さいながらもハッキリと薬品名と規格が書かれているものが増えてきて、便利になったなあと素直に思う。

ついでに適応症や用法用量も書いてくれると嬉しい。というのは半分本気の冗談。


と思ってたら後輩ちゃんが「こんなに便利になって、薬剤師の仕事が無くなりますね…」とため息をついてた。


おいおいおいおい、薬剤師の仕事は錠剤の鑑別だけだとでも?

鑑別に使うエネルギーが減った分だけ他の仕事が増えるんだよ!

錠剤を見る仕事じゃなくて患者と薬を観る仕事をするんだよ。


以前ラジオの電話相談で「ロボットが仕事するようになったら人間の仕事は無くなりますか」と質問された専門家が「ロボットが仕事をするようになったらその部分の仕事は減るけど、代わりに新しい仕事が増えるから、人間の仕事はなくならない」と答えてたあれと同じだ。
今年度の改定はますます厳しいけど、仕事の質が変わって行くことについて行けるかどうかでこれから先生きのこれるかどうかが決まるのだと思う。

女性の多い職場だ。
当薬局の場合、受付事務は100%女性だし、薬剤師も8割以上が女性である。
僕らの肩身の狭さといったらないんだけど、これはまた別のお話。
見た目まあまあキレイなお姉さんっぽいスタッフもいる。
すると何が起こるか。

時としておっさん患者が張り切っちゃうのである。

ある日、ふと気づくと受付に張り付くようにしてオッサンが熱弁をふるっている。
応対している事務スタッフは神妙な面持ちで相槌を打っている。

なんの話だ? クレームというわけでもなさそうだし、いつまでも処方箋を出さない。OTCの相談でもないようだ。

自らの患者対応の合間にさりげなく様子をうかがう。
まだ店内は空いており、比較的余裕があるが、業務の妨げになるようなら介入せねば。

オッサンはやがて、何やら雑誌の切り抜きを取り出して彼女に見せながらなにかを罵り始めた。
どうもそれまでかかっていたクリニックが気に入らず、雑誌に載った別のクリニックへの転院を考えているらしい。
で、そこの場所を聞きに当薬局へ立ち寄っり、美人スタッフを前にしたとき何かスイッチが入っちゃって、前のクリニックの悪口を言い始めた。とそういうことらしい。
話すうちにだんだん興奮してきたのか、声が大きくなってきた。
「あの病院はダメだ!」とか言ってる。どこの病院のことかは知らないが。

そろそろ限界だな。
この人は現段階ではお客様でも患者さんでもないと判断した。

オッサンに近寄る。軽く興奮しているようなのでなるべく穏やかに。多分いきなり殴られたりはないと思うけど、内心は恐る恐るだ。
「お薬のご相談ですか? よろしければこちらでうかがいますが」

途端にオッサンはトーンダウンし、「いや、いいんだいいんだ」などとモニョりながら切り抜きをしまって出て行った。

言っときますけどボク、そんなコワモテな外見じゃありませんからねっ。失礼しちゃうわ、プンプン!
冗談はさて置き、多分それまで辛抱強く対応した事務スタッフのおかげである程度のガス抜きはできていたのだろう。

転院先の処方箋を持って来られるかと少し警戒したが、オッサンが再度来ることはなかった。そこのクリニックの門前か、自宅近くに行かれたのだろうか。


男性スタッフは時に黒服的な仕事もするのだ。
特に小児科系で思うこと。
第一の患者はもちろん患児本人だ。
この患児を介護する家族(たいてい親、それも母親)は第二の患者と言われる。
ここまでは医療者も結構目配りしていると思う。

だけどそれだけでいいのだろうか?
健康体で一見手のかからなそうな患児の兄弟姉妹へのケアも必要なんじゃないのかな。
彼らは潜在的第三の患者だと密かに思っている。