薬剤師まさのりのぼやき -24ページ目

薬剤師まさのりのぼやき

薬剤師だって人間だもの

今でもたまに、患者さんから院外処方への疑問をぶつけられることがある。

まあ、何事もなく薬を受け取って帰る人が大半だからそう思われるのも無理ないよね。
棚から出して数えて袋に入れるだけじゃん! オレにも出来るわ! みたいな。

まあ、大部分の人に対してはそうなんだけどさ。

粉砕とかMIXとか一包化とか日付管理・残薬調整でもあればちょっとは見る目も変わるんだろうけど。

あと、疑義照会。
これはもう薬局の花形業務と言っていい。
疑義を経験した人で薬局不要論を唱える人は、少なくとも僕の周囲にはいない。

だが現実には疑義照会なんてそんなしょっちゅうあるものでもないし。多くの人には何ソレ? って感じなんだろう。
だけどやっぱり医者だって間違えるし見落とすし、それが今までたまたま起こらなかっただけで。
何事もないと思ってるのはアンタの運がいいから。そしてその処方に関わるすべてのスタッフが最高の仕事をしたからなんじゃボケェ!

という内容のことを、幾重にもオブラートに包んでお伝えしている。
納得いただけるかどうかは分からない。
ウザきもの、マンションセールスの電話なり。

「◯◯コーポレーションの✖︎✖︎と申しますが管理薬剤師の先生をお願いします」
最初こそ生真面目に管薬に取り次いでしまっていたが、やがて数をこなすことで大体見分けがつき、会議だ休暇だ在宅だとアレコレ居留守を使って無駄に取り次ぐことがなくなった。

すると奴らは次の手を考えてくる。
会社名ではなく個人名でかけて来るようになったのだ。
これはいけない。患者さんかもしれないし、本当に管薬の知り合いかもしれない。取り次いでみるしかない。だがやっぱり、これも見分け(聞き分け)られるようになった。勧誘電話の主がここを見てたらまずいので(でも見てくれてありがとう😊)見分けポイントは秘密だが、楽勝である。

そんなある日、電話を取ると男性の嗄れ声で「薬剤師さんをお願いします」。
もうこの時点で怪しさ満点。だって僕ら、日々本物の爺さん婆さんと接してるんだもの。本当の老け声じゃないのが丸分かりなんである。若い人が本当に不調なのとも違う。隠しきれない活きのよさが感じられるのだ。受話器の向こうで本当に猫背作って頑張ってるんだろうなあ。それとも椅子にふんぞり返って机に脚なんか乗せて、声だけ潰してるのかなあ。想像するとちょっと面白い。だが今はマジで忙しいのだ。切ってしまいたいのは山々だが、本物の患者である可能性も微粒子レベルで存在するなら対応しないわけにはいかない。
「ワタクシも薬剤師です、お薬のご相談ですか?」
案の定、途端に声がイキイキして「わたくし、◯×コーポレーションの△◇と申します、本日は薬剤師の先生がたに、大変おトクな…云々」
皆まで聞かず「いりません」と言ったが、構わず喋り続けるのでさっさと切った。

忙しいんだよ邪魔なんだよマジでやめてくれよ!

てか引っかかってまともに話聞いてくれる人なんてほとんどいないでしょ? それでも何件も電話かけまくってはガチャ切りされてるんでしょ?

ハート強いな!

そこだけは見習いたいわ、マジで。
すごーく暇なときだったらじっくり話を聞いて、「その仕事つらくない? 自分を大事にできてる?」って尋ねてみたい。
卸さんや分譲に来た他店のスタッフさんが帰るとき、うっかり

お大事に

って言っちゃう。
絶対あるあるですよね。
比較的若いその患者さんは、とても聞き分けが良かった。

まず症状の説明が明瞭。うっすら専門用語を交えるも、門前の小僧感がない。
そしてこっちの説明に「ちゃんと理解している」とハッキリ分かるしっかりした相槌。

説明しながら、ある疑惑が芽生える。
訊いてみたら、案の定医者だった。

も〜、早く言ってよ!

説明要らないじゃん!
分かりやすさ重視の平たい言葉で薬効説明してしまった。
何でしょうね、あの気恥ずかしさ。大人相手にうっかり赤ちゃん言葉を使っちゃったみたいな。
イヤな汗が噴き出す瞬間である。


まあ、僕が患者としてほかの薬局に行くときも、どんな感じで服薬指導してるのか知りたくて素人を装っちゃいますけどね!

でも身バレしないようにもっと上手にやりますけどね!

「子供が薬剤師だから」
みたいなことを言う患者さんが時々いる。
後に続く言葉は「あの薬は飲まない方がいいと言っていた」とか「あっちよりこっちの方がよく効くと言っていた」とか「ジェネリックなんか使わない方がいいと言っていた」とか。

ふーん。
皆さん随分と聞き分けのよい親御さんですこと。

僕のカーチャンなんか常々「そんな◯◯芋ばっかり食べるのやめろ」とか「サプリメント勝手に増量するな」って言ってるのに全っっっ然聞く耳持ちませんけど。