『竹取物語』の冒頭文は、小学校で暗唱しているケースが増えてきている。だから、扱いやすい。
冒頭文に出てくる歴史的仮名遣い
いふ(語頭以外のハ行→わ・い・う・え・お)
よろづ(ダ行 ぢ・づ→ザ行 じ・ず)
使ひ(同上)
なむ(~む→~ん)
いひ(語頭以外のハ行→わ・い・う・え・お)
うつくしう(イ段音+う→イ段音+ゅう)
ゐ(古文のワ行 わ・ゐ・う・ゑ・を→わ・い・う・え・お)
歴史的仮名遣いのまま発音してみせる。
「いふ」「つかひけり」「なむ」「うつくしう」は発音しづらい。言語とは、発音しやすいものに変化していくということ。
また、ダ行「ぢ・づ」は、発音がよく似ていたためにザ行「じ・ず」に統一された。こんな言語の変遷を語ると印象深くなる。和歌山弁でザ行がダ行になる(ざぶとん→だぶとん、007→デロデロセブン、象の銅像→どうのどうどう)のは、ザ行とダ行が近い関係にあったから、という小ネタも挟むと面白い。
ワ行の「ゐ」「ゑ」は書く練習も必要。特に「ゑ」は、教壇に立っている者でも怪しい。「“る”の下に山が2つ」と教える。“ゐ”の下に山をつけたり、山が2つでなかったり……。生徒だけでなく、教員が板書している字が間違っていることも多々見受けた。
『竹取物語』に出てこない歴史的仮名遣いが教科書に一覧で載っている。あまり機械的に理屈を教えるよりも、慣れていくことの方が先決かもしれない。
だから、教科書の一覧を参考にしながら冒頭文を音読させる。そして暗唱。
音読は全員一斉だと、中にはサボっている生徒がいる。サボりでなく、恥ずかしいから声を出さない生徒もいる。
タブレットを導入している学校なら、宿題として冒頭文を音読し、それを録音して提出することも可能だ。この課題だと、一人ひとり確実に音読する。ビュジュアル化することだけがタブレットの役割ではない。音も使える。
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