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COPE (KU Plankton Lab)

絶滅危惧研究室の営みをつづるブログです

こんばんは。主宰です。

 

鹿児島大学でも入学式が終わり、いよいよ本格的に授業スタートとなりました。引っ越し・入学準備で情報過多のため頭の中を整理できていないとおもいますが、新入生たちも慌ただしく授業開始となります。始まったばかりの授業のうち、水産学部必修科目である「水産学とキャリア」も開始となりました。

他大学・他学部と異なり、水産学部は全国から学生たちが入学します。水産学部では、水に関わる業界への人材育成をしているのですが、その業界についての情報は高校までになかなか得られるものではありません。このため、全国から来た新入生が仲間を作り易い環境を醸成すること、水に関わる業界で就業するための知識・能力を涵養するための意識をもつこと、を目的としたのがこの授業です。講義形式の授業では、業界の方々から業務内容についてご紹介してもらったり、興味・関心ある業界がどこでそこに就職するための知識・能力を育成する必要性を感じてもらったりします。この授業の良い所は、講義形式の授業だけでなく、実践型の乗船実習内容が含まれていることです。新入生を複数のグループに分け、練習船に乗船してもらって1泊2日の実習を体験します。

この乗船実習の大きな意義は、全国各地から来た新入生たちが仲間・話し相手を作れることにあります。データ解析でも明らかとなっていますが、初年次における就学状況がその後の大学生活に大きな影響を与えます。この実習で、「水産学部って楽しい!」と感じてもらえるようにするのが、我々の役目です。

練習船という特殊施設での実習ですので、法令・規則に従ったことをやっておかねばなりません。その1つに救急操練というものがあります。

練習船の教員から、乗船している施設に何らかの異常が発生した時にどのようになって、どのように対処すべきなのかの説明がなされます。世界共通の対処なので、これは緊急時にとても役立つものです。

この一環として、救命胴衣の着用方法を実践します。さほど難しくはありませんが、これを実際に経験していることは動揺している緊急時にはとても役立ちます。

その後は、各部屋に戻ってベットメイキング。少々狭いので、カバー類をセットするのはちょっとたいへんかも。たった1泊2日のスケジュールなので大雑把にセットしてもいいかもしれませんが、数日以上の実習ではこのセットをしっかりやっておくと寝心地のよい環境ができます。狭くてもいろいろあるので、便利です。私は1~2週間の乗船が多いですが、携帯充電器・イヤホン・本をここにセットして、寝るためのルーティン環境を整えます。

操練・ベットメイキングが終わると、早くも夕飯となります。船舶での飯の時間はちょっと異なっていて、朝飯6時30分、昼飯10時30分、夜飯16時くらいですね。一般的な時間にしてほしいとおもうかもしれませんが、我々のご飯を作ってくれる司厨部の労働時間が長くなるので、それに対する配慮です。今回は、ビックとんかつを作ってくれました。40人分くらいの夕飯をたった一人で作ってくれるのですから、有難いものです。このブログをみている学生のみなさんは、ご飯を食べる前には「いただきます」、食べた後には「ごちそうさま」、司厨部の職員には「美味しかったです」と言って下さい。

食後にはアイスブレークの時間となり、私の出番です。乗船した新入生たちが打ち解けられるようにいろいろと考えて欲しいと言われていたので、2つほどゲームを準備しました。最初のやつは、「北から南へ並べ」。参加者の出身地ごとに、北から南へ順番に並んでもらうのですが、土地名を言わずに相互に理解しあいながら並びます。自分の情報をたくさん説明しなければならないし、相手の情報をよく理解しなければなりません。意外にも、これは5分くらいで完了となり、しっかりと並べてました。最近の学生さんは賢いね~。次は、「マシュマロチャレンジ」。アイスブレークねたが尽きてきたので、うちの学生さんたちにたずねたところ、紹介してもらったものです。TED Talkで有名なものらしく、世界的にもよく遊ばれているゲームです。3~4人のグループでパスタ麺・マスキングテープ・糸・はさみを使ってできるだけ高い構造物を制限時間内に作成し、最上部にはマシュマロを乗せるというものです。高ければ高いほどよいというものです。やってみると、意外に難しそうです。世界記録は99cmだそうで、今回の学生さんたちの間では63cmが最高記録でした。計測直前に倒れてしまって、記録なしということも多々。楽しそうにやってました。

とても驚いたのですが、最近の学生さんたちってコミュ力高いね。すぐに打ち解けてたくさんおしゃべりしてました。私の大学生時代とは全くちがいました。この乗船を機に、よい仲間・話し相手を作って、大学生活を満喫してください。

 

こんにちは。主宰です。

 

4月2日~11日まで研究船新青丸の海洋観測が行われましたが、2日に横須賀を出港し、11日に無事鹿児島へ寄港しました。我々の研究グループとしては、大学院生になったばかりのゆうたに乗船してもらい、海洋観測・プランクトン標本採取・仔魚標本採取をしてもらいました。2月~3月に薩南海域で仔魚を採取しましたが、下流域に流された仔魚がどのような成長を遂げているのかを知りたかったからです。ゆうたには独りで乗船してもらいましたが、よくがんばってくれたとおもいます。ありがとう。

新青丸に乗船された方々に加え、この日にたまたま水産学部キャンパスでやっていたマクロ沿岸海洋学の研究者と合同で、慰労会を開催しました。幹事の堤さんがなかなかお店が見つからないということで、うちの学生さんが頑張ってくれたんだとか。予約がとれたのは、つむちゃんお勧めの中央駅前の「極食う」です。美味しいおさかなをいただけると水産学部の先生から伺っていましたが、今回初めての訪問となりました。

最初は、とびっこが入ったサラダ。とびっこのプチプチ食感が面白かったです。

やっぱり豪勢でよかったのはお刺身の盛り合わせ。おさかなだけでなく、鳥刺しも入っていて、県外から来られた方々にとっては地元の料理がたべれてよかったかもしれません。私にとって秀逸だったのは、カツオですかね。脂乗りの少ない淡泊なお刺身だったので赤身の旨味をすごく感じれてよかったです。何でも脂がのっていればよいというわけでないという、お手本みたいなお刺身でした。

最後はお店の前で記念撮影。県外から来られた方々にとっては、鹿児島は風土も料理も素晴らしいところと印象づけられたらよいなぁとおもいました。

こんばんは。主宰です。

 

今週は暖かく晴れた日が多く、桜が満開となりました。我々のいる5号館は建物の中が寒いくらいだし、桜も満開なので、図書館脇のデッキでお花見ランチにすることにしました。

こちらが参加メンバー。うちのホープは現在新青丸で海洋観測に参加中なので、残念ですが欠席です。戻ってきたら武勇伝でも聞きながら、またみんなでお外ランチをしたいものです。風が吹くと桜の花びらがひらひらと散って、なかなか風流です。ただ、もう外は暑いくらいで、鹿児島は春とか秋が短いなぁと感じます。この短い春をもうちょっとだけ楽しみたいです。

まだ、水産学部食堂が開店していないのか、学生さんたちは自分でお弁当をもってきているか、水産学部キャンパス脇のお弁当屋さんでお弁当を買ってきてランチとなりました。

こちらはミックスフライ弁当とのこと。ボリュームがあって美味そう。ただ、最近は何もかも高いよね~。トランプ関税止めて欲しいものです。

こんばんは。主宰です。

論文紹介の続きです。

Toru Kobari, Akiyoshi Shinada, Atushi Tsuda (June 2003)
Functional roles of interzonal migrating mesozooplankton in the western subarctic Pacific. Progress in Oceanography: 57 (3-4), 279-298.
https://doi.org/10.1016/S0079-6611(03)00102-2

北海道区水産研究所でアルバイトしていた時にまとめた論文です。親潮域で優占するカイアシ類の摂餌生態・生産生態・物質輸送について調べたもので、これらカイアシ類の個体発生に伴う鉛直移動が、かなりの物質を海洋中深層へ輸送していることが明らかとなりました。現在の東大副学長で当時私の雇い主だった津田さん、北海道立総合研究機構の研究員で私の後輩である品田さんのデータを合算して発表した論文で、かなり濃い内容の力作です。当初は期待していなかったのですが、計算してみると驚愕的な値になってたので、間違いがないかを何回も確認してから投稿した記憶があります。今になって振り返ると、私の研究人生の転換点となった論文かもしれないとおもっています。

 

こんばんは。主宰です。

論文紹介の続きです。

Toru Kobari, Tsutomu Ikeda, Yasuji Kanno, Naonobu Shiga, Shogo Takagi, Tomonori Azumaya (May 2003)
Interannual variations in abundance and body size in Neocalanus copepods in the central North Pacific. Journal of Plankton Research: 25 (5), 483-494.
https://doi.org/10.1093/plankt/25.5.483

こちらも博士の学位取得後に研究職に就けず、北海道区水産研究所でアルバイトしていた時に執筆した論文です。研究対象としていたカイアシ類の豊度や体サイズは経年的に変化しており、その変化パターンに特徴があることを報告しました。博士論文データをなかなか投稿論文としてまとめることができず、時間のあったアルバイト時代にまとめることができました。生活史と並んで、博士論文の中心的なデータです。今では様々な統計解析をアプリケーションを使って簡単にできますが、当時はまだそのようなアプリケーションがなかったので、エクセルで計算して統計値を必死に計算してたなぁと思いだします。