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COPE (KU Plankton Lab)

絶滅危惧研究室の営みをつづるブログです

こんばんは。主宰です。

 

9月3日~5日にかけて、学術変革領域研究「マクロ沿岸海洋学」に参画する若手研究者を対象として、サマースクールが指宿にて開催されました。大型科研費によって推進されているプロジェクト研究ですが、ここには多様な学術領域からなる若手研究者が参画しており、これら若手研究者のキャリア育成のために、毎年サマースクールが開催されます。今年は、鹿児島大学水産学部の堤さんがコンビーナーとなり、指宿にて開催となりました。

このサマースクールでは、2名のシニア研究者が講演を行うほか、研究交流のために参加した若手研究者が自分の研究成果を発表します。これらの講演や交流を通して、キャリア育成・アイデア創造など、研究者として必要な能力を育成してもらうというのが目的です。僭越ながら、講演者として招待され、これを機会にこれまでの黒潮パラドックスに関する研究成果の総括をすることにしました。2012年頃から黒潮パラドックスに関する研究を始めましたが、これまでたくさんの卒論生・修論生たちがこの研究に関わってもらい、たくさんの研究成果を得ることができました。これらの研究成果が黒潮パラドックス解明にどう貢献したのか、この研究においてどのような発想や苦労があったのかについて、ざっくばらんに話ました。私はキラキラ研究者ではないので、泥臭くて超現実的なはなしをしたつもりです。たぶん、キラキラしたお話をしたほうが若手研究者をエンカレッジするにはいいかもしれませんが、そういった研究者はごく一部だと感じていましたので、正直に話すことにしました。

私の他には、九州大学応用力学研究所の木田さんが講演されました。回転水槽を使って、コリオリ力を表現した実験をなさってくださり、間近で海洋物理現象を見ることができたので、私にとってはとても新鮮でした。また、陸上に降った雨水がどのようにして河川へ流入するか、それらが海へどのように流れて混合するのかというお話をされましたが、そのどれもが想像とは全く異なる話だったので、とても斬新に感じました。若手研究者にとってはよいお話であることは間違いないですが、それ以上に私にとってもよいお話でした。

晩には、ご飯を食べながら参加者たちといろいろな話をすることができました。ここには領域代表の羽角さんもご参加されていたので、この大型プロジェクト研究を計画なさった当初のお話をたくさん伺いました。研究のアイデアはどこから生まれたのか、研究目的を達成するためにどのような研究体制をどのように構築されたのか、研究推進におけるご苦労は何かなどなど、学会とは異なり少人数での懇親会という時間が設けてあったので、具体的にじっくりとおはなしを伺うことができてよかったです。

こんばんは。主宰です。

 

コロナ禍が終わってから経済状況がよくなったのか、団塊世代の大量退職による人手不足なのか、昨今の就職活動は完全に学生にとってかなり優位になっています。そのため、企業ではよい人材を着実に確保するため、就職活動盛期になる前の夏期~秋期にインターンシップを多く開催するようになりました。また、経団連に準じない外資系企業は早期選考も活発になっています。このため、就職活動は3年生あるいは大学院1年生の8月頃~4年生の6月頃と、実質的に長期化するようになっています。社会情勢なので仕方がないのかもしれませんが、卒業研究・修士研究にかける時間はますます減り、内容が薄かったり解析が不十分だったりするものが頻繁に散見されることになるだろうと危惧しています。

大学教員になってかなり経つので、これまでにいろいろな学生さんを見てきました。経験的には、朝から研究室に来て自分の仕事をし、遅くまで残らずに帰宅するということをコンスタントにしている学生さんほど、素晴らしい仕事をしてくれるように感じます。逆に、徹夜や深夜で短時間でやっつけ仕事をするような学生さんの仕事は、雑で間違いが多いですね。私見ですが、卒業研究・修士研究は任された仕事であり、真摯に取り組んで豊富な情報量を集めて十分な解析をし、その仕事内容を他人に上手に説明する経験(学会発表・論文発表に相当)もした学生さんは、社会人となっても責任感のある業務を全うし精神的耐久力も高いと感じています。このため、卒業・修士研究内容も選考の評価としてもらえれば、企業側としても間違いのない人材確保につながるのではないかとおもっています。

今日の夕焼けは綺麗でした。この時間に帰宅できるので、今日は効率よく仕事をこなせて満足でした。

こんばんは。主宰です。

 

以前、このブログでは台湾から来鹿したワンさんのご紹介をしたとおもいます。ワンさんは台湾で研究費を獲得され、再訪することになりました。今回は、鹿児島近隣海域のエソ科魚類を採取して、台湾近隣海域のエソ科魚類の生態と比較するとのことです。そのため、鹿児島市内の鮮魚店・市場を訪問してエソ科魚類を確保し、魚体測定や消化管内容物解析をなさるそうです。

最初連絡をいただいたときに、研究内容は興味深いのですが、標本確保はだいぶ苦労するだろうと感じました。なぜなら、エソ科魚類は鮮魚店ばかりか卸売市場ですら珍しいからです。鹿児島近隣海域に分布はしていますが、魚価が安いので普通には流通しないからです。

とはいえ、研究費採択されたので何とかしなければなりません。そこで、うちの研究室を卒業して、この鹿児島市中央仲卸魚類市場によく出入りしているシンくんにお願いして、コンサルタントしてもらうことにしました。形式的に市場へ入場する許可をもらうようにするとかなり時間がかかるそうなのですが、彼にお願いして何とかワンさんの来鹿に間に合いました。奥のオレンジの帽子をかぶっているのがワンさん、手前のオレンジの帽子をかぶっているのがシンくんです。

探してみましたが、やっぱりなかなか見つかりません。気配すら感じませんね。でも、シンくんが場外まで探しに行ってくれて、それらしき魚を見つけてくれました。何でも、エソ科魚類は競りにかけずに、食品加工会社に一括で購入されるとのことです。

ただ、その後も市場のかたや仲買さんにあたってくれて、数個体を確保することができました。上の画像は、市場内にある仲買さんの店舗になります。それぞれの業者さんごとに、扱っている魚種が異なっているように見えました。鹿児島大学水産学部の教員でありながら、この街の卸売市場に来たのは初めてだったので、かなり勉強になりました。

市場はかなり早朝から動き始め、競りは5時半くらいから開始するようです。私は業務があるので毎朝来れませんが、シンくんにお願いしてワンさんの滞在中には彼にアテンドしてもらうことにしました。来年の新春にも来鹿するようなので、また彼にお願いしようとおもいます。

こんばんは。主宰です。

 

先日、うちの研究室を修了して就職されたあやねちゃんが、休暇を取って遊びに来てくれました。ラインなどで何回か連絡はしていたものの、就職してから面会するのは初めてで、どのような社会人生活を送っているのか興味深々でした。一次会は、名山堀のアカネで宴会することにしました。にせんべろでかんぱ~い。

修了してまだ半年も経ってないのですが、ショートカットにしたせいか何となく都会の女(ひと)になってました。でも、走り寄ってくる様子とお酒飲んでかぷは~ってやる感じとか、やっぱり変わってないなぁとおもいました。新しい土地で生活を始めて、慣れない仕事もしなければならず、さぞかしたいへんだろうとおもっていたのですが、職場ではよい人間関係に恵まれているみたいで、仕事も私生活も楽しいとのこと。私も会社の関係者からしっかりと仕事してくれているということを聞いていたので、安心しました。就職活動では給与額とか福利厚生とかを気にするかもしれませんが、やっぱりどんな環境でやりがいのある仕事ができるかどうかが一番大切かなとおもいます。就活している在学生のみなさんは、社会人となったOB・OGといっぱいお話ししてください。

話が尽きず、ほのかもバイト後に合流ということで二次会へ。若い娘が好きそうなピナにしました。ここは、す~さんの退職記念パーティーの二次会場とかスピンオフ会になったところであり、私も家族で何回か来てます。でも、今月末で閉店とのことで、たいへん残念です。私は馴染みの店が13周年記念だったので、早めに抜けて帰宅しました。あやねちゃんはしっかりと帰れたかな?まぁ、ホテルも近いし世話好きな後輩たちもいるので大丈夫だよね。

今秋には、我々研究室で国際学会参加のために横浜へ行くので、次は横浜で同窓会を盛大にやりましょう。

こんばんは。主宰です。

 

みなさん、お盆休みはいかがお過ごしでしたでしょうか?私は実家に帰省し、実家の掃除や庭の草刈りなどしてました。お盆休みではなく、出稼ぎ労働でした。

さて、お盆休みも終わったので、いよいよ教育・研究活動を再開します。亜熱帯海域に近隣する鹿児島大学水産学部では、まさにこの時期はフィールド調査にうってつけの時期です。我々の研究室でも、ハダカイワシ調査のために南星丸へ乗船してきました。鹿児島湾は内湾であるにもかかわらず、200mを超える水深があります。このため、中深層性魚類が生息しています。私たちの研究室では、この中深層性魚類がどれほどの物質を深層へ輸送しているかを定量化するため、久米研究室・安間研究室(北大水産学部)と共同研究を行っています。今回は、生鮮で採取されたイワハダカを飼育し、呼吸速度を測定するということに挑戦してみました。

今回は、案内を出したところ参加希望してくれた3年生と1年生の学生を連れて乗船しました。これは、首席航海士から安全に関する講習を受けているところです。

前日までは大雨で、あちこちで川が氾濫するような状態だったのですが、この日はよく晴れて夕方にはとても綺麗な夕焼けがみれました。練習船から見る夕焼けは、陸で見るのとまったくちがって雄大に見えます。この日は期せずして、鹿児島市の花火大会の日でした。

もうちょと近くで見れたらよかったのですが、遠くに上がる花火を1時間じっくりと見ることができ、とても稀有な体験ができました。街中は大観衆だったでしょうから、こんなところから見れるなんて格別です。来月(9月)・再来月(10月)もハダカイワシ航海が計画されています。来年度は、このハダカイワシを使った卒業研究テーマを考えています。またの機会に、研究に関する説明をしたいとおもいます。