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COPE (KU Plankton Lab)

絶滅危惧研究室の営みをつづるブログです

こんばんは。主宰です。

 

PICES 2025 Annual Meetingの報告最終回です。研究発表は午前中で終了し、閉会式となりました。閉会式では、学会長であるSukyung Kang博士から今大会の総括がなされました。ちなみに、Sukyung Kang博士は若手時代に動物プランクトンの長期時系列解析をなさっていた研究者です。

今大会は、31か国から653人の参加があり、24会議、22セッション、11ワークショックが会期中に開催されました。これだけの短期間に、かなりたくさんの研究者が多様な機会で研究交流したことになります。口頭発表は311件、ポスター発表は173件だから、我々研究室で参加する学会では最大になりますね。このスライドに示されているのが研究者の関心を示したものですが、北太平洋・気候・科学・生態系・理解ということに関心が強く、北太平洋における海洋学・水産学の中核はここにあることが理解できます。

この国際学会の活力は、やはり若手研究者の貢献度でしょう。参加者のうち、40パーセントが若手研究者ということだから、将来がたいへん楽しみです。私の所属している日本海洋学会・日本プランクトン学会・日本水産海洋学会とはまるで逆の構造で、若手への配慮がいかに大切かが実感できます。

学会中のスナップ画像をいくつか流されてましたが、我々のものが2つも採用されてました。画像から楽しそうだなぁというのが伝わったんでしょうね。やっぱり、楽しいから(≒知的欲求を満たしたいから)学会に行くという気持ちは大切にしてあげたいとおもいます。

この閉会式のおたのしみとして、ベスト口頭発表賞・ベストポスター発表賞が授与されます。今年はみなさんががんばってくれたので誰かが受賞できるかな・・・と期待していたのですが、残念。受賞から漏れました。若手研究者のレベル(特に韓国・中国)が年々あがってきているので、簡単ではないですね。また、これからがんばりましょう。

来年は、カナダ西海岸にあるビクトリア島のナナイモで開催となりました。来年は、科学組織委員長として今年よりもたくさんの学会業務を担当するので、今から少々憂鬱です。スピーキング・ヒアリングに効くアプリがあれば、教えてください。

こんばんは。主宰です。

 

PICES 2025 Annual Meetingの報告第5弾です。さて、研究発表はいよいよ最終日となりました。私はBIOの副委員長を担当しているので、BIO Topic Sessionの司会進行をしなければなりません。学会の事務作業も同時進行でやらねばならず、このセッション終了時までに提出書類があるので、かなりいそがしかったです。

こちらが口頭発表の様子。北太平洋の海洋学・水産学を推進するPICESなので、BIO Topic Sessionは毎年人気のあるセッションです。多様な分類群・生物学的プロセスに関する口頭発表がなされ、個人的には非常に勉強になります。

どうにかセッションも無事終了し、学会の事務作業も締切に間に合って提出できたので、閉会式までのわずかな時間で黒潮生態系チーム(全員ではありませんが)で記念撮影しました。たぶん、今回の学会において、鹿児島大学は1つの研究組織からの参加者が最も多かったとおもいます。国内・海外でもあまり著名ではない地方大学・マイナー学部である鹿児島大学水産学部が、かなり高い研究アクティビティを有しており、研究業績(学術論文・学会発表)も数多く出ていることを示せたとおもいます。主宰として、この研究グループや学生たちを誇らしく感じました。参加してくれたみなさま、たいへんありがとうございます。

こんばんは。主宰です。

 

PICES 2025 Annual Meetingの報告第4弾です。さて、研究発表は3日目にポスター発表が企画されてました。黒潮生態系チームで提案したSession 7(The Impact of Oceanographic Processes on Ecosystems Supporting Fisheries Production in Boundary Current Regions)を含め、たくさんのポスター発表がなされます。

こちらはみわちゃんのポスター発表の様子。発表タイトルは、Geographical variations in zooplankton standing stocks, productivity and taxonomic composition to mixing of coastal waters into the Kuroshioというもので、黒潮域とその近隣海域の動物プランクトン現存量は沿岸水の移流量で説明できると主張した内容です。

こちらはゆうたのポスター発表。発表タイトルは、How do fish larvae avoid dietary overlapping in the Kuroshio and its neighboring waters?というもので、黒潮域とその近隣海域に出現する仔魚はカイアシ類をめぐる餌の競争があると主張する内容です。

こちらは藻場葉上動物研究室のはるきのポスター発表の様子。発表タイトルは、Epifaunal assemblage and food web structures of the floating Sargassum in the Satsunan area: Spatiotemporal change during the drifting processで、流れ藻に随伴する生物群が海域によって異なることを示した内容です。

こちらは魚類生態研究室のうっちぃと大村くんの共同でのポスター発表。発表タイトルは、Feeding and reproductive ecology of skinnycheek lanternfish Benthosema pterotum in Kagoshima Bay, southern Japanです。鹿児島湾内に分布するハダカイワシ科魚類の初期生活史に関する内容です。

 

雄姿を撮影できなかったのですが(画像をもっているかたはください)、この他にプランクトン研究室のつむちゃんによるポスター発表があります。発表タイトルは、Bridging ocean science and fisheries: Smart technologies for identifying fishery grounds of wild juveniles for yellowtail farmingです。うちの研究室としては異例ではありますが、スマート漁業支援ツールの開発と社会実装に関する研究を発表してもらいました。

 

また、こちらも雄姿を撮影できなかったのですが(画像をもっているかたはください)、魚類生態研究室の横川くんが、Life history characteristics of blacktip grouper Epinephelus fasciatus around Koshikishima Island, southern Japanというタイトルで最終日にFIS Topic Sessionで口頭発表しました。

 

ポスター発表会場はたいへん盛況で、時間を過ぎても多くの発表者・閲覧者が残り、議論が交わされたようです。私は学会の事務的な仕事がとても多くて、閲覧したり説明を受けたいポスター発表を回れなかったことが残念です。それもあって、つむちゃんの画像も撮影できませんでした。でも、みなさん一生懸命説明していて、たいへんよかったとおもいます。ご苦労さまでした。

 

こんばんは。主宰です。

 

PICES 2025 Annual Meetingの報告第3弾です。さて、研究発表は2日目にして山場。黒潮生態系チームで提案したSession 7(The Impact of Oceanographic Processes on Ecosystems Supporting Fisheries Production in Boundary Current Regions)が開催されます。

黒潮域および近隣海域における研究成果がたくさん出てきたので、北太平洋における他の強流域における海洋学・水産学の最新の研究成果について情報交換してみたいとおもい、私と久米さんが中心となって提案しました。かなり好評で、口頭発表15件、ポスター発表13件が集まり、このうち若手研究者が8割ほどを占め、会場にもたくさんの聴講者がいらっしゃいました。

午前の部の最初には、東京海洋大学の若手研究者であるSilvana Duranさんから、招待講演をいただきました。

Submesoscale Eddy Induced Nitrate Upwelling and Effect on Biological Production in the upstream Kuroshio Current

著名な学術誌で発表された論文も読んでいるし、国内・国際学会で発表された内容も把握しているのですが、情報整理された発表内容を改めて聴講すると、研究内容を総括できて理解が深まると同時に、黒潮に特有な栄養塩供給機構が黒潮生態系の原動力になっていることを実感しました。

午後の部の最初には、東京大学農学部の高須賀明典教授から招待講演をいただきました。

Spawning responses of anchovy and sardine to environmental factors in different ecosystems: comparative approaches from international collaboration projects

高須賀さんが発表された重要な論文はいくつか読んでいたのですが、これまでの研究成果を総括されただけでなく、最新の研究成果も網羅されており、小型浮魚類の成長・生残戦略についてたいへん勉強になりました。

 

このセッションでは、東京大学・東京海洋大学・愛媛大学・熊本県立大学・九州大学・水産教育研究機構などと共同で取り組んでいる黒潮生態系研究から珠玉の研究成果を共同研究者・学生から発表してもらいました。鹿児島大学プランクトン研究室からは、なおちゃん・ほのかから以下の研究発表をしてもらいました。

なおちゃんの発表タイトルは、Comparisons of fatty acid contents between zooplankton and fish larvae in the Kuroshio and neighboring watersです。なおちゃんの発表内容はすでにProgress in Oceanographyに発表された内容です。

ほのかの発表タイトルは、Larval fishes encounter favorable prey availability? Testing Match-Mismatch hypothesis in major feeding grounds around the Kuroshioです。ほのかの発表内容は現在Fisheries Oceanographyに投稿中です。

また、鹿児島大学魚類生態研究室からは、大澤くんから以下の研究発表をしてもらいました。

Growth and feeding requirements of Japanese sardine Sardinops melanostictus larvae in the northern Satsunan area, southern Japan

 

さらに、共同研究している熊本県立大の小森田さん・一宮さんからも以下の研究発表をしてもらいました。

こちらは小森田さん。Spatial assessment of the impact of Kuroshio branch intrusion on the spring phytoplankton bloom in Kagoshima Bay using GCOM-C SGLIという内容で発表してもらいました。

こちらは一宮さん。発表タイトルはBloom formation by the colony-forming diatom Thalassiosira diporocyclus in the neighboring waters along the Kuroshio Current, North Pacific Subtropical Gyre, and its global distributionです。この他にも、黒潮・ガルフストリームに代表される強流域の研究成果をたくさん発表していただきました。

先述しましたが、このセッションでは口頭発表者・ポスター発表者の8割が若手研究者でした。若手に好評だったので、せっかくだから発表者と共に懇親会を企画しました。すべての発表者が参加されたわけではありませんが、懇親会参加者はこんな感じでした。単に会食するだけではつまらないので、勤労感謝の日も近く発表までに至る準備の慰労もかねて、ビンゴゲームをしました。通常だと司会進行役が数字を示して穴をあけていくだけですが、それだけではコミュニケーションにならないので、ひとりひとり自分の好きな数を示して、その数にまつわるエピソードを説明するという方式にしました。

こちらがビンゴの景品。揃った人から選べるようにしました。鹿児島や日本らしいお土産品を並べました。

 

若手研究者からの発表が多く、会場では着席できない聴衆もでるくらいの好評で、このセッションのように海洋学・水産学の融合型研究は北太平洋海洋科学機構の核心的な研究内容であることを実感しました。たいへん興味深い研究成果を提供してくださった研究者・学生の皆様に、この場を借りてお礼申し上げます。

こんばんは。主宰です。

 

PICES 2025 Annual Meetingの報告第2弾です。さて、研究発表がいよいよ始まりました。研究発表初日には、開会式・基調講演・懇親会が開催されます。この国際学会では、開会式に北太平洋の海洋学・水産学に貢献した研究者・研究組織に対して表彰があります。堅苦しい挨拶だけでなく、こういった趣向も凝らしているので開会式を楽しめます。

まずは、PICESを創設したWooster博士を顕彰してシニア研究者に贈られるWooster Awardですが、中国のYongjun Tian博士に贈呈されました。

次に、PICESで若手育成に努力されたPeterson博士・Zhu博士を顕彰して若手研究者に贈られるZhu-Peterson Awardですが、韓国のHyung-Gyu Lim博士に贈呈されました。

そして、北太平洋の海洋学・水産学に貢献した海洋観測体制に贈られるPOMA Awardですが、JAMSTECで20年以上も継続されてきたK2時系列観測に贈呈されました。こちらは私も少々の貢献をしていて、調査船Roger Ruvelleや研究船みらいなどで研究室に所属した学生たちと共に動物プランクトン標本を採取し、主著者・共著者として多くの論文を発表しました。この受賞は、これらの懐かしい思い出が蘇り、私もたいへんうれしかったです。

最後には、北太平洋の海洋学・水産学に貢献したデータベース構築に贈られるPODA Awardですが、韓国海洋データセンターに贈呈されました。

開会式終了後は、基調講演が行われました。黒潮パラドックス提唱者である東京大学大気海洋研究所の齊藤宏明教授から、北太平洋海洋科学機構の歴史・未来について総括されました。Biological Oceanography Committee委員長に就任するので、国際組織として学術発展させていくための思考・観点などを整理でき、ご講演内容はたいへん勉強になりました。

さて、開会式・基調講演・研究発表が終わると、懇親会が開催されます。今回は、大桟橋にある大きな会場で開催されました。研究発表会場からは、夜景の綺麗な遊歩道なので、ここで記念撮影。女子学生にとってはロマンチックだから楽しいよね。

これまでは懇親会では何となく情報交換・会話をしているだけでしたが、苦手な英会話・コミュニケーションも顧みず、組織運営任務において必要となる要職の方々へご挨拶をしました。また、今年は珠玉の研究内容を学生たちに発表してもらうので、国内・海外の研究者に紹介をしてコメントをもらうようにしました。今時の学生さんは、こういった状況でも物怖じせずにちゃんとコミュニケーションをとってるのは偉いなぁとおもいました。

 

明日から研究発表本番。学生諸君、頑張ってください。