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COPE (KU Plankton Lab)

絶滅危惧研究室の営みをつづるブログです

こんばんは。主宰です。

 

またまた、海洋観測乗船実習2の報告です。

後半戦は時化模様となりましたが、この実習ではいくつかラッキーなことがありました。まず、わずか1日だけ日没直後から晴れたことがあったので、西の空に輝く紫金山・アトラス彗星の鑑賞会をすることにしました。

こちらがその画像。肉眼ではなかなか確認しにくいのですが、近頃のスマホだとこんなに綺麗な画像が撮影できるみたいです。学生さんから送ってもらいました。雲の切れ間にしっかりと見えて満足。数々の乗船をしてきましたが、夜空に彗星を見に行ったのは私も初めてです。

せっかくなので、コンパスデッキ(船の一番高い場所)で記念撮影しました。こちらも最新型のスマホにて。

それと、今回も豚骨ラーメンが出ました。お店で出せるようなレベルで、私はいつもこれが楽しみです。残った汁に白飯をぶっこんでかきこみたかったのですが、すぐ太るので我慢しました。

後半戦の時化中には、鹿児島湾で釣り実習をしながらすごすことにしました。早朝からの海洋観測がないので、一日の始まりは練習船定番のラジオ体操からです。

朝飯後からはいそいそと釣りを始めました。夜間とは異なり、別の魚が釣れ始めます。

こんなやつとか、

こんなやつとか。昼間もなかなか好調でした。

魚を三枚におろすのが得意な方々に手伝ってもらい、お刺身を作ります。今回も大漁だったので、一部は漬けにしました。

練習船を使って実習すべき内容は全て済んだので、燃料消費を抑えるために入港・着岸することにしました。残りの時間は、実習で採取したデータを解析して発表資料を作ってもらうことにしました。ただ、終日それだけだとつまらないので、練習船という特殊な施設を説明するため、船内ツアーをすることにしました。単に船内ツアーをするとおもしろくないので、まずは練習船の特殊環境に関するクイズ(かごしま丸クイズ)をすることにしました。

練習船に何度も乗船しているティーチングアシスタントにも、いちおう回答してもらいます。当然ながら、満点に近いとおもいますが。

こちらは船橋(ブリッジ)。現在のかごしま丸では船舶職員の採用がうまく進んでおらず、ギリギリの人数でたいへんな業務をしていることを説明し、実習生がいかに恵まれた環境で教育を受けているかを理解してもらいます。

こちらは船首のボースンストアの下部にある部屋。サイドスラスターの設備があるところで、滅多に入れない場所です。着岸しているからこそ来れる場所ですな。

こちらは魚艙。かごしま丸では亜熱帯海域ではえ縄漁をする実習があり、それで漁獲されたマグロ類を冷凍保管する場所です。急速冷凍をする部屋と冷凍した魚類をストックしておく部屋があります。冷凍室に閉じ込められるとドアが凍りついて開けられなくなるので、緊急脱出するための方法も教えておきます。

かごしま丸クイズにおいて、珍回答をした実習生には魚艙軟禁体験をプレゼント。真っ暗で狭い魚艙に閉じ込められることの恐怖を体験してもらいました。

こちらがその不名誉な賞状。うちのゆうたは画がうまいので、賞状を作ってもらいました。かなり綺麗につくってくれてありがとう。

で、こちらが珍回答のフジタくん。珍回答の代表作としては、魚艙に閉じ込められた時にどうするかという問いに対して、「腕立て伏せなどを行い体温をあげ、鍛え上げられた肉体を使用し、扉を破壊して脱出する」というものがあります。

実習中に記念撮影をあまりしていなかったので、船首においてみんなで記念撮影。船内ツアーはおもしろかったかな?

こんばんは。主宰です。

 

海洋観測乗船実習2について、報告のつづきをします。

前半戦は天候・海況ともに非常によかったのですが、後半戦はかなりの時化模様です。

21日の6時には、海洋観測を実施しようとしていた海域に低気圧が発生し、さらに薩南海域を前線が通過する予報となっています。我々の観測は時化模様でもがんばれる内容ですが、船長と相談して早めに鹿児島湾内へもどる計画にしました。ただ、数日残して実習を終えるのはもったいないので、帰路の途中で海洋観測を2地点にて実施しました。ここでもやはり、遺伝子発現解析標本と脂肪酸分析標本を採取するというものです。最後でねばったこともあり、随分とよい標本が採取できました。

その後、鹿児島湾内で計量魚探観測を行い、湾内の中深層性魚類の現存量推定のためのデータを採取しました。北大の安間さんとの共同研究で必要なデータだったので、これもまたよいデータが取れました。さらに時間があったので、夕飯後に釣り実習をしました。

観測ばかりで単調だったので、この段階での釣りは実習生にとってよいアクティビティだったとおもいます。みんなウキウキで釣りを始めました。

初めのうちはなかなかあたりが薄かったのですが、徐々に釣れはじめました。

照明をつけての釣りだったので、だんだんと魚がよってきたのでしょう。どの竿にもあたりがあるようです。

初めての経験という女子学生も釣れはじめ、爆釣の様子。バケツに魚があふれ始めます。これはまずいとおもい、魚をさばくのが上手な学生を集めて、魚を三枚におろしてもらうようにお願いしました。

水産学部だと、必ず魚をさばくのが上手な学生がいます。魚で溢れそうなバケツを次々と処理してくれました。でも、釣りにはまった実習生が次々と釣ってくるので、なかなか減りません。私も加勢して、三枚におろしてお刺身をつくりました。

こちらが獲れたてのマアジ・マサバなどのお刺身。さばくのが上手な実習生がいてくれたおかげで、なかなかのお刺身ができあがりました。

大漁を祝って、みんなでお刺身パーティー。海の恵みを美味しくいただきました。

若いので、あんなにあったお刺身もあっという間になくなってしまいました。みんな満足で、時化模様の夜も楽しく過ごしました。

 

こんばんは。主宰です。

 

いよいよ、海洋観測乗船実習2が始まりました。

鹿児島大学水産学部の実習生17名、研究室メンバー6名、東京海洋大学長井研究室メンバー5名の28名からなる実習となりました。いつもだと、海技士免状取得を目指す実習生のみなさんと一緒なのですが、この時期には試験があるということで、我々だけとなりました。希望者が多い実習なのですが、海技士免状取得のための実習生が優先されるので、いつも何名かは乗船させられずもうしわけなかったです。でも、今回はそういうこともなく、みなさん乗船できることとなりました。

みなさん日頃からの行いがよいせいか、初日から天候・海況はよろしく、ほとんど揺れずに出港となりました。緊急操錬を受けたあとすぐに昼飯となり、飯の準備や片付けなどまずは船内生活について慣れてもらいます。その後、観測会議を船舶職員の方々と行っているとすでに観測点に到着となり、実習生のみなさんに観測の練習をしてもらいました。

夕飯後には、実習中にやってもらう課題をグループごとに相談してもらい、親睦を深めます。船での生活を円滑にするには、一緒に作業したり寝食を共にするメンバーとおしゃべりをしてもらうことがとても大切です。翌日からは、いよいよ海洋観測本番となります。

まずは、ツインノルパックネットによる動物プランクトン採取です。うちの研究室メンバーにサポートをしてもらいながら、動物プランクトン標本を採取します。

採取した標本はウェットラボでいくつかの副標本にわけていきます。分類群組成を解析するための顕微鏡解析標本、生物量を測定するための生物量測定標本、生理活性をみるための生化学分析標本、遺伝子による分類群組成を解析するための遺伝子解析標本などなどです。実習生のみなさんはとても要領がよくて、あっという間に処理してくれました。

ツインノルパックネット曳網の後は、CTD観測です。海中の水温・塩分などの環境要因をリアルタイムで観察しながら測定する大型機器を、船舶職員と一緒に協力しながら実施します。ここは、久米さんと久米研究室のサポートメンバーにお願いしました。

CTD観測の後は稚魚ネットを曳網して、稚魚と大型動物プランクトンを識別・分別します。稚魚の遺伝子発現解析をしたり、動物プランクトンの脂肪酸含有量を測定するための標本なのですが、肉眼で分類群を識別しながら分別してもらいます。揺れる船内で非常に細かい作業をするので船酔いしがちなのですが、実習生は楽しそうに識別・分別してくれました。他の研究グループではこういった作業を個人でやるのでとてもたいへんなのですが、多くの人数でやってもらえるので、対象となる生物をたくさん集めることができます。海外の研究者から我々の研究成果は驚かれることが多々ありますが、こういった実習生たちの努力の賜物です。本当にありがたいものです。

稚魚ネットの後は、船尾で曳航観測を行います。乱流強度を測定する機器、栄養塩濃度・動物プランクトン量を測定する機器を航走しながら降下させて観測します。長井研究室の得意技で、この観測によってこれまでに驚くべき成果がたくさん得られています。

前半戦は海況がよかったので船酔いもせず、一生懸命海洋観測に取り組んでくれているのでお腹がすきます。船内生活では、飯の時間が楽しみの1つでもあります。

みんなで食べれる時には、こうやって号令をかけていただきます。初日の昼飯は冷やしうどんでした。乗船中に好きなメニューは何ですか?と尋ねたところ、かごしま丸のカレーは格別というコメントが多かったです。

これがかごしま丸名物カレー。牛肉をしっかりと煮込んであり、かなり味わい深いカレーです。白飯がすっかりなくなってしまうほどの人気ぶりで、残ったカレーもとっておいて何日も楽しむ学生がいました。

さすが南国の練習船らしく、鶏飯も今回は出ました。鶏肉を煮込んだスープをかけていただきます。さらさらっと食べれるし、鹿児島県外からいらっしゃった方々にとっては珍しいのでよいかもしれません。

前半戦は天候と海況に恵まれましたが、後半戦はどうも時化模様です。計画を大きく変えて実習をすることになりそうです。後半戦の報告はまた別の機会にします。

 

 

 

Bonjour ! 4年のイトウです。ついに憧れのブログデビューをさせていただき嬉しいです。

10月16日から10月23日までかごしま丸の航海があり、出港前日である15日は艤装でした。艤装は完全に筋トレで、乗船よりしんどいとひそかに思っています。そんな艤装の一日を紹介します!
8時に全員大学へ集合です。靴を履き、軍手を付け、気合いを入れます。そして台車に荷物を載せ、建物の入口まで運んでいきます。この作業はまだまだ序の口。台車やエレベーターを使えるので楽々です。この設備に毎度感謝しています。そして最初の関門がやってきました。それはトラックへの荷物の積み込みです。1度で荷物を運びこみたいため、トラックに隙間なく積み込んでいきます。液体窒素やアスピレーター等、動いたり倒れたりしてはいけないものをどう配置するかを。今回は、4年生や修士1年を中心に、自分たちで何とか考えながら入れ込みました。無事に入ったものの、50分もかかってしまいました…。
最後に私たちもトラックに乗り込み、いざ谷山港に停泊しているかごしま丸へ。到着してすぐ始まるのが、荷物のバケツリレー。みんなで息を合わせて運んでいきます。この時点で既に汗だくです。さらにデッキからウェットラボに荷物をどんどん入れていきます。船とデッキの接続部は段差も高く、重い荷物を運ぶ際は不注意になるので、足のすねをぶつけまくります。でも荷物の重さに負けてしまい、痛みなんか感じないという人が多いのではないでしょうか。そして、荷物をばらし、ウェットラボに道具をセッティングします。

自分たちの経験に頼って完璧にしたいところですが、まだまだアマチュアなので、前回の航海の写真や先生のアドバイスにも助けてもらっています。


艤装もひと段落したところで、待ちに待ったお昼ごはんです!今回は近くのトラックターミナル食堂にやってきました。艤装は肉体的に大変ですが、その疲れを一時的に吹き飛ばしてくれる、ボリュームのあるランチをみんなでワイワイ楽しみました。さてみんなは何を選んだのでしょうか?
みわちゃん:カツカレー
よしだくん:からあげカレー
あやねさん:肉うどん
先生:肉うどんとからあげの日替わり定食
私:みそとんかつ定食
そして、なおちゃんが頼んだのは、「ミラクル海老タルちゃんぽん」です!

なにこのパワーワード。その名の通り、野菜が山盛りのちゃんぽんの上にエビフライの滑り台と、タルタルソースの雪崩がインパクト大です!しかもミラクルという言葉の選択センスに、笑いがふつふつとこみ上げてきます。なおちゃん曰く、肝心のお味もとても良かったそう。今回のメニュー選びセンス第一位は間違いなくなおちゃんですね。今回私はみそとんかつという、美味しいけれど普通な定食を頼んでしまいましたが、次は派手なメニューにも挑戦してみたいものです。そしていつか桜島シリーズの登頂を目指します!
昼食後は、船に戻り、作業の続きや打ち合わせをします。抜け目がないか、観測のシミュレーションをしながら確認をしていきます。このぐらいになると、これからの観測の責任感をひしひしと感じ始め、失敗ができない緊張感に少しドキドキしてきます。でも観測はいきなりやって来るので、最善の準備をするしかないのです。
このような流れで、頭も体もフル回転させて艤装は行われます。大学に戻る頃にはくたくたなのですが、乗船が近づいてきた実感もありワクワクしてきます。さて翌日からはどんな楽しくて過酷な環境が待っているのでしょうか?!お楽しみに☆彡

こんばんは。主宰です。

 

例年、11月上旬に実施していた海洋観測乗船実習2が10月中旬に実施することになりました。円滑な実習運営と研究標本採取のため、研究室メンバーでかごしま丸に機材運搬・艤装を行いました。

今回の乗船実習では、黒潮フロントを横断する観測線を設定し、黒潮内側域と黒潮域で海洋環境や生態系がどのように異なるのか(あるいは海域差がないのか)を調べることを目的としています。単なる実習ではもったいないので、研究室で必要な遺伝子発現解析・脂肪酸分析のための標本を採取するほか、共同研究を行っている東京海洋大学の長井研究室メンバーと共に、乱流観測を実施します。

練習船を使って海洋観測や標本採取する機会は非常に限られており、長い時間をかけて用意周到に準備を行ってきました。卒論・修論に必要なデータ・標本を採取するので、忘れものがあったり足りないものがあったりなどが決してないように計画的にかつ何回も確認しながら準備します。練習船をよく使ううちの研究室では普通のことですが、こういった経験・考え方は社会人になったときにはとても役立つものです。

艤装は午前から午後にかけて実施するので、近くで昼飯を食べることにしています。定番となりましたが、トラックターミナルにある、ターミナル食堂でいただくことにしました。安いのにボリューム満点で、たくさんのメニューがあり迷ってしまいます。

今回は、こういう場合に便利な日替わり定食をいただくことにしました。ここに何回か来たことある学生は特別メニューをちゃんと把握していて、特製ちゃんぽんを頼んだ学生がいました。タルタルソースがかかったエビフライがのったちゃんぽんです。え~って思う人がいるかもしれませんが、途中から味変してここでは人気のあるメニューなんです。

今回は、自分たちの標本採取をしながらティーチングアシスタントをしてくれる学生さんたち中心に艤装を手伝ってもらいました。10月なのにまだまだ暑い鹿児島ですが、秋晴れの中の航海を楽しんできます。