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COPE (KU Plankton Lab)

絶滅危惧研究室の営みをつづるブログです

こんばんは。主宰です。

農林水産学研究科1年生と連合大学院(博士課程)学生を対象とした外洋域乗船実習が実施されるので、かごしま丸で機材艤装をしてきました。この乗船実習は私が担当するので本来乗船しなければならないのですが、前回の学部の乗船実習と同様で、娘たちの受験と両親の介護が重複してしまい、申し訳ないけど中村さん・仁科さん・堤さんに乗船担当を依頼しました。ただし、機材艤装は我々がやるべきなので、乗船してくれるダブルほのかと一緒に行きたいと言ってくれるつむちゃんと共に、かごしま丸でやってきました。
前に報告した海洋観測乗船実習2の直後にある航海だったので、艤装した機材はかごしま丸に留め置きさせてもらいました。そのため、設置・固縛などの準備はほとんどなしで、機材の整理・確認程度ですみました。卒論生のみなさん、たいへんありがとうございます。さすが大学院生ともなると、何も言わずにささっとやってくれます。こういった艤装をささっとやれるくらいに成長してくれて嬉しくおもいますし、こういった訓練をしっかりと積んでいるから、うちの卒業生・修了生は職場で評判がいいんだろうな~と実感します。だって、彼ら・彼女らの上役・管理職者は私くらいのおじさんでしょうからね。

学生たちからのご要望があって、昼飯はターミナル食堂へ。健康パラメータがあちこち不具合な私は、控えめに魚フライ定食(小)にしました。これでも多いくらいですけどね。さすがほのか・みわちゃん・つむちゃんは若いだけあって、定番の日替わり定食とか名物タルタルちゃんぽんを頼んでました。私もひさしぶりに背徳感マシマシの定食に、満足満足。

お腹いっぱいたべて、しっかりと艤装して、出港の準備万端。明日からがんばってきてね~。帰港日には懇親会をするそうで、乗船実習はアクティビティ盛りだくさんです。

 

こんばんは。主宰です。

 

最近、何だかいそがしい・・・。早朝も夜遅くも週末も仕事に追われています。大学での教務や組織運営業務もさることながら、国際学会の業務も増えたし、両親の介護や保険関係の処理、娘たちの願書準備やお勉強の付き添いもあり、いつも何かに追われています。寝てる時に見る夢も、ハッピーなものはなくなりました。

何だか気分が晴れないし満足感も足りないので、先週末、1~2時間だけ仕事を考えない時間を作ることにしました。だいぶ涼しくなってきたので、あるかな~とおもって訪れてみたら、今年は豊作でした。

そう、むかごです。今年は猛暑だったし雨も降ったので、たぶん生育が良かったのかなと想像しました。昨年と比べると数も多いし、粒も大きかったです。これを見ると、秋だなぁと感じます。あまり欲張らずに、小袋1つほど確保しました。今度、外で焚き火しながらおでんでも喰おうかと相談しているので、その時にシンプルに味付けしていただこうかとおもっています。こいつをつまみにして、焼酎お湯割りやったらよろしかろ~。少し幸せな気分になりました。

こんばんは。主宰です。

 

学生さんたちが頑張ってくれたおかげで、我が研究室から2つの論文が受理されました。

 

伊藤穂香・数野真・吉江直樹・久米元・長井健容・畑辺佳奈子・小針統(印刷中):黒潮域およびその近隣水域における動物プランクトンの現存量,生産力および分類群組成の地理変化. 日本プランクトン学会報

 

こちらは、以前カズノが卒論でまとめてくれた内容ですが、ホノカの修論・博論で使用するデータベースとなるために、彼女にデータ再解析をしてもらってまとめなおした論文です。これらのデータは私が主席でかごしま丸の観測計画立案・実施したものから得られたものであったし、データの質・量ともにすばらしいものだったので、ぜひ論文として発表したいとおもっていたものでした。こうやって形になったので、とても嬉しいです。

 

Toru Kobari, Nao Kominato, Reo Ishimaru, Masafumi Kodama, Gen Kume, Masaharu Hanai, Asuka Nitta and Naoki Kabeya (in press): Fatty acid contents and its compositions of mesozooplankton community in the Kuroshio Current and neighboring waters. Progress in Oceanography

 

こちらは、レオ・なおちゃんが卒論・修論でまとめてくれた内容を論文化したものです。我が研究室では新しいアプローチとして、脂肪酸分析に挑戦しました。これまで、仔魚の餌については量的な視点から解析・議論していたのですが、質的な視点では解析・議論していませんでした。また、これまでに黒潮域では脂肪酸分析は全くなされておらず、質的な餌環境は謎でした。学会で面談できた東京海洋大の壁谷先生にお願いして、微量な脂肪酸分析が可能となったことも相まって、非常におもしろいことが次々とわかりました。これはぜひ世界中の方々に読んでほしいとおもい、インパクトファクターの高い雑誌へ投稿し、運よく受理されました。珠玉のデータだったので、こちらもとても嬉しいです。

 

これらのお祝いをするため、いそがしい日々の合間に飲みにいきました。我が研究室では定番となった「白雲」です。帰り道に輝く赤ちょうちんのセンベロに惹かれて来店するのですが、ここは小料理が美味い。特に、定食は安くて美味くて、ガテン系の方々に人気があるようです。定食頼んでセンベロやったら、本日終了って感じだしね。

我々は、茄子と豚のみそ炒めをいただきました。肌寒くなってきたのでもつ鍋もお願いしたのですが、本日は切れているとのこと。また次回の楽しみが増えました。

 

ここ10年間ほど、珠玉の研究内容をよい雑誌で発表できるようになりました。学生さんたちには感謝です。どうもありがとうございました。

こんばんは。主宰です。

 

10月15日~10月22日まで、かごしま丸で海洋観測乗船実習2が実施されましたので、報告します。

この乗船実習は、水圏科学分野で推奨科目となっており、生物系の学生さんたちを中心に受講する乗船実習科目です。沿岸域から黒潮域にかけてどのような海洋環境の変化があるのか、そのような環境勾配の中で海洋生態系や生物群がどのように応答しているのかについて、海洋観測・標本採取しながら体験的に学ぶ科目です。我々の研究グループでは、この実習において黒潮パラドックス解明のための海洋観測データや生物標本を採取するとても大切な実習です。私は乗船実習中に私用や国際会議があったため、この実習には参加できませんでした。このため、乗船したティーチングアシスタントの学生や教員から画像をもらって報告します。

今年の乗船実習は、海況が良い中でスタートしたようです。いわゆる、ベタ凪というやつですね。

夕陽も綺麗に見れたみたいでよかったです。水平線に雲がない状態で日没を迎えると、グリーンフラッシュという現象が見れます。乗船実習だからこそ体験できる瞬間です。

この乗船実習では、仔稚魚を採取することによって、沿岸域に比べて黒潮域に分布する生物群が多いのか少ないのかを確かめます。これは稚魚ネットと呼ばれるもので、かごしま丸では1600mm口径のリングに粗目の網をつけて、海表面を曳網して採取します。

この実習では、黒潮域とその近隣海域で優占するネズミギス・オキエソを採取します。ただ、この網にはたくさん面白い生物が採取されます。

実習後半には、鹿児島湾口部で釣り実習をします。例年ですと数十匹も釣果があるのですが、今年はマサバ1匹とのことでした。実習生の殺気が針から漏れてたかもしれません。

乗船実習中は、なによりも船飯が楽しみです。もうしばらくかごしま丸の船飯を喰ってないので、恋しくなりました。これはカキフライですかね。いいなぁ。

こっちはラーメンですね。私はラーメンは船飯の中でトップ5に入るくらいに好きなメニューです。船で麺類が喰えるなんて、なんてありがたいと思います。

 

乗船実習は水産学部生だからこその体験です。この乗船実習では、一生の思い出になるような体験がたくさんできるし、就職したらこのような体験は絶対にできないでしょう。水産学部生ならば、ぜひ乗船実習に積極的に参加してください。

 

 

こんばんは。主宰です。

 

ここ数カ月ほど、毎月のようにハダカイワシ調査をしていますが、今月も行ってきたので報告します。

半閉鎖的内湾としては珍しく、鹿児島湾は水深が深いので中深層性魚類が分布しています。現在、イワハダカ・キュウリエソ・ヨウジエソの3種が出現していることが分かっています。我々は、これらの魚類がどれくらいの現存量を有するのか、そしてこれら魚類の日周鉛直移動がどれほどの物質を海洋中深層へ(あるいは表層へ)輸送しているのかを調べています。

これまで、中深層性魚類が想像以上に捕れなくて、試行錯誤してきました。しかし、知り合いの研究者から情報を得て、新しい機器を取り付けたところ、しっかりと採取できるようになりました。この試行によって、今後は確実に標本を確保できそうです。今回も、酵素活性を測定するためのサンプルを多く確保できました。

中深層性魚類の餌環境を把握するために、プランクトンネットも曳網します。今回は、卒論生がどれくらいネット曳網・サンプル処理できるかを確かめるための習熟を行いました。12月には、小針・久米・小玉研究室合同で、南星丸における海洋観測習熟航海を行いますが、この時には卒論生が先生役になるため、ここで恥をかかないようにここで様々なことを習熟するための目的です。てきぱきとやってくれて、この直後にあるかごしま丸での海洋観測乗船実習2での作業も安心してお任せできそうです。

今回の航海では、工学部に新しく赴任された日高さんが乗船され、シャドウグラフカメラのテストが実施されました。詳しい説明はまた別途にしますが、プランクトンを水中で撮影し、画像を人工知能を使って識別計数するシステムを構築するための試験です。本当にこのシステムが稼働するようになったら、顕微鏡で識別計数する作業を機械任せにすることができ、研究の幅がぐっと広がる革新的な技術です。

実際、船上ではパソコンを使って作業をするため、海洋物理のような観測が可能となります。プランクトン研究は多分野の研究からかなり遅れていると言わざるを得ませんが、この技術が普及すれば、他分野に追従できる気がします。システム・アプローチは異なりますが、うちの研究室でも類似するシステム構築を卒論生のテーマとしてお願いしています。

今回の航海では、嬉しいお知らせがあります。これまで、司厨部職員が不在だったので、食事を持参していました。新しく職員のかたが赴任され、暖かくて美味しいご飯をいただけるようになりました。これまで普通と思っていたことの有難みを再確認しました。

 

今月から再来月までは、イベント盛りだくさんです。ネタをため込まないように、少しずつここで報告します。