南極の氷を楽しむ会 | COPE (KOBARI Lab)

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絶滅危惧研究室の営みをつづるブログです

こんばんは。主宰です。

 

うちの研究室では、卒論・修論の進捗状況報告に加えて、研究を進める上での問題点克服、就活の相談、研究室タスクの計画などについて、情報交換するためのプログレスレポート(月例会議

を開催しています。先月は4年に1度にしかやってこない2月29日にやったのですが、鹿大水産学部を去る卒業生・修了生との最後の会議でもあったので、会議終了後には特別企画として南極の氷を楽しむ会を開催しました。

南極海のプロジェクト研究をしている研究者から、南極海の海洋観測時に採取した南極の氷を以前いただきました。たいへん珍しいので、これをいつか研究室で楽しみたいとおもっていたのですが、それをついに披露する時がやってきました。

まずは、恐る恐る氷が封入してある箱を空けます。なんで恐る恐るかというと、うちの研究室ではここ2年の間に冷凍庫が次々と3台も故障してしまい、冷凍標本がことごとく廃棄となってしまったのです。そんな中、この箱もそれらと一緒に保管されていたので、企画はしたものの肝心の氷があるかないのか心配だったのです。

空けてみると・・・・残ってました!だいぶカチカチに凍ってて、簡単には割れそうにありません。海洋観測に持っていく特大モンキースパナで、かち割ることにしました。なかなか固くいし、粉々になると氷を楽しめないので、丁寧に慎重に割ってもらいました。

割ってもらった氷のかけらがこちら。気泡が氷の中にたくさん詰まっています。積雪が圧縮され、長年かけて氷になるので、このような気泡がたくさん含まれるのではないかとおもいました。

南極の氷でドリンクを飲むと、パチパチ弾ける音がするとよくいわれています。なので、深めのコップにいれて音を聞くと、炭酸水よりも弾ける音がしました。圧縮された空気が、とけゆく薄氷の表面を破るからかなぁとおもいました。よく、氷床コアのスライスから回収した気体の成分を測定して、過去の年代の大気や気候の状態を調べる研究がなされています。ということで、弾けて出てくる空気を吸って、古代に思いをはせる学生もいました。

みんなで思い思いのドリンクを入れて、乾杯。美味しく頂きました。まだ氷が残っているので、また次の機会に「南極の氷を楽しむ会~第2弾」を開催したいとおもいます。