ブルーム観測2023春~その1 | COPE (KU Plankton Lab)

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こんばんは。主宰です。

 

3月中旬には、鹿児島湾口部で発生するブルーム観測を毎年行っています。黒潮の流れはトカラ海域で大きく変化するのですが、これに伴って黒潮分岐流が鹿児島湾に頻繁に移流します。この時、湾口部では深層からの栄養塩が供給され、大型の珪藻や渦鞭毛藻が大増殖し、これに伴って動物プランクトンや回遊性浮魚類の仔稚魚も多く発生します。これらのことから、鹿児島湾口部では黒潮分岐流の移流が低次生産力を増大させ、回遊性浮魚類の大産卵場を形成する原因となっていると我々は予想しています。この予想に関する証拠を集めるため、鹿児島大学練習船「南星丸」を使った熊本県立大学との共同研究が、ブルーム観測になります。

先日、鹿児島湾のどこでブルームが発生しているかを調べるため、湾央部(鹿屋沖)から湾口部(佐多岬沖)にかけて海洋観測を行いました。出港前夜に前線が通過したので風が強く、湾外は時化模様のため少々揺れました。この中においても、学生さんたちは自分の担当する業務をしっかりとこなしてくれ、完璧な資料・標本を確保することができました。乗船が初めてという2年生もいたのですが、とても素晴らしい才能です。

明日からは、いよいよ本格的なブルーム観測が始まります。コロナ禍になってからしばらく中止していた船内泊が復活となり、観測後の雑談タイムができるのがとても楽しみです。この機会を逃さず、みなさんとの交流を深めたいとおもいます。

 

今回の主力観測機器であるCTD-RINKO。オペレーション・採水など、完璧な作業でした。風が強く波浪もありましたが、快晴だったので開聞岳が綺麗でした。

観測終了して、小川埠頭に着岸後に記念撮影。こんな多くの人数で乗船実習というのも久しぶりです。これからは、どんどんこういう船内泊できる乗船実習が増えて、学生さんたちの間で仲良くなる機会が増えるといいなとおもっています。

定番の船首での記念撮影。コロナ禍だとはしゃぐのは控えないとという雰囲気でしたけど、今後はこんな感じに伸び伸びとやって欲しいものです。観測に参加してくれたみなさん、お手伝いありがとうございました。