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こばごうのコレ切ってアレ食って

小林剛による天鳳名人戦自戦記など

日刊第7節。

ASAPINとcoaは次が抜け番のため、なんとしても敗退ラインから

抜けておきたいので、お互い厳しく打つはず。

場合によっては福地もまきこまれるので、私ひとりが自由に打てる状況だ。


――そんな中、私がとった作戦は



やはり今まで通り堅くいくことだった。

いや、それしかできなかったというべきか。


ラス率が重要なこのルール。

どんな状況であろうと、ラスを避けることが勝ちに直結するのだ。


守備に重点を置いて打つ場合に大事なことは

相手の手牌を考えることである。

その大きなヒントのひとつに、「最後の手出し牌」というのがある。


南1局。ASAPINがカンこばごうのコレ切ってアレ食って をチーして2枚目のこばごうのコレ切ってアレ食って を切ったところ。
これをどう読むか。
こばごうのコレ切ってアレ食って
ドラのこばごうのコレ切ってアレ食って を切ってからのトイツ落とし。

ドラを切った時点である程度まとまってた手だったとすると、そこから2手進んだ

ならばほぼテンパイと見てよい。

さらに、特に良さそうにも見えないカンチャンを残してトイツを切っている

点にも目を引く。

もしASAPINの手牌が  34m2499p88s +1メンツ 

のような形だっとしたら、普通はカンチャンを切るはず。

ところがトイツ落としをしたとなれば、上のような形ではなくトイツが3つある

手牌からひとつほぐし、有効牌を広げた可能性が高い。

待ちはシャンポン待ちだ。

ではそのトイツは何かと考えると、ヒントになるのは最終手出しのこばごうのコレ切ってアレ食って
これが並べて切られなかった理由は、安全度が高いから残しておいたか、

ギリギリまで手牌に必要だったかのどちらか。
後者であれば、トイツのひとつはこばごうのコレ切ってアレ食ってこばごうのコレ切ってアレ食って だろう。


このふたつだけは打てないので、もしツモったらとりあえずマンズを切る

つもりであった。安そうではあるが、ノーテンのうちはおそらく打たないだろう。
こばごうのコレ切ってアレ食って
結果はやはりこばごうのコレ切ってアレ食ってこばごうのコレ切ってアレ食って のシャンポン。

安手であったが、こばごうのコレ切ってアレ食って が安全そうなのでオリやすいと判断しての

仕掛けだったようだ。


その次局の私の仕掛け。
こばごうのコレ切ってアレ食って
ここで考えたのは、次に何を鳴くか。

マンズかこばごうのコレ切ってアレ食って を鳴いた場合は、チャンタか三色の可能性は読まれるが、

残りの1メンツがどこで作られるかは限定されない。
ところがこばごうのコレ切ってアレ食って を鳴いた場合はどうか。

前巡にこばごうのコレ切ってアレ食って を切っているので、テンパイ打牌のマンズは確実に手牌に

関係しているのがわかる。


必ず役ありになるようにうに手を進めてきた読むと、

こばごうのコレ切ってアレ食って を切った場合、残った形はほぼ12XX13XXの2点。
こばごうのコレ切ってアレ食って を切った場合は、11XX13XXの2点である。

※ Xは役牌の可能性が高い。
こんな牌を出してもらえるメンツとは思えないので、こばごうのコレ切ってアレ食って のチーは

アガリに近づくとはいえない。

つまり、こばごうのコレ切ってアレ食って だけは鳴かないつもりだったのである。


愚形のツモ専になってしまうくらいなら、もうちょっとテンパイを遅らせても

安全でアガれそうなテンパイを組みたいのだ。




この2局は、私の読みは結果に影響しなかったのだが、

こんな思考を続けることで、成績が向上するはずである。




さて、福地が私に放銃した場面を考えてみる。
こばごうのコレ切ってアレ食って
マンズと字牌の2フーロでマンズを切ってない河。
こばごうのコレ切ってアレ食って 切りは一見無謀な押しに見える。


だが、そうでもない。

といえるのは、私の最後のふたつの手出し牌の
こばごうのコレ切ってアレ食ってこばごうのコレ切ってアレ食って があるからだ。
ホンイツを狙っている人であれば、ドラそばでど真ん中の孤立牌を

2枚も持っていることは珍しい。しかも、それを切り終わった瞬間に

テンパイしていることなどほぼないだろう。

ということで、当たってもホンイツではないとわかっていて切ったのだ。



こんな感じでみんな、手出し牌、特に最終手出しを意識して

打っているのだろう。




最後におまけ画像。


こばごうのコレ切ってアレ食って
カンこばごうのコレ切ってアレ食って 待ちテンパイ。
こばごうのコレ切ってアレ食って アンコのテンパイから、打ちづらいこばごうのコレ切ってアレ食って を引いて雀頭を振り替え、

役なしになってから4枚目を持ってきたところである。


時間いっぱいまで長考。。。



ラス目のリーチに放銃はしたくない。

ドラを乗せるデメリットより、テンパイを維持するメリットが大きく、

危険牌を引いたらこばごうのコレ切ってアレ食って を切って降りればいい・・・


ということで。



こばごうのコレ切ってアレ食って
『リーチ!!』


あれ(゜Д゜)!?

なんと痛恨のクリックミス。カンの隣に表示されたリーチを押してしまった(笑)


結果は流局したが、ヒヤヒヤしたなあ。



こんな感じの第7節。

終わってみたらラスなしで点数は増えていた。

あと12戦。ラス3回くらいでいければなんとかなるだろうか。


次節は石橋・福地・たろうとの対戦。大荒れの予感がして怖いのだが。。。



第二期天鳳名人戦 7節終了時


1   419.0  17.46  24  7/ 6/10/ 1 2.21 Ⓟ小林剛
2   188.0   7.83  24  5/ 9/ 6/ 4 2.38 Ⓟ石橋伸洋
3    35.0   1.25  28  6/ 7/ 9/ 6 2.54 coa
4    12.0   0.43  28  7/ 8/ 5/ 8 2.50 ASAPIN
5  -169.0  -7.04  24  5/ 9/ 2/ 8 2.54 Ⓢ福地誠
6  -232.0  -9.67  24  6/ 5/ 5/ 8 2.63 Ⓟ鈴木たろう

明日12/2(日)。

私の所属する麻将連合のトップを決める戦い

「将王決定戦」の最終日の模様がニコニコ動画で生放送されます!


こばごうのコレ切ってアレ食って

なんかエラそうですな(笑)




12回戦終了時のポイント

忍田幸夫 +90.2
小林 剛  +8.5

井出洋介 ▲15.3

武則輝海 ▲84.4


首位の忍田プロは、元祖牌効率打法として有名な、麻将連合の現代表。

今では当たり前になった牌効率という言葉は、この人が広めたものです。


3位の井出プロは、東大出身で数多くの著書も出している有名プロ。

獲得タイトルも多数で、マージャンプロの第一人者ですね。


4位の武則プロは、前将王。最近天鳳を始めて短期間で八段まで

駆け上り注目をあびました。


現将王は私なんですが、3人とも大先輩であり、実力者です。



放送は12/2(日)14時から。

http://live.nicovideo.jp/watch/lv116983967?ref=tim&zroute=index

実況は小林未沙さん。解説は三原孝博プロ、山本裕司プロ。


ルールは、一発裏ドラと、ノーテン罰符がないという競技ルール。


特にノーテン罰符がないというのが特徴。アガリ以外で点数が

増えないため、押し引きの判断が非常に難しいのです。

押しすぎは痛い目にあいますが、あまりにオリが早すぎても

相手が楽になってしまうんですね。


1回のトップで20ポイントくらい動くルールで、残り3半荘。

忍田さんとはかなり大きな差がついていて、優勝するには最低でも

311くらいの着順が必要になりますが、狙うしかありません。



普段のマージャンと違ってちょっとわかりにくいかもしれませんが

ゼヒご覧ください!!

今節から6人となり、ふたりずつ抜け番となる。

その順番は、6節から順に

1・2位―3・4位―5・6位 となった。

これは、第8節の条件戦を考慮してのもの。


2人の敗退者と決勝の4人を決めることになる、第8節の戦いは

かなり重要なものになる。そこで抜け番の人間は、どうしても決勝進出

争いの標的になりやすく不利だ。


その不利な抜け番を引き受けるのは、やはり下位者が妥当なので

このよう順番になったのだ。


というわけで、暫定1位の私は2位の福地さんとともに抜け番で

解説をやらせてもらうことになった。

それにしても、特に話が得意ではない私が、天鳳のスピードに合わせて

しゃべる自信はまったくなく、不安でしかなかったのだが。。。



今回は解説しながら観戦させてもらい、感心した局面をふたつだけ紹介しよう。


こばごうのコレ切ってアレ食って
1回戦ト東4局。ASAPINのこのドラ切りリーチ。

現状2万点持ちの一人沈みのラスめで、ドラタンキにする人もいるだろう。

だが、ASAPINは欲張らずにこばごうのコレ切ってアレ食って 待ちにした。

ドラタンキリーチなら12000以上が確定するが、この捨て牌でマンズの

ドラを出してもらえるとも思えず、ほぼツモ専となる。

ドラタンキダマでの8000点も悪くはないのだが、やはりそれほどいい

待ちではない。

それよりもこばごうのコレ切ってアレ食って タンキリーチで6400はどうか。

みんなそれほどピンズを使ってなさそうだし、自分も

こばごうのコレ切ってアレ食って こばごうのコレ切ってアレ食って こばごうのコレ切ってアレ食って と切っているので、それほど危険にも見えない。
まさに絶好の待ちである。
打点が1600下がっても、一発や裏ドラを考慮すれば大差ないので

相手の手を止めつつアガるならこばごうのコレ切ってアレ食って タンキダマより優秀なのである。


そして結果はcoaからの出アガリ。

トータルでも負けていて、ラスめにいたASAPINだったが

ても冷静な判断ができていたといえよう。



もうひとつは石橋の読み。
こばごうのコレ切ってアレ食って
coaが1巡目からドラのこばごうのコレ切ってアレ食って をポンして、すぐに加カン。

そして新ドラがこばごうのコレ切ってアレ食って になり親倍満のテンパイししたものの

石橋が1000点でかわしたのだ。



そして終わってからの一言が驚愕だった。

こばごうのコレ切ってアレ食って アンコだと思っていたので、こばごうのコレ切ってアレ食って こばごうのコレ切ってアレ食って はもちろん、

無筋の牌を切る気は一切なかった。」

というのだ。


確かに。1巡目のドラポンからの役牌切り出し、そこからの普通の

捨て牌を見れば、役牌アンコなどで整っている手牌が想像できる。

残っている役牌はこばごうのコレ切ってアレ食ってこばごうのコレ切ってアレ食って か。

そして8巡目に小考してツモ切られたこばごうのコレ切ってアレ食って がポイントだ。

もし完全な不要牌ならば、迷わずツモ切られるはずだが、

けっこうな間があり、しかもその後誰も合わせ打ちをしていない。


これはアヤシイ。


そう読めば、すべての無筋を止めるというのはわかるが

それにしても大した洞察力である。


ただ、coaの打ち方に間違いがあったわけでもない。

1巡目のこばごうのコレ切ってアレ食って ポンや加カンはもちろんするし、こばごうのコレ切ってアレ食って のツモ切りも当然だ。

しかも、予想外のツモこばごうのコレ切ってアレ食って に一瞬迷ってしまうのも仕方ないだろう。

その間を見逃さなかったほうが鋭いのだと思う。




6節を終えて、石橋が上がってきた。

順位点の大きいこのルール。まだまだ安泰とはいえないなあ。


第二期天鳳名人戦 6節終了時


1   368.0  18.40  20  6/ 6/ 7/ 1 2.15 Ⓟ小林剛
2   188.0   7.83  24  5/ 9/ 6/ 4 2.38 Ⓟ石橋伸洋
3    72.0   3.60  20  5/ 8/ 2/ 5 2.35 Ⓢ福地誠
4   -37.0  -1.54  24  6/ 6/ 5/ 7 2.54 ASAPIN
5  -106.0  -4.42  24  4/ 6/ 8/ 6 2.67 coa
6  -232.0  -9.67  24  6/ 5/ 5/ 8 2.63 Ⓟ鈴木たろう

下位2人の敗退が決まる第5節。

私は4ラスの場合だけ危険という状況だったが、初戦のトップでその

心配がなくなり、手牌とツモにも恵まれ無事ポイントを伸ばすことができた。


今節で印象に残っているのは、敗退がかかった多井の戦い。


初戦は3着で、残り3戦で3連勝条件となっていた。


体験した者しかわからないが、重要な対局で、厳しいメンツ相手の

3連勝条件というのは本当に苦しい。

ほとんどの場合、大暴れして傷を広げて終わるものである。

上位陣にとっては単なる「オイシイ人」となってしまうのだ。


ところが多井はまずトップ!


残り2回となって迎えた東1局である。

その多井らしいダマテンがこれ。
こばごうのコレ切ってアレ食って

親リーチがかかり、親にも通ってない牌のシャンポン待ち。

大きめの連勝が必要なここはリーチをかける人のほうが多いだろう。

きっと私もかける。


だが多井はダマ。

少しでもアガリ率を上げ、放銃率を下げる。

4000点程度の点数上昇の可能性よりも、トップ取りのためには

このほうがいいという判断だ。


どちらが得かはわからないが、この追い込まれた状況で

自分の判断を信じて、このダマができるのはすごいことである。

トップ縛りを言い訳にして全部リーチをするような打ち手が大半

ではないだろうか。



そして3連勝。


結果的にはまだ点数が足りずに8位敗退となったが、

全員をギリギリまで追い込んだのは確かである。



今節が終わっての成績は以下の通り。


1   368.0  18.40  20  6/ 6/ 7/ 1 2.15 Ⓟ小林剛
2    72.0   3.60  20  5/ 8/ 2/ 5 2.35 Ⓢ福地誠
3    44.0   2.20  20  3/ 8/ 5/ 4 2.50 Ⓟ石橋伸洋
4   -67.0  -3.35  20  6/ 4/ 4/ 6 2.50 Ⓟ鈴木たろう
5   -68.0  -3.40  20  5/ 4/ 5/ 6 2.60 ASAPIN
6   -96.0  -4.80  20  3/ 6/ 6/ 5 2.65 coa
7  -112.0  -5.60  20  5/ 3/ 6/ 6 2.65 (≧▽≦)
8  -141.0  -7.05  20  7/ 1/ 5/ 7 2.60 Ⓟ多井隆晴


一見私の独走に見える。

ネット上で見かけた意見としては

「小林おかしい」「成績をリセットすべき」「コバゴー太い」

「300ポイント差は大きい」などなど。


だが、そうともいえないのが今回のルールだ。


大きく影響しているのは、50-20-0-▲70という順位点。

これは前回の、30-10-▲10-▲30の2倍近い数字であり、

素点を考慮しても、前回の1.5倍程度の大きなポイントが動くことになる。


そして、300~400ポイント下に5人もいるという現実。

この中に、残り16戦をラス1回程度で切り抜ける人がいるのも自然であり

その人間はおそらく300ポイントほど勝つことになる。


その時点で、私が100ポイント減らしていれば負けなのだ。

まったく安泰ではないのがわかるだろう。


ちなみに前回は、やや小さな順位点だったにもかかわらず

瞬間320ポイント差をつけた鈴木たろうに一時逆転され、

逆に90ポイント差をつけられたこともあるのだ。


とにかく、現段階では8分の6に残っただけである。


それにしても、このルールは厳しい。

1牌たりとも「押しすぎ」があってはいけないという感覚だ。

私だけでなく、全員の意識が素点よりもラス逃れに向いているのである。


ここで面白いデータがある。

小林+18 福地+12 石橋+14 鈴木▲27

ASAPIN+22 coa▲16 (≧▽≦)▲2 多井▲21


これは5節までの素点の合計。

なんとトップはASAPINで、全体的にはほとんど差がついていない。

毎回動く±7万点の順位点と比べて、トータル成績への影響が

かなり小さいのがわかるだろう。


ちなみに私の素点は2位で18000点しか稼いでいない。

35万点の順位点と比べて驚くほど小さいのだ。



さて、石橋の面白い一打を紹介しよう。


2~4着が競っているオーラスのことである。
こばごうのコレ切ってアレ食って
この巡目にして、メンツを壊すこばごうのコレ切ってアレ食って 切り!

これは私が、前々巡のこばごうのコレ切ってアレ食って には一瞬反応したが鳴かず

次のこばごうのコレ切ってアレ食って はカンチャンで鳴いたことから、2346からの

食い伸ばしと読み切ってアシストにきたのである。


わずかなラグから相手の手牌を読み切り、少しでも自分が得をするように

局を進める。なんとズルいw


10年前に知り合った好青年はどこへやら、腹の中真っ黒である(>_<)!!


だが、こうして勝ってきて、今では自団体のトップである「最高位」まで

登りつめたのだろう。

さて、こんな愉快なメンツの天鳳名人戦は後半の残り16戦。

なんとかラス3回くらいで済めばいいな。。。


今期は、そのうち解説でも登場しますよ。

10/26に行われる楽しみな対局に参加させていただくことになりました!


おそらく麻雀界史上初!4つのプロ団体の現在のトップ同士が激突(゜Д゜)!!


『四神降臨』

石橋伸洋(最高位)
小林 剛(将王)
鈴木達也(雀王)
多井隆晴(RMUリーグ)

実況:小林未沙 解説:土田浩翔 片山まさゆき

10/26(金) 19:00~ ニコニコ生放送
http://live.nicovideo.jp/watch/lv111765593?ref=tim&zr...


こんな告知PVまで作ってもらっちゃいました(>_<)


http://www.nicovideo.jp/watch/1350265206



おなじみの石橋・多井と違い、鈴木達也を知らない方もいるかもしれませんが、

プロ協会10年の歴史の中で、トップである「雀王」を4回も獲得している実力者!


プロ協会で鈴木といえば、たろうか達也ですが、リーグ戦の実績においては

達也のほうが圧倒的なのです。



そんな4人の対局。

みなさんゼヒ見てくださいね~