例大祭で訪れた事任八幡宮。境内案内図を眺めていると、「禊場(みそぎば):右上部」という文字が目に留まりました。
「こんな場所もあるんだ。どんなところだろう?」
興味が湧いて、見に行くことにしました。
そこで出会ったのが、木々に囲まれた逆川の水辺です。岩の間を水が流れ、木漏れ日が川面に映っています。爽やかで、少し足を止めていたくなる場所でした。
そのそばには、小さなお社と立て看板がありました。龍神社です。
川と龍神社の様子を、動画に撮ってきました。
立て看板を読むと、ここには境内を流れる水を守る龍神様が祀られているとありました。
ことのままの神様は、天と地と人とを結ぶお役目をなさる神様。そのお働きの際に、龍神様がお力をあらわすといわれているそうです。
なるほど、水を守る龍神様のお社なのですね。
案内図の「禊場」という文字に引かれて来てみたら、気持ちのいい川と、その水を守る神様に出会えました。
さて、「禊(みそぎ)」は、神社で耳にする馴染みのある言葉ですが、どういったものなのでしょうか。
日本神話の中に、その由来をたどってみましょう。
『古事記』では、イザナギが亡くなった妻のイザナミを迎えに、死者の世界である黄泉の国へ向かいます。しかし、変わり果てた妻の姿を見てしまい、追っ手から逃げ帰ることになります。
ようやく戻ったイザナギは、黄泉の国のけがれを洗い流すため、水で身を清めました。このお話が、禊の起源とされています。
そして、左目を洗うと天照大神(あまてらすおおみかみ)。
右目を洗うと月読命(つくよみのみこと)。
鼻を洗うと須佐之男命(すさのおのみこと)。
大井神社に祀られる三柱の神様のうちの一柱、天照大神は、この禊の中で生まれたのです。
死者の世界から逃げ帰り、水で身を清めた先に、太陽の神様が生まれる。闇から光へとつながるようで、印象に残るお話です。
逆川がこの神話の舞台というわけではありませんが、「禊場」という文字を入口に、境内の水辺から遠い神話へと話がつながりました。
龍神社の立て看板の最後には、天地人の和合を誘う神様に、感謝の誠を捧げましょう、とありました。
案内図で見つけた「禊場」の文字。
気になって足を運んだおかげで、本殿のお参りだけでは気づかなかった場所を知ることができました。
この先、暮らしていくうちに、私たちにもいろいろとけがれがたまるかもしれません。
そのときは、またここへ。
まずは川を眺めて、禊の気分だけでも。
![]()




