6.第22章 水辺にて3 | 開運とファンタジーの扉

開運とファンタジーの扉

「開運とファンタジーの扉」と云うブログですので、開運気学に関する話題と、ファンタジー小説の「惑星神話シバルバ」の2本立てになっています。

ファンタジー編 



惑星神話シバルバ
第6部 バード族の平野
第22章 水辺にて3

 

 

 

 

エカリーの質問に答えてコアトルが言った。

 

 

「うん、彼等の言葉に心を感応させると

だんだんと言っている意味が分かって来るんだ」

 

「そうしてさらに感応し合うと

僕も彼等の言葉が話せるようになっているんだ」

 

 

エカリーはコアトルの顔をじっと見つめて言った。

 

「なんだかコアトルは随分と成長したみたい」

「随分と立派になったわ」

 

コアトルはエカリーに褒められたように感じて

頬を赤らめて言った。

 

「そんな事はないよ」

「僕は昔のままだよ」

「シバルバ国の競技場で踊っていた

君を見詰め続けたコアトルのままだよ」

 

今度はエカリーが頬を赤めた。

 

 

見詰め合って座っていた二人の間に

小川から出て来たキャティが割って座った。

 

「あぁ、さっぱりした」

 

コアトルの視線の中にいたエカリーは

キャティによって遮(さえぎ)られた。

 

思わず笑い出すエカリー。

「……うふ、ふふふっ」

 

つられてコアトルも笑い出した。

「……あはっ、ははは」

 

コアトルの横にぴったりと座ったキャティは

なにが可笑しいのか分からず

ただキョトンとして座っていた。

 

三人横になって座っていたが

何だかほのぼのとした雰囲気に包まれた。

 

 

 

その時

上空にバード族の兵士達数人が飛んで来た。

 

こちらの存在に気が付き

バード族の王子ヘラの所に降り立った。

 

「ギャーッ ギャーッ

ヘラ王子ご無事でしたか!」

 

ヘラもすぐに気付き答えた。

「あぁっ、ミーム!」

「お前も無事だったか!」

「良かった! 良かった!」

 

 

ミームは今のバード族の状況を

矢継ぎ早に伝えた。

 

「何とか生き残った者たちは今

この小川の上流に集合しつつあります」

 

「そしてまだ体力の残っている者達が

生き残っている者達を探し始めた所です」

 

「まだ生存者の数は分かりませんが

我々バード族はほぼ壊滅状態です」

 

「特に暗黒神に追い立てられ

竹山に逃げ込んだバード族は皆殺しにあいました」

 

「バード族の村も竹山もバード族の死体の山です」

 

ヘラは項垂(うなだ)れながら

ミームの話を聞き続けた。

 

「ごめん、私の母の判断が間違っていたばかりに…」

ヘラはやっとの思いでそう言った。

 

「いいえ、女王様は良くやってくれました」

「ゴ族と暗黒神を相手に

あの時はああ判断するしかなかったと思います」

 

「ところで女王様は?」

ミームが言った。

 

 

ヘラが答える。

「女王は… 母は、シュバランケに殺された…」

 

 

「そうですか

辛い思いをされましたなヘラ王子」

「ご冥福をお祈り申し上げます」

 

一瞬沈んだ顔になったヘラであったが

気を取り直して言った。

 

「ミーム、何か食べる物は無いかい?」

「夜通し動き回っていて

お腹がペコペコなんだ!」

 

「それと

あそこに居るコアトル王子達にも何か食べ物をあげておくれ」

 

「彼らもお腹を空かしているだろうから」

 

 

「コアトル王子と生贄の娘、それにキチェ族?」

「彼らも生き残ったんですね!」

 

 

ミームが言った。

 

 

 

 

 

惑星神話シバルバ」は

小説家になろう」のサイトでも連載しています。

よろしかったら訪問してみてくださいね♡

まとめて読めます。

 

 

 

本日も 最後までお付合い下さり ありがとうございました。