6.第22章 水辺にて2 | 開運とファンタジーの扉

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ファンタジー編 



惑星神話シバルバ
第6部 バード族の平野
第22章 水辺にて2

 

 

 

 

「そうだ、キャティ

君に紹介しなければいけない人がいる」

 

 

「僕の許嫁(いいなずけ)のエカリーだよ」

 

「暗黒神に捕まっていたけれど

今やっと解放されたんだ」

 

そう言ってコアトルはエカリーを

キャティに紹介した。

 

キャティはサーベルタイガーの姿のまま

じっとエカリーを見詰めた。

 

「許嫁? 許嫁ってどういう意味?」

 

「分からない?

分からないけどコアトルに似ている女の子ね」

 

キャティはそう言ってエカリーにぺこりと頭を下げた。

 

エカリーもほほ笑んで

キャティに対して深く頭を下げ、あいさつをした。

 

 

その時バード族の王子ヘラが

けたたましく叫んだ。

 

「ギャーッギャーッ

おいおい、お前らいい加減にしろ」

 

「煙も炎もすぐそこまで来ているんだっ」

 

「ここに居たら煙に巻かれて死んじゃうぞっ!」

 

「早く! 安全な場所まで逃げるぞっ!」

 

そう言ってコアトル、エカリー、キャティを促した。

 

 

バード族の少年達5人は

先行して飛んで行き

広大な平野の中を流れる小川に案内した。

 

走り続けたコアトルとエカリーは

その水辺で横になり休息を得た。

 

キャティはこれぐらいの走りでは何でもなかったが

今までの疲れが出て

やはり横になり休息を取った。

 

 

見渡すばかりの広い平野。

 

北には山々の稜線が見えるが

南は海に続いているのか

限りなく平野が広がっている。

 

まさにバード族が翼を広げたような平野が広がっていた。

 

 

安心した様にバード族の少年達が小川に入り

水浴びを始めた。

サラ サラ サラ  バシャッ! バシャッ!!

 

その姿を見ていたキャティ。

 

「あぁ、気持ちよさそう」

「私の身体も血とススだらけで真っ黒だわ」

「私も身体を洗ってこようっ」

 

 

そう言って後ろ足と七つの尻尾にこびり付いた

黒い血の跡を引きずって小川へと入って行った。

バシャン プフアッ

 

一瞬大きく息を吸い込むと

水の中に潜ったキャティ。

サラ サラ サラ

 

バード族の少年達は

潜ったまま出て来ないキャティの姿を

水面においかけた。

 

バサーーッ!

水面から顔を出したキャティは人間の姿になっていた。

 

金色の長い髪を左右に振り水滴を飛ばし

若い肢体を見せつけていた。

 

水辺を出てこちらに歩いてくる。

 

 

エカリーが思わず言った。

「さっきのサーベルタイガーが女の子になっちゃった?」

 

コアトルが答えた。

「キチェ族は人間の姿に変身する事が出来るんだよ」

 

 

エカリーは続けてコアトルに言った。

「それと、さっきから不思議に思っていたんだけど…」

 

「コアトルはキチェ語もバード語も話せるの?」

 

「あの人達と会話をしているみたいだけど?」

 

「言葉が分かるの?」

 

 

 

 

 

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