6.第22章 水辺にて1 | 開運とファンタジーの扉

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「開運とファンタジーの扉」と云うブログですので、開運気学に関する話題と、ファンタジー小説の「惑星神話シバルバ」の2本立てになっています。

ファンタジー編 



惑星神話シバルバ
第6部 バード族の平野
第22章 水辺にて1

 

 

 

 

「ガルルル…

コアトルのバカバカバカ!」

 

「早く来てくれないから…

マックもあたしも辛かったんだからぁ…」

 

「大変だったんだからぁ」

ウワーーン ウワーーン

 

キャティはコアトルの胸の中で

解き放たれた感情のままに、思い切り泣いた。

ウワーーン ウワーーン

 

 

「ごめんね、本当にごめんね、キャティ!」

 

「もう大丈夫だから、もう泣かないで」

コアトルは泣きじゃくるキャティを抱きしめながら言った。

 

 

そして

「マックは、マックはどうなったのキャティ…」

「マックのゆくえは知っているの?」

尋ねた。

 

 

キャティは泣きながら答えた。

ウワーーン ウワーーン

 

「ごめんなさいコアトル

わたし、マックを助けられなかった」

 

「マックを地下牢から助けようとしたんだけど

シュバランケ達に連れて行かれちゃったの」

 

「マックは今度は

ゴ族の捕虜になっちゃったの!」

 

「ごめんなさいコアトル!」

 

 

コアトルは繰り返す様に言った。

「マックはゴ族に捕まった…」

「ゴ族の捕虜になってしまったんだね」

 

 

コアトルは少し考えて

 

「…でも、でも生きてはいるんだね!」

 

コアトルはそうつなげた。

 

 

キャティがうなずいた。

 

「大丈夫、上出来だよキャティ!」

 

「マックが生きているなら助け出す事が出来る!」

 

「良かった、死んでいなくて!」

 

「それを聞いたら安心だ」

 

「みんなでゴ族からマックを救い出そう!」

 

 

「キャティ、君は素晴らしい」

 

「これからも、君の力が必要だよ!」

「これからも、助けてくれるね!」

 

キャティはコアトルの眼を見てうなずいた。

 

 

ふとコアトルは自分の手が血だらけになっている事に

気が付いた。

 

「ウッ、すごい血が出ている?」

「大丈夫、キャティ?」

 

 

キャティはビクンとして

コアトルから離れた。

 

キャティの眼からは涙が消え

寂寞(せきばく)とした真顔になり答えた。

 

 

「大丈夫、何でも無い」

「ちょっと、後ろ脚を切っただけ」

「すぐに血も止まるわ」

 

キャティはシュバランケにされた卑劣な行為を

コアトルに伝える事は出来なかった。

 

 

コアトルも

キャティのその微妙な態度に

それ以上

その事について質問する事は出来なかった。

 

 

 

 

 

惑星神話シバルバ」は

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よろしかったら訪問してみてくださいね♡

まとめて読めます。

 

 

 

本日も 最後までお付合い下さり ありがとうございました。