もと警視庁の刑事だった樋口。非番の日、妻と三歳の息子と遊園地に来たが、ちょっと目を離したすきに、息子をさらわれてしまう。それがきっかけで離婚し、刑事もやめた樋口は、今は政府関係者から依頼を受けて調査などをする組織の一員になっている。

そんな樋口が今回、命じられたのは、北陸の小さな海辺の町の駐在所の警官の失踪事件。これといってなにもない寂れた村に何が隠されているのか?

失踪した警官は公安関係らしいといわれていた。となると相手は、海外か。

村には簡保ホテルをリニューアルした、複合施設がある。老人ホームや児童養護施設、青少年の更正施設に、病院まである。支援母体は有名な中国の医薬品会社。

老人が転落死したこともある。

施設の実態はなにか?樋口は、新たに赴任していた駐在所の警官を助手にして、施設などを調べ始める。

アルツハイマーの老人しか収容しないとか、軽微な犯罪しかしていないと言われていた青少年が実は凶悪犯ばかりだった。さらに、施設全体で栄養剤として配布されている薬物には不正なものが混入されていた。いわば、特定の薬物の非合法な人体実験が行われていたらしい。

その影響が顕著に出たのが小中学生で、覚醒剤のような効果が出て、ついには殺人を犯すことにまでいたる。

樋口は真相を突き止めることができるかどうか?

暗い印象の話で、あまり楽しくはなかった。

小学校しか出ていない創業者の社長が、子供たちのために作り出した学年別の学習副読本にすべき学習雑誌。昭和初年に生まれて、百年になる学習雑誌。その歴史と、それに携わった人々と、その思いを描いた作品。

学習雑誌で有名な出版社に就職した明日花は、コロナウィルスが蔓延する令和に、ファッション誌から突然、会社の創業百年の特別チームに異動される。はじめは腐っていたし、異同先で主として扱うのが、学習雑誌ということでバカにしていた。

そんな彼女を変えたのは、今は認知症になり、獣医の母に世話を受けていて、まともに話もできない祖母だった。ボランティアで世界各地を飛び回る母親の代わりに、幼かった彼女を育ててくれた大好きな祖母。

会社の歴史を調べていたら、戦時中の社員名簿に祖母の名前を見つけた。祖母もここで働いていたんだ。どんなことをしたんだろう?じかに話を聞けない代わりにと、戦時中の会社を調べ始めた。

作品では、祖母や会社ゆかりの人々の当時の様子が挟んで描かれる。明日花の方は、令和三年の夏から一年間を描き、そこに、昭和19年、20年、42年43年45年のエピソードが挟まれて、描かれる。人類が誕生していまだ百万年、子供や婦人の人権が認められてまだ百年足らず、つい昨日のことで、まだ完全ではない。そんな権利を確立するために、頑張った人々。


なかなか興味深く、また感動的だった。

再読だったが、けっこうたのしめた。

警視庁いきもの係の事務員田丸弘子が休暇中に失踪。須藤らが調べてみると、今はなき高齢のゾウ、はなこが縁で弘子は老女加賀谷みさ子と知り合う。病で入院中のみさ子の代わりに、彼女の息子の墓参りに出かけた弘子は、みさ子と間違えられて襲われ、拉致されたように見える。アジアゾウのいる未知の国ラオス。そこへ向かうのは須藤と薄、協力するのは死神と呼ばれる捜査官と、今は退職した管理官牛尾。

ゾウのライセンス取るのに苦労した須藤だが、無事に弘子とみさ子の息子を見つけ帰国することになるが、パスポートが足りず、薄はラオスに残り、自力で帰国することに。

薄がようやく帰国した頃には、この事件の真相が明かになり、意外な黒幕が暴かれる。