三十年ぶりに仙台で発見され、逮捕された爆破事件の極左グループの首謀者、岩井。東京まで新幹線で移送途中に、毒で自殺されてしまう。警視庁公安部の管理官、海老沢は、汚名挽回にと、岩井の仙台での暮らしぶりや、人間関係を調べ始める。仕事らしいことをしていないのに、つましくても生活できる資金は持っていた様子。支援者がいたのか?
一方東京では政治家秘書をやめたばかりの男安岡の刺殺体が空き家で見つかる。野党議員の秘書を長年勤めてきた安岡。過去を調べると、地元長野の高校を出てから上京し、二十五才で野党の事務員になるまでの六年間が空白になっていた。担当する警視庁捜査一課の管理官、高峰は捜査に難航していた。
奇しくも同期で友人だった二人、海老沢と高峰の捜査が交わることになる。昔から犬猿の仲の捜査一課と公安。その双方が歩み寄ることで事件に曙光が見えてくる。同時に仕事が縮小しつつある公安の将来に不満を持つ、有志たちによる陰謀、それを暴く特命を命じられた海老沢。
逃走犯と殺人犯は死んでしまったものの、事件の全容だけはなんとか解明される。