心暖まるコージーファンタジーという言葉に引かれて手に取ったが、確かになかなかよかった。

部隊はファンタジーではお馴染みの色々な種族の生物が共存する世界。オークとかサキュパス、ノーム、ストーンフェイ、ドワーブ、エルフ。知らないものもあるが、読むには関係ない。類型的な特徴はあるが、人間界の人種みたいなものと考えたらよい。

二十年近く傭兵として戦いに従事してきた女オークの主人公、ヴィヴ。伝説の宝、スカルヴァートの石を最後の冒険で手に入れたことをきっかけに足を洗う決意をする。その直後に偶然であったノームの喫茶店。コーヒーに魅了され、自分の店を持ちたいと思う。傭兵仲間のノームのガリーナ、ドワーフのルーン、ストーンフェイのタイヴァス、エルフのフェンナスらにも詳しいことは話さずに去った。

ヴィヴがレイラインの走る町テューネを選び、そこに店を出す場所を探す。そして今は空き家の貸し馬屋をみつけ、そこに店を作ることにした。

船大工のホプのカルに目をつけ、店の改造を任せる。さらに募集に応じて雇ったサキュパスのタンドリー、パン職人のシンプルを雇い、はじまった店。いまだ、コーヒーが知られていない町で始めた喫茶店で、最初は閑古鳥がないたが、店員らの腕とアイデアで客を呼び込み、次第に盛況になる。

町を牛耳る大物のマドリガルと部下たち、悩んだものの、昔の傭兵仲間を呼んだものの、その一人のお陰で、無事に手打ちができて、店は流行る。

手狭になった店をどうするかと思い始めた頃に最大のピンチが訪れる。ヴィヴのもつ宝を狙った傭兵仲間だったエルフのにより、水では消えない魔法の火事により、店は全焼し、宝も奪われる。

失意に沈むヴィヴを助けたのは、店をもり立ててくれていた仲間たちだった。店員も客も援助者も、店の再建に向けて協力してくれた。もしかしたら宝が引き寄せる幸運のリングとは、実は彼らのことだったかもしれない。

そして店は再開する。

巻末におまけとして、ヴィヴがコーヒーに出会ったエピソードが描かれる。