アンシリーズ第四作。

大福のような福福したアンは、東京のデパート内にある和菓子屋みつやのアルバイト。高卒のアンが、その店で出会った様々を描くシリーズ。

今回は少し転機を迎えたアン。椿店長が栄転し、新たな店長が登場。がたいがでかいが、老人や子供に親切で優しい新店長藤代。前々職が介護職だったとわかり、納得。それにしても気になる態度と言葉に、さりげなく意見を述べるアン。成長したんだね。

その藤代の薦めで、アンはバイトから社員に昇格する。

一見好青年でありながら、女子ぽい立花の様子が何か変。アンにとってはいい友達だと思っていたのに、相談されないのが、少し寂しい。

和菓子と季節にちなむエピソードが描かれ、最後にはアンは椿に誘われ和歌山に出掛ける。菓子の神様をまつる神社があり、会社でも毎年参加するのだと。

そのついでに、豪華なレジャーホテルや温泉を堪能し、うまい菓子と食事を楽しんだあとは、白浜に移動して、パンダやペンギンに癒されるアン。偶然にも休暇中の立花と出会った二人は、海岸を散歩しながら、彼の悩みを聞き出す。彼は仕事を変えることにしていた。菓子の販売でなく、製造部門か、全国の菓子の探訪にいきたいらしい。ただ心残りはアン。これきりになるのが寂しくて悩んでいたらしい。これからも友達だよというアンの言葉で解決したらしい。


歩容解析、人の歩き方は一人一人固有で、それを使えば個人を特的できる。顔認証よりも性能がよいシステムを開発した能勢は、鉄道会社と警察に協力を求める。駅内の防犯カメラと改札口の記録や、街頭の防犯カメラとをつかい、目的の人物を探しだし、その行動をトレースすれば、人探しができる。

鉄道会社なら不正利用者の摘発、警察なら犯罪者を見つけることにできるのだと、その効果をアピールして。

しかし、能勢には彼女独自の目的があった。シングルマザーだった母親は、彼女が幼い頃に、付き合っていた男に殺され、能勢自身も性被害を受けていた。

施設で育った能勢は、知識の習得に専念し、パソコンに精通した。大学進学せず、独習でパソコンをマスター。

あのときの臭いが鼻について消えない能勢は、それを消すために自らで鼻を潰した。それでも消えない記憶。

あの男を見つけ、抹殺したい。それだけを生き甲斐にしていた能勢は、警察などに協力して、駅で目的の人物を歩容解析で見つけるなかで、ついにあの男を見つける。闇サイトで人を雇い、殺させて、骨にした上で、手に入れた骨。自らの手で、骨を粉砕し、ゆかりの地をめぐって散布する。名も知らぬ人々に踏んづけさせるために。

そんな能勢も最後には、闇サイトへの依頼メールから正体がばれてしまう。彼女はどうするのか?自殺するのか?自首するのか?

ラストははっきりかかれてない。


警察が利用する科学技術としてなら、安心して読めたが、主人公の特異さが、あまり楽しめなかった。

今回は長篇。

光崎のもとに知人の城都大学の内科医、南条が訪れる。もと都議会議員の彼の患者が肝臓がんで死亡したが、高齢なのに異常な早さでがんになったことに不審を覚え、光崎の解剖で死因を調べてほしいと。その結果、肝臓に巣くっていた寄生虫エキノコックスが見つかる。

最初は遺産目当てに、甥が送っていた事故米のせいかとおもわれていたのが、当てがはずれる。

さらに、新たな被害者が現れる。定年後に東京都職員に採用されたことがある老人。パンデミックになるのを恐れ、光崎が肝臓がんで死亡した患者を精査していて見つけた。強引に解剖にまでこぎつけたら、またもエキノコックスが見つかる。

感染源を調べ始めたものの、わからない。二人に面識はなさそうだったが、のちに、その老人が都議会議員のグループとともに、アメリカへ視察旅行したことがわかる。そのどこかで、感染したのか。しかし、なぜかその視察記録が残されてない上に、当事者たちは口をつぐみ、話さない。

仕方なく、光崎のもとで、准教授を勤める、アメリカ人のキャシーは、真琴とアメリカへ飛ぶ。

ニューヨーク市検死局の局長が同じ症状でなくなっていた。都議会議員らと局長は一時行を共にしていたことがわかり、感染源を求めて、二人は、CDC、アメリカ疾病予防管理センターのグレッグと共に、捜査する。

そして、彼らがコリアンの売春宿に行ったことや、そこで韓国料理の犬料理を食べたことがわかる。感染源は、野良犬を食用犬として下ろした業者だとわかる。

グレッグは業者が使った範囲の野良犬を捕獲し、殺処分にすることで、バンデミックを防ぐ。

不安を感じて、入院した都議会議員たちはいまだに口を閉ざしていた。売春以上の秘密を抱えているのか?

やがて、彼らがコリアンの児童を相手にしていたことが判明する。