アメリカから三十年ぶりに帰国した沙希。アメリカの大学に勤めていたが、所属する日本語学科がなくなり、失業。年下の夫とも離婚し帰国。

母校の女子大で講師をすることになり、近くにある伯父の家にすむことになる。伯母の夫で、今は施設にいる伯父。空家を放っておくのも問題だと、格安で住まわせてもらう。武蔵野大地の一角で、うらはぐさ地区と呼ばれる都会に近い田舎。古い商店街は大学時代の思いでの地。

そこでさまざまな人と出会う沙希。

伯父の碁の友人で、なにもしない伯父の代わりに、庭の手入れをしてくれる秋葉原さん。商店街の足袋屋の主だが、まともに就職もしないで生きてきた秋葉原さん。中年は両親を介護し見送った。七十台の秋葉原さんは三年前に、同世代の老女と知り合い結婚。店先には足袋と奥さんが作るキルト細工の品が並ぶ。

大学の生徒で、敬語がおかしなマーシーと体育会系の、その友人パティ。

小学校の校長で、屋上で児童に野菜をつくらせ、調理して食べさせようとする人。秋葉原夫妻が自宅の屋上に野菜畑を作っているため、秋葉原に講師を頼む。

沙希の同僚の講師で歴史学を教える来栖先生と、その恋人であるリサーチ会社経営の男性猿渡。

道路拡張のために、商店街に危機がせまり、伯父がなくなり家を売ることになり、沙希の居場所がなくなりそう。

はたして沙希はどうするか?

朝晩はひんやりするが、日中は暑いくらい。ただもう猛暑ではなく、夏日で、30度くらい。


あまり注文がなく、ひまで、手持ちぶさただが、仕方ない。


仕事かえり、市立図書館分館へ。

今日が期限の四冊を返却。

新たに何を借りようかと、本棚を回るが、新刊らしきものは見当たらず、警察小説らしきものを、四冊借りた。

今日借りた本


誉田哲也

「マリスアングル」

光文社、202310


貫井徳郎

「罪と祈り」

実業之日本社、2019


樋口有介

「礼儀正しい空き巣の死」

祥伝社、2020


中山七里

「護られなかった者たちへ」

宝島社文庫、2021



遠野に交渉人のいろはを教え、交渉人にした石田警視正が裁判所で、懲役二十年の判決が出た場面から始まる今作。

娘を医療過誤でなくし、医師と看護師の殺人教唆を行い、殺人罪と警察の威信を失墜させた石田。

今は警視庁の広報課に所属する遠野に、三日後、石田の名前で電話がかかってくる。遠野を警察との交渉人に指名すると。十年前に地下鉄爆破事件を引き起こし、千人もの犠牲を出した宗教団体、宇宙真理の会。教祖は逮捕され、今も裁判中。その教祖の釈放を求めるという。さもないと都内に爆弾を仕掛けると。そして遠野の目の前で交番が爆破。

警視庁にも犯行声明が来て、急遽呼び出された遠野。警視庁内に特別捜査本部がつくられ、刑事部長が指揮を執る。

石田の弟子である上に、女性である遠野を嫌いながらも、犯人の指名により、交渉人となる遠野。警察が教祖の釈放を認めるわけはないが、はっきり拒否もできず、話を引き伸ばして、時間を稼げ言うばかりの本部長。

犯人は交番に引き続き、秋葉原の路上や電車内に爆弾を置く。起爆装置は切られていたが本物の爆弾。さらに二階建てバスで爆発騒ぎ。運転手がいち早く危険を察知して、乗客を逃がしたので人的被害は少ない。警察は一切知らせず、人海戦術で犯人と爆弾を捜査していたが、犯人がマスコミやネットに声明を出し、一般人にも知らされ、社会はパニックになる。

そのあとで、とあるホテルの室内で犯人の自殺体が発見される。それを報道に長し、パニック沈静化を画す本部。

しかし、遠野は違和感を覚える。まだ教祖の釈放がはっきりしていない、このときになぜ自殺するのか?交渉により感じた犯人とはなにか違う。もしかして、真犯人は別にいるのでは?それは誰だ?

さらに爆破事件をしようとしているのではないか?それはどこで?いつか?

交渉人遠野が最後に下した真相は?