新川帆立の連作ミステリーの第三作らしい。きづかず、これを借りたものの、こちらも二編だけで息切れ。

都内の大手法律事務所で、法人相手に忙しく働いていた弁護士麗子。

亡くなった田舎の町弁護士町井のクライアントを引き継ぐことになり、ますます時間がない。仕方なく、業務の合間である深夜に、一般民事の相談に乗ることになり、さまざまな事件に関わっていく。

しかも、夜が明けるまでに解決しなければならないというタイムリミットを見ながら、知恵を絞り、果敢に挑んでいく麗子の活躍を描いている。

こちらも結局、二編くらいで中断したが、ひとまず返すことにした。いつか、第一作から読み直すかどうか?

後のミステリー作家江戸川乱歩がいまだ執筆する以前に、大正時代に、二人の弟と共に、駒込団子坂に開いた古書店三人書房を開いた。二年足らずしか開いてなかった店だが、さまざまな謎が持ち込まれ、後の乱歩、平井太郎が見事に解決していく、という趣向の連作短編集。

タイトル作で、ミステリーズ!新人賞を受けた。乱歩デビュー百年にでた。


松井須磨子の後追い自殺に疑問を投げ掛ける新たな遺書が見つかった謎をめぐるタイトル作。当時は今だ無名だった宮沢賢治や、宮武外骨、横山大観、高村光太郎等が登場する諸編があり、なかなか面白そうな気もするのだが、なぜか、あまり気が乗らなくて、二編だけで中断してしまった。


著者はマイクロソフト社に勤務する白木健嗣さんとあるが、IT関係の描写や説明が懇切で、素人にも何とか読めた。

あかつき自動車が自動運転の車の公道走行の実験の最中に、車が急停車し、後続の大型トラックが追突して大破。乗っていた運転手が死亡する事故が起こる。

運転手が急停車するような外的原因もなく、その原因を探るべく話は展開する。

さらに、脅迫メールが会社に届き、会社の機密情報も手に入れられるとあったことから、交通部だけでなく、警視庁の捜査一課やサイバー対策班からも刑事が参加することになる。

サイバー攻撃も考えられると、高度サイバー犯罪特別対策班が出動することになる。班長の真鍋と、捜査員の斎藤。

その斎藤に相棒として選ばれたのが、女性刑事前之園。

警察庁と警視庁が密かに用意していた新型の人工知能マリス。ギリシア神話の鍛冶の神の侍女であるロボットのヘパイストスを理想のマリス。それに、捜査で手に入れたデータを与えて、サイバー攻撃の痕跡を探るも、何も見付からない。

捜査は遅々としてすすまず、上司の指示で、現場嫌いな斎藤が前之園と共に、現場を訪れて、聞き込みをしてみたら、ついに原因に結び付く端緒を見いだす。サイバー攻撃は、車そのものにではなく、車が関知するものにされたもので、人間には感知できないものだった。

そこから犯人までたどり着き、事件は解決する。

犯人の狙いが、友人を殺したパワハラ上司へのこらしめだったというのは、なんか物足りない。死んだのが偶然だったというのは、どうかな。

最後には、長年旧式でパワハラを許す会社の不正を公表することになるものの。


本作は第14回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受けていて、巻末に島田荘司氏の選評が載っている。