主人公の一人は鷹島珊瑚。末娘の彼女は両親の最後をみとり、帯広でのんびり過ごしていた。そんなある日、東京は神田神保町で古本屋を営んでいた次兄滋郎が急死 。一階が古本屋で、二階三階を出版社に貸している小さなビルを相続することになる。長兄の長男も納得していた。

なにもわからないままに、単身上京し、近所の人たちに教わりながら、古本屋を引き継いだ。

珊瑚の長兄の長男一家は世田谷にすんでいて、その娘の美希喜は、大学進学の頃に、滋郎に相談して、都内の女子大の国文科に進学し、今は院生。そんな縁もあり、珊瑚の古本屋を手伝うことに。

そんな二人が出会った古本と、神保町で食べられる美味しい料理の数々が紹介され、なかなか楽しい話だった。

最後には、珊瑚を引き継いで、美希喜がいつか本の番人として、古本屋をすることになる。

アメリカ生まれで、宮崎育ち、東大法学部出身の弁護士という履歴を持つ著者によるリーガルエンタテインメント。

今回の主人公は離婚専門の弁護士、松岡紬。縁切り寺として有名な鎌倉の寺の娘。十代に、都会育ちの母親は、三人の子を捨てて、若い男と駆け落ち。それが原因かどうか、美人なのに、男とか恋に関心を見せない紬。

幼馴染みの出雲はそんな彼女をそっと見守っている。警察官になったものの、誘われて探偵となり、今は紬の事務所の専属の探偵となっている。恋にも結婚にも興味を示さない紬を諦めることもできず、そばにいて手助けする。

夫のモラハラに苦しんでいた聡美は、夫の浮気を知り、家を飛び出す。う鎌倉の実家に帰ろうとして、駅を出たときに夫に追われていることに気付き、見知らぬ方向に逃げ出し、紬に保護されるところから始まる。結果、紬と出雲のお陰で無事離婚に成功する。

部屋のかたづけができないずぼらな紬に同情し、赤ん坊を抱えての就職を探していた聡美は、紬の事務所の事務員に雇われる。時には出雲の探偵の手伝いにも駆り出される。

聡美は紬が颯爽とした弁護士でありながら、無類の方向音痴であることにも気づく。

そんな紬の活躍が描かれる事件ファイル。最後には、養育費の支払いを減額しようとたくらむ聡美のもと夫の悪巧みを見事に見破り解決する事件が描かれる。

ユニークな主人公と、彼女を取り囲むひとびとがなかなかいい。楽しめた。

警視庁捜査一課第五係、碓氷刑事シリーズ第五作。

今回は大学の考古学教授夫人が自宅で絞殺つされているのが見つかる。深夜帰宅した教授が発見。

その部屋の壁に奇妙な模様がナイフで掘られているのが見つかる。誰が残したのか?どんな意味があるのか?

捜査本部で予備軍となった碓氷はひとりで調べ始める。教授によれば、古代日本の文字に見えるとか。ただ異端の学問で教授は詳しくはない。

研究員の浅井から、それに詳しいのは、五年前に研究所をやめた尾崎と聞き、行方を探すと、留守だった。しかも、彼の部屋に五年前まで、被害者の教授夫人、当時は同じ研究員だったか、出入りしていたという。それにより、本部は尾崎を容疑者として、行方を探す。

まもなく、埼玉の発掘現場で、研究員の一人が絞殺されてみつかり、傍らの壁には古代メソポタミアの楔型文字が見つかる。

古代文字に詳しいものを訪ねて碓氷が出会ったのが、外国人研究家アルトマン教授。言語学、考古学、民俗学に通じるユニークな教授。

現場に残された古代文字について、碓氷が質問すると、文字の意味はわかるが、どんなメッセージが込められているのかは、現場の状況や関係者の人間関係がわからないと、答えられない、という。さらに、捜査にか変わって見たいと言い出す。こうして今回の碓氷の相棒となるのがアルトマン教授。

異色のコンビがあぶり出した事件の真相はいかに?

研究室内の人間関係において、誤解が連鎖して起きてしまった事件。噂を信じて、確かメモせずに恨み、起きてしまった連続殺人。

アルトマン教授が魅力的だったが、事件自体はつまらない感じだな。