アメリカ生まれで、宮崎育ち、東大法学部出身の弁護士という履歴を持つ著者によるリーガルエンタテインメント。

今回の主人公は離婚専門の弁護士、松岡紬。縁切り寺として有名な鎌倉の寺の娘。十代に、都会育ちの母親は、三人の子を捨てて、若い男と駆け落ち。それが原因かどうか、美人なのに、男とか恋に関心を見せない紬。

幼馴染みの出雲はそんな彼女をそっと見守っている。警察官になったものの、誘われて探偵となり、今は紬の事務所の専属の探偵となっている。恋にも結婚にも興味を示さない紬を諦めることもできず、そばにいて手助けする。

夫のモラハラに苦しんでいた聡美は、夫の浮気を知り、家を飛び出す。う鎌倉の実家に帰ろうとして、駅を出たときに夫に追われていることに気付き、見知らぬ方向に逃げ出し、紬に保護されるところから始まる。結果、紬と出雲のお陰で無事離婚に成功する。

部屋のかたづけができないずぼらな紬に同情し、赤ん坊を抱えての就職を探していた聡美は、紬の事務所の事務員に雇われる。時には出雲の探偵の手伝いにも駆り出される。

聡美は紬が颯爽とした弁護士でありながら、無類の方向音痴であることにも気づく。

そんな紬の活躍が描かれる事件ファイル。最後には、養育費の支払いを減額しようとたくらむ聡美のもと夫の悪巧みを見事に見破り解決する事件が描かれる。

ユニークな主人公と、彼女を取り囲むひとびとがなかなかいい。楽しめた。