一昨年に読了した作品の再読だったが、あまりよくわからない話だな。

双子の妹が山の中の無人の小屋に入り、ある布を通って消えてしまう。うちに帰ってみれば、妹など存在しないものになっていた。気になりながらも、妹は幻だったとおもいなおして生きてきた姉。

大学生になり、国文学を専攻する彼女は、担当の教授が行方不明になったのを知る。以前にも失踪したものがいると言う。共通するのは、平安時代に書かれ、後世には伝わらなかった物語、あさとほを研究していたこと。

彼女は妹をなくしたときに一緒にいた幼馴染みの男子と再会し、一緒にその物語について調べることに。

そこまではなんとかついていけたが、妹が失踪した原因となった布が、あらわれてから、話がわからなくなった。物語を紡ぐ働きをする、ある種の生き物であるかのような布。

あさとほ、という物語と、その布はどんな関係になるのか?読んでいてわからなくなる。

姉だったのが妹になったりと、物語が次々と変容し、何がなんだかわからなくなる。

ホラーともファンタジーともいえる不思議な話。

以前に続編の伽羅の章を先に読んだが、ようやくこちらも読めた。一種の家族ストーリー、しかも、小路さんらしく、登場人物に悪人がいない。現実味がなさそうで、やはり泣かされてしまう。

主人公のまひろが、初めてからさんの家に来たところから始まり、ラストは生後すぐに離婚して、行方が知れなかった実の母親に再会し、その死をみとり、そちらの祖父母と再会するところまでを描いている。

複雑な生い立ちをもつまひろは、血の繋がらない祖母の住む屋敷に住むことになる。実の両親は生後、離婚し父親に引き取られ、父の再婚で義母をもつも、新婚旅行中に交通事故死。義母の妹で未婚の叔母の養女となり成長。その叔母が結婚した直後に、新たな義父が北海道に転勤となる。ちょうど高校を卒業したまひろ。就職予定の会社が不祥事でつぶれ、行く先がなくなった。義父の提案で彼の母親が住む洋館で、家政婦兼助手として住み込むことになり、そこへ向かうところから物語は始まる。

義祖母からさんは、波乱の生涯を送ってきて、現在は実家のレンガ造りの二階建ての洋館にすみ、三人の下宿人を置いている。

からさんは72才の文筆家、詩人、画家として活躍しているアーティスト。

五十代でジャズシンガー、スナックママの祐子さんは、もともと実家が近所の顔見知り。

三十代のもと引きこもりだったヤマダタロウは、アーティスト。

建築学科の大学生柊也は、ヤマダと知り合ったことが縁で、下宿人となった。

他に、長年からさんの担当している出版社編集長のレイラと、からさんの甥で、刑事の三原が屋敷に出入りしている。

そんな彼らの近くで起こる様々な出来事を通して、家族とか、生きることを考えさせる物語。


なかなかよかった。

地方の弁護士事務所で雑用係をしていた諒佑のもとに、知り合いのやくざ、犬養から、幼馴染みの誠の捜索依頼が持ち込まれる。誠はやくざの息子で今は東京にすんでいた。

そのあとからは、十数年前の彼らの生い立ちが語られていく。

やくざの息子と言うことでいじめられ、学校をサボっていた誠。守役として犬養がついていた。

父親の暴力から逃げ出した母親は、一旦は愛するひとにめぐり会うも事故死でなくす。夫に殺されたと思った母親は、幼い双子の息子、諒佑と娘、美子を連れて田舎に移る。居所を隠すために住民票を移動させなかったために、三人とも公的支援を受けられず、子供たちは無国籍だった。そんな二人は誠と出会い、仲良くなる。

さらに彼らには、タイ人で違法滞在者の両親をもつ二人の子供たち、姉のマヨンチットと弟のククリンと知り合い、仲間になる。

学校にはいけなくても、自然豊かな山里で、勉強したり遊んだりして、楽しい時間を持てた彼ら。

そんなある日、山のなかで吹き出していた毒ガスにより、ククリンと愛犬がなくなる。以来、命日であるクリスマスイブには会うことに決めていた。

さらに、彼らを暖かく見守り、親をなくした彼らを住まわせてくれた山持ちのじいさん。彼がある日、喉を書ききられて死んでいるのが見つかる。遺産は、唯一戸籍をもつ誠が引き継いだものの、以来楽しい日々は終わる。

誠は失踪前に、命日には参加できないと、諒佑に伝えていた。じいさんの死と関係があるのか?

諒佑は誠と関係のありそうな場所を訪ね歩いて、彼の足取りをおう。

得体の知れない連中に襲われたりしながらも、探索を続けた諒佑は何を見つけ出すのか?

じいさんは戦時中、陸軍中野学校にいて、華族などから集めた宝石などを戦後、密かに隠匿し、それを守り続けていた。それを狙って暗躍したのが諒佑、美子の父親である警察官僚と、誠の父親である地方やくざの親分だったことが、事件の背後にあった。