今野さんの伝奇小説と警察ミステリーが結合した異色シリーズの最新刊。

警視庁内で、刑事の不祥事が相次ぐ。暴力や性的な非違行為という不祥事が。

気になった生活安全部少年事件課少年事件第三係の巡査部長、富野は、知り合いの女子高生、亜紀から、不祥事を起こした刑事は亡者にされてるのではないかと、言われる。知り合いのお祓い師の鬼龍と安倍に警視庁を見てもらうと、どうやら警視庁を張られていた結界が破られ、亡者が出やすい状態にされているらしい。

一体、何者が?何の目的で?

警視庁の三種の神器のひとつの鏡が割られていた。犯人らしき男は調べでわかったものの、彼は右翼団体に出入りしていた。そのボスと背後にいる者が、どうやら今回の企みの首謀者らしい。

富野はオカルトに詳しい刑事や鬼龍ら、さらには陰陽道宗家などに、助力を求めて調べを進めていき、亡者を祓い、ついには首謀者を屈服させる。

一見、現実場離れの感もあるが、結構面白かった。

江戸時代、一代で分限者になった回船問屋、飛鷹屋。

そこには父親、鳶右衛門にちなんだ鳥の名が入った五人の子がいるが、長男以外はみな、正妻七の腹では奈加となかった。父親が旅の地で生ませた子を引き取り、七が育てた。分け隔てなく育てられた五人は各自の気性のままに自由に生きている。金使いの荒い姉三人を早く片付けたいと苦慮する、いまだ十一歳の末っ子の鷺之介。

そんな彼の周りで引き起こる事件を鮮やかに解き明かすのは、実は姉たちだった。

そんな鷺之介が実は父親の子ではないという秘密が明かされるのは、ラスとのエピソード。彼は七が不義により生まれた子だった。ほとんど船旅のため留守勝ちな父親がいないときにできた子だったが、その秘密を長年隠してきて、彼を弟として見守ってくれた姉や関わりのある人々の優しさ。

人情味がある江戸ミステリー。


新聞記者が事件を追う話。

定年間際に胃ガンの手術をし、自宅のある柏の支局に異動したベテランの東日の新聞記者、松島。近所で七歳の女児が行方不明となり、やがて遺体で見つかる。

埼玉支局の古山は、その事件の週刊誌記事を読んでいて、ふと気になることがあった。四年前に移動してきたばかりの頃、埼玉でも似た事件があり、いまだに未解決だと。双方とも被害者や現場が比較的な近くで、同一犯ではないかと。

かつての上司である松島に連絡したことがきっかけで、連続女児誘拐殺人事件がクローズアップされ、松島と古山のコンビニより事件が終われていくことになる。記憶にはないが調べてみると、同じ地域で、同じ年代の女児が行方不明になったり、殺された事件が、三十年前から数年おきに起きていた。

調べていくと、その最初の事件では、警察は捜査の初期段階で、上層部の指示でストップをかけられたという伝説があるという。

二人はやがて、そのときの捜査の幹部が現在は与党の首相秘書官になっていることがわかる。それは隠蔽の代償としての出世なのか?

関係者への取材もままならないまま奮闘する彼らはどこまで突き止められるか?

ラストは残念な結果だが、主人公たちにはそれなりの甲斐はあったのかな。