新聞記者が事件を追う話。

定年間際に胃ガンの手術をし、自宅のある柏の支局に異動したベテランの東日の新聞記者、松島。近所で七歳の女児が行方不明となり、やがて遺体で見つかる。

埼玉支局の古山は、その事件の週刊誌記事を読んでいて、ふと気になることがあった。四年前に移動してきたばかりの頃、埼玉でも似た事件があり、いまだに未解決だと。双方とも被害者や現場が比較的な近くで、同一犯ではないかと。

かつての上司である松島に連絡したことがきっかけで、連続女児誘拐殺人事件がクローズアップされ、松島と古山のコンビニより事件が終われていくことになる。記憶にはないが調べてみると、同じ地域で、同じ年代の女児が行方不明になったり、殺された事件が、三十年前から数年おきに起きていた。

調べていくと、その最初の事件では、警察は捜査の初期段階で、上層部の指示でストップをかけられたという伝説があるという。

二人はやがて、そのときの捜査の幹部が現在は与党の首相秘書官になっていることがわかる。それは隠蔽の代償としての出世なのか?

関係者への取材もままならないまま奮闘する彼らはどこまで突き止められるか?

ラストは残念な結果だが、主人公たちにはそれなりの甲斐はあったのかな。