巨大水彩画『雪に包まれる被災地』 |  ◆ R I N G O * H A N

 ◆ R I N G O * H A N

歌うパステル画家5*SEASON鈴御はんの蒼いブログショー

 ◆ cinemazoo-KIITO
デザイン・クリエイティブセンター神戸
KIITO 入口


巨大水彩画を神戸 KIITOで観てきました。

 ◆ cinemazoo-看板

作者は加川広重さん。
生まれ育ちは宮城県という画家さんです。
2011年の東北大震災を体験され
当時に受けた様々な記憶と感情を
生々しく胸に残っているうちに焼き付けたい、
そんな想いで描かれた巨大な水彩画、
『雪に包まれる被災地』。

 ◆ cinemazoo-作品
幅16m、高さ5mを超えます。
想いをここに「描き切った」と加川広重さん。


この絵の色彩は暗い。
ああ、あのひ、被災地に色はなかったのだ、
そして、雪が降っていたんだ、
3月の東北はまだ雪が舞う…
「すごい」とか「良い絵」とか、
大作を目にして軽率には言えない重厚を感じ、
私、絵の上の、この空間の天井から注ぐ光ばかりを、
やたらと見てました。

画面に大きく配置された工場の骨組み。
遠近法で描かれ、小さくなる荒海の向こうに、
黒いタンカーが横切る。
あのひから、2年という月日が過ぎた今は、
もう光は射しているんだろうか。

この日、この絵と私が会った時、
そこではピアノコンサートが行なわれており・・・

 ◆ cinemazoo-ピアノ

ピアノの音色のせいか、
たくさん着席されていた観客のせいか、
私は衝撃のようなものは受けなかったのです、
大作の『雪に包まれる被災地』を観ても。
あの3.11の被災を体験された方が、
渾身の想いで筆を運ばれた一枚の絵を前に、
特別に足がすくむような感覚もなく。

そうですね、ギャラリー空間の傍らには
カフェスペースなんかも出来てましたし、
なんというかアットホームな場にその絵はあったわけです。

おそらく、シーンと張りつめた場で、
この絵を観たなら、
また違った感覚が沸き上がったかもしれない。

 ◆ cinemazoo-作品UP
作品にズームインしたところ。


『雪に包まれる被災地』はその巨大ぶりが原因で、
なかなか展示場所が決まらなかったといいます。
そんな中で、被災地の皆さんは、
「県外で多くの人にこの絵を観て欲しい」と願っておられたらしく、
このたび KIITOにおいて展示できたことは
深い意味があったと思います。
また、このプロジェクトの代表の方と少しお話ができました。
それによると会期終了後には宮城へ帰る予定だったそうですが、
急遽、神戸に留まり次の展示場所を探されることが決定。
どうか、しかるべき別の何処かの場所で展示できますように。

 ◆ cinemazoo-ズームアウト

もうひとつ、私が大作を前にして願っていることは、
『3.11 東北大震災』から2年を経た今、
あの「揺れの真実」をそろそろ、
ひとりひとりが認識すべきだろうということです。
なんか原発パニックに陥ったままで、
あの地震のおかしさが隠されているのが悔しい。
真実を知ること、これが
3.11犠牲者への弔いになるんじゃないでしょうか。

2011年3月11日、↓この発表をなさった職員さんは
二度とテレビには出演されませんでした
3.11 東北関東大地震、気象庁 発表
「自然の地震ではありえない3回の揺れ」


今、あの方はどうなさっているんでしょう。
お元気だといいけれど。

原発の危険を唱える人は多いのに、
地震専門の学者や知識人がほとんど活躍していない現実、
これが わたしゃ哀しぃよ。


5* KIITO デザインクリエイティブセンター神戸

5* 小さなギャラリー「五想庵」お休みのご案内
今年は5月と6月の土日祝に再開します♪

やぎ座5*SEASON's サイト
『つぶやきの動物園』TSUBUYAKI ZOO


▲ブログトップ