般若寺へ |  ◆ R I N G O * H A N

 ◆ R I N G O * H A N

歌うパステル画家5*SEASON鈴御はんの蒼いブログショー

◆ cinemazoo-般若寺
お花の鉢植えが並ぶ境内。
花の寺、とりわけコスモスの寺として有名です。


先週末のある夕暮れ前、誰もいない般若寺へ。
初めての場へ足を踏み入れたとたん、
「お芝居の舞台装置に入ったみたい」
こんなことを思ってしまった。
お寺の佇まいがあまりに可愛らしく、
演劇舞台に紛れ込んだ気分になったのだ。
それはたぶん、雲ひとつない淡い空の色に
小振りな花の鉢植えがあまりに栄えていたので、
架空の場へと錯覚させた気がするけれど、
ぼちぼちと小花が咲く参道を歩いてみると、
どちらかというと、古い民家を訪ねた気分になった。
般若寺は人の温もりでこしらえられている、
徳の厚い名刹と感じたのでありました。

といっても…雑然と草木が伸びている様に
もう少し整えてもいいのに…
なんてことも思ったりしたけど、
観音様が自然のままの花々で縁取られている様は、
やはり可愛らしく、ついつい顔がほころんだ。
格式張らないところが奈良的でいい、と思い直す。

◆ cinemazoo-塔
般若寺のシンボル「十三重石塔」。
高い! これほどの高さの石塔は貴重とか。

◆ cinemazoo-花に囲まれて
これから見頃の紫陽花と気の早いコスモスに囲まれて。
コスモスが咲き乱れる頃はたいへんな人出だそうで…
紫陽花が咲く、この季節に訪れる方が風情がありそう。

小振りの山紫陽花の鉢植えが無造作に置いてあり
◆ cinemazoo-花の地蔵
なんだか照れていらっしゃる…?

◆ cinemazoo-眠り猫
猫も幸せそうに眠っております。

可愛らしい名刹と比喩した般若寺ですが、
至るまでの「奈良坂」と呼ばれる街道を歩いたとき、
それまで奈良で味わったことのない
哀訴の“気”を強く感じたのです。
後で知ったことだけど、
街道は京都に続くため、戦火が耐えなかったとか。
そういえば道行きで突如、
東大寺の後姿が見えたので嬉々となり、
思わず手を合わせた私だったけど、見晴しの良さは、
かつての要塞跡を知らしめていたんだと思う。

帰りのこと、ハンセン氏病患者を保護していたという、
「北山十八間戸」の前を通った。
元々は般若寺の慈善により造られたとか。
街道で感じた哀訴の“気”は
悲劇だけでなかったと思いたい。


5* 般若寺
写真とイラストで分かりやすく解説してくださっています。

やぎ座5* /Home

▲ブログトップ