【判例変更】出席停止処分取消等請求事件(最大判令和2.11.25) | リーダーズ式 合格コーチ 2026

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「アタマ」と「こころ」を元気にする経営を科学する!リーダーズ総合事務所・リーダーズ総合研究所代表(中小企業診断士・社会保険労務士・行政書士・産業カウンセラー・キャリアカウンセラー・メンタルヘルスマネジメント検定Ⅰ種・FP)コンセプトは人と人の「つながり」

 

 

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≪事案≫ 

 

本件は、岩沼市議会(以下「市議会」という。)の議員であった被上告人が、市議会から科された23

日間の出席停止の懲罰(以下「本件処分」という。)が違憲、違法であるとして、上告人を相手に、

その取消しを求めるとともに、議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例に基づ

き、議員報酬のうち本件処分による減額分の支払を求める事案である。 

 

≪判旨≫ 

 

普通地方公共団体の議会は、地方自治法並びに会議規則及び委員会に関する条例に違反した

議員に対し、議決により懲罰を科することができるところ、懲罰の種類及び手続は法定されている。

これらの規定等に照らすと、出席停止の懲罰を科された議員がその取消しを求める訴えは、法令

の規定に基づく処分の取消しを求めるものであって、その性質上、法令の適用によって終局的に

解決し得るものというべきである。 

 

憲法は、地方公共団体の組織及び運営に関する基本原則として、その施策を住民の意思に基づ

いて行うべきものとするいわゆる住民自治の原則を採用しており、普通地方公共団体の議会は、

憲法にその設置の根拠を有する議事機関として、住民の代表である議員により構成され、所定の

重要事項について当該地方公共団体の意思を決定するなどの権能を有する。そして、議会の運

営に関する事項については、議事機関としての自主的かつ円滑な運営を確保すべく、その性質上、

議会の自律的な権能が尊重されるべきであるところ、議員に対する懲罰は、会議体としての議会

内の秩序を保持し、もってその運営を円滑にすることを目的として科されるものであり、その権能

は上記の自律的な権能の一内容を構成する。 

 

他方、普通地方公共団体の議会の議員は、当該普通地方公共団体の区域内に 住所を有する者

の投票により選挙され、議会に議案を提出することができ、議会の議事については、特別の定め

がある場合を除き、出席議員の過半数でこれを決することができる。そして、議会は、条例を設け

又は改廃すること、予算を定めること、所定の契約を締結すること等の事件を議決しなければな

らないほか、当該普通地方公共団体の事務の管理、議決の執行及び出納を検査することができ、

同事務に関する調査を行うことができる。

 

議員は、憲法上の住民自治の原則を具現化するため、議会が行う上記の各事項等について、議

事に参与し、議決に加わるなどして、住民の代表としてその意思を当該普通地方公共団体の意

思決定に反映させるべく活動する責務を負うものである。 出席停止の懲罰は、上記の責務を負う

公選の議員に対し、議会がその権能において科する処分であり、これが科されると、当該議員は

その期間、会議及び委員会への出席が停止され、議事に参与して議決に加わるなどの議員とし

ての中核的な活動をすることができず、住民の負託を受けた議員としての責務を十分に果たすこ

とができなくなる。このような出席停止の懲罰の性質や議員活動に対する制約の程度に照らすと、

これが議員の権利行使の一時的制限にすぎないものとして、その適否が専ら議会の自主的、

律的な解決に委ねられるべきであるということはできない。そうすると、出席停止の懲罰は、議会

自律的な権能に基づいてされたものとして、議会に一定の裁量が認められるべきであるものの、

裁判所は、常にその適否を判断することができるというべきである。 

 

したがって、普通地方公共団体の議会の議員に対する出席停止の懲罰の適否は、司法審査の

対象となるというべきである。

 

 

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