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1 フォロー講義
知識を「集約化」する際に重要となるのは、そのテーマの「住所」がすぐにわかるように、知識を 「グル
ーピング」して、「インデックス」を付けていくことです。
全体の中で、当該テーマの位置づけがわかっていると、「住所」がきちんと出てきますので、こういう方
は、知識が上手に「集約化」されているといえます。
森から木、木から枝、枝から葉へ
知識が上手に「集約化」されている方は、本試験においても、必要な条文と判例の知識を迅速かつ正
確に思い出す(検索する)ことができるはずです。
合格者の中には、2時間くらいの問題を解き終わる方が結構いますが、こういう方は、おそらく、知識が
検索しやすいように、きちんと集約化されているのではないかと思います。
11月の本試験まで、あと6か月あまりですが、これからは、知識の集約化、知識の定着化(記憶)に重
点を置いた復習を進めてほしいと思います。
検索トレーニング
憲法は、数多くの判例が登場しますので、各判例を、三段階審査の「フレームワーク」の中で位置付け
ながら、上手に集約化していってください。
憲法学読本の見出しや項目は、判例をグルーピングしていく際にも、かなり使えるツールではないかと
思います。
2 復習のポイント
① 表現の自由(4)
まずは、パワーポイント(第8章表現の自由⑧)で、知る権利が、自由権的側面・請求権的側面・参権
的側面を持つ複合的な権利であることを理解してみてください。
次に、憲法学読本p161以下で、総整理ノートp96以下で、マスメディアの報道の自由・取材の自由・取
材源の秘匿に関し、各判例を、①保護範囲→②制約→③正当化のフレームワークに沿って読みして
みてください。
フレームワーク思考☆
博多駅事件判決は、本試験でもよく出題されている判例ですので、特に、報道の自由と取材の自由
の①保護範囲に注意しながら、知識を整理しておいてください。
このあたりのテーマで、本試験未出題の重要判例は、総整理ノートp98の判例くらいでしょうか・・・
最後に、憲法学読本p166以下で、平成27年度の多肢選択式で出題された問題につて、規制・給付二
分論の視点から、判例を理解しておいてください。
憲法学読本を読んでいくと、最近の本試験の問題の出題意図がよくわかってくるのではないかと思い
ます。
② 表現の自由(5)
まずは、憲法学読本p169以下で(1)集団行進の自由と(2)公共施設による集会の利用拒否の項目ご
とに、判例を整理してみてください。
平成17年度の本試験でも出題された泉佐野市民会館事件は、合憲限定解釈の「視点」から再度出題
される可能性もありますので、判例のグルーピングをきちんと行ってみてください。
平成23年度の多肢選択式で出題されたパブリックフォーラム論は、最近の憲法学でよく論じられてい
る、規制・給付二分論という「視点」(憲法学読本p167以下)からの出題です。
このように、他の科目に比べて、試験委員の関心テーマからの出題が多い憲法において、憲法学読
本は、出題予想の視点からも、かなり使えるツールであることがわかると思います。
次に、憲法学読本p174以下と問題33と問題34を照らし合わせながら、学問の自由について、知識を整
理しておいてください。
もっとも、学問の自由については、昨年直球で出題されていますので、しばらくお休みではないかと思
います。
③ 経済的自由
まずは、憲法学読本p183、総整理ノートp104以下で、薬局距離制限事件について、もう一度、①保護
範囲→②制約→③正当化のフレームワークに沿って読み直してみてください。
講義の中でもお話したように、判例は、規制が消極目的か積極目的かという目的のみで、審査基準の
厳格度を決定している訳ではありません。
したがって、現在では、学説の定式化してきた規制目的二分論という「フレームワーク」自体、判例が
採用しているかは、かなり怪しいものとなっています。
規制目的二分論ドグマ?
この辺りは、試験委員でもある石川先生が色々な所で書かれていますので、行政書士試験では、か
つての規制目的二分論が、ダイレクトに聞かれる可能性は少ないと思います。
現在では、
判例が、薬局距離制限事件で厳格な合理性の基準によって、旧薬事法の規定を違憲としたの、 事前
規制(制約)である「許可制」という、職業選択の自由そのものに対する強力な「制約」のためであると
解されています。
つまり、「事の性質」上、「許可制」は、本人の努力ではどうしようもない客観的条件であり、人格に対す
る侵害が最も強度な制約という訳です。
このように見てくると、規制目的は、二次的に関連性を持ちうる考慮要素にすぎず、合憲性判断の決定
的な要素とはされていません。
受講生の皆さんは、
①保護範囲→②制約→③正当化のフレームワークの「視点」から、薬局距離制限事件の判例を、もう
一度理解しておいてください。
ここでも、三段階審査の「制約」の態様が問題となっていますので、前回お話しした猿払事件と比較しな
がら、判例を理解してみてください。
判例は、②制約の程度と③正当化における審査密度の高低を絶妙にリンクさせながら、合憲性の判断
をしていると云えます。
平成12年度の旧記述式の問題で、試験委員の石川先生が、薬局距離制限事件の判旨の「許可制」部
分を引用しているのも、なんとなくわかる気がします。
なお、薬局距離制限事件は、
実は、許可制(資格制)自体についての合憲判決でもあるという知識が、平成21年度の本試験で聞か
れていますが、この点についても、憲法学読本p188に、詳しく書かれていますので、もう一度、確認し
ておいてください。
薬局距離制限事件は、合憲判決でもあります。
次に、憲法学読本p185以下、総整理ノートp103以下で、薬局距離制限事件以外の判例につい、判例
のロジックを「アタマ」に入れておいてください。
最後に、憲法学読本p194以下、総整理ノートp110以下で、森林法事件について、もう一度、①保護範
囲→②制約→③正当化のフレームワークに沿って読み直してみてください。
森林法事件は、
規制目的が「積極目的」のような認定を行いつつ、「消極目的」に関する薬事法判決を引用して、厳格
な合理性の基準により「違憲」と判断しています。
同判例は、職業選択の自由において定型化された「規制目的二分論」との関係では説明が難しく、学
界に衝撃を与えた判例です。
しかし、森林法判決は、旧森林法186条の規定が、近代市民社会における原則的な所有形態である単
独所有への回帰を妨げる制度であるがゆえに、憲法に反するとしたものです。
このように、森林法判決は、財産権規制判例の中でも、特殊なものと位置付けられており、現在では、
最高裁は、森林法判決を先例として引用しておりません。
もう一度、森林法判決のロジックを理解しておいてください。
ちなみに、平成29年度の財産権の問題の正解肢は、憲法学読本p194に、そのままの形で記載があり
ますので、もう一度、確認してみてください。
このように、憲法学読本と過去問を照合していくと、本試験の試験委員(大学教授)が、何に関心があ
って、その関心があることをどのように聞いてくるのか、つまり、出題の「ツボ」を発見するためのツール
として、威力を発揮することがよくわかるのではないかと思います。
特に、憲法の本試験問題で、思考系の問題が多くなる年は、こういう試験委員の出題の「ツボ」をあら
かじめ知っていると、かなりのアドバンテージになると思います。
出題の「ツボ」を掴む!
マイナー科目である憲法には、あまり学習時間を取ることができないと思いますので、憲法学読本を上
手に活用して、試験委員の出題の「ツボ」を掴んでみてください!
なお、前回の復習ブログで出題した「他と異なる考え方」の問題の解答は、肢3です。
肢3以外は、すべて、合憲限定解釈を行っています。
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