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2018年度の本試験の合格発表から1カ月あまりが経ちました。
先日実施しました、プレ講義等の中でもお話していますが、2019年の本試験に向けて、この時期に、どうして問題が解けないのかについて、もう一度、ふり返りを行っていこうと思います。
どうして問題が解けないのかが見えてくれば、どうすれば問題が解けるようになるのかも見えてくるの
ではないかと思います。
両者は、コインの表と裏の関係ですから。 まずは、皆さんが、本試験で問題を解く際のプロセスを、認
知心理学の知見も参考にしながら「見える化」していきます。
認知心理学による「見える化」
通常、本試験では、問題文に、「〇〇法の規定及び判例に照らして」と指示がありますから、まず問題
文中の「キーワード」を発見して、その問題を解くために必要な条文と判例の前提知識を「アタマ」の中
から「検索」していきます。
次に、その「検索」した条文と判例の前提知識を、問題文の事例に「適用」(あてはめ)して、問題肢が、
○か×かを判断していきます。
図解すると、以下のようになります。
これを時間軸の「視点」からみると、前提知識の①「記銘」→②「検索」→③「適用」という順番になります。
したがって、問題が解けないという場合、この前提知識の①「記銘」→②「検索」→③「適用」のどこかで
躓いていること(ボトルネックが存在すること)が、その要因として考えられます。
(Ⅰ)「記銘」
合格コーチも、今まで、再受験生の方を中心に、数多くの受験生を見てきました が、やはり、問題が解
けない大きな要因は、前提知識の「記銘」にあると思います。
つまり、問題を解くために必要な前提知識が「ない」か、あるいは、前提知識が「ある」けれども、その精
度が低いため、問題が解けないということです。
(1) 前提知識が「ない」場合
市版のいわゆる一冊本「だけ」をテキストとして使って勉強している方が、本試験で全く得点できないの
は、問題を解くために必要な前提知識が「ない」場合が、最大の要因ではないかと思います。
やはり、市販の一冊本では、民法・商法・一般知識を中心に、本試験レベルの知識量が、どう見ても足
りませんから、何かで補っていく必要があります。
法令科目においては、条文と判例の知識が問われています。
例年、法令科目は、約半分が、判例の知識を問う問題となっていますから、判例の「内容」に関する知
識が「ない」と、問題は解けないはずです。
本試験では、過去問と全く同じ問題は、ほぼ出題されません。
したがって、問題が解けなかったのは、過去問や一問一答を何回も繰り返し解いて、正答率を100%に
出来なかったことが理由ではないことは、冷静に考えれば、誰にでもわかることです。
この点に気がつかないと、毎年毎年、不合格という、同じことの繰り返しになってしまう危険性がありま
すので、要注意です。
やはり、条文と判例の知識を問う試験において、得点出来ないのは、その問題を解くために必要な条
文と判例の知識が「ない」ことが、最大の要因ではないかと思います。
(2) 前提知識が「ある」場合
もっとも、知識が「ある」場合でも、その知識の精度が低ければ、問題が解けないのではないかと思い
ます。
知識の精度が「低い」というのは、リーダーズ式☆3ステップ学習法(①理解→②集約→③記憶)でいう
と、「理解」が不十分である場合と、「記憶」が不十分である場合を意味します。
① 「理解」が不十分な場合
その内容を「理解」したかどうかは、通常、その内容を話せるか、書けるかで判断することができますか
ら、もし、その内容を話せない、書けないということは、やはり、「理解」が不十分であることを意味します。
最近の本試験問題は、
判例のロジックをきちんと理解しているかどうかを問う問題が、択一式・記述式問わず出題されていま
すので、今年リベンジされる方は、判例の結論だけでなく、判例のロジックや理由付けをきちんと「理解」する学習をしてほしいと思います。
特に、最近、判例の内容について問う多肢選択式の正答率がかなり悪くなっているのも、判例のロジッ
クや理由付けをきちんと理解していないためでしょうか。
多肢選択式は、24点分、つまり、択一式6問分の配点がありますから、なるべく、ここでは、失点しない
ようにしておきたいところです。
② 「記憶」が不十分な場合
一方、「二択まで絞れたのに症候群」などは、「記憶」が不十分な場合の典型例ですので、やはり、本
試験直前期に記憶の時間をきちんと取ったかが重要になってきます。
この前提知識は、最終的には記憶する必要がありますから、個々の葉っぱの識ではなく、過去問「分
析」によって、①グルーピング→②抽象化→③構造化された、いわゆる汎用性のある「使える知識」で
あることが望まれます。
この知識の「抽象化」の重要性ついては、代ゼミの英語の第一人者でもある富田先生も、そのご著書
の中で次のように書かれています。
『教育の成功のカギは、どれだけ学習者の抽象化能力を高められるかにかかっていると言ってもいい。抽象化とは「表面が違って見えるものの、中身に共通性を見出す」ことだ。』
また、受験コーチの池田氏も、勉強で結果を出す最大のカギは「抽象化」であると、その著書の中で書
かれています。
『やったことのあることはできる。やったことのないことはできない。初見の問題に対して、めっぽう弱か
ったのです。しかし、試験というのは、当然ながら初見の問題を たくさん出てきます。』
何が問題なのか。どうすればいいのか。
『私の出した結論は、「今目の前にある問題が解けることが大事なのではなく、今目の前にある問題か
ら、他の問題にも通用する原理原則を学ぶことが重要なのだ」ということでした。 1つの具体的な問題
を見るのではなく、そこから抽象的な原理原則に目を向ける。
つまり、1つの具体的な問題を「抽象化」することができれば、ありとあらゆるどんな問題にも対応でき
る力が身につくということです』
したがって、問題を解くために必要な前提知識を「記銘」していく段階では、テキストや過去問の単なる
知識を、どれだけ「抽象化」できるかを意識していく必要があります。
知識の「抽象化」=知識の「使える化」
試験勉強の『本質』である知識の抽象化について
↓こちらの記事を
「使える知識」は、図解化、あるいは、図表化していくと、記憶しやすく、結果として精度の高い正確な
知識になっていきます。
結局、本試験では、 こういう出題の「ツボ」について、手を変え、品を変えて、何度も繰り返し聞いてき
ます。
したがって、資格試験の勉強の中心は、 このような出題の「ツボ」=「使える知識」を、どれだけ「アタ
マ」の中にストックすることができるかではないかと思います。
そのために求められるのが、過去問「分析」であって、過去問をただ何回も繰り返し解くことではありま
せん。
ただテキストを何回も繰り返し読んだり、ただ過去問や一問一答をただ何回も繰り返し解いても、なか
なか合格点が取れない理由は、このあたりにあるのではないでしょうか。
(Ⅱ)「検索」
実は、問題を解くために必要な前提知識は「アタマ」の中に入っているにもかかわらず、問題が解けな
い場合も、かなりあるはずです。
例えば、あとで解答を見て、「ああ!あの話のことね!」というようにわ
かる場合などです。
毎年、本試験の終了後、カウセリングを行っていますが、そのカウンセリングの際に、受験生の皆さんに、本試験の問題冊子を持参してもらっています。
受験生の皆さんの問題冊子を見ると、その方がどのようなプロセスで問題を解いていったのかがよくわ
かります。
特に、その問題を解く際に気づかなければならない「キーワード」に、きちんとアンダーラインやマーキ
ングが出来ているかを見るだけで、その方の成績がだいたい分かってしまいます。
実は、「キーワード」というのは、 その問題を解くために必要な前提知識を「アタマ」の中から「検索」す
る際のトリガーになるものです。
その意味では、問題文中の「キーワード」に気づくかどうかが、問題を解くうえでも、かなり重要な要因
になってくると思います。
したがって、再受験生の勉強の中心は、 問題文中のこの「キーワード」を見たら、この前提知識を「検
索」していくという、自分なりの「検索」パターンを作っていくことだと思います。
キーワード→検索パターン
問題を解く時間が遅く、模試などでも時間が大幅に足りなくなる方は、この前提知識の「検索」が上手く
出来ていないのが、ひとつの要因です。
ゼミなどで、受講生の皆さんと双方向の講義をやっているとよくわかるのは、知識がある受験生ほど、
正解を導くのとは全く関係がない「ワード」に反応してしい、全く違う前提知識を「検索」してしまう方が
多いということです。
その「ワード」はスルーしていいのに・・・という方が多いです。
①符号化(記銘)→②貯蔵(保持)→③検索(想起)という記憶のプロセスからもわかるように、前提知
識を記憶する際にも、検索(想起)が重要になってきます。
このように、記憶は、インプット(記銘=覚える)すると同時に、アウトプット(検索=思い出す)をするこ
とにも時間をかけると、記憶の精度がアップしていきます。
インプット=覚える=記銘
アウトプット=思い出す=検索
つまり、アウトプットというのは、
インプットした知識を思い出すこと=「検索」することを意味します。
受験業界では、 通常は、問題を「解く」ことがアウトプットと云われていますが、本当は、問題を「解く」
こと自体が重要なのではなく、その問題を解くのに必要な前提知識をスムーズに思い出すこと、すな
わち、「検索」することができるかが重要なのです。
したがって、問題を沢山解かなくても、アウトプットの練習はいくらでも出来るはずです。
直前期に、当ブログで掲載している、つぶやき確認テストは、各テーマごとに、問題の「キーワード」か
ら、きちんと前提知識を検索することができるかをチェックするための検索トレーニング用のツールです。
つぶやき確認テスト=検索トレーニング用ツール
合格者の多くの方が利用しているツールでもありますので、直前期に、是非、ご活用ください。
問題を解くスピードと正答率が高まっていくはずです。
このように、問題文中の「キーワード」から前提知識を「検索」していく、いわゆる「検索」トレーニングを
行っていくことは、前提知識を長期記憶に定着化させるためにも効果的な学習法といえます。
なお、この「検索」(想起)の重要性については、精神科医の和田先生もご著書の中で書かれています
ので、ご参照ください。
3月16日から配信が開始する民・行☆解法☆ナビゲーション講座の中で、テーマ→キーワード→
前提知識(条文・判例)という検索トレーニングを行っていきますので、受講生の皆さんは、是非、キ
ーワード反応できるようにしてみてください!
解法ナビゲーション講座民法の収録用レジュメ
民・行☆解法ナビゲーション講座
↓こちらから
なお、記憶の検索方法には、大きく、再生と再認があります。
再生とは、口頭もしくは筆記によって、覚えたものを検索(思い出す)方法で、行政書士試験で言えば、
記述式でキーワードが書けるかどうかです。
これに対して、再認とは、呈示されたものが学習したものかどうか判断する方法で、択一式で〇×が
判断できるかどうかです。
民法の記述式では、条文の要件と効果のキーワードを書かせる問題が、約8割となっていますから、
きちんと、キーワードが再生できることが重要です。
したがって、記憶をするときも、この再生と再認から逆算して、記憶をし
てほしいと思います。
(Ⅲ)「適用」
行政法などの知識優位型の問題であれば、前提知識の①「記銘」と②「検索」がきちんと出来れば理
論上は、解答を導けるはずです。
ところが、民法などの事例を処理していく現場思考型の問題の場合、最後のステップである、③「適用」
(あてはめ)が上手に出来ないため、解答を導くことができないケースが多々出てきます。
民法が苦手な方の多くは、やはり、③「適用」(あてはめ)が出来ていない場合が多いのではないかと
思います。
③「適用」(あてはめ)が上手に出来るようになるためには、やはり、ある程度の「トレーニング」が必要
になってきます。
といっても、このあてはめにも、一定のパターンがありますので、あてはめのパターンを習得した方が
近道です。
3月16日から配信が開始する民・行☆解法☆ナビゲーション講座の中で、この適用(あてはめ)「トレー
ニング」についても行っていきます。
民・行☆解法ナビゲーション講座
↓こちらから
以上のように、問題が解けるようになるためには、前提知識の①「記銘」→②「検索」→③「適用」という
プロセスが重要になってきます。
皆さんも、日頃の勉強をする際には、是非、このプロセスを意識しながら学習を進めてほしいと思いま
す。
受講生の皆さんは、 どうすれば問題が解けるのか? ということを意識しながら、前提知識の①「記銘」→②「検索」→③「適用」の視点から講義を聞いてほしいと思います。
≪お知らせ≫
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3月21日(祝)14時~17時
辰已法律研究所東京本校
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