問題が解けるようになるための視点(①記銘→②検索→③適用) | リーダーズ式 合格コーチ 2024

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「アタマ」と「こころ」を元気にする経営を科学する!リーダーズ総合事務所・リーダーズ総合研究所代表(中小企業診断士・社会保険労務士・行政書士・産業カウンセラー・キャリアカウンセラー・メンタルヘルスマネジメント検定Ⅰ種・FP)コンセプトは人と人の「つながり」



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今日から、新年度。


基本書フレームワーク講座も、来週で民法が終わり、4月16日からは、憲法が始ま

ります。


そこで、もう一度、どうして問題が解けないのかについて、もう一度、ふり返りを行っ

ていこうと思います。


どうして問題が解けないのかが見えてくれば、どうすれば問題が解けるようになる

のかも見えてくるのではないかと思います。


両者は、コインの表と裏の関係ですから。


まずは、皆さんが、本試験で問題を解く際のプロセスを、認知心理学の知見も参考

にしながら「見える化」していきます。


認知心理学による「見える化」


通常、本試験では、 まず問題文中の「キーワード」を発見して、その問題を解くた

めに必要な前提知識を「アタマ」の中から「検索」していきます。


次に、その「検索」した前提知識を、問題文の事例に「適用」(あてはめ)して、効果

が発生するか否かの結論を出していきます。


図解すると、以下のようになります。



これを時間軸の「視点」からみると、前提知識の①「記銘」→②「検索」→③「適用」

という順番になります。


したがって、問題が解けないという場合、 この前提知識の①「記銘」→②「検索」→

③「適用」のどこかで躓いていることが、その要因として考えられます(単純なケア

レスミス等は除く)。


①「記銘」


合格コーチも、約10年間、再受験生の方を中心に、数多くの受験生を見てきました

が、やはり、問題が解けない大きな要因は、前提知識の「記銘」にあると思います。


つまり、問題を解くために必要な前提知識が「ない」か、あるいは、前提知識が「あ

る」けれども、その精度が低いため、問題が解けないということです。


市版のいわゆる一冊本だけをテキストとして使って勉強している方が、本試験で

全く得点できないのは、問題を解くために必要な前提知識が「ない」場合が、最大

の要因ではないかと思います。


やはり、市販の一冊本では、民法・商法・一般知識を中心に、本試験レベルの知識

量が、どう見ても足りませんから、何かで補っていく必要があります。


本試験では、過去問と全く同じ問題は、ほぼ出題されません。


したがって、問題が解けなかったのは、過去問や一問一答を何回も繰り返し解いて、

正答率を100%に出来なかったことが理由ではないことは、冷静に考えれば、誰に

でもわかることです。


この点に気がつかないと、毎年毎年、不合格という、同じことの繰り返しになって

しまう危険性がありますので、要注意です。


行政法などの知識優位型の問題は、精度の高い正確な知識があれば解ける問題

がほとんどですから、問題が解けないのは、知識の精度に問題があることを意味し

ています。


知識の精度が「低い」というのは、「理解」が不十分である場合と、「記憶」が不十分

である場合などを意味します。


「二択まで絞れたのに症候群」などは、この典型例です。


この前提知識は、 最終的には記憶する必要がありますから、個々の葉っぱの知識

ではなく、過去問「分析」によって、①グルーピング→②抽象化→③構造化された、

いわゆる汎用性のある「使える知識」であることが望まれます。


この知識の「抽象化」の重要性ついては、


代ゼミの英語の第一人者でもある富田先生も、そのご著書の中で次のように書か

れています。



『教育の成功のカギは、どれだけ学習者の抽象化能力を高められるかにかかって

いると言ってもいい。抽象化とは「表面が違って見えるものの、中身に共通性を見

出す」ことだ。』


また、受験コーチの池田氏も、勉強で結果を出す最大のカギは「抽象化」であると、

その著書の中で書かれています。



『やったことのあることはできる。やったことのないことはできない。初見の問題に対

して、めっぽう弱かったのです。しかし、試験というのは、当然ながら初見の問題を

たくさん出てきます。』


何が問題なのか。どうすればいいのか。


『私の出した結論は、「今目の前にある問題が解けることが大事なのではなく、今

目の前にある問題から、他の問題にも通用する原理原則を学ぶことが重要なのだ」

ということでした。


1つの具体的な問題を見るのではなく、そこから抽象的な原理原則に目を向ける。

つまり、1つの具体的な問題を「抽象化」することができれば、ありとあらゆるどんな

問題にも対応できる力が身につくということです』


したがって、問題を解くために必要な前提知識を「記銘」していく段階では、テキスト

や過去問の単なる知識を、どれだけ「抽象化」できるかを意識していく必要がありま

す。


知識の「抽象化」=知識の「使える化」


「使える知識」は、図解化、あるいは、図表化していくと、記憶しやすく、結果として

精度の高い正確な知識になっていきます。


結局、本試験では、 こういう出題の「ツボ」について、手を変え、品を変えて、何度

も繰り返し聞いてきます。


したがって、再受験生の勉強の中心は、 このような出題の「ツボ」=「使える知識」

を、どれだけ「アタマ」の中にストックすることができるかではないかと思います。


そのために求められるのが、過去問「分析」です。


ただテキストを何回も繰り返し読んだり、ただ過去問や一問一答を何回も繰り返し

解いても、なかなか合格点が取れない理由は、このあたりにあるのではないでしょ

うか。


要するに、繰り返す「対象」が間違っているということです。


②「検索」


実は、問題を解くために必要な前提知識は「アタマ」の中に入っているにもかかわ

らず、問題が解けない場合も、かなりあるはずです。


例えば、あとで解答を見て、「ああ!あの話のことね!」というようにわかる場合な

どです。


皆さんも、身に覚えがありませんか?


毎年、本試験の終了後、カウセリングを行っていますが、そのカウンセリングの際

に、受験生の皆さんに、本試験の問題冊子を持参してもらっています。


受験生の皆さんの問題冊子を見ると、その方がどのようなプロセスで問題を解い

ていったのかがよくわかります。


特に、その問題を解く際に気づかなければならない「キーワード」に、きちんとアン

ダーラインやマーキングが出来ているかを見るだけで、その方の成績がだいたい

分かってしまいます。


実は、「キーワード」というのは、その問題を解くために必要な前提知識を「アタマ」

の中から「検索」する際のインデックスになるものです。


その意味では、問題文中の「キーワード」に気づくかどうかが、問題を解くうえでも、

かなり重要な要因になってくると思います。



したがって、再受験生の勉強の中心は、 問題文中のこの「キーワード」を見たら、

この前提知識を「検索」していくという、自分なりの「検索」パターンを作っていくこと

だと思います。


いわゆる、キーワード反射です。


問題を解く時間が遅く、模試などでも時間が大幅に足りなくなる方は、この前提知

識の「検索」が上手く出来ていないのが、ひとつの要因です。


ゼミなどで、受講生の皆さんと双方向の講義をやっているとよくわかるのは、知識

がある受験生ほど、正解を導くのとは全く関係がない「ワード」に反応してしまい、

全く違う前提知識を「検索」してしまう方が多いということです。


その「ワード」はスルーしていいのに・・・という方が多いです。


さて、ここまでお話してきて、勘のいい方なら、本当の「アウトプット」というものが

どういうものなのかが見えてきたのではないかと思います。


インプット=入力

アウトプット=出力


つまり、アウトプットというのは、インプットした知識を外に出すこと=「検索」するこ

とを意味します。


受験業界では、


通常は、問題を「解く」ことがアウトプットと云われていますが、本当は、問題を「解

く」こと自体が重要なのではなく、問題を素材にして、その問題を解くのに必要な前

提知識をスムーズに出力すること、すなわち、「検索」することができるかが重要な

のです。


《記憶のプロセス》


(1)符号化(記銘)

(2)貯蔵(保持)

(3)検索(想起)


なお、この「検索」(想起)の重要性については、精神科医の和田先生もご著書の

中で書かれていますので、ご参照ください。




③「適用」


知識優位型の問題であれば、前提知識の①「記銘」と②「検索」がきちんと出来

れば理論上は、解答を導けるはずです。


ところが、現場思考型の問題の場合、最後のステップである、③「適用」(あてはめ)

が上手に出来ないため、解答を導くことができないケースが多々出てきます。


民法が苦手な方の多くは、


やはり、③「適用」(あてはめ)が出来ていない場合が多いのではないかと思いま

す。


③「適用」(あてはめ)が上手に出来るようになるためには、やはり、ある程度の「ト

レーニング」が必要になってきます。


といっても、このあてはめにも、一定のパターンがありますので、あてはめのパタ

ーンを習得した方が近道です。


以上のように、問題が解けるようになるためには、前提知識の①「記銘」→②「検

索」→③「適用」というプロセスが重要になってきます。


皆さんも、


日頃の勉強をする際には、是非、このプロセスを意識しながら学習を進めてほし

いと思います。


さて、ここまでお話して、勘のいい方なら、このプロセスって、もしかして、法的三

段論法(演繹法)のこと?と気づかれた方もいるかと思います。


つまり、法律というのは、資格試験において問題を解くときも、実務において問題

を解決するときも、この法的三段論法に基づいた「アタマ」の使い方をしていきま

す。


法律というものは、この法的三段論法に基づいた「アタマ」の使い方が出来るよ

うになると、実力もぐんぐん伸びてくるはずです。


なお、法的三段論法に代表される演繹法的思考については、大学受験の現代文

の第一人者でもある出口先生も、著書の中で次のように書かれています。



『受験に要求される思考法は、ほとんどがこの演繹法だと思っていい。』と。


基本書フレームワーク講座のおいても、この問題を解くプロセスを意識しながら、

講義を進めています。


受講生の皆さんは、


どうして問題が解けないのか?

どうすれば問題が解けるのか?


ということを意識しながら、前提知識の①「記銘」→②「検索」→③「適用」の視点

から、講義を聞いてほしいと思います。



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