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1 フォロー講義
前回の復習ブログにも書いたように、行政書士試験の場合、過去問の知識だけ
では合格点が取れないのは、客観的データからも実証されています。
なぜ、過去問の知識だけでは合格点が取れないのか?
講座説明会や講義の中でもお話ししていますが、もう一度、科目別に過去問に
ついて掘り下げてみようと思います。
まずは、民法・商法・憲法についてです。
このグループは、毎年出題される問題数が少ないため、平成12年度以降の使
える過去問のストックが極端に少ないことが原因です。
例えば、一番わかりやすいのが商法、特に会社法でしょう。
行政法書士試験では、平成19年度から、会社法での出題となっていますが、
毎年4問しか出題されていないため、会社法の過去問ストックは、全20問です。
わずか20問足らずで、膨大な会社法の出題範囲を網羅できるだけの過去問の
ストックがあるとは、誰も思わないと思います。
憲法もほぼ同じ要因です。
一方、民法については、毎年択一式が9問出題されていますが、出題数が9問と
なったのは、平成18年度からであり、それ以前は、4~6問しか出題されていま
せん。
このように、民法においてでさえ、
過去問のストックが少ないため、他資格試験では頻出しているテーマであるに
もかかわらず、行政書士試験では未出題のテーマが沢山あります。
テキストの目次を使って、常に、全体から部分という視点から学習している方で
あれば、このように、過去問だけでは未出題のテーマが沢山あることは一目瞭
然だと思います。
森から木、木から枝、枝から葉へ
これに対して、1問1答式の細かい「葉」っぱの知識ばかりを追うような勉強をし
てきた方は、そこに書いてあることがすべてのように見えてしまうので、なかな
か「森」の部分が見えないのかもしれません。
合格コーチが、行政書士試験の勉強で、1問1答式の問題集による、葉っぱ集
めの勉強を推奨しない理由も、このあたりにあります。
それに、1問1答式の過去問問題集を完璧に記憶したとしても、その知識量だけ
では、データ的には、絶対に合格できませんし・・・
次に、行政法です。
行政法は、平成18年度以降、毎年択一式が19問出題されていますから、ある程
度は過去問のストックはあると思います。
もっとも、平成18年度以降、行政法総論や行政事件訴訟法を中心に、試験委員
の新たな問題意識や最新の判例を素材にした問題が数多く出題されています。
このように、一見すると過去問のストックが十分にありそうに見える行政法におい
ても、過去問では出題されていない知識も問われることになります。
行政法は、合格するためには、
択一式で、19問中15問程度は得点していきたい科目ですから、こういう過去問で
問われていない知識の問題も、できるだけ正解しておきたいところです。
したがって、行政書士試験の受験生は、
いづれの科目についても、行政書士試験の過去問だけでは足りない知識を、ア
ウトプット又はインプットで補っていかなければなりません。
行政書士試験では、過去問を、
①知識優位型と現場思考型、②過去問が繰り返す分野と繰り返さない分野とに
類型化して、それぞれに箱に合った合格戦略を立案していく必要があるというこ
とです。
山田式!ビジネスでも役立つ行政書士講座では、以上の過去問「分析」マトリッ
クスを基に、教材を作成し、講義を組み立てています。
この成果が、
山田式&プログレゼミの高い合格率(47.5%)にも現れ
ています。
行政書士試験の過去問で不足している知識については、インプット及びアウトプ
ットの両面で補っていますので、受講生の皆さんは、上記のような行政書士試験
の過去問の「特質」も理解した上で、講座の復習をしていただければと思います。
そう言えば、
再受験生向けの講座である、山田式の受講相談で一番多いのが、過去問を何回
も繰り返し解いたけど、全く点数が取れなかったという相談です。
当然と云えば、当然ですが・・・
2 復習のポイント
①思想・良心の自由
まずは、パワーポイント051で、4つの精神的自由(思想・良心の自由、信教の自
由、学問の自由、表現の自由)の関係をしっかりと理解してみてください。
次に、憲法学読本p110・カード061で、信教の自由の保護範囲について、パワー
ポイント043を参照しなはら、知識を整理しておいてください。
最後に、憲法学読本p112以下で、ピアノ伴奏拒否事件と国歌斉唱起立拒否事
件の「制約」の程度に着目しながら、両判例のロジックを比較しながら理解して
おいてください。
ここでも、平成20年度の多肢選択式の問題と同様に、三段階審査の二段階目の
「制約」が問題になっていますので、次回、もう一度、三段階審査のポイントをま
とめていきます。
国歌斉唱起立拒否事件はカードを作っていませんので、以下の引用部分あるい
は最高裁HPを参考にしてみてください。
起立斉唱行為は,教員が日常担当する教科等や日常従事する事務の内容それ
自体には含まれないものであって,一般的,客観的に見ても,国旗及び国歌に対
する敬意の表明の要素を含む行為であるということができる。そうすると,自らの
歴史観ないし世界観との関係で否定的な評価の対象となる「日の丸」や「君が代」
に対して敬意を表明することには応じ難いと考える者が,これらに対する敬意の
表明の要素を含む行為を求められることは,その行為が個人の歴史観ないし世
界観に反する特定の思想の表明に係る行為そのものではないとはいえ,個人の
歴史観ないし世界観に由来する行動(敬意の表明の拒否)と異なる外部的行為
(敬意の表明の要素を含む行為)を求められることとなり,その限りにおいて,そ
の者の思想及び良心の自由についての間接的な制約となる面があることは否定
し難い。
そこで,このような間接的な制約について検討するに,個人の歴史観ないし世界
観には多種多様なものがあり得るのであり,それが内心にとどまらず,それに由
来する行動の実行又は拒否という外部的行動として現れ,当該外部的行動が社
会一般の規範等と抵触する場面において制限を受けることがあるところ,その制
限が必要かつ合理的なものである場合には,その制限を介して生ずる上記の間
接的な制約も許容され得るものというべきである。
そして,職務命令においてある行為を求められることが,個人の歴史観ないし世
界観に由来する行動と異なる外部的行為を求められることとなり,その限りにお
いて,当該職務命令が個人の思想及び良心の自由についての間接的な制約と
なる面があると判断される場合にも,職務命令の目的及び内容には種々のもの
が想定され,また,上記の制限を介して生ずる制約の態様等も,職務命令の対
象となる行為の内容及び性質並びにこれが個人の内心に及ぼす影響その他の
諸事情に応じて様々であるといえる。
したがって,このような間接的な制約が許容されるか否かは,職務命令の目的及
び内容並びに上記の制限を介して生ずる制約の態様等を総合的に較量して,当
該職務命令に上記の制約を許容し得る程度の必要性及び合理性が認められる
か否かという観点から判断するのが相当である。
以上の諸事情を踏まえると,本件職務命令については,前記のように外部的行
動の制限を介して上告人の思想及び良心の自由についての間接的な制約とな
る面はあるものの,職務命令の目的及び内容並びに上記の制限を介して生ずる
制約の態様等を総合的に較量すれば,上記の制約を許容し得る程度の必要性
及び合理性が認められるものというべきである。
以上の諸点に鑑みると,本件職務命令は,上告人の思想及び良心の自由を侵す
ものとして憲法19条に違反するとはいえないと解するのが相当である。
以上、最判平23.5.30
このように判例のロジックを見てみると、ピアノ伴奏拒否事件の判例のロジックと
は、だいぶ異なりますね。
思想・良心の自由については、平成21年度に出題されていますが、最新の重要
判例で出ているため、近年中に出題が予想される重要テーマだと思います。
②信教の自由
まずは、パワーポイント052で、20条を信教の自由の規定と政教分離の規定に分
けて、裁判所による救済の「視点」を整理してみてください。
この救済の「視点」は、
行政法(行政事件訴訟法・地方自治法)と密接にリンクする「視点」ですので、行
政法を学習する際に、もう一度、フィードバックしてみてください。
次に、憲法学読本p117以下で、信教の自由の保護範囲を押さえた上で、2つの
「制約」の類型のフレームワークを「アタマ」に入れておいてください。
フレームワーク思考☆
カード069と067の判例は、上記の2つの「制約」のモデル判例ですので、もう一度、
両者の違いに着目しながら、判例のロジックを理解してみてください。
思想・良心の自由とともに、信教の自由も、三段階審査の第二段階の「制約」が、
出題の「視点」になってきます。
最後に、憲法学読本p125以下、カード072以下で、政教分離に関する3つの判例
のロジックを、もう一度、理解してみてください。
憲法学読本p127及びp129のワンポイント判例解説は重要です。
③表現の自由(1)
まずは、パワーポイント055で、表現の自由の2つの価値の内容について、よく理
解してみてください。
この表現の自由の2つの価値は、出題の「視点」にもなっていますので、問題32・
33で、出題パターンもよく理解しておいてください。
行政書士試験では、一度、出題された「視点」が、再度、一見すると全く異なる問
題で出題されることが多々あります。
次に、パワーポイント056で、表現の自由の「制約」の類型を、時期と内容の「視点」
から、「アタマ」の中に入れておいてください。
フレームワーク思考☆
その上で、事前抑制(制約)と事後抑制(制約)という「視点」に関連する判例を、カ
ード093以下で、事案→争点→結論→判旨の順に丁寧に読んでみてください。
行政書士試験の過去問では、
問題28のように、検閲の定義のあてはめ問題が出題されていますので、こういう
現場思考型の問題にも対応できるようにしておいてください。
最後に、憲法学読本p135以下で、表現の自由の保護範囲に関して、どのような
表現が問題になるのかの項目を押さえた上で、カード099以下の判例のロジック
を理解してみてください。
日本の最高裁判所は、
学説の提唱してきた二重の基準論のように、精神的自由権を制約する立法につ
いては、決して、厳格な審査基準を用いて合憲性を判断していないことがよくわか
ると思います。
このように、学説の提唱してきた二重の基準論(審査基準論)と、現実の最高裁
判例との間の大きな溝が、判例理解の障害になってきたのではないでしょうか。
次回の講義では、
三段階審査と親和性があると云われている猿払事件判決と、行政書士試験の
過去問(問題9・32・36)との関連及び今後の出題予想についてお話していきま
す。
お楽しみに!
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