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1 フォロー講義
7月6日、財団法人行政書士試験研究センターより、平成21年度行政書士試験に
ついての公示がされています。
例年と比べて大きく変わったところはありませんが、願書の提出期間は、
① 郵送による受験申込みの場合
平成21年8月3日(月)から9月4日(金)まで
② インターネットによる受験申込みの場合
平成21年8月3日(月)午前9時から9月1日(火)
午後5時まで
となっていますので、願書はなるべく早めに提出するようにしてください。
東京の試験場は、昨年と少し変わっています。
① 法政大学 小金井キャンパス
② 東京経済大学 国分寺キャンパス
③ 拓殖大学 八王子キャンパス
④ 明治大学 和泉キャンパス
⑤ 立正大学 大崎キャンパス
⑥ 成蹊大学
今年は、何故か都心ではなく、東京の西の方の大学が数多く試験会場になってい
るようです。
願書提出の時期を迎えると、本試験まで3か月余り
直前期は、答練・模試の成績に一喜一憂するのではなく、「直前1カ月前プログラ
ム用」のツールづくりに励んでみてください。
「集約化」と「定着化」
直前期は、問題を数多く解くことに頭が行きがちですが、本当に大切なのは、本試
験で使えるように、知識を「集約化」して「定着化」させておくことです。
2 復習のポイント
① 行政上の義務履行確保(1)
まずは、パワーポイント048、カード038~041で、行政上の強制手段の全体構造を、
各レベルの相違点を中心に知識を整理しておいてください。
本試験では、「直接強制」と「即時強制」との相違点を問う問題がよく出題されてい
ますので、「出題のツボ」として押さえておいてください。
行政法は、他の科目に比べて、講学上の概念中心の科目ですので、細かい「葉」
の部分から学習すると、何をやっているのかわからなくなります。
受講生の皆さんは、行政法の復習をする際には、必ずパワーポイントや目次で全
体構造を確認しながら、細部の復習を行ってみてください。
森から木、木から枝、枝から葉へ
次に、「行政法」p169以下で、小項目の4つの手段について、ポイント中心に読み
込みを行ってみてください。
講義中にもお話したように、本試験の問題は、「行政法」がネタ本(?)ではないか
という問題が数多く出題されています。
行政法は、知識優位型の科目ですから、最後は知っているか知らないか、読んだ
ことがあるか読んだことがないかの世界です。
特に、行政法総論と行政事件訴訟法については、「行政法」を何度も熟読して、ポ
イントを掴んでいく学習をお薦めします。
② 行政上の義務履行確保(2)
まずは、カード041で、行政罰の全体構造について理解した上で、行政刑罰と秩序
罰の相違点をざっくりと整理してみてください。
次に、その他の義務履行の手段について、どのような手段があるのかを、もう一度、
過去問を参照に知識を整理しておいてください。
最後に、パワーポイント051、カード042・043で、司法的執行について、もう一度、判
例をよく読んでおいてください。
講義中にも、お話した宝塚市パチンコ条例事件(最判平14.7.9)は、とても興味
深い判例ですので、「事案」と「顛末」を少し詳細にコメントしておきます。
(1) 事案
宝塚市は、パチンコ店の建設計画に対する地域住民の反対運動を契機に、昭和58
年に、本件条例を制定。
本件条例には、パチンコ店を建設する者は、①市長の同意を要し(3条)、②市内で
は商業地域以外は、市長は同意をしないとし(4条)、③同意なく建築を進めようとす
る業者に対しては、建設等の中止などの措置を命ずる制度(8条)が置かれていた。
パチンコ業者Ⅹは、市長の同意なく建設工事の続行したため、宝塚市は、Ⅹに対し
て、条例8条に基づいて、建築工事の中止命令を発したが、本件条例には、業者が
中止命令に応じないとき、刑事罰を含めてこれに対する制裁措置は何ら規定されて
いなかった。
そこで、宝塚市は、Ⅹに対して、建築工事の続行禁止を求める仮処分を申し立て、
申立てを認容する決定を得たのち、建築工事の続行禁止を求める民事訴訟(司法
的執行)を提起
神戸地裁(第1審)・大阪高裁(第2審)は、本件条例は、風営法・都市計画法・建築
基準法が許容しない規制を定めていると理由で、本件条例を無効とし、宝塚市の請
求を「棄却」
これに対して、最高裁は、国又は地方公共団体が専ら行政権の主体として国民に
対して行政上の義務の履行を求める訴訟は、「法律上の争訟」に当たらないとして、
訴えを「却下」
本件事案には、
① 行政上の義務の民事執行(司法的救済)の可否
② 法律と条例との関係(上乗せ条例・横出し条例)
③ 法律上の争訟(司法権)の意義
という、憲法と行政法とに関連する点が問題となってきますので、皆さんになりに、
今までの学習の復習も兼ねてよくフォローしておいてください。
ちなみに、平成18年度の記述式は、「却下」と「棄却」の違いについて、しっかりと理
解しているかを問う問題が出題されています。
(2) 顛末
講義中、神戸地裁が、宝塚市によるパチンコ店の建設工事禁止の仮処分で、営業
ができず損失を受けたとする業者Ⅹの訴えを受けて、同市に対して、3億2500万円
の支払いを命じたという顛末をお話しました。
この点については、2007年2月、最高裁は、宝塚市の上告を棄却したため、同市に
3億4800万円の支払いを命じた大阪高裁判決が確定し、同市は利子分を合わせて
約4億8700万円を支払うことに。
宝塚市が、約4億8700万円も支払わなければならなかったのも、そもそも、本件条
例に、義務違反に対する措置が何ら規定されていなかったことが原因です。
では、今後は、どのような条例を制定すればよいでしょうか?
講義中にご紹介した、阿部泰隆教授著「続・政策法学講座やわらか頭の法戦略」
の中に、詳しく書かれていますので、興味のある方は、是非、一読を!
③ 行政指導
まずは、パワーポイント017で、行政作用の中における行政指導の位置づけをしっ
かりと確認してみてください。
時間に余裕のある方は、パワーポイント017の三角ピラミッドを使って、行政法の全
体を1枚のシートにまとめる作業を行うのもいいかもしれません。
次に、カード044以下で、①法律による行政の原理、②司法的救済の視点から、重
要判例の事案・争点・結論・判旨を整理しておいてください。
平成19年度は、カード046の判例が見解問題で直球で出題されていますが、カード
047の判例は、未出題かつ重要判例です。
詳細については、行政事件訴訟(処分性)でお話していきますので、ざっくりと目を
通しておいてください。
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