こんばんは、ノックノックスのヤストミです。
さて、「幸せの標本」あとがき2日目。本日から登場人物についてお話していこうと思います。
「幸せの標本」は登場人物全員が主人公ですので、誰からお話しても良いのですが・・・まずはものがたり唯一の人間であるお母ちゃんからお話しましょう。
蜜蜂を育てている・・・所謂養蜂をしているお母ちゃん。お父ちゃんとの生活の記憶を頼りに、絶滅の危機にある蜜蜂を救うため奮闘しているわけですが、彼女は素人です。お父ちゃんと結婚する前は広告系の会社でバリバリ働いていた・・・と私は想像しております。お父ちゃんとはどこで出会ったんでしょうね。一人旅をしている時に、旅先で出会ったのでしょうか。とにかく真逆の二人だったわけですが、お父ちゃんはゴリライモと同じく〝おひさまのにおい〟がするのを分かっていたんでしょうね。そこにどんなドラマがあったのかは想像にお任せしますが、ふたりはゴールインします。
しかし「そんなものいらない」と言ってしまったり、ゴリライモのことを「汚い犬」と思っていたり、そこまで自然に興味がなかった(と言うか、お父ちゃんとは違う人種だった)お母ちゃん。ですから蜜蜂を救うために何をどうしたらいいのか、ぼんやりとわかっていても、具体的にどうすべきなのか、その知識も技術も持ち合わせていません。ですがその中で自分にやれることをやってみるという姿勢は、彼女がもともと〝仕事のできる人〟だったからかもしれません。
宇宙船の中でしれっと生活していますが、家族を失い、船長にピックアップされ、突然人類の運命を背負わされ・・・と、過酷な環境に置かれているお母ちゃん。ある意味地球の未来を人質に取られているようなものなので、逃げるわけにもいかず・・・そんな彼女が全てを投げ出さないのは失うものがないからでしょうか。それともお父ちゃんの、そして太郎ちゃんの愛した地球の自然の為でしょうか。結局、(船長との約束があるとはいえ)ひとりきりで頑張るお母ちゃんの心に再び光を灯したのは、最後まで一途にお母ちゃんを愛し続けたゴリライモなのでした。
ゴリライモは捨てられていたところをお父ちゃんに拾われた柴犬です。手羽先と同じくペットショップ生まれの彼女は小さい頃の記憶がありません。彼女の性格ですから、お父ちゃんに拾われた時はさぞ嬉しかったことでしょう。邪険に扱うお母ちゃん以外とはすぐに仲良くなります。特にやんちゃ盛りの太郎ちゃんとは毎日のように遊んでいました。毎日泥だらけ・・・お母ちゃんは洗濯が大変だったでしょう・・・。
邪険にされていたとはいえ、彼女自身が言うように「お母ちゃんのことも好きだもん」に嘘はありません。ゴリライモにとってお母ちゃんは大切なお父ちゃんと太郎ちゃんと同じく家族でした。お母ちゃんが怒っていても「今日は機嫌が悪いのかな・・・?機嫌直してよ・・・!すりすり・・・」相手にされなくても「おやや、どうしてかな・・・?遊んでほしいな・・・!すりすり・・・」と、めげずに彼女なりの愛情表現をしていたに違いありません。お母ちゃんにとっては、それがうっとおしくてたまらなかったのは言うまでもないでしょう。
ちなみにゴリライモという名前はお父ちゃんがつけたことになっていますが、アイディア出しには太郎ちゃんも関わっていたのではないか・・・と私は考えます。とてつもないセンスですが、ゴリライモにとっては大切な名前です。超がつくほどのお気に入りです。
劇中でトカゲに騙されて間違った知識を鵜吞みにしてしまったり、敬語の使い方がところどころおかしかったり、とにかくその純粋さと可愛さが目立つゴリライモですが、彼女はまっすぐにお母ちゃんと向き合い、その心を開くことに成功します。最後の「ハウス!」に対して笑顔で返事をするのも、お母ちゃんを心配させないための彼女なりの気遣いなのです。
さて、明日は残りの登場人物についてお話したいと思います。それではまた。
・・・あとがきはあと数日続きそうです・・・。
写真撮影:勝見里奈



