そして四日市博物館ではこんな催しも。
「博」。
「甫」は「圃」の原字で、平らで広い苗床のこと。
そこに「寸:手」を添えた「専」は平らに広げることを示します。
「博」はそこに「十:集める」を添えた会意兼形声文字で、
多くの物が平らにしろがることを表します。
また「愽」と書くこともあります。
ひろい・大きく広がったさま・ひろめる・一か八かやってみて上手く当てる等の意。
開館30周年を記念しての特別展は、
四日市富田出身の版画家 立原位貫の作品展でした。
恥ずかしながら私、立原位貫は知りませんでした💦
が、今回初めて知りました、
立原位貫は、噂に聞く勝原さんという版画師のことだったのです!
限られた箇所の撮影許可のコーナーから
もう三十五年ぐらい前のことだと思います。
一時、地元の氏神様鳥出神社すぐそばに苫屋という和菓子屋さんが有りました。
それもずっと昔からそこにあったわけでなく、ある時風流な和菓子屋さんがそこにでき、
何年かしたらいつの間にかもうなくなっていました。
風の便りに、京都に引っ越しされたと・・・
なるほど、納得でした。
苫屋さんは四日市の小さな町 富田にはその頃まだ不釣り合いな、
材料には厳選されたこだわりの物を用い、甘みも極端に抑えた、
田舎町にしてはお値段も高めの高級な和菓子のお店でした。
ですが、時々は主人がそこで和菓子を買って来てくれて私も食べていました。
そして、その和菓子を作る女将さんは何やら相当な学歴やキャリアの持ち主で、
又ご主人は芸術家だとも耳にしていましたから。
今考え合わせると、その富田にお住まいでいらしたときは、
作品展で拝観した浮世絵の復刻に邁進されていた時に違いない、
その間奥さんが和菓子店を開いてご主人を支え、
その後、京都に移られ、大成されたのだと・・・
一方、私が一緒に書を練習する伊賀の陶芸家氏はなかなかに広い見識をお持ちで、
いつだったかに、凄い版画師がいると教えてくださいました。
普通版画作品は分業によって製作されるが、
その版画師は刻りから印刷まですべて一人で完結するのだと。
そしてその奥さんが、一時富田で和菓子屋をしていたのを知っているか、
その奥さんは今は京都哲学の道辺りで苫屋というお店を開いていると。
昨日、それらが一挙に一つになって、私は感慨深く作品を拝観しました。
田舎町富田で過ごした時は版画師立原位貫には大きな時だったらしく、
その作品の中には、
沢山の浮世絵の摸刻作品の外に、鯨船があったり、桜があったり。
こちら今回のチケットににもフライヤーにも起用されている作品は・・・
そうです、これは十四川の桜がモチーフなんですって!
こちらは今日の十四の桜。
位貫の心の中の桜の葉っぱにはもう一息。
会期後半には、作品と同じような色合いの桜の葉っぱが見られることと思います。






