蒼 | 心から

心から

その日その時に感じたままを、筆に託して表現してみます。
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今日の空は、まさに雲一つ無い澄んだ青空となりました。

空気の澄んだ、こんな秋の日になると、思い出す言葉、「蒼天」。

その中からの一文字です。

伸びやかな感じを出せるようにと心がけました。


『詩経』の中の一節に「悠々蒼天」という文言があります。

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上は、大学時代の恩師が書いてくださった色紙ですが、

その昔、結婚の報告に伺ったとき、

この先いろいろなことがあるだろうが、雄大な、深い空を見上げて生きていくように、と

書いてくださったもの。

毎年10月になるとこの色紙を取り出し、先生の話を思い出していたのですが、

何と、今年は、すっかり忘れていて、

布団を干し終わったベランダで、空を見上げて思い出し、

慌てて色紙を取り出しました。

・・・という訳で、上の書は、練習不足で、ちょっとまずいのですが。

先生に見て頂いたら、きっと真っ赤に添削されてしまうでしょうね。


さて、私の世代の方は頷かれると思うのですが、

この字には、ちょっと憧れもあって・・・

山口百恵が引退前に出版した本の題名が『蒼い時』でした。

日本人の色彩感覚は、平安の昔から非常に優れていて、

同じ色でも、かすかな違いを感覚に訴える表現で、それは見事に言い表しています。

この「蒼」。

「青」もとてもステキな色なのですが、

それを「蒼」と表現するところがカッコよくて、憧れたものです。

明るい青ではなく、まだ少しくすぶった、これからに可能性を広げる色。

この字は、「草」と「倉」を合わせ、納屋に取り込んだ牧草を表しますが、

そこに、中に秘めたエネルギーを感じさせる色のような気がして。


さあ、そろそろ、蒼天からのエネルギーを十分に孕んだお布団を、

取り入れることにしましょうか・・・