2024夏アニメ 7月4日視聴分 | アニメ視聴日記

アニメ視聴日記

日々視聴しているアニメについてあれこれ

2024年夏アニメのうち、7月3日深夜に録画して7月4日に視聴した作品は以下の3タイトルでした。

 

 

【推しの子】(第2期)

第12話を観ました。

今回から「推しの子」の2期がいよいよ始まりました。1期は去年の春クールにやっており1話から11話までが放送されました。今回は12話ということになってますから、1期最終話の11話の続きということになります。11話はルビーの所属する新生B小町のファーストライブが描かれ、その後にエピローグ的に、アクアがあかねやかなと共に「劇団ララライ」の舞台の仕事をやることが決まったということが描かれて、そこで1期が終わった。今回はそれを承けての12話であり、その舞台の仕事が描かれた。それは「東京ブレイド」という大ヒット漫画を原作とした2.5次元舞台というやつで、現実世界でもよくこういうのありますね。なんかこういう漫画原作の2.5次元舞台を得意とするイケメン俳優がたくさん出てきたりしますね。

今回の冒頭の場面はその「東京ブレイド」の2.5次元舞台の本番の冒頭シーンが描かれました。これは多分アニメオリジナル演出だと思います。漫画では普通に舞台稽古シーンから始まったと思いますが、やはり2期「2.5次元舞台編」の開始ということで、まずは視聴者に円形客席や可動式スクリーンなどを駆使した「2.5次元舞台」というものと「東京ブレイド」の作品の世界観を強く印象づけようという工夫なのでしょう。この演出はとても良かったと思います。

そして2期になっての新オープニング曲が流れて、その後は劇団ララライにおける2.5次元舞台「東京ブレイド」の稽古初日の場面となります。今回の物語はここから始まります。11話で描かれた新生B小町のファーストライブから4ヶ月経っているらしい。アクアは主人公のライバルキャラの刀鬼という役で出演し、あかねは刀鬼の相棒ヒロインの鞘姫という役で出演し、かなは主人公の相棒ヒロインのつるぎという役での出演です。あかねとの共演シーンは多いが、かなとの共演シーンは少しだけみたいですね。原作漫画では刀鬼とつるぎのカップリングの場面も多いようですが、原作の物語を全部この舞台でやるわけではなく、この舞台でやるのは原作の割と初期の頃のエピソードのようです。

この「東京ブレイド」の舞台は劇団ララライの主催ですが、若手のキャストばかりの芝居であり、あかねのようなララライ所属の役者だけではなくて外部の役者も参加してもらっている。かなもアクアもそういう枠で呼ばれている。あの1期の序盤で描かれた「今日あま」の配信ドラマでアクアやかなと共演したメルトなんかも参加している。そのあたりの役者をララライに紹介したのが「今日あま」ドラマでプロデューサーをやっていた鏑木です。鏑木は1期の中盤にやっていた恋愛リアリティショーのプロデューサーもやっていて、その際にアクアと「アイに関する情報を教える」という約束をしていて、その情報というのが「劇団ララライに関わっていた時期にアイに男関係の変化があったようだ」というもので、それでアクアはアイに関する情報を探るために鏑木の依頼に応じてこの劇団ララライの仕事を引き受けたのです。とりあえず目的はララライの代表である演出家の金田一に近づくことです。おそらく金田一はララライに出入りしていた頃のアイに関して詳しく知る人物だからです。

そういうわけでアクアにとってこの仕事は金田一に近づく口実に過ぎず、ソツなくこなすことしか考えていない。情熱をもってお芝居しようとか考えているわけではない。だが他の役者たちはやる気に満ちています。特にかなは普段は周囲の役者のレベルに合わせて抑えめの芝居をすることが多い。子役で失敗してしまい今は良い仕事に恵まれない天才役者のかなは、普段はあまり芝居の上手くない共演者に合わせてセーブした演技をしていましたが、今回の共演相手はララライの看板役者の姫川であり、思う存分の芝居が出来ていた。

このかなと姫川の稽古のシーンの演出が斬新で素晴らしかった。この作品は間違いなく原作漫画よりもグレードアップしており、正直、予想以上の出来でした。これは今後も期待出来そうですね。とりあえず今回のお話は原作ではまだストーリーが盛り上がってくる部分ではなく、「2.5次元舞台編」の導入部分であり、本格的に話が動き出すのは次回からです。ですから、今回のお話的には地味なエピソードであのような斬新な演出や作画で魅せたのは大正解であり、そのあたりやっぱり上手いですね。あと、やっぱり声優さん達の「お芝居をしてる演技」は非常に上手いですね。もともと演じ分けのプロですから、こういうのは得意中の得意なんでしょう。舞台編ということで、どこまで説得力のあるものが作れるのかちょっと心配だったんですが、演出の理解度も高くて、声優さん達も上手で、何ら問題無さそうですね。

まぁそういうわけでかなは生き生きと演技をしているわけですが、それを見て、かなをライバル視しているあかねは焦ります。実はあかねの方は今回の舞台はイマイチ乗り切れていません。それは、あかねが演じる鞘姫というキャラに問題があるからでした。この鞘姫は刀鬼の属する渋谷クラスタというチームのリーダーキャラであり、刀鬼の許嫁でもあるという、もともとライバルチーム側のリーダーにしてヒロインという立場なのですが、そういう設定でありながら出番はあまり多くない。実はもともと原作漫画の方で、ファン達の間で刀鬼と主人公チームのヒロインである快活な少女ツルギとのカップリング人気が盛り上がってしまい、それに原作の内容も合わせていったためなのか、鞘姫の出番は減ってしまい、刀鬼の許嫁設定も死んでいて、原作でも最近は刀鬼はツルギとの絡みが多くて、どうも鞘姫は影が薄い。

そしてやはりこの2.5次元舞台版の脚本でも鞘姫の出番は少なくて、どうにも鞘姫は不遇で、いわゆる「負けヒロイン」という扱いなのです。それであかねは、現実世界でもアクアがツルギ役の快活なかなとよく絡んでいるのを見て嫉妬してモヤモヤしている自分と鞘姫を重ね合わせて、鞘姫に同情したりしている。それでもあかねは自分が演じる以上はしっかり演じたいと思い、出番が少なくてどうにも不鮮明な鞘姫のキャラを自分なりに解釈して演じようとしています。あかねはプロファイラーのような特殊な役作りをする天才役者であり、自分の演じるキャラの背景まで徹底的に調べ上げて人格を再構成して自分に憑依させて演じます。鞘姫は架空のキャラですが、それでも得られる限りの情報を繋ぎ合わせて、足りない部分はあかね自身の想像力で補って鞘姫というキャラを作り上げて自分に憑依させて演じていました。

ところが、そのあかねの演じる鞘姫が、この舞台の脚本で描かれている鞘姫とキャラにズレがあるのです。そうなると、その脚本に沿った演出とあかねの鞘姫の演技にもズレが生じて、どうもあかねは今回の舞台の稽古で鞘姫を演じにくくてフラストレーションが溜まってしまいます。それならあかねのキャラの解釈が間違っているのかというと、そんなことはないとあかねは思っている。あかねは今回の舞台の仕事で鞘姫の役を貰ってから、脚本が仕上がってくるずっと前から原作漫画を読み込んでしっかり鞘姫のキャラを作ってきたのであり、そのあかねの目から見ると、今回の脚本の方が、特に鞘姫の描き方に関しては、原作漫画と全然違ってしまっているように見える。

原作漫画を読み込んであかねが作り上げた鞘姫というキャラは繊細で戦うことに葛藤があるキャラでした。だが今回の脚本の鞘姫はかなり記号的なキャラであり、好戦的な狂戦士という感じ。それであかねが釈然としなくて悶々としていると、脚本家の人と原作漫画家の先生が稽古を見に来る日に、アクアが演出家と脚本家にあかねが鞘姫のキャラ解釈について話があるとか伝えて、あかねは話をすることになる。すると、脚本家のGOAさんも原作ファンだとのことで鞘姫のキャラ解釈はあかねと一致していた。だが、漫画を舞台脚本に落とし込むとなると原作漫画そのものというわけにもいかないのだそうです。

例えば鞘姫の繊細で葛藤している側面を漫画ならば大ゴマ1枚で表現可能です。勇ましいセリフを言いながら歪んだ口元のアップを描いたり、視線の揺れで心の迷いを示唆することも出来る。だが舞台の場合は遠く離れた客席から観客は演者の目元や口元のそんな微妙な芝居を見ることは出来ない。だから鞘姫の迷いや葛藤を伝えるにはそれなりに長いセリフや芝居が必要になる。だが舞台の上演時間は限られていて、他にもキャラはたくさん出てくるので、鞘姫だけにそんなに時間を割くことは出来ない。そうなると、芝居をサクサク進めていくためには鞘姫が戦いを躊躇したりする演出はカットして、鞘姫は演出の都合で動かされる記号的なキャラになるしかない。とにかく話を早く展開させていくために戦いに前のめりな薄っぺらく好戦的なキャラとして描くしかなくなったのです。原作でも出番が多くてキャライメージがファンに深く浸透しているキャラでそんなことをしたらファンから不満が出るが、原作でも影が薄い鞘姫ならばそんなふうに脚本の都合でキャラ改変してもあまり文句は出ない。だから鞘姫が割を食う形となったわけです。

脚本のGOAさんも演出の金田一も、そこまで臆面もないことは言っていないが、まぁそういうことです。要するに漫画と舞台ではメディアが違うのだから、伝わるものがどうしても違う。「東京ブレイド」という物語の核心を見る人に伝えるためのアプローチは漫画と舞台では違っても当然なのです。メディアが違う以上、同じものを伝えようとするなら、むしろ方法論を変えなければいけないとも言える。前クールの「響け!ユーフォニアム3」の第12話の話の展開そのものが変わっても、原作小説の基本テーマである「青春時代の夢は自分の思い描いた形では叶わない」というものはちゃんと伝わったのと同じです。その例に比べれば、物語の筋書きを変えているわけではなくキャラの描き方をちょっと変えただけですから、まだこんな程度の改変は良心的な部類だといえます。

ただ、世の中にはもっと悪質な原作改変というものも存在するのも事実です。先だっても原作漫画家の自殺にまで至った「セクシー田中さん事件」というものもあった。出演者の都合やスタッフの思想的な主張で物語を変えてしまったりする例もある。また、あかねのようにキャラに思い入れをもって演じている役者から見れば「どうして自分の演じるキャラが割を食わねばならないのか」という不満も出てくるだろう。あかねに限らず、鞘姫というキャラを好きな原作ファンだって少数派でも存在するでしょうし、そういう人たちは不満に思うでしょう。そういうのは作品への「愛」ゆえの不満であって、そこに舞台の制約とか、メディアの違いとか、そういう難しい話をしてもなかなか納得してもらえないものです。

ただ、それでもあかねは理路整然とした思考の出来るプロの役者ですから、今回は自分はこの舞台でそういう役回りなのだと納得はします。この舞台で本当はかなとバチバチの演技勝負をしたかった、アクアの前で格好いい演技をして見せたかった、そういう残念な気持ちは呑み込んで、板の上に立つ役者として全部不満は呑み込んで納得はします。GOAさんも原作をしっかり理解してくれて葛藤があった上での苦渋の決断だったということも分かったので、その誠実さに感銘を受けたというのも大きかった。ところが、そうやってあかねが納得した後、「東京ブレイド」の原作者である売れっ子漫画家の鮫島アビ子が稽古の見学にやってきて、いきなり脚本を全部書き直してほしいと言い出して皆が驚愕したというところで今回は終わり次回に続きます。ここから「2.5次元舞台編」の物語は動き出すのであり、次回から一気に面白さが爆上がりしていきます。今回はその前フリみたいな内容だったのですが、演出の工夫で原作の何倍も良くなっていたと思います。これは期待以上の作品になりそうで楽しみです。

 

 

多数欠

第1話を観ました。

この作品はWEB漫画が原作で、お題が出されて選別されて多数派が死んでいくというデスゲーム系の作品みたいです。仲間だと思っていた連中の中に怪しいヤツもいたりして、どうも壮大な陰謀が渦巻いている印象です。なんか面白そうなんですけど、私はこういうデスゲーム系の作品って苦手なんですよね。荒唐無稽すぎて。しかも2クールあるらしいし、どう考えても最後まで見そうにない。そういうわけなので1話切りさせていただきます。

 

 

時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん

第1話を観ました。

この作品はライトノベル原作のラブコメですね。「推しの子」と同じ動画工房の制作ですが、こっちは初回からフルパワーを出し切ってる感があって非常に良かったです。話の内容は別に大したことはないんですけど、とにかくアーリャのキャラデザインが素晴らしい。アーリャだけじゃなくてヒロインみんな可愛いんですけど、まぁ今回はアーリャ以外は特にそんなに目立ってなかったので、とにかく今回はアーリャが素晴らしかったですね。

もちろん素晴らしいのはデザインだけじゃなくて、ラブコメとしてしっかり面白かったです。主人公の久世はラノベ主人公の典型みたいなキャラで、これだけコメディとして面白い作品じゃなかったら、こいつが主人公というだけで視聴を切るレベルのつまらないキャラですが、ちゃんと笑える作品なので許せてしまえる。

ロシア人とのハーフ美少女のアーリャはどうやら久世のことが好きみたいなんですが、素直にデレることが出来ないので久世には理解できないロシア語でデレたことを言う変則的なツンデレ美少女です。ところが久世は実はロシア語のヒアリングが出来るのでアーリャが時々急に甘ったるいことを言いだすことを知っているのだが、アーリャの意図が分からない。普通は「俺のことが好きなのかな」とか思っても良さそうなものなんですが、なんか超鈍感男みたいで、久世はアーリャがそういう恥ずかしいセリフを言うことで快感を覚える一種の「変わった羞恥プレイ」をしているのだと勘違いしている。一方でアーリャの方は自分が久世に甘えた発言をしてもロシア語だからバレていないと思って、何を言ったのかと久世が白々しく質問してくると、悪態をついていたのだと説明してツンツンしている。だから久世はアーリャが自分が羞恥プレイを楽しむ変態だということを隠していたいのだと理解していて、今さらアーリャのロシア語が全部分かっているなんて言うことが出来ず、ずっとしらばっくれている。

そういう2人のすれ違いラブコメが、シンプルな構造だけに分かりやすく面白い。ただ、これだけで1クールは飽きてくるだろうから、ここから色々な展開があるのでしょう。アーリャの姉のマリヤという美少女もいたりして、また久世の幼馴染の美少女の有希なんかもいたりして、この2人がアーリャと共に生徒会をやっていて、久世も生徒会に誘われていたりして、ここから色々と話が展開していきそうですが、それが面白くなるのかどうかはまだ未知数です。