2024春アニメ 6月5日視聴分 | アニメ視聴日記

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日々視聴しているアニメについてあれこれ

2024年春アニメのうち、6月4日深夜に録画して6月5日に視聴した作品は以下の1タイトルでした。

 

 

忘却バッテリー

第8話を観ました。

今回は野球部に新たな仲間が加わるお話でした。前回の藤堂イップス克服回で前半戦が終了という感じで、今回から後半戦が開始という感じですね。ここから残りは5話ですが、新メンバーが増えていって帝徳にリベンジする展開なんでしょうかね。今回も前回に引き続き、ギャグは交えながらもとてもイイお話でした。こんな感じで後半戦が進んでいくのならSランク内で順位が徐々に上がっていくかもしれませんね。まぁ他の作品の状況次第ではありますが。

今回はまず冒頭は前回でイップスを克服して、中学の先輩ともたまたまバッセンで出会って甲子園を賭けて戦おうと思うことが出来るようになった藤堂が前向きになって野球に取り組むようになった場面から始まります。ただ野球部にはまだ色々と問題は山積みで、藤堂のイップス克服の過程でファーストは山田がやるということになったので、山田がもともと守っていたセンターが空席になってしまった。2年の佐藤先輩や鈴木先輩にやってもらおうということでノックをしてみたが、イージーなセンターフライの目測も出来ていないような状況で、これではどうもセンターを任せるには厳しい。やはり新入部員が入ってくるのを期待するしかないようです。

もう1つ大きな問題はキャッチャーの要が記憶喪失なのでキャッチング以外の基礎が全く出来ていないこと。記憶喪失なんだから仕方ないといえば仕方ないんですが、キャッチングは出来るようになって、清峰の球を捕れるのが要だけである以上は要がキャッチャーをするしかないわけで、しかしキャッチャーは捕球だけ出来ればいいわけではなくて、最重要の野手でもあるわけで、守備の要としてこなすべき役割は色々ある。いくら記憶喪失でも新たなにそれらの役割を覚えてこなしていくことは出来る。ただ、それらをこなしていくためにはまずは基礎体力をつけたり、プロテクターに慣れたり、だいぶ基礎訓練をしないといけない。しかし要はそういうのを嫌がって全くやろうとしない。

それで、いかにキャッチャーの役割が重要なのか藤堂や千早や山田が要に教えることになり、とにかくセンターラインは大事なのだという話になる。要はセンターラインのことも知らなかったので、それはキャッチャーとセカンドとショートとセンターなのだという話になる。キャッチャーは要自身であり、セカンドとショートは野球が上手な千早と藤堂が守っているので大事なのは分かったが、センターがどうして重要なのか要には分からない。外野なんてどこも同じじゃないのかという要の言葉に山田たちは愕然としてしまいます。

中学時代はキャッチャーをやっていた山田が要がキャッチャーをやると決まった後は小手指野球部では当初はセンターを守っていたのは、経験者の山田が守る必要があるほどゼンターが重要なポジションだったからです。センターは外野の要であり、守備機会が多い。もともと守備範囲が一番広い上にレフトに飛んだ打球でもライトに飛んだ打球でもセンターはバックアップに走ることになる。それだけ足が速くないといけないし、スタミナも無ければいけない。しかもレフトやライトに細かい守備位置を指示する役目も担っている。単に飛んできた打球を捕るだけのポジションではないのです。だから経験者の山田がセンターをやるようにしていて、当初の小手指の守備のオーダーは、記憶喪失の要も含めて一応センターラインは全員が経験者で揃えていたのです。だが山田がファーストに回ってしまったので大事なセンターに穴が開いてしまった。早急に新しいセンターを見つけなければ帝徳へのリベンジなど出来ない状況です。

しかし、まずは要はキャッチャーの基礎練習が先決で、ショートバウンドの投球を身体に当てて止める練習をさせられるが、痛いのですぐに音を上げる。要は清峰のショートバウンドを捕球して軽いイップスを克服したぐらいですから、自分は身体に当てなくても捕球出来ると言い張るが、あれは捕れたのはたまたまなのであり、バウンドした球はどこに跳ねるか分からないのですから、キャッチャーは身体に当ててブロッキングする練習もしておかないといけない。それで皆に練習を強要され、中でも清峰と藤堂の指導はあまりにも容赦が無く、遂に要は我慢の限界に達して逃げ出してしまう。

そうして要が校舎の屋上に行くと、そこで野球ゲームのパワプロをスマホでやっている男子生徒と出会い、同じくパワプロが好きな要は興味を抱くが、相手は何やら要や追いかけてきた山田のことを怖がっている様子。どういうことなのかと聞くと、この男子生徒は「三次元の野球」が苦手だとのこと。つまりパワプロみたいな二次元世界の野球だけが好きで、現実世界の生身でやる野球は嫌いみたいです。ちなみに彼は自称オタクですが、そんなものはいちいち言われなくても分かります。

とにかく彼が現実世界の野球部を怖がり嫌っているということは分かったので、同じく野球部に不満爆発している要は大いに共感して野球部の愚痴を言いまくる。すると彼も話に乗ってきて、実は彼も中学では軟式の野球部に居たのだそうです。それで山田が守備位置を聞いたら補欠のセンターだったと言う。それで山田と要がちょうど探していたセンターだと思い勧誘しようとしたが、彼は中学の時に軟式野球部に所属していたが、運動部向きの性格ではなかったので部内の空気に馴染めずにすぐに辞めてしまったのだそうです。そういうことがあって野球部や三次元の野球が嫌いになったのだという。そういう彼の話を聞いて、山田は勧誘するのは悪いような気がして諦める。現在の小手指野球部も清峰とか藤堂みたいな体育会の権化みたいな人間がいるし、きっと彼は拒絶反応を示してしまうだろうと思ったのです。

しかし要はそうした彼の事情など全く構うことなく野球部に連れていって「新しいセンターを見つけた」と言って皆に紹介してしまう。単にサボっていたとなると皆に責められるので手柄を持ち帰りたかったようです。それで彼が慌てて逃げようとするのを千早が引き止めようとしますが、なんと彼は足が速くて、短距離だけなら千早といい勝負でした。それで、この足はセンター向きだとか言って皆で盛り上がっていると、いつの間にか彼は帰ってしまっていて、その後行方が分からなくなってしまった。1年生の教室をくまなく探してみたのだが、それらしき生徒は居なかった。

ただ山田は彼の足の速さを見た時、彼はたまたま足が速かっただけではなく野球センスがあるのかもしれないと思った。それは彼の中学時代の軟式野球部を辞めた経緯を聞いていたからです。運動部の上下関係や規律の重視という、実際の野球の上手さとは関係ない特異な風習というものが確かに野球部には存在していることが多い。野球部にはそういうノリに合う人間が多く集まっている。藤堂や清峰などはそういうタイプだろう。だが、中にはそういうノリが肌に合わない人間もいる。山田はそういうタイプだった。それでも何とか順応して野球を続けてきたので現在の山田がある。しかし、順応できずに辞めてしまったセンターの彼のような人間が多く居るのだろうということは、自分がもともとそういうノリに合わない人間だったからこそ山田にはよく分かる。そして、そうやって野球の上手さとは全然関係ない奇妙な風習のせいで辞めてしまった人間の中には、本当は野球の才能があったかもしれない人間が案外多いのではないかとは、山田はたまに考えていた。

中学野球で実績を残した選手はみんな強豪校に進学していて、こんな都立の野球部も無かったような学校に清峰と要と藤堂と千早という名のある選手が集まるなんてことは奇跡というしかない。これ以上の奇跡なんて期待してはいけない。だが、それでもこれだけの選手が集まった以上は上を目指したくなる。そのためには更に上手い選手が必要なのだが、名のある選手は他の強豪校に行ってしまっている。その状況でどうやったら小手指が強くなるか考えたら、中学時代に運動部のノリに合わずに早期に退部してしまったために自身の野球の才能に無自覚な生徒を見つけるというのも1つの手段だということは何となく考えていた。だが、そんな生徒が都合よく見つかるとも思えなかったのだが、山田は彼の足の速さを見た時、もしかしたら彼が探していたそういう人材なのではないかと思ったのです。

だが彼は中学時代の経験のせいで野球が嫌いになっていると言っていた。それならやはり誘うのは難しそうだと山田は思っていたのだが、練習がキツくてまた校舎の屋上に逃げた要を追っていった時、山田は要と共に再びセンターの彼と遭遇し、要は彼にパワプロで勝負をしようと持ち掛ける。パワプロで勝負して要が勝てば野球部に入部してセンターになってもらい、もし彼が勝てば要は野球部への勧誘を諦めるという、ずいぶん勝手な条件での勝負だったが、彼は要との勝負を受け、要はボコボコに負けてしまいます。

しかし要は約束を守らず、彼をまた野球部に連れていってしまう。しかしちょっと練習を見学してもらったところ、清峰や要が妙にキャラが立っているので、彼のオタク心を刺激したようで、小手指野球部には興味を持ってもらえたようです。それでせっかくだからちょっと練習をしてみようということでセンターに守備についてもらってノックをすることになるが、ノッカーの千早は彼が足が速いのを覚えていたのでワザと深い打球を打ちます。すると彼は打球を追って走り、易々と落下地点に到達する。単に足が速いだけではなく、ちゃんと打球の落下地点を目測することも出来ていたのです。

ただ、そうして完璧に正面から捕球できる態勢になっていたにもかかわらず、彼は落球してしまった。その後も一度も捕球することが出来ず、彼は真っ青になってしまう。外野手がイージーなフライを落球するなんて一番やってはいけないミスであり、中学時代はそんなことをしたら怒鳴られたりバカにされたり呆れられたりしたから、今回もきっとそうなるのだろうと思い、怖くなった。そして、やっぱり自分みたいな人間が野球をやるべきじゃなかったのだと後悔した。

だが、藤堂も千早も山田も、落球を怒ったりバカにしたりはしなかった。落下地点にさえ到達できない鈴木先輩や佐藤先輩の練習にずっと付き合ってきたので、彼が快速を飛ばして簡単に落下地点に到達出来ているだけで素晴らしいと素直に思えたのです。捕球に関してはブランクもあるのだから上手く出来ないのも仕方ない。練習すれば必ず捕球出来るようになる。外野手の仕事は落下地点に到達出来ている時点で大部分は成功しているのです。

しかし体育会的な空気においては、ミスを減らすためにミスばかり責める悪癖がある。落下地点に到達していることを褒めるべきなのに、落球を責めるばかりになってしまい、褒めるべきところを褒めるのを忘れがちになる。それで非難ばかりされるのが辛くなって辞めてしまう者が多い。確かにそういう人間は根性が無いし、根性のある者の方をレギュラーとして使うのは正しいとは思う。しかし根性の無い人間を全否定して居場所を無くしてしまうことで、その人間の将来の可能性まで潰してしまうのは勿体ないし、野球界全体のことを考えると良い指導法とはいえない。色んなタイプの人間がいるのですから、根性の無い人間でも野球を続けられるような道を作っておくべきでしょう。そういう配慮が足りないチームが多いのは残念なことです。

そんな野球部しか知らなかったセンターの彼は、落球したことを責められず、足の速さを褒められたことで、ここの野球部は今まで自分が苦手意識を持っていた三次元の野球部とはちょっと違うのだということに気付いた。そして、更に千早の提案で「ジャンピングキャッチ」というものをやってみようということになり、センターの彼の心は躍った。それは飛び上がって空中で捕球して着地すると同時に送球にスムーズに移行するという、プロ野球などで上手い外野手がよくやっているプレーであり、彼のよくプレイしているパワプロでもプレイヤーキャラがよくやっているプレイでした。

藤堂や山田はそんな高等技術をいきなりやらせて大丈夫なのかと驚きますが、千早はやった方がいいと言う。実は千早は彼が落球しているのは久しぶりの捕球で緊張して身体に余計な力が入っているからなのであり、捕球の基礎は出来ているのだということに気付いていた。だから空中で捕球することで身体に余計な力が入らないジャンピングキャッチの方が上手く捕球出来るはずだと気付いていたのです。

そうしてジャンピングキャッチを試してみたところ、彼は初めて上手く捕球することが出来た。それで彼はまるで自分がゲームやアニメなどに出てくる花形プレイヤーになったように思えて嬉しくなり、野球が楽しいものだということを思い出したのです。彼が捕球出来たのは確かに基礎が出来ていたからであり、基礎は地道な練習によって培われるものです。それは確かに真理であり、地道な基礎練習を軽視してはいけない。だが、地道な基礎練習はあくまで野球を楽しむことを目的とした手段に過ぎないのであり、地道で辛い苦行のような練習を「最も大事なもの」として信仰するのは間違っている。みんな野球を始める時は、リアルな世界であれ漫画やゲームの世界であれ、そこで見た憧れのヒーロー選手のカッコよくて華やかなプレーを真似したくて始めるのだ。そんな浮ついた考えは捨て去ってひたすらストイックに地道な練習だけをすることが美徳だという考え方は間違っている。花形選手に憧れて野球を楽しもうという姿勢は忘れてはいけない。そうした浮ついた考え方を全肯定できる場が増えれば、もっと野球人口は増えるはずです。

センターの彼はジャンピングキャッチでカッコ良く捕球した快感で野球が楽しいものだということを思い出した。そんな彼に要は「君、本当は野球が好きなんじゃないの?」と声をかける。パワプロがあれだけ強いというのは、よほど野球が好きだということです。彼にボロカスに負けた時点で要はそのことに気付いていたのです。記憶喪失で根性論などは忘れてしまった要だからこそ思いつく発想だといえます。

そう言われて彼は本当は自分は野球が好きだったのだと思い知り、どうして自分が好きなはずの野球を避けるようになったのかを思い出した。それは、彼が中学の時に軟式野球部で精神的にキツくなって辞めた後で、野球部の人たちにさんざん「根性無し」だと更に人格否定されてしまい、そのトラウマで現実の野球部に関わること全てが苦手になってしまったからだったのです。その辛い記憶を涙ながらに告白する彼の話を聞いて、藤堂は自分も同じだったのだと気付く。

藤堂も中学の時にイップスになってしまい苦しんでいた時、チームはそんな自分の苦しい気持ちに寄り添ってくれなかった。チームが前に進むために藤堂にも前に進むべきだと言い、外野手にコンバートして打撃に集中するようにと言ったりして、イップスの原因となった藤堂の心の苦しみを理解しようとはしてくれなかった。それで藤堂は心が壊れてしまい野球を辞めたのだ。そんな自分がこの小手指の野球部に出会って再び野球を出来るようになった。野球が苦しいものじゃなくて楽しいものだと思い出すことが出来たのだと改めて実感した藤堂は「俺も逃げたぜ。中二で辞めた。でもどういうわけか今、野球やってる」と言う。千早も自分も同じだと言う。それを聞いて、センターの彼は自分もここの野球部でなら再び野球をやれるのだと思えた。それで彼、土屋和季は晴れて小手指野球部に入部したのでした。ちなみに土屋は2年生でした。道理で1年のクラスには居なかったわけです。それで、それまでずっとタメ口だった藤堂は慌てて謝ったりしたが、オタクの土屋はそういうことは気にしない。それがオタクの良いところでもあるが、藤堂の体育会ノリもそういう礼儀正しいところは良いところです。

そして、藤堂は中学時代にチームが組織の目標を優先して自分の気持ちに寄り添ってくれなかった苦しみを知っていたはずの自分が、いざイップスを克服して「甲子園を賭けて戦う」というチームの目標を持つことが出来た高揚感についつい流されて、要や土屋のような体育会のノリに抵抗のある者の気持ちを無視して体育会のノリを強要しそうになっていたことを反省し、要にキツく言い過ぎたことを謝り、今後は気を付けると言うのでした。