2024春アニメ 6月3日視聴分 | アニメ視聴日記

アニメ視聴日記

日々視聴しているアニメについてあれこれ

2024年春アニメのうち、6月2日深夜に録画して6月3日に視聴した作品は以下の5タイトルでした。

 

 

響け!ユーフォニアム3

第9話を観ました。

今回は夏合宿の続きと、その後の関西大会に向けた日々を描きながら、北宇治吹奏楽部の問題点の本質が徐々に明らかとなっていく展開だったのだと思います。このモヤモヤを解消しないまま関西大会を突破出来るとは思えない感じの描き方であったので、次回は大きな転換が描かれるのだろうと思われます。しかし次回は第10話であり、その後は3話分しか無いので、全国大会まで描き切るとなると次回は関西大会の終了まで描くのではないかと思います。ただ現時点で浮き彫りになってきている問題点はかなり根本的な問題点であり、ここがこの3期の物語の核心となる可能性が高いので、逆にこの問題点が解決して関西大会を突破した後は一気に勢いに乗って全国大会まで描いてしまえる可能性もあるので、次回で現状の問題解決をじっくり描いて、第11話で関西大会を描いて、その後の全国大会に向けて再始動も描き、第12話で全国大会前のオーディションを描き、第13話で全国大会を描いてフィニッシュという感じになるかもしれませんね。いずれにせよ、今回と次回は非常に重要なエピソードになると思われます。今回は問題点が明らかになってきて解決することはないので非常にモヤモヤする展開ではありましたが、これまでの3期以前の物語の内容も含めて、北宇治の何が問題点だったのか分かってきて色々とクリアになってきたような気もします。そういう意味で非常に物語に惹きこまれるエピソードでありました。

まず冒頭は、前回のラストシーンの続きから始まります。夏合宿の2日目の朝、関西大会に出場するコンクールメンバーを選び直す第2回部内オーディションの選考結果を滝先生が発表し、ユーフォニアムは3人編成から2人編成に人数が減らされて、奏がコンクールメンバーから外され、久美子と真由の2人が選ばれ、そしてユーフォニアムのソリは府大会の時のように久美子が吹くのではなく真由が吹くことになり、ソリから外された久美子が衝撃を受けた場面の続きです。

真由がどういう心境で今回のオーディションに臨んだのかについて前回色々考えたりしましたが、結局今回もそのあたり深く掘り下げられるわけではなく、もしかしたら残りエピソードの中でもあんまり掘り下げは無いのかもしれません。真由の物語も確かに興味はあるのですが、久美子や北宇治吹奏楽部の抱える問題点の方が今回はどんどん浮き彫りになってきて、そちらを描く方がよほど重要に思えてきて、真由というキャラはそうした北宇治の抱える問題点を浮き彫りにしていく触媒のような役割のキャラだと割り切って見た方が良いような気がしてきた。確かに非常に魅力的なキャラではあるのですが、残り話数の尺を考えても、真由というキャラの背景についてあれこれ妄想を嵩じさせていくのはピント外れのような気がしてきた。

私が引っかかっていたのは「どうして真由はワザと下手に吹こうとせずに辞退することにこだわるのか」という点で、そこで真由の意図を深読みしてしまっていましたが、今回の真由の描写を見ると、もっとシンプルに考える方が正解なのかなと思えてきました。まず、そもそも「オーディションでワザと下手に吹く」という行為自体が無理がある状況なのだということを真由自身がよく理解しているからこそ「ワザと下手に吹く」という選択肢が除外されているのでしょう。

普段から一緒に練習しているわけだし、少なくとも府大会の本番では全力で演奏していたはずですし、久美子も滝先生も他の部員たちも「真由の本気の演奏」というものは知っているのです。素人や初対面の相手なら騙せても、部内オーディションでワザと下手に吹いて誤魔化すことなど出来るわけがないのです。去年のオーディションで奏がワザと下手に吹いて落ちようとしましたが、すぐに夏紀に見破られてしまっています。あれは奏がバレないと思って浅はかな行為をしてしまったのであり、真由ならばそんな手が通用しないことぐらい分かっているはずです。

ただ去年の奏だって本気でバレないと思っていたわけではなく、むしろ「黙認される」と甘く見ていたフシがあります。どうせ北宇治吹奏楽部だって自分が居た中学みたいに本音では「3年生が吹いた方がいい」「功労者が吹いた方がいい」と考えているはずだから、1年生の自分がワザと下手に吹いたとしても「空気を読んだ殊勝な行為」と受け取られてそのままスルーされると思っていたのでしょう。要するに北宇治吹奏楽部の伝統も知らずにナメていたのです。

しかし今回の真由の場合は、「ワザと下手に吹いてもバレてしまう」と思って、既に何度も辞退を打診したり「北宇治でやってきた人を差し置いて自分が吹くべきではない」などと久美子たちに言ってしまっていますから、「この子はオーディションでワザと下手に吹くかもしれない」と警戒されてしまっていることは真由本人も自覚しています。しかもそうした問答をしていく中で久美子から北宇治の完全実力主義の伝統という、ある種の信仰ともいえる強固な信念について聞かされている。部員全員がそんな信念を持っているのかについては真由は懐疑的ですが、少なくとも久美子はそういう信念を持っていて、それを真由に強調しており、真由は久美子に「絶対に手を抜かないで」と強く言われている。そういう前提でオーディションをやっている部屋のすぐ外で久美子が聴いている状況で真由がワザと下手に吹いたりしても、そのまま無事で済むはずがない。だから真由は本気で吹くしか選択肢は無かったのです。

そういう追い込まれた状況で本気で吹いて自分がソリに選ばれてしまって久美子がソリから外されたらどうしようかと、真由は本気で困っていたのです。そこにあまり深読みする余地は無かったようです。色々と深読みして解釈できる余地はあるにはあったが、もうクール終盤になってくると、それはもう無いと判断するべきです。真由はもともと自分が他人に好かれているとは思っていないというコンプレックスの持ち主でもあったので、そういう状況はマズいと思ったのでしょう。

真由は自分というものがあまり無くて他人の顔色ばかり窺って、他人の求めていることを敏感に感じ取って、それに合わせて流されて生きてきた。そうした真由の性格がむしろ合奏においては常に自分の求められている演奏の役割を敏感に感じ取り素直にその要望に応えることが出来るという稀有な才能を生み出しているのですが、真由本人はそんな自分の性格をつまらないものだと感じており、他人もきっとこんな自分のことを内心では嫌っているのだろうと自分を卑下している。そんなコンプレックスを抱えて他人を怖がって生きている真由が北宇治に転校してきて合奏が好きなので吹奏楽部に入ったけれども、そんな自分が北宇治でもともとやっていた人を差し置いてコンクールメンバーに選ばれたらきっと嫌われてしまうと怖くなり、部内でコンクールメンバーをオーディションで決めるという話を聞いて、てっきり辞退出来るのだと思って辞退を申し出たら、辞退はしてはいけないと久美子に言われてしまい、そこで口論になってしまい余計に警戒されてしまい、オーディションでワザと手を抜くことすら出来ない状況に追い込まれてしまったのです。

久美子は「北宇治は実力主義だと皆が納得している」と真由に言い「だから真由が選ばれても誰も怒らない」と言ってくれていますが、真由はそんなはずがないと思っていた。確かに自分の方が明らかに実力がある場合ならば、そうやって納得してくれる人もいるかもしれない。例えば自分が選ばれて奏が落ちたとしても、実力差は確かにあるし、来年もある奏が落ちることを受け入れる部員も一定数はいるでしょう。だが、真由の目から見て自分と久美子との実力差はほとんど無く、久美子は部長であり吹奏楽部のために誰よりも頑張って来た人ですから、久美子を差し置いて自分が選ばれることに納得する部員が居るとは真由には到底思えなかった。

ただ、編成上ユーフォニアムが最低でも2人は必要である以上、自分のせいで久美子がコンクールメンバーから外れるという想定は真由もしていなかった。現在の3人編成から2人編成に減る可能性は真由も考慮していたが、その場合も外れるのは奏であり、自分と久美子の2人編成に落ち着くのならばそんなに部内で問題にもならないだろうと真由は思っていた。それでも最悪の場合に備えて、真由は久美子と仲良くなっておこうと思って必死に久美子と親睦を深めようとした。もし自分が選ばれて久美子が落ちてしまった時のために「あの2人は親友だから」と周囲に許してもらえるようにという保険の意味での行動ではあったが、そんなことをやっているうちに久美子の人間性に触れて本気で久美子のことを好きにはなっていったようです。

だからこそ、絶対に久美子が困るようなことをしたくないと思った真由にとって現実的な最大の懸念点は、枠が1人分しかないソリで自分が久美子を差し置いて選ばれてしまうことであった。だが真由も実力が伯仲している自分と久美子のどちらがソリに選ばれるのか分からず、最悪の場合はソリを吹くのも仕方ないとは思って府大会メンバーを選ぶ第1回オーディションに臨んだら、久美子がソリに選ばれたので安堵した。それで「これならば次のオーディションでも本気で吹いてもソリに選ばれるのは久美子の方だろう」と安心した真由は、第1回オーディションの後、お盆休み明けの段階では久美子に「本気で吹くから安心して」と言っていたのでした。

ところが夏合宿の初日、久美子が個人的にソリを吹くことを強く望んでいて、麗奈や奏など周囲も久美子がソリを吹くことを望んでいることを知って真由は危機感を募らせることになってしまった。最悪の場合は自分がソリを吹いても周囲は許容してくれるんじゃないかという考えは甘かったのだと真由は思い知り、絶対に自分がソリに選ばれてはいけないと思った。だが、麗奈も滝先生の様子を見て危機感を抱いていたぐらいですから、滝先生の求める要望を麗奈以上に敏感に感じ取ることが出来る真由は、夏合宿初日の練習をしながら、滝先生が自分をソリに選ぶんじゃないかと勘づいてしまい、このままではマズいと焦ってきた。それで夜の第2回オーディションの直前に久美子に「やっぱり辞退したい」と言ったら、また口論になってしまい、結局は久美子の困ることは出来ない真由は久美子に押し切られてしまい、そのまま第2回オーディションでは久美子の求めに従って本気で吹いたのでした。そして、その結果、翌朝の選考結果の発表で、真由は久美子を差し置いてソリに選ばれてしまった。

すると周囲の部員たちはザワついて不穏なムードになってしまう。府大会ではソリを吹いていた部長の久美子がソリから外されたのですから、ほとんどの部員たちは一体何が起きたのかと驚き、すぐには納得できない様子でした。ユーフォが2人編成になってしまいメンバーから外された奏も明らかに不機嫌そうであったし、久美子もショックを受けている様子であり、真由は困ってしまった。久美子は「真由が選ばれても大丈夫、皆も納得してくれる」と言っていたが、実際は全く大丈夫そうではなかった。真由はどうせそんなことだろうと予想はしていたが、それでもそんなことを言っていた久美子本人も動揺しているのを見て、さすがに真由もちょっとショックを受けてしまい、指揮者に近いソリ奏者の席には自分ではなく久美子がそのまま座ってほしいなどと意味不明な気遣いをしてしまい、久美子に慌てて席を譲られるというマヌケな遣り取りをしてしまったりする。

その後、全体練習が始まるが、どうにも部員たちの雰囲気がギクシャクしてしまい、全体的にピリピリして固い感じです。それで演奏も精彩を欠き、講師の橋本先生や新山先生も今年はどうも例年と違うと違和感を覚えているようです。その原因は久美子がソリから外された衝撃もあるだろうけど、それだけではない。もっと根本的な問題があるのだということに橋本先生たちは感づいているようです。場を和ませようと橋本先生が「心を柔らかく」と声をかけ「音楽と書いて」と滝先生の十八番のセリフを言おうとすると、滝先生が割って入って「音を楽しむ、ですね」と言葉を継ぐと、橋本先生は滝先生の方を向き直って「ホントに分かってるぅ?」とおどけて問いかける。「分かっていますよ」と軽く返した滝先生ですが、自分が指摘を受けたことは自覚したようです。橋本先生は滝先生が余裕が無くなっていて、それがこの部員全体の固い雰囲気の原因なのだと理解しており、それを指摘したのでしょう。おそらく新山先生もそう理解している。ところが滝先生だけがそれを理解出来ていなかったようで、そういうところからして根本的に滝先生の視野が狭くなっているようです。

そうして夕方に練習が終わった後、真由は久美子に声をかけて、やっぱり自分に代わって久美子がソリを吹いた方がいいと思うと伝える。別に自分や久美子のためだけではなく、部員たち全体の雰囲気がおかしくなっているのは、橋本先生に指摘されるまでもなく真由にも分かっていた。そして、それはやはり久美子がソリを外されて自分が吹くことになってしまった結果なのだろうと思い、真由もさんざん考え抜いた結果、関西大会突破のためには元に戻すべきだという結論に達したのです。

しかし久美子は「お願いだから二度とそういうこと言わないで!」と声を荒げる。それで真由はやっぱり久美子は怒っているのだと感じて「ごめん」と謝ってそれ以上意見を言えなくなってしまう。久美子は「謝らなくていいよ。気にしてないから」と取り繕うが、真由が一緒に部屋に戻ろうと誘うと、久美子は「1人にしてほしい」と言って去っていってしまう。やはりどう見ても気にしている様子であり、真由はやっぱり久美子は自分に怒っているのだと思って落ち込む。

久美子の方は、思わず真由に対して声を荒げてしまった自分の言動に戸惑っていた。自分は何か凄くイライラしている。真由が何度も同じことをしつこく言ってくることに腹が立っているのだろうかとも思えたが、真由がそういうことを言うこと自体にはもう慣れてきていたはずだ。ならば、自分に代わってソリに選ばれた真由に対して純粋に腹が立つということなのか。しかし真由が選ばれたのは自分よりも実力が評価されたからなのであり、そのことで文句を言ったりしないのが北宇治なのだということは部長である久美子が率先して言ってきたことだ。だからそんなことはあり得ないと思った。ならば、不甲斐ない演奏をしてソリを外された自分自身に対して腹を立てているのだろうかとも思ったが、久美子は実際のところオーディションでは我ながら上手く吹けたと思っていた。少なくとも第1回オーディションの時と同じレベルでは吹けていた。だから自分の不甲斐なさに腹を立ててはいなかった。それならば自分は一体何に対して腹が立っているのだろうか。

ただ、演奏自体は決して不甲斐なくはなかったが、久美子は部長として自分が不甲斐ないとは思っていた。真由に「実力の高い人が選ばれて皆が喜ぶはず」とあれほど啖呵を切っていたのに、いざ自分がソリから外されて真由が選ばれたらみっともなく動揺してしまった。そして、そのせいもあってか、部員たちもずいぶん動揺していた。結果的に自分は真由に嘘を言っていたようなものだ。それがなんとも情けなくは思えた。自分も他の部員たちもそういう意味では不甲斐ないと思えた。あれほど「北宇治は実力主義」と皆で言っていたはずなのに、全く徹底していなかった。部員たちも不甲斐ないが、皆にその意識を浸透させることが出来ていなかった自分が部長として一番不甲斐ないと思えた。そういうことで自分はイライラしていたのかもしれない。それならば真由に八つ当たりしてしまったようで申し訳ないと思っていると、奏が声をかけてきて外で2人で話すことになった。

そこで久美子が自分のことでいっぱいいっぱいになっていて奏にオーディションに落ちたことで慰めるのを忘れていたことを思い出して、慌てて「残念だったね」と慰めると、奏は何となくこういう結果は予想していたと言う。後藤先輩が卒業して居なくなったチューバに音量面で不安が出たので人数を増やして音量問題を解決して、そのぶんユーフォニアムを3人から2人に減らすことになれば実力的に自分が落ちることになる。それは奏にも予想はついていたのです。

だから結果には文句は別に無いのだと奏は言う。しかし、それでも腹が立つのは、府大会ではコンクールメンバーに選ばれたので一旦は大丈夫なのかと安堵していたのに今回落とされてガッカリしてしまったからなのだという。最初からチューバを4人編成にしてユーフォを2人編成にしてくれていれば、最初から「今年は自分は無理だろう」と諦めがついた。変に希望を持たせて最終的に落とすから腹が立つのだと奏は言う。つまり滝先生の方針がフラフラして途中で変わるからこういう混乱が生じるのだと奏は文句を言うのです。

そして、それは自分だけじゃなくて、久美子がソリを外された件だって同じなのだと奏は指摘する。久美子と真由の実力差はほとんど無いと奏は言い、それでも滝先生は府大会では久美子をソリに選んだのであり、府大会から今日までの間に2人の実力に大きな変化が無い以上、今回もソリは久美子を選ばなければならないはずだと奏は指摘する。そうしなければ、途中で滝先生の基準が変わったということになる。それはつまり滝先生が方針が定まらずフラフラしているという印象を与えることになるのではないかと奏は問題提起する。

それを聞いて久美子は確かにその通りだと内心思った。久美子も自分と真由の実力差は無いと思っていた。もし自分の方が実力が劣っているという自覚があれば、府大会で自分がソリに選ばれておいて、あんなに堂々と真由に「北宇治は実力主義だよ」なんて言えるはずがない。だから久美子は自分が実力で真由に劣っているとは思っていなかった。実力は互角だと思っていた。それで府大会では自分がソリに選ばれたのだから、滝先生の基準では自分がソリに相応しいということなのだろうと思っていた。だから今回のオーディションでも自分がソリに選ばれるのだろうと思っていた。ところが自分ではなく真由が選ばれたので、滝先生が何を考えているのか分からなくなって混乱してしまったのです。

久美子は、奏の指摘を聞いて、自分が選考結果発表の後に動転してしまったことや、練習後にイライラして真由に八つ当たりしてしまった原因はそれだったのだと気付いた。自分は滝先生が信じられなくなって腹を立てていたのだ。そして、おそらく練習中に部員が全体的にピリピリして固い雰囲気だったのも同じ理由によるものだったのだということにも久美子は気づいた。みんな別に自分に同情して動揺していたわけではなく、オーディション結果で滝先生への信頼が揺らいでしまったので滝先生の指揮に上手く反応できず良い演奏が出来なかったのです。

そのように滝先生への信頼の低下はそのまま演奏の質の低下に直結する。だから滝先生への信頼を損なうような事実は認めてはいけないのだと思い、久美子は奏の推測は認めてはいけないと思い直して「私は単純に真由ちゃんの方が上手いからだと思ったけど」と言い返す。しかし奏はそんなことはないと反論して、久美子と真由の実力には差は無いはずだと再度強調して、久美子たち幹部や3年は滝先生を盲信していると指摘する。久美子はそんなことはないと言い張るが、確かに盲信している面はあると内心では認める。「盲信」と言うと聞こえは悪いが、滝先生を強く信じてついてきたからこそ北宇治は強くなれたのだ。それを揺るがすことは出来ないのだと思う。

すると奏の方はあくまで久美子が自分の意見に賛同する気が無いと気付くと、諦めたようになり、久美子の意見に納得して意見を引っ込める。奏にしてはずいぶん簡単に引き下がるものだと久美子は思うが、奏は自嘲気味に「愚痴みたいなものですから」と苦笑する。そう、確かに奏の言ってることは愚痴に過ぎない。「最初から今年はダメだと思えていればガッカリしなかった」なんていうのは間違った考え方なのです。奏がそんなふうに今年のコンクールを最初から諦めてしまうのではなく、最後まで希望を持って努力し続けることの方が良いに決まっている。それは奏自身にとっても良いことだし、そうやって各自が努力して向上し続けることが北宇治吹奏楽部全体にとって良いことなのです。その努力は今年は実らなくても必ず来年以降に繋がっていく。そう信じるからこそ、今年から北宇治はオーディションを3回実施することにしたのです。

去年までのようにオーディションを府大会前に1回だけ実施していれば、それが唯一無二の「滝先生の基準」ということになり、滝先生への信頼は揺るがない。ところがオーディションが複数回あると、そのたびに滝先生の基準が変わったように見えてしまい、滝先生がブレているように見えて滝先生への信頼が低下してしまう。つまり久美子たちが複数回オーディション制を採用したことが滝先生の信頼低下という事態を招いてしまった真の原因なのです。

だが、久美子たちはあえて複数回オーディション制を採用した。滝先生もそれを了承した。それは複数回オーディション制には常に部員全員のモチベーションを維持できるという利点があるからです。奏だってそういう趣旨を理解した上で緊張感をもって努力してきたのです。だから結果がダメだったからといって途端に「最初から無理だと分かっていた方が良かったんです」みたいなことを言うのは単なる愚痴に過ぎないということは奏にも分かっているのです。

だが、そうした奏の「愚痴みたいなものですから」という言葉を聞いて、久美子は「それでも愚痴が出ることは無視は出来ない」と思った。「滝先生を信頼することで演奏の質を高めていく」という方針は久美子たちが作ってきた北宇治の伝統でした。そして複数回オーディション制も久美子たちが正しいと信じて導入した新方針でした。しかし、この2つの間で齟齬が生じてしまい、それによって部員たちが「愚痴」を言うような状況が生まれて演奏の質の低下を招いてしまっている。このことは部長として看過してはいけないのではないかと久美子は思ったが、ただ、どうすればいいのかは全く分からなかった。

その後、夕食後は皆で花火をやることになったが、その場で久美子が1人で座っていると麗奈がやってきて「どんな結果でもこれが最善だったと思ってる」と悔しそうに伝える。もちろん麗奈は久美子とソリを吹きたかったのだが、それでも滝先生の決定ならば受け入れるのだと言うのです。それはドラムメジャーの立場としては正しいのだろう。自分の感情を押し殺して正しい決断が出来る麗奈はやはり強い人なのだと久美子は思ったが、内心ではちょっと嫌な気持ちになった。それは久美子がやっぱり滝先生の決定に不満を持っているからであり、奏のように自分も「愚痴」を言いたいからなのだと久美子は感じた。そして、自分と同じように「愚痴」を抱えている人間には麗奈のような人は冷たく感じてしまうのだろうなと痛感した。

それで麗奈が奏が外されたことに文句を言っていた2年生を強く叱っているのを見て、久美子はそれぐらいの愚痴は見逃してあげてもいいんじゃないかと言うと、麗奈は、そんな愚痴を認めていたら滝先生への信頼が低下して演奏の質が下がると言い、だからドラムメジャーとしては見過ごすことは出来ないのだと、やはり正論を言う。そして更に「何より、滝先生は何も悪くないでしょ」と言う。

それを聞いて、久美子は確かにその通りだと思う。滝先生は単に演奏の質を上げるために今回の判断をしたのであり、悪意など全く無い。全国大会金賞を獲るために出来ることは何でもしようとしている。一昨年は強豪校のミスが無ければ関西大会止まりだった。去年は関西大会で終わった。だから現状の北宇治はやはりまだ関西大会レベルなのです。それを全国大会金賞まで持っていくためには試行錯誤が必要なのは当たり前で、オーディションが3回あるなら滝先生だって色んなことを試したくなるのは当たり前なのです。だから府大会の時と関西大会の時で基準が違っていても仕方ないのです。そこを「フラフラしている」などと批判するべきではない。

そもそも滝先生自身は「自分を盲信してついて来い」なんて考えていない。オーディションを複数回実施すれば自分への信頼が低下する可能性があることは滝先生だって分かっていたはずです。それでも滝先生は導入に積極的に賛成してくれた。つまり自分の神格化などよりも部員のモチベーションが上がることの方を重視してくれたのです。その方が大局的に見て全国大会金賞の可能性が上がると信じてくれたのです。その滝先生の信頼に応えることを現在の自分たちは出来ていないのだと久美子は思った。複数回オーディションの弊害の方が出てしまっていて演奏の質の低下を招いてしまっている。部員の「愚痴」を上手く収めてモチベーションの上昇に繋げることが出来ていない。麗奈みたいに頭ごなしに正論で押さえつけるだけではダメだとも思ったが、ならばどんな方法が良いのかといえば、何も思い浮かばない。何とか解決策は無いものだろうかと久美子は苦悩するのでした。

一方、真由は花火をしながら、やはり自分がソリに選ばれて本当はみんな怒っているのだろうと思っていたが、つばめはそんな真由に向かって、自分は真由が選ばれるかもしれないと思っていたと伝える。そして、真由が選ばれて嬉しかったとも言ってくれる。嬉しいと思った理由は、新入りの真由が選ばれたことで「滝先生が部長とか幹部とか関係なく、ちゃんと実力を見て選んでくれているのだとハッキリ分かったから」なのだとつばめは言う。

つばめは2年前に初心者で入部して、ずっとコンクールメンバーに選ばれることはなく、自分はコンクールに出ることはないのだろうと諦めていた。しかし2年生の秋のアンサンブルコンテストの部内オーディション時に久美子と同じチームになり、そこで久美子の助言や励ましで初めて自信がついて自分もコンクールメンバーを目指そうと思えて努力を積んできた。そんなつばめも今回はマリンバのソリに選ばれており、それでも他にマリンバを弾く人もいない状況で本当に自分の実力で選ばれたのかよく分からなかった。でも部長の久美子を差し置いて真由がユーフォニアムのソリに選ばれたのを見て、確かに滝先生は実力を評価して選んでいるということが分かり、それで自分のマリンバもちゃんと実力とその裏にある努力が評価されたのだと初めて分かった。そのことはつばめにとって単にソリに選ばれたという結果よりも、何倍も嬉しいことだったのです。その話を聞いて、真由は初めて自分のような人間が他人に活力を与えることがあるのだと思い、少し嬉しくなった。

久美子の方は、副部長の秀一までもが今回のオーディションの結果には納得がいかないとか、府大会から急に変わりすぎだとか愚痴っているのを見て、今は部長としてやるべきことは別にあるのだと実感して、自分のソリの件は忘れることにした。今は北宇治吹奏楽部に広がり始めた滝先生への不信感を払しょくして演奏の質を上げるために、部員たちの「愚痴」にどうやって対処すべきか考えることが部長として自分のやるべきことだと久美子は考え、秀一には「真由ちゃんの方が上手だったってこと」「私は納得してる」と元気よく伝えて、副部長としてしっかりするようにとハッパをかける。そして真由に対しては「選ばれた以上、関西大会で全力で吹いてほしい」「北宇治が全国で金を獲るために部員として頑張ってほしい」と伝える。真由もつばめの言葉で少し前向きになっていたので、久美子の言葉に背を押されて、北宇治のために自分の出来ることをしようと心を決める。

そうして8月20日に夏合宿は終わり、28日の関西大会に向けて校内で練習する日々が始まるが、まだ北宇治吹奏楽部にとって苦しい日々は続く。やはり第2回オーディションで落ちた部員たちのモチベーションが低下しているのだという。3回目のオーディションがあるのでモチベーションは維持されるはずなのだが、3回目はあくまで関西大会を突破すればの話です。関西大会は難関ですから「3回目は無い」と思ってもう終わったと思ってしまう部員も多いのです。

ただ目下のところは関西大会突破のためにはコンクールメンバーの士気さえ上がっていればいいのであり、関西大会を突破すれば落選メンバーの士気も再び上がってくる。だから今は落選メンバーのことは放置しておいてコンクールメンバーだけ士気を上げて関西大会突破に集中しようというのが麗奈の意見であったが、秀一はそれではダメだと言う。幹部がそんな姿勢を見せていては来年に悪影響が残ってしまうのだと秀一は言う。そんな意見のぶつかり合いの中、久美子は当たり障りの無いことしか言えず、複数回オーディションにした結果、部内の空気が重いとか、部員のケアをすべきパートリーダーたち自身が余裕が無いのだという苦情に対しても有効な対処が出来ない。

麗奈はそれぐらい緊張感があるからこそ今年は演奏の完成度は上がっているのだから、そのままでいいのだと言う。確かに、もともと関西大会レベルである北宇治が全国大会金賞を獲るためには思い切った改革が必要なのであり、そのために部員全体のモチベーションを高めるために複数回オーディション制の導入だった。それはこうした緊張感に高まりや部内の空気が重くなり各自の余裕が無くなるという副作用は覚悟の上であったはず。それを乗り越えてこそ全国大会金賞が獲れる。それが麗奈の主張であり、それは確かに正論だった。だが現実問題、部員たちは限界に達しようとしているし、演奏の質もここに来て下がりかけている。だから正論のゴリ押しじゃダメなのだというのが秀一の意見であり、麗奈は久美子に意見を求める。それに対して久美子は「麗奈の言う通りだと思うよ」と応えるが、麗奈は久美子に自分と同じ意見を言ってもらいかったので、単に「麗奈の言ってることは正論だ」としか言ってくれない久美子の態度に腹を立てて立ち去ってしまう。

その後、久美子は麗奈と一緒に下校し、葉月も緑輝も一緒に帰りますが、葉月も緑輝も部内の雰囲気が悪いと言ったりするので、麗奈が気にすると思って久美子は焦って話題を変えようとする。それで複数回オーディションがなかなか大変だという話になるんですが、緑輝は滝先生に問題があるとか言い出し、ますます麗奈に聞かれてはマズいと久美子は焦る。しかし緑輝は滝先生が府大会の時と色々と変えすぎで皆が混乱していると指摘し、緑輝自身も真由ではなく久美子がソリを吹いた方が部内は落ち着くし、真由だってその方が困らなくていいはずだと指摘する。

だが、それに対して葉月は安定だけを優先して全く何も変えない方がいいと言うのなら、そもそもオーディションなど成り立たないと言う。オーディションがあるからこそ部内は動揺もするけど活性化するのであり、オーディションをしながら安定化を図るための工夫が必要なのです。それについて葉月は「少なくとも、私はシンプルに実力で選ばれてると思ってた」「だから去年は納得したし今年目指して頑張れた」と言う。葉月は初心者で入部して1年生時はとにかく上手くなるために必死でコンクールメンバーなど考えてもいなかったのですが、去年の2年生時は選ばれなくて本当は悔しかったんですね。それでも「実力で選ばれなかったんだから」と思って悔しさに耐えて自分を納得させることが出来た。そして「来年は実力で選ばせてやる」と心に誓って練習に励むことが出来た。その結果、今年はコンクールメンバーに選ばれることが出来た。

これはつまり「実力のある者が選ばれる」という北宇治のルールが、オーディションをしながら部内を安定化させるための安全装置として機能しているはずだという話です。そういう葉月の話を聞いて、久美子は確かにそのはずだったのだと思い出す。しかし、それが今は上手く機能していない。その原因は複数回オーディションの導入による滝先生への信頼低下のせいなのだ。つまり、北宇治の実力主義の伝統というのは、滝先生への信頼に依存している頼りないものだったのです。

北宇治の実力主義の伝統というものが生まれたのは、久美子が1年生の時の部内オーディション時の騒動の結果だったのだと久美子は真由に説明していた。その時に部員みんなが「実力の高い子が吹く」というやり方を受け入れたのだと久美子は言っていた。しかし、これは真実ではない。久美子自身が忘れてしまっているのだろうけど、真実は微妙に違う。あの時、オーディションで3年の香織先輩ではなく1年の麗奈がトランペットのソリに選ばれて、麗奈が滝先生の知人の娘だから選ばれたのではないかという疑惑が出て滝先生の掲げる実力主義への信頼が揺らいだ。そこで滝先生は再オーディションをして部員全員で実力のあると思う人を選べば文句は無いだろうと提案して、香織先輩と麗奈の2人が皆の前で吹いた。

その時に全員で麗奈を選んでいたのなら、確かに久美子が真由に説明したような「皆で実力主義を受け入れた」と言えるかもしれない。しかし実際には、香織先輩の演奏に拍手したのは優子先輩と晴香部長だけだった。そして麗奈の演奏に拍手したのは久美子と葉月だけだった。他の部員たちはどちらも選ぶことが出来なかった。だから、そこで北宇治吹奏楽部は実力主義を選び取ることはおろか、その時点で空中分解していてもおかしくなかった。そうした最悪の事態を回避出来たのは、香織先輩が麗奈の演奏の方が優れていることを認めて自ら辞退したからです。つまり、香織先輩が「実力主義」を選んだのであり、北宇治吹奏楽部が選んだわけではない。北宇治吹奏楽部は自らの手で実力主義を選ぶ機会を与えながら、その機会を逃して、香織先輩の英断によって救われて滝先生の決定を追認しただけだったのです。だから、あの時に北宇治吹奏楽部において始まったのは「実力主義の伝統」ではなく「滝先生への盲信の伝統」であったのです。その滝先生が実力主義者だったから、まるで自分たちが実力主義の伝統を保持しているかあのように錯覚していたが、それは滝先生ありきの実力主義に過ぎない。だから滝先生への信頼が揺らぐと、実力主義が安全装置として機能せずオーディションで部内が不安定になるのです。

その後、久美子は麗奈と橋の上で2人で話をして、麗奈が「滝先生の判断に従わなければ部が崩れる」と言うのに対して久美子は「滝先生の判断を理解できないと言ってる人に盲信をさせることは無理」と反論する。もう今の状況では滝先生への信頼で事態を解決することは難しいのだと久美子は気づいたのです。しかし、それに対して麗奈は、そんなものは「自分の努力不足を棚に上げて文句を言ってるだけ」だと感情的に非難する。それで久美子は「私はそうは思わない」と言い返し「これだけ部員から疑問の声が出ているものを部長として無視は出来ない」と言う。つまらない文句や愚痴であったとしても、部内が混乱している以上、麗奈の言うように無視したり押さえつけたりしても解決はしないのであり、何らかの解決法を見つけなければいけない。それが部長の役目なのです。

そして更に久美子は「少なくとも今回の件に関して滝先生を全面的に信じているといえば嘘になる!」と自分自身の本音も麗奈に曝け出す。これは本来は言う必要は無い言葉です。あくまで部長として部内の混乱収拾のために愚痴に耳を傾けるのだとだけ言えば済む話なのです。だが久美子は親友の麗奈に自分の本当の気持ちを隠しておきたくはなかったのでしょう。それに対して麗奈は「だったら部長失格ね」と言って去っていってしまった。これは一見すると絶交を言い渡されたかのように見える。実際、麗奈はかなり久美子に幻滅はしたことでしょう。しかし「絶交する」と言ったわけではなく「部長として失格」と言っただけであり久美子という人間を否定はしていない。そこに久美子は少し安堵はしていたが、それでも現状の北宇治吹奏楽部の問題の対処にこれからは麗奈と協力していくことはもう無理になったということは久美子にも理解は出来た。ここからは自分1人で対処していくしかないと覚悟を決めた久美子は、翌朝は1人で早朝に登校すると、職員室に行き滝先生に音楽室の鍵を貰うと「聞きたいことがあるんですけど」と言う。今回はここで終わり次回に続きます。

 

 

鬼滅の刃 柱稽古編

第4話を観ました。

今回は無一郎の柱稽古が主に描かれました。稽古は平隊士たちには厳しいもので、無一郎の辛辣な物言いに隊士たちは凹みます。そんな稽古が終わって夜になると無一郎は出かけていって不死川や伊黒と立ち会ったりして稽古に励みます。また、無一郎は木刀ではなく真剣で稽古をしようとか言い出して隊士たちをビビらせますが、それは隊士たちが勝てないと分かった時に無謀に突っ込んで無駄死にすることが無いようにと戒めるためでした。無一郎の稽古は隊士たちが出来るだけ多く生き残るためのものでした。そして炭治郎は無一郎に次の柱のところに行ってもいいと許可されますが、最後に無一郎に紙飛行機対決を申し込み、無一郎と隊士たち全員で紙飛行機を飛ばして束の間の休息を楽しみ、そうして炭治郎は次の甘露寺の柱稽古に行きます。

 

 

転生貴族、鑑定スキルで成り上がる

第9話を観ました。

今回はまずシャドーの団長のファムがミーシアン州の内戦においてペレーナ郡がクラン側につかない理由を調査してくれて、その結果、バサマーク側につく貴族たちの盟約書を入手することが出来た。その盟約書にはペレーナ郡に隣接する有力なマサ郡の署名もあった。しかしマサ郡はクラン側についているはずなので、どうやらマサ郡はクラン側についていると見せかけてバサマーク側についていて戦争が始まれば裏切るつもりみたいです。そうなると戦争はクラン側が不利となる。ペレーナ郡はそのことを知ってバサマーク側についているようです。

それでさっそくアルスはマサ郡が裏切っているということをカナレ郡長のルメールに報告したのだが、ルメールの側近のメナスはこの盟約書のマサ郡の署名だけが偽物だということに気付く。それで、おそらくバサマークが盟約書に偽のマサ郡の署名を付け足して見せることでペレーナ郡長を騙して味方に引き入れたのだろうということが分かります。そんなことをしてもマサ郡が本当は裏切っていない以上はペレーナ郡はいずれクランによって滅ぼされるだけなので意味は無さそうなものですが、おそらくバサマークはペレーナ郡で産出される爆破の魔石を収集する時間稼ぎをしたいだけなのだろうとメサールは分析します。

そうなるとクラン軍がペナーレ郡と同士討ちすればバサマークの思うツボとなるので、早急にペナーレ郡長を調略せねばならない。そこでロセルの提案でマサ郡長からクラン陣営を裏切っていないという書面を貰った上で、アルスがバサマーク陣営に寝返るフリをしてペナーレ郡長に会い、その場でマサ郡長からの書面を見せて、バサマークに騙されていたことをペナーレ郡長に分かってもらい味方に引き入れようという作戦となります。

しかし事情を話してこの作戦をマサ郡長に持ち掛けたところ、マサ郡長は書面ではなく自分がペナーレ郡長に会うと言い出しアルスと同行し、ペナーレ郡長に自分は裏切っていないことを伝え、バサマークに騙されて領民を危険に晒した迂闊さを叱責します。それでペナーレ郡長もすっかり意気消沈して、今となってはクラン側に味方したいが一度裏切って敵対してしまった自分が受け入れてもらえるとは思えないと落ち込む。そこでマサ郡長が今回の件はアルスに判断を委ねると言い、アルスは一度の失敗で人を切り捨てたくないと言い、争わずに解決出来たのも何かの縁なので仲間になりたいと言ってペナーレ郡長を赦して、そうしてペナーレ郡はクラン側につくことになりました。そうしたアルスの活躍がクランの耳に届き、会ってみたいと言われて、アルスがクランに初めて謁見することになったというところで今回は終わり次回に続きます。

 

 

無職転生Ⅱ ~異世界行ったら本気だす~ 第2クール

第20話を観ました。

今回はルーデウスとエリナリーゼが迷宮都市ラパンに到着したところから始まります。冒険者ギルドに寄って情報収集しようとしたところ、そこにギースが居て、すぐにパウロ達と合流することが出来ました。パウロはずいぶん意気消沈している様子でしたが、ルーデウスが来てくれたことを感謝してくれた。ルーデウスはパウロの元気の無さを見て、やはり無理をしてでも自分が来て正解だったと思います。そして魔法学校でシルフィと再会して結婚し、もうすぐ子供も産まれるのだと伝えると、パウロもリーリャも喜んでくれて、同時にそんな大事な時期に助けに来てくれたことを深く感謝してくれる。またパウロは再会したエリナリーゼにも来てくれたことを感謝し、過去に犯した過ちについても謝罪します。

そうしてパウロの仲間たちを紹介されたルーデウスですが、師匠のロキシーの姿が無いので不審に思います。すると、パウロ達の言うには、1ヶ月前にロキシーは迷宮内の転移魔法陣を踏んで迷宮内の何処かに飛ばされて行方不明になったままなのだという。パウロはまだロキシーは生きているはずだと言うが、ギースなどはもう1ヶ月も音沙汰無しでは絶望的だろうとも言う。ルーデウスは激しく動揺するが、何とか気を取り直して、そもそもどういう迷宮なのかと尋ねる。

パウロが状況を説明してくれて、ゼニスは迷宮内に居るらしいことが分かったが、その迷宮というのが普通の迷宮ではなくて転移迷宮なのだという。迷宮内に転移魔法陣がトラップのように多数存在していて、色んな場所に飛ばされたりするようです。それに魔法陣から魔物がどんどん出現してきたりする。だが、それを聞いてルーデウスはナナホシから教えられた転移魔法陣を使うための参考になると思って大学から借りてきた転移魔術に関する本のことを思い出す。その魔術書は転移迷宮に挑んだ冒険者の手記であったはずで、その魔術書をギースに見せたところ、このラパン迷宮の6層まで攻略した冒険者の手記であったことが分かった。それでルーデウス達は6層まではこの書物を参考にして簡単に突破出来ることになり、3層で行方不明になっていたロキシーも発見し救出することが出来たというところまでが今回描かれ、次回に続きます。

 

 

死神坊ちゃんと黒メイド(第3期)

第33話を観ました。

今回はザインがシャーデーと対峙し、ウォルターが過去のダレスの攻撃を受けるという場面から始まり、ザインはシャーデーを説得しようとするがシャーデーは聞き入れようとはせず時間を操る魔術を奪おうとする。ザインは時間を止めてシャーデーを言開溜めつけて未来に連れていこうとするが、無抵抗のシャーデーを痛めつけることが出来ない間にシャーデーが時間を止める魔術を破り攻撃してくる。

一方でウォルターは過去のダレスの見せた幻覚の中でダレスに愛を告白して過去ダレスは戦意を喪失する。そして坊ちゃん達からシャーデーがこのままでは殺されると聞いた過去ダレスは酷い姉だがシャーデーに死んでほしくないと言い、坊ちゃん達にシャーデーを救ってほしいと言って去っていきます。そうしてダレスは体力の尽きたウォルターを一旦現在の時間の坊ちゃんの屋敷に戻し、坊ちゃんとアリスもシャーデーに敗北したザインを救出して現在の屋敷に戻すことにして、フリーがシャーデーを食い止めている間にニコとイチとカフとダレスを過去の時代に連れて戻ってきて、アリスは現在の時間で坊ちゃんの帰りを待つ。

そうして戦いが始まり、その中で坊ちゃんはシャーデーを説得しようとするが話を聞いてもらえない。それで坊ちゃんは自分の心を読ませて、自分がシャーデーと友達になりたいと本心から思っていることを分からせる。それでシャーデーは動揺し、更にニコも自分はシャーデーを殺したいほど憎いが坊ちゃんがシャーデーを赦す道を作ってくれたから赦すことにしたと伝えると更に混乱して暴走する。今回はそこで終わり次回に続きます。