2024春アニメ 4月29日視聴分 | アニメ視聴日記

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日々視聴しているアニメについてあれこれ

2024年春アニメのうち、4月28日深夜に録画して4月29日に視聴した作品は以下の5タイトルでした。

 

 

響け!ユーフォニアム3

第4話を観ました。

今回は完璧な超神回でしたね。ムチャクチャ泣けた。脚本も良かったんですけど、音楽と映像が美しすぎて悲しくなってしまいました。二度と戻らない限られた時を生きているこの作品の登場人物たちは美しく描かれれば描かれるほどに残酷さを感じさせてくれます。その終わりに向かって一歩一歩進んでいるこの物語は常にそうした物悲しさを感じさせてくれるのですが、今回は既に美しくも残酷な生涯を終えた人物が描かれたことで一線を超えてしまいましたね。

主に描かれたのは2年生の月永求の話でした。求に関しては劇場版「誓いのフィナーレ」から登場しているキャラであり、「誓いのフィナーレ」では何故か苗字で呼ばれることを嫌うキャラ付けがされており、その理由は明かされませんでした。ただ「誓いのフィナーレ」においては北宇治が全国大会出場を逃した去年の関西大会で全国大会出場を果たした京都の高校の指導者が求と同じ「月永」という苗字であることは描かれていて、何か因縁があるのだろうかと思わせてはくれましたが、その詳細は不明なままこうして物語は3期に進み、求は2年生に進級しています。今回はその求の過去が明かされるエピソードであったわけですが、それ以外にもグッとくる場面が多かった。極論を言わせてもらえば、仮に求のエピソードがごっそり抜けていたとしても普通に神回だったと思います。

まず冒頭は誰も居ないガランとした部屋のカットから始まり、バイオリンの奏でる曲がBGMとして流れます。この曲は「愛の挨拶」というピアノ曲やバイオリン曲として有名な曲ですが、ここで流れているのはバイオリン曲ですね。ただ、ここでは単にBGMとして流れているわけではなく、この後すぐに墓参りの場面に切り替わって「愛の挨拶」のバイオリン曲はそのまま流れ続けて、その音は実は墓石の前に置かれたラジカセから流れているということが分かります。

つまり、そのお墓に入っている亡くなった人物にその曲をお供えしているということであり、おそらくその人物の生前にゆかりのある曲なのでしょう。そしておそらく冒頭に映った誰も居ない広い部屋はその人物にゆかりのある場所と思われる。そして、このお墓には「月永家之墓」と刻んであり、求が墓参りをしていますから、求の近親者の墓参りなのだろうと思われる。ただ求は1人で墓参りをしているのではなく、他に3人いて、そのうち1人の老人が両脇にいる他の中年の2人から「おとうさん」と呼ばれているところを見ると、中年の2人の男女は求の両親であり、もう1人の老人は求の祖父と思われる。

ただ、この場面での求は1人だけ離れた場所で手を合わせていて、両親や祖父とは距離を置いているように見える。そして、特に祖父と目が合った時に気まずそうに目を逸らしており、どうやら祖父が原因で距離を置いているように見えます。つまり求は祖父を避けているみたいなのです。しかし、祖父を避けていながら祖父が来る墓参りに参加しているのですから、お墓に入っている故人はよほど求にとって大切な人なのだと思われます。

その後、サンライズフェスティバルまで残り3日となって練習に明け暮れる北宇治高校吹奏楽部の皆の場面となります。前回の話で麗奈の厳しい指導に泣いてしまっていた1年生の初心者メガネっ子の武川さんも頑張ってますし、落ち込んで辞めそうになっていた沙里も久美子部長が自分と同じ想いで見守ってくれていると知って元気を取り戻し、明るい笑顔で初心者の1年生たちを励ましています。

そんな中、練習中に求が1年生のユーフォニアム担当の初心者1年生の針谷佳穂を怒鳴りつける騒動が起きた。原因は佳穂が名簿の名前のチェックで求の「月永」という苗字を口にしたことみたいです。慌てて3年生の緑輝が割って入り求を止め事情を聞きますが、久美子と一緒に騒動を見ていた2年生の奏などは同学年の求の大人げない態度に呆れて、いつまでも名前呼びにこだわっている求をからかって余計にイライラさせようとするので久美子は奏を止めます。求の方もコンバスの師匠として慕っている緑輝に注意されると反省したようで、佳穂に謝ってその場を立ち去っていく。

これは「誓いのフィナーレ」でも描かれた求の「名前呼びにこだわる特徴」を再度強調したシーンのようにも見えますが、しかしこの3期の2話でも求は1年生女子たちに「月永先輩」と呼ばれた際に「求って呼んで」とクールに対応して、なんか逆に親近感アピールみたいに勘違いされてキャーキャー言われていたぐらいですから、2年生になって少しは成長したようで、1年生として入学してきた時みたいに苗字で呼ばれることに過剰な反応を示して奏と喧嘩していたようなことは無くなっていたはずです。だから今回の態度はちょっと不自然であり、緑輝の言うには「先週ぐらいから様子がおかしい」とのことです。

先週というと、ちょうど久美子が1年生集団退部の可能性を知って右往左往していた頃であり、久美子は求の様子がおかしいことまでは気が回っておらず気付いていませんでした。ただ久美子も求が何か事情を抱え込んでいることは何となくは分かっていた。求は妙に苗字で呼ばれることを嫌うだけでなく、どうも吹奏楽部の中でも他人を信用せず警戒しているフシがあり、緑輝ぐらいにしか心を開いていない様子でした。それは去年入学してきた時から一貫して変わっておらず、練習には真面目に取り組むし礼儀正しいし演奏技術もしっかり向上しているので久美子としても特に文句があるわけではなく、どうも深く接することが出来ずにいた。それでも周囲に向ける態度も次第に丸くなってきているようには思って安心していたのだが、それがどうも先週から態度がおかしいのだというので心配になってきた。緑輝の言うには求は先週、家の用事で練習を休んだのだそうだが、その後から様子がおかしくなったのだという。だから家庭で何かがあったのではないかと思われる。

求の家庭というと、久美子や麗奈や緑輝には何となく思い当たるフシはある。「月永」というのは珍しい苗字だが、月永源一郎という有名な高校吹奏楽部の古参の指導者が存在する。それだけならば、たまたま苗字が一緒とも考えられるが、その月永源一郎氏が実は去年から同じ京都の男子校である龍聖学園高校の吹奏楽部の顧問に就任しており、去年の関西大会で龍聖はその月永氏の指導のもと全国大会出場を決めて、全国大会では金賞を獲っている。久美子たちが目指すものを去年実現したのが龍聖なのであり、去年の北宇治は龍聖にその道を阻まれたとも言える。当然、今年の全国大会への限られた枠を巡って競い合うライバルなのです。だから当然久美子たち北宇治の幹部は龍聖を意識しており月永源一郎氏を意識している。だからこそ、もともと求が龍聖学園の吹奏楽部員だったことも把握していました。

求はもともと中高一貫校である龍聖学園の中等部に通っており吹奏楽部に所属していた。普通はそのまま高等部に進むはずです。ところが求は高校は北宇治に進学し、龍聖に内部進学しなかった。そして、それはちょうど月永源一郎氏が龍聖の顧問に就任したタイミングだったのです。つまり、求は源一郎氏の指導を受けることを避けて北宇治に来たように見えるのです。そうなると、珍しい苗字であることも相まって、やはり求は源一郎氏と何か繋がりがあるのではないかと思えてくる。おそらく血縁関係があるのではないかと想像は出来る。そして吹奏楽部においてやたらと「月永」と呼ばれるのを嫌うところを見ると、源一郎氏との関係を知られることを嫌がっているように見えて、あまり源一郎氏とは良い関係ではないように思える。わざわざ源一郎氏を避けて外部進学するぐらいだから、よほど嫌いなのではないかとも思える。それならば先週に家の用事で源一郎氏と顔を合わせて、そこで何かがあって、それ以降に求の情緒が不安定になったと考えると辻褄は合う。

ただ、そうした憶測の真偽も含めて、具体的に何かがあったとしてもその内容も、求に詳しく聞かなければ分からないのだが、さすがに家庭の問題に気軽に踏み込むことは出来ないと思えて、緑輝でさえも求に事情を聞くことは出来ていない。ましてや久美子たちは確認しようもない状態だった。しかし今日みたいなトラブルを求が続けて起こすようならば、他の部員たちも不審に思うようになるかもしれない。特に奏などはもともと求とは去年から苗字呼びの件で揉めており、色々と嗅ぎ回るのが好きな性分だから、おそらく求と源一郎氏に血縁関係があるっぽいことは気付いているのだろう。そして家庭内の不和を吹奏楽部に持ち込む求の態度をワガママだと解釈して憤っているフシがある。もしまた求がトラブルを起こせば奏と大喧嘩になって今度は2年生が揉めだす可能性もある。そう考えると久美子は頭が痛くなってくる。しかもサンライズフェスティバルのプログラムを見ると、北宇治のすぐ後に龍聖が行進するらしい。つまり求が源一郎氏とニアミスする可能性が高く、何か事件が起きるのではないかと久美子は猛烈に不安になってくる。

なお、こうした情報を踏まえて冒頭の墓参りシーンを見ると、おそらく緑輝の言う「先週の求の家の用事」というのがこの墓参りなのであろうと思われ、この墓参りの後で求の態度がおかしくなったのだと思われます。だから、この墓参りの時に何かがあったのでしょう。そして、おそらくこの墓参りに来ていた求の祖父と思われる人物が「月永源一郎」なのでしょう。おそらく、この墓参りの時に源一郎氏との間で何かがあり、それで求は情緒不安定になっているようです。

また、久美子たちが求のことについて話をしているシーンにインサートされて求が下校中にスマホに届いたメッセージを確認する場面が描かれますが、そこで求に送られてきているメッセージは「樋口」という名の男友達からみたいであり、その内容は「サンライズフェスティバルの演奏前に顔を出してほしい」「源ちゃん先生がお前のことを心配しているから」というものであり、おそらく「源ちゃん先生」というのは月永源一郎氏のことであり、樋口というのは龍聖学園の吹奏楽部の部員であり求の中等部時代の仲間だと思われます。樋口は求にサンライズフェスティバルの時に源一郎氏に会うようにと促しているようなのですが、求はそのメッセージを確認すると返信せず無視します。これはどうもトラブル必至な予感がしますね。

そうしてサンライズフェスティバルの当日を迎えました。ここでまず立華高校の描写があります。マーチングの強豪校の立華高校は1期の頃からこのサンライズフェスティバルやコンクールなどでもたびたび登場してきましたが、そこには久美子の中学時代の友人である佐々木梓が所属していた。1年生の時はこのサンライズフェスティバルで再会した久美子と梓が互いに高校でも吹奏楽を頑張ろうと励まし合う姿が描かれましたが、その梓が今回描かれた高校最後のサンラズフェスティバルでは立華高校吹奏楽部の部長として登場しました。久美子も梓も互いに部長になって最後のサンライズフェスティバルを迎えるまでに成長し、しっかりやり切ったのだと思うと感慨無量です。

ここで梓の仕切りで立華高校の吹奏楽部員たちは円陣を組んで体育会系な明るく力強いノリでカッコいい号令を決めてみせて、それを見ていた奏は久美子に北宇治でもああいうカッコいい号令をやったりしないのかとツッコミを入れて久美子が困ってしまう場面は面白かった。そして久美子に気付いた梓は笑顔で手を振ってくれて、久美子も笑顔で応じます。

また、ここで北宇治の部員たちと龍聖の部員たちがニアミスしますが、この場面では求は特に過剰な反応はせず、龍聖の顧問の源一郎氏も北宇治の顧問の滝先生とにこやかに挨拶を交わしています。ただ、ここで源一郎先生は滝先生に「お手数をおかけしますがどうぞよろしくお願いします」と何やら頼みごとをしている様子であり、求はそれを遠目に冷ややかに見ている様子です。この遣り取りの裏側に何があったのかは後で明らかになります。

また、ここで3年生の転校生の黒江真由の描写が少しあります。前回、1年生の初心者の集団退部の可能性があった時に「ついていけない人は辞めた方がいい」みたいなことを言っていた真由ですが、今回は前回部活をサボって久美子を慌てさせていた4人のうちの1人である弥生の衣装がほつれているのを直してあげたり、通常の部活の場面でも同じくその4人のうちの1人である佳穂にユーフォニアムの吹き方のコツを教えてくれていたりしています。このあたりは真由の複雑な多面性を表しているのか、それとも前回の騒動を通して真由も何か思うところがあったのか、そのあたりは明確ではなく、今後のストーリーに繋がっていく描写だとは思います。

そして滝先生がサンライズフェスティバル本番直前に部員たちが厳しい練習に耐えて頑張ったことをねぎらう場面がありますが、ここで麗奈の指導の賜物だと褒めてくれたのは胸が熱くなる描写でした。前回のエピソードでも初心者たちも久美子も大変ではありましたが、一番大変だったのは慣れない指導に四苦八苦していた麗奈であり、麗奈だけは怖がられたりする描写に終始して前回は全く報われる場面が無かっただけに、こうして滝先生のねぎらいがあったのは感無量でした。

その後、北宇治の部員たちは行進のスタート地点に移動していきますが、その途中で龍聖学園の樋口がやってきて求に話しかけてきて、どうして演奏前に源一郎先生に会いに来てくれなかったのかと言って喰ってかかってくるので、求も言い返したりして揉め始めて、樋口が「源ちゃん先生は求のお祖父ちゃんじゃないか」なんて言うので求が怒鳴って樋口の言葉を遮ったりして騒然としてしまう。それを見て奏が「あーあ」と呆れた様子で冷ややかに見ていたので、やはり奏は求と源一郎先生が肉親関係であることは気付いていたようですね。そしてあまり騒ぎになったので樋口も慌てて去っていき、そこに緑輝が来て求に注意すると、求は緑輝に演奏前に醜態を見せてしまったことを詫びて落ち込みます。

それでも求は気持ちを切り替えて旗持役の役目はしっかり務めて行進に支障はきたさず、北宇治はサンライズフェスティバルを無事に終えました。ここで今回は演奏シーン、行進シーンは描かれませんでしたが、サンライズフェスティバルは1期でも「誓いのフィナーレ」でもこれまで何度も描かれており、別に今回は演奏の描写は無くても良いと思えました。今回のエピソードはあくまで求の話がメインであり、求の話に割く尺を削ってサンライズフェスティバルの演奏シーンを描くというのは正しい選択ではないでしょう。

それに、この「あっけなさ」が今回は凄く良かったと思う。久美子たち3年生にとって最後のサンライズフェスティバルがこのようにあっという間に終わってしまったという寂寥感が、いよいよ最後が近づいてきたのだなと余計に思わせてくれてグッとくるものがありました。それに今回はむしろサンライズフェスティバル終了後の描写がメインで描かれることで「最後の祭の後」感が出て良かったと思います。

例えば、例の麗奈に叱られて泣いていた初心者メガネっ子の武川さんも無事に失敗せずやり通せたみたいで安堵していましたが、そこに麗奈がやって来て「初心者の貴方がここまで出来るって見せてくれたから皆も頑張れたんだと思う」と感謝の言葉を伝えてくれて、武川さんが涙を流して喜ぶ場面や、沙里と共に喜び合う場面はとても胸が熱くなって素晴らしかった。これは久美子が麗奈に頼んで武川さんのもとに行かせたようだが、久美子はきっかけを与えただけであって、麗奈が武川さんに伝えた言葉は麗奈自身の言葉であり、そこに嘘は無かったのだと思う。

それでも麗奈が頑張ったのも事実であり、そんな麗奈に久美子も「麗奈のドラムメジャーも良かった」「初めてあすか先輩を超えるドラムメジャーを見た」と最大級の賛辞を送ってあげる。麗奈にこんなことを面と向かって言えるのは久美子だけであり、久美子にしか出来ないねぎらいであった。照れながらも麗奈も嬉しい様子。そして、視聴しているこちらとしては、こういう2人のサンライズフェスティバルでの遣り取りをもう観ることが出来ないかと思うと、なんともいえず寂しい。

しかし、そうした余韻に浸る間もなく、久美子はさっき求と揉めていた龍聖の樋口の姿を見かけると、すぐに追いかけていく。求の抱えている問題が何なのか聞き出したいと思ってのことでしたが、久美子が樋口に追いつくと、緑輝も同じように樋口を追いかけてきており、久美子は緑輝と一緒に樋口から事情を聞くことにした。

そうして樋口に聞いてみると、やはり龍聖の顧問の月永源一郎先生は求の祖父だということが分かった。それでやっぱり仲が悪いのだろうかと思い、久美子が源一郎氏はどんな人なのかと質問する。すると、てっきり厳しくて難しい人なのかと思っていた源一郎氏は実際は気さくで皆に尊敬されている指導者だと分かった。しかも源一郎氏は求のことをすごく心配して気にかけているのだという。それなら求が一方的に源一郎氏を嫌っているということになる。しかし一体どうしてなのだろうかと久美子は不思議に思った。それで何か知らないかと樋口に聞くと、樋口も正確なところは分からないと言うが、求の姉のことが関係しているのではないかと言う。樋口はてっきり求が自分の姉の話は久美子たちに教えていると思っていたみたいで、それで姉の話を口にしたようですが、久美子たちが求からそんな話は聞いていないと知るとビックリして焦ります。求が教えていないプライベートな話を口外してしまった罪悪感で焦ってしまった樋口でしたが、それでもここまで言ってしまった以上仕方ないと思い、久美子と緑輝にだけは秘密の話として打ち明けることにした。

それによると、求の姉は3年前に病気で亡くなっているのだそうです。その時、求は龍聖の中等部の2年生だったのですが、姉の死後に求は凄く落ち込んでしまい、それで心配した源一郎氏は求の近くに居たいと言って、それで龍聖の高等部の顧問に就任して、求が高等部に進学してきたら傍について指導してやろうと思っていたようです。だが求は龍聖を避けるように北宇治に進学してしまったので、それで源一郎先生は戸惑っているらしい。それを見て樋口も心配になって求と源一郎先生の間を取り持とうとして奔走していたようです。

つまり、求が源一郎氏を避けているのは、別に源一郎氏と喧嘩したからではなかった。避けている理由は結局は不明のままで、源一郎氏にも樋口にも分からないようです。ただ、おそらくそれは求が姉の死に際して何か思ったことが関係しているのだろう。それは求自身に聞かなければ結局は分からない。しかし、肉親の死に関わることとなると非常にデリケートな問題であり、他人が突っ込んでいいものかどうか悩ましいところです。普通はそっとしておくべきことなのでしょう。しかし、先週源一郎氏との間で何かがあって、それ以降求の様子がおかしいのも事実であり、それは何もせず放置しておくのは吹奏楽部のために良くないし、求のためにもならないと思えた。

てっきり求が祖父と喧嘩したという程度の話なのだろうと甘く見ていた久美子であったが、これは大変なことになったと痛感した。デリケートな問題であると分かっていながら、そこに切り込んでいくしかないと思った。しかし、そこで緑輝が自分が求に話を聞いてみると言い出す。緑輝は自分は実はこれまで求から少し逃げていたのだと打ち明ける。求は去年入学して吹奏楽部に入るとすぐに緑輝に弟子入りしたいと言ってきて懐いていたが、その一方で他の部員たちに打ち解けようとしなかった。緑輝はその不可解な態度に戸惑い、何か事情があるのだろうと思いつつ、理解不能な問題に介入することを躊躇い逃げていたのだという。しかし、それは部活の先輩として正しい選択ではなかったと今回反省したのだと緑輝は言う。

1年生として入部して上手くなりたいと思って夢中に音楽に取り組んでいるうちに気が付けばもう3年生になっていて後輩が出来ていて、その日々ももうすぐ終わろうとしている。ならばせめて最後に少しぐらいは先輩らしいことをしなければいけないと思い、緑輝は求の話を聞こうと決意した。そして、どっちにしても求とはいずれこの話はしなければいけないとも思っていたことも緑輝は自覚する。それはつまり、緑輝自身が求との関係を高校生活だけで終わらせたくないと思っていたからでした。いつかは求のことをもっと深く理解したいと思っていた。ならばそれが今でもいいのだと緑輝は思ったのでした。久美子もそんな緑輝の気持ちを知って、求のことは緑輝に任せることにした。

そうして緑輝は求と2人きりで話をすることにして放課後の練習時間に2人で別室に行った。もちろん龍聖の樋口から話を聞いたということには触れず、最近求の様子がおかしいことが気になっているので、誰にも口外しないから何が起きて何を思っているのか正直に教えてほしいと言うだけであった。一方で、練習場所に2人がいないことからそのことを察した奏がどうして求のワガママにそこまで理解を示してやる必要があるのか理解出来ないと言って久美子に抗議してくる。奏は求が単に祖父と喧嘩でもして勝手に嫌って、北宇治の皆に名前呼びを強要したり、いきなりキレたりして迷惑をかけているだけだと思っている。内部進学せずに北宇治に来たのだって、どうせ「祖父の七光り」だと思われたくなくて逃げてきたのだろう。実力で黙らせる自信がないからそうやって逃げるのであり、そんなヤツだから北宇治に来ても周囲を怖がって壁を作ってキレたりするのだと思って奏は求のことを軽蔑していた。1年生に怒鳴りつけるなど言語道断だと怒っていたのです。

久美子は奏がそう思うのも仕方ないとは思った。そこまでボロカスには思っていなかったが、樋口の話を聞くまでは久美子も同じような印象を持って求のことを困った子だと思っていた。しかし樋口から姉の死の話を聞いた今となっては、求の心情はそういう単純なものではないということは分かっている。ただ、姉の死の件はさすがに勝手に口外するわけにはいかないので、久美子としても奏をどう宥めていいのか分からずちょっと困ってしまう。すると、そこに真由が口を挟んできて、奏がそこまで求のことでムキになるのは求のことをよほど意識しているからではないかと煽りだし、それで奏は呆れてしまい、それ以上求の話をするのがバカバカしくなったようで話を引っ込めてしまう。それで久美子は助かったと思い真由に感謝するのであった。

その後、久美子は放課後の部活が終わって滝先生に鍵を返しに行った際に、実は龍聖学園の月永源一郎先生から求を龍聖に転校させたいという話が来ているのだと伝えられる。サンライズフェスティバルの時に月永先生が滝先生に「お手数をおかけしますがどうぞよろしくお願いします」と言っていたのはこのことだったのです。もちろん最終的には求本人の意思次第なのだが、家族間の話なので滝先生も久美子も口を出せる問題ではない。求が家族と話し合って出した結論に従うしかないようです。そして、それを聞いて、久美子は「先週、家の用事で休んでから求の様子がおかしい」というのはこれが原因だったのだと思い当たった。

おそらく先週、家の用事(墓参り)の際に源一郎氏が求に龍聖への転校の話を切り出したのだろう。源一郎氏は求が龍聖を避ける理由に思い当たるところが無いから、あくまで求のために良かれと思ってそういう話を持ち出したのであろうけど、それが求には受け入れがたいものであったのだろう。それでそれ以来求は情緒不安定なのだ。しかし、樋口の話を聞いた感じでは源一郎氏は話せば分かってくれそうな人みたいです。ならば求は自分が龍聖に行きたくない理由をちゃんと説明すればいいのだろうとも思える。それをちゃんと説明しないから源一郎氏も意見を譲らず、話はこじれていって求も苦しむ結果になっているのだ。どうして求は自分の気持ちをちゃんと祖父に伝えようとしないのだろうかと久美子は不思議に思った。

そうしてとことん話がこじれてしまえば最終的には学費を払っているのは保護者なのだから源一郎氏のゴリ押しで求が北宇治を去って龍聖に行く羽目になってしまうかもしれない。そうなったら緑輝はどうなるのだろうかと久美子は心配になった。いや、それ以前に久美子は部長として求にも居なくなってほしくはない。「全員そろってこそ北宇治」なのです。そんなことを悶々と考えながら下校しようとしていると、久美子は緑輝に呼び止められ、結局は求から詳しい話を聞き出せなかったと言われる。求は頑なに緑輝にも事情を説明はしてくれなかったのだという。それで緑輝は自分は求に信頼されていなかったと言って落ち込む。そんな緑輝に求の転校の話を言えればよかったのだが、滝先生からこのことは誰にも口外しないようにと言われているので久美子としても何も言うことは出来なかった。

そうして緑輝と別れた後、駅の改札を抜けたところで久美子は待ち伏せしていた求に呼び止められる。求はいきなり緑輝に何か起きたのかとか何を考えているのかと問い質されて、緑輝が自分の事情を何か知っているのではないかと疑い、久美子ならば何か知っているのではないか思って、久美子と話をしたいと思って待ち伏せていたのです。そうして久美子は求と2人で話をして、龍聖の樋口と会って、求と祖父との関係の話や求の姉の死の話も聞いたと伝え、それは緑輝も一緒に聞いて知っていると伝えた。そしてまた、久美子は自分だけは滝先生から転校の話も聞ているとも伝えた。

それで求はそこまで知られているのでは仕方ないと思い、久美子にこれまでの経緯を全て話してくれた。求は別に祖父のことが嫌いというわけではなく、子供の頃から祖父を慕っていたのだそうだ。それは姉も同様で、子供の頃から求と姉は一緒に祖父からコントラバスを習っていた。実は今回の冒頭で映った何も無い広い部屋というのは、求と姉が子供の頃に一緒に祖父からコントラバスを習っていたレッスンルームだったのです。

そうして姉は祖父が指導していた高校の吹奏楽部に入ったのだが、そこで「指導者の孫」ということで贔屓されていると中傷されてしまったのだという。それで姉はだいぶ苦しんだのだが、祖父はあくまで実力だけ見て判断して姉をコンクールメンバーに選ぼうとしたのだが、そのせいで更に揉めてしまい、それで姉の心は折れてしまったのだという。もともと純粋に吹奏楽が好きなだけだった姉がその気持ちが無くなってしまい、そのまま病気になって亡くなってしまったのだそうです。

その頃、求は龍聖の中等部の2年生だったが、姉の死に大きなショックを受けて落ち込みながらも、自分は姉がもともとやりたいと思っていた「楽しい吹奏楽」をやらなければいけないと思うようになったのだという。ところが求が元気が無いので心配した祖父は求を心配して龍聖の高等部で直接求の指導をすると言い出した。源一郎氏としては求の姉が死んでしまって、その上に求まで失うことになるのではないかと心配でたまらなかったのでしょう。しかし求としては、姉の吹奏楽を好きな気持ちを折ってしまった祖父の指導法の下で吹奏楽をやることは、姉に対する裏切りのように思えて耐えられず、とにかく龍聖から逃れようと思い外部の高校を受験して、たまたま近所にあった北宇治に進学したようです。

そうして去年の4月、入学してすぐに北宇治の吹奏楽部を覗きに行った時に、求は緑輝がコントラバスを弾いている姿を見て、姉に似ていると思ったのだという。「音楽が好きで、楽しくて、皆と一緒に上手くなりたいって、それだけ考えていて」そういう緑輝の姿を見て、求は姉の本当に夢見ていた高校の吹奏楽部ってこんな感じだったのだろうと思い、これが自分のやるべき吹奏楽だと思った。だから緑輝に弟子入りし、緑輝には今のまま変わってほしくないと思ったのだという。だから求は緑輝には祖父とのことや姉のことなど余計なことを教えたくなかったのです。ただ純粋に共に音楽を奏でたかった。子供の頃に姉と一緒にコントラバスをただ上手くなりたいと思って弾いていた時のような気持ちでいたかった。だから求は緑輝に事情を教えてほしいと言われても何も答えなかったのでした。

ただ、求は死んだ姉が生前に心が壊されるまでに高校吹奏楽部で受けた仕打ちを深く心に刻んでもいたので、北宇治の吹奏楽部に入っても姉に似た緑輝以外は信用しようとはしなかった。自分が有名な高校吹奏楽の指導者の孫だと知られてしまえば姉のように贔屓されているなどと中傷を受けてしまい高校吹奏楽を台無しにされてしまうのではないかと極度に恐れ、苗字で「月永」と呼ばれることを極度に嫌うようになり、自分のことを探られないように部員たちとも親しくならないようにして緑輝としか親密になろうとしなかったのです。それが次第に丸くなりかけてきたところで先週になって急に祖父から龍聖に戻るようにと言われてしまい、求としては応じるつもりは毛頭無かったが、自分の身辺に祖父の影がチラつくようになったら北宇治でも変な噂が立つのではないかと警戒して過敏な反応を示しがちになっていたのです。

それで求は自分は龍聖に戻るつもりはないとも久美子にも伝えた。それは確かに久美子には嬉しいことではあったが、しかしそれだけではまだ足りないとも久美子は思った。それに緑輝だって納得しないだろうと思えた。もともと、今の求が様子がおかしいことを心配したことが始まりなのです。龍聖に行かないからといって、祖父との問題を解決せずモヤモヤしたままの求では久美子は安心できないし緑輝だって安心できない。

それで久美子は求に「その前にお祖父さんと樋口くんにちゃんと説明してほしい」と要請した。求の話を聞いて、久美子はどうして求が祖父に自分の本当の気持ちをちゃんと説明しようとしていないのか理由が分かった。それは、求が姉の本当にしたかった「楽しい吹奏楽」をやりたいのだと説明してしまうと、それは祖父の吹奏楽が姉を殺したのだと非難するような形になってしまい、それによって祖父が深く傷つくことが分かっているからでした。だから求は自分の本当の想いを祖父にも、心配してくれている樋口にも説明出来ず不可解な態度を取り続けているのだ。

しかし久美子は、そのことで祖父も樋口くんも求のことを心配して心を痛めているのだと説き、彼らを救うためには求が彼らを傷つける覚悟を持つべきだと諭す。そして付け加えて、久美子は「気持ちは演奏に出るよ」と忠告する。そんなふうに自分の気持ちに嘘をついて演奏していたら、きっと良い音は出ないし、上手にはならない。それ以前に、そんな吹奏楽はお姉さんが、そして求自身が夢見ていた「楽しい吹奏楽」ではないだろうと久美子は諭したのです。

それを聞いて求は納得し、「そこまで考えてくれて有難うございます」と礼を言う。それに対して久美子は「私はこのメンバーでコンクールで最高の演奏がしたいから、求くんにも北宇治のために良い演奏をしてほしい、それだけ」と応える。そのためだけにここまでしてくれる、それだけ自分が北宇治吹奏楽部に必要とされている、それは求にとって最高の賛辞であった。それで求は「それ、凄く嬉しいです」と笑顔で答える。その時、求の中で北宇治に対する不信感は氷解していき、北宇治は「姉が目指していたはずの場所」ではなく「自分の居場所」になったのでした。ここの場面、駅前のロータリーという立地を活かしたタクシーのヘッドライトが回っていくことによる光の演出で、まず久美子の顔に光が差して、それから求の顔に光が差していくという描写によって、久美子の言葉が求に光を与えていくということを表しているのがニクい。

そうして求は帰っていき、久美子はふと思いついて今は離れて暮らす姉の麻美子にメッセージを送ってみる。求と姉の話を聞いて、同じように子供の頃に一緒に吹奏楽をやっていた姉のことを思い出してしまい、吹奏楽は辞めてしまった姉ではあるが、生きて共に高め合うことが出来る姉が健在な自分は幸せだと実感し、突然の連絡に「何?」と返信してくる麻美子に「生きてるならいい」と返信する久美子でした。

そして翌日、部活中に久美子のところに求が来て、祖父と樋口に連絡して今までのことを全て話して、北宇治に残ると伝えたと報告してくれた。そして、求は祖父と樋口に「ここは僕が僕でいられる場所だ」「ここがいい」と伝えたと言う。姉のためじゃないし、姉の恨みを晴らすためでもない。祖父を恨んでいるからじゃない。姉の吹奏楽を引き継ぐためじゃない。ただシンプルに求自身が自分の吹奏楽を目指すために北宇治を選んだのだと伝えたのです。久美子と話をしたことによって、自分が北宇治に必要とされていることを知ることが出来て、求はやっと姉のためではなく自分のために吹奏楽をやろうと思えるようになり、初めて本気で北宇治のために自分の吹奏楽を追求したいと思えるようになったのです。その強い決意を聞いて、おそらく源一郎先生も求はもう安心だと思うことが出来たであろうし、求の姉を殺してしまった結果求の人生を歪めてしまった罪悪感からも少し解放されたことでしょう。

そうして久美子に「僕は北宇治の人間です」と伝えた求はようやく姉の死の呪縛から解放され、その足でコントラバスを持って緑輝が待つ部屋に行き、既に姉の死のことまで知っていた緑輝に対して真実を打ち明けなかったことで不安にさせてしまったことを謝ろうとしますが、緑輝は明るい表情で「何か一緒に弾きませんか?」と誘ってくる。緑輝は緑輝で求との関係を考え悩んだ末、祖父や姉のことを知っていることは伏せたまま言葉ではなく音楽で語り合おうという結論を出したようです。それで求は少し微笑んで「じゃあ、一緒に弾いてほしい曲があります」と緑輝の想いに応える。そうして2人でコントラバス二重奏で弾いた曲は「愛の挨拶」でした。これは冒頭の墓参りの場面でラジカセで流れていた曲で、あれは姉の墓に供えた曲であり、姉と求が子供の頃に祖父からコントラバスを習った時によく弾いていた思い出の曲でした。

求は久美子の言葉によって姉の死の呪縛から解放され、姉の魂を解き放ち別れを告げるために、姉との想い出の曲を姉に似た緑輝と共に演奏して鎮魂としたのでした。この2人の演奏シーンにインサートされて、今回の冒頭で映し出された求と姉の想い出のレッスンルームが再び映し出されるが、冒頭の場面では閉ざされていた部屋の窓がこのラストシーンでは開け放たれており、部屋にずっと閉じ込められていた姉の魂が天に昇っていったことを示唆されている。部屋の中に置かれた3脚の椅子は求と姉と祖父の想い出を象徴し、外から部屋の中に舞い落ちてきた落葉は姉の肉体の死を表し、開け放たれた窓の外から天からの光が差し込む様子は求の心の中に鍵をかけてずっと閉じ込められていた姉の魂が解き放たれて天に召されたということを表していると考えられるでしょう。

そのようにしてこれまでの経緯を一切言葉にすることなく、ただ音楽で語り合うことで緑輝との間で今回の話を終わらせたことによって求は緑輝に「姉に似ているので惹かれていた」ということは一度も告げることはなく、姉からは解放されて1人の女性として緑輝に向き合うことが出来るようになったのだと思います。今後の2人の関係に幸あれと思います。こうして今回のエピソードは終わり、また次の曲が始まるという久美子のナレーションと共に「あがた祭」のポスターが映し出され、次回は毎年恒例のあがた祭のエピソードであることが示唆されて次回に続きます。

 

 

転生貴族、鑑定スキルで成り上がる

第4話を観ました。

今回は前回のお話から3年後の話となります。前回家臣になってくれたシャーロットは魔法兵として大活躍するようになっており巨乳になっていた。そんな中、新たに領内に優秀な人材が見つかったというリーツからの報告を受けたアルスは狩人の兄弟に会いに行きます。すると狩人の兄弟も優秀な兵士となる資質の持ち主であったが、その末の弟のロセルが出来が悪いとのことであったがアルスが鑑定すると非常に知略のスキルが高くて、アルスは兄たちと共にロセルも召し抱えたいと申し出る。

しかし臆病者のロセルは断固拒否して部屋に引きこもってしまう。そこでアルスはロセルが本が好きだと知って城の図書室に誘い、ロセルがもともと文字を習っていないが独学で文字を覚えたのだと知り、ますますその才能を眠らせておくのは惜しいと思う。それでアルスはロセル自身にもその父親にもロセルの才能を知ってもらおうと思い、ロセルに獲物を狩るための罠を考案させる。ロセルは父親に認めてもらいたいと思って、兄たちが兵士になって居なくなった後で役に立つ罠を作ろうとして、その罠は見事な出来であったが、父親は兄たちと一緒にロセルも城に行くようにと言い、ロセルは父親に見捨てられたと思って落ち込んでしまいます。

しかしアルスはロセルに家に戻るようにと言い、ロセルは家で悲しみに暮れますが、父親がロセルの才能に気付いてやれなかった自分は父親失格だからロセルに恨まれて優しいロセルが旅立ちやすくなるようにして償うべきなのだと考えていることを知り、涙を流します。そしてロセルは父親のことを好きだと言い、いつかまた一緒に暮らしたいと言って旅立ちます。アルスはロセルが家臣にならなくても1人の領民として父親と絆を結んで幸せになってくれることを願っていたのだと打ち明け、そんなアルスにロセルもその兄たちも感激して忠誠を誓うのでした。そんな感じで今回とても良い話でした。次回は遂にメインヒロイン登場みたいで楽しみですね。

 

 

無職転生Ⅱ ~異世界行ったら本気だす~ 第2クール

第16話を観ました。

今回は妹であるノルンとアイシャがルーデウスの家にやってきた話。まずはノルンとアイシャの護衛をしてくれて家まで連れてきてくれたルイジェルドとの久しぶりの再会です。転移事件で魔大陸に飛ばされたルーデウスを故郷のブエナ村まで送ってくれた後に別れて以来の再会ということになります。

ルイジェルドと共にいた時にはエリスも一緒に居て、ルーデウスとエリスは相思相愛でしたから、ルイジェルドはてっきりルーデウスはエリスと結婚すると思っていたのでしょう。だからルーデウスが別の女性と結婚したと知って意外だったようで、エリスとはどうなったのかと聞きます。それで別れたと言うと、ルイジェルドはルーデウスの思い違いではないかと言う。そう言われたらそんな気もしたルーデウスであった。もしそうであるなら裏切ったのはルーデウスということになる。しかし3年間の苦しみから自分を救ってくれたのはシルフィなのだからと、ルーデウスはシルフィとの結婚を後悔はしなかった。

それでもエリスのことは気にならないわけではなく、ルイジェルドは旅の途中でエリスに会うことがあれば言い分を聞いて、またルーデウスに会いに来ると言ってくれる。そしてルーデウスにも、もしエリスと会うことがあれば落ち着いて話をするようにと諭して、ルイジェルドは旅立っていった。その前にルイジェルドとバーディガーディが玄関先で睨み合ったりしていて過去に何か因縁があるようでした。

ノルンとアイシャの方は、学校に行かせるようにとパウロからの言伝もあったのでルーデウスは2人をラノア魔法大学に入れようとしますが、アイシャは大学に行かずルーデウスの家でメイドをしたいと言う。アイシャは出来が良くてノルンはあまり勉強が得意ではないようです。ただ、どうもこの世界では勉強というものは出来の悪い者が学ぶためのものであり、出来が良い者は学校に行かず好きに生きるようです。まぁ特に何か研究したいような人は特待生という形で大学に行くというのもアリで、もともと大学ってそんなものなのかもしれません。

それでとりあえず2人に大学の入学試験を受けさせて、アイシャは満点だったのでメイドになる道を選ばせてやり、ノルンはイマイチの成績だったので大学に入ることになったが、寮に入りたいと言う。ノルンはルーデウスを嫌っているのです。以前にルーデウスがパウロに殴りかかった時にそれを見ていたというのもあり、またルーデウスがその時一緒にいたエリスとは違う女性と結婚しているので不誠実な人間だと思っているようです。ちなみにノルンは幼少時にシルフィとは何度も会っているはずだが、よく覚えていないらしい。

このノルンの希望をルーデウスが許してやったので今度はアイシャがノルンを贔屓していると言って拗ねる。どうもノルンはアイシャよりも出来が悪いことでコンプレックスを抱いていて、ノルンは自分が妾の子だから正妻の子であるノルンより大事にされていないというコンプレックスがあるようで、2人は仲が良くないようです。

そういうわけでアイシャはルーデウスの家で住み込みメイドをするようになり、ノルンは寮から魔法大学に通うようになったが、入学から1ヶ月ぐらい経っても大学で見かけるノルンが友達も作っておらずいつも1人で居るのを見てルーデウスは心配する。そうして落ち込んでいるルーデウスを励まそうとしてリニアとプルセナが女生徒からカツアゲした下着をプレゼントしてきて、そのせいでルーデウスは生徒会長のアリエル王女やシルフィにあらぬ誤解を受けてしまったりする。そんなこともありつつ、ノルンのことを心配するルーデウスであったが、今回はここで終わり次回に続きます。

 

 

死神坊ちゃんと黒メイド(第3期)

第28話を観ました。

今回は坊ちゃんの屋敷に突然リズと名乗る謎の女性が訪問してきて、それが実は坊ちゃんの亡くなった祖母の幽霊だった。リズは死んだ後、夫であるビクトル、つまり坊ちゃんの祖父の幽霊と一緒に旅をしているのだと言う。しかも2人はシャーデーとの契約によって幽霊となって旅を続けているのだという。ちなみにアリスは幽霊が見えるのでリズが訪問した時に普通に会話していたが坊ちゃんにはリズの姿は見えなかった。ただ前回ザインが送って来た魔法道具の中に幽霊の姿が見えるメガネもあったので、それを使ってリズの姿を見て声を聴くことも出来るようになりました。

やがてビクトルの幽霊もやって来て、坊ちゃんとアリスはビクトルとリズの夫婦の幽霊と話をすることになる。2人は坊ちゃんの呪いのことは知らず、ビクトルは自分の死後にシャロンが呪いをかけられて眠り続けたことや、シャーデーが死んだことも知らなかった。この屋敷に来た理由は単に生前住んでいた思い出の場所なので訪問しただけであり、此処に坊ちゃん達が住んでいることも知らず、てっきり空き家だと思って訪問してきたのだそうだ。なんでもシャーデーとの契約で幽霊になって旅を出来るようになったらしいが同じ場所に長く留まることは出来ず、同じ場所を2度訪問することも出来ないらしい。だから死後にこの屋敷に来るのは初めてであり、すぐに立ち去らねばいけないのだそうだ。

それで限られた時間の中で坊ちゃんはビクトルからシャーデーの話を聞きます。ちなみにビクトルは子供の頃の坊ちゃんとはよく会っていたが、自分の死の直前に現在の姿の坊ちゃんとアリスに会ったことも覚えていた。それは坊ちゃん達がザインの魔術で過去に戻った時にビクトルと遭遇した時のことでした。

そしてビクトルとシャーデーの関係ですが、リズが事故で死んだ後、悲しみに暮れるビクトルの前に現れたシャーデーがビクトルの寿命20年分と引き換えにビクトルの死後に願いを叶えると言ってきたという。ビクトルはリズと世界中を旅するという願いを持っていたがリズの死によってそれが叶わなくなり残念に思っていたので、シャーデーと契約したのです。それでこうして現在、死後に幽霊となって夫婦で旅を出来ているというわけです。ビクトルはよほど長生きの寿命持ちだったようで、20年分の寿命を差し出しても結構長生きしたみたいですね。

しかし、死ぬまでの間ビクトルのもとにシャーデーは契約者として頻繁に現れてビクトルを観察し始めた。自然に他人の心が読めてしまうシャーデーは相手が嘘をつくとすぐに分かってしまうのだが、ビクトルは全く嘘をつかない珍しい人間であり、それでシャーデーはビクトルに興味を抱いたようです。それで屋敷にシャーデーとその妹のダレスはよく訪問していたのですね。ビクトルはシャーデーと接しているうちに打ち解けていき、シャーデーにも他人を愛するようになってほしいなどと言ったが、シャーデーはいつしかビクトルを愛するようになり、ビクトルの晩年にメイドになったシャロンがビクトルの愛するリズと似た明るい性格であることにも嫉妬するようになっていた。そして誰からも怖がられて愛されない自分に絶望したようです。

そしてビクトルが死を迎えた時、傍に寄り添っていたシャーデーは「本当は私のこと好きになってほしかった」と涙を流し、ビクトルの死後にシャロンと坊ちゃんに呪いをかけた。その話を聞いて坊ちゃんは、自分に呪いをかけた時のシャーデーが自分を抱きしめたことを思い出し、シャーデーは誰からも愛されない苦しみを誰にも分かってもらえず心が歪んで世界を憎んでしまったのだと思った。そして、それは呪いをかけられた後、アリスによって救われるまでの自分と同じだと思い、絶対にシャーデーを死なせたくないと思った。そうして坊ちゃんは、過去に戻ってシャーデーを救い出して現在に連れてこようと決意したのでした。

そしてビクトルとリズの夫婦幽霊が屋敷を去る前に坊ちゃんはロブに幽霊が見えるメガネをかけさせてビクトル夫妻と再会させてあげました。ここはちょっと泣けましたね。そうしてビクトルは自分達の旅の予定表を坊ちゃんに渡し、そこに来れば再会出来るとおいことを教えて、いつでも来るようにと言い、更にシャーデーの心に寄り添ってやれなかったことを悔やみ「シャーデーを頼む」と坊ちゃんにシャーデーを救うことを託して去っていきました。今回はこういう話で、とても良いエピソードでした。

 

 

じいさんばあさん若返る

第4話を観ました。

今回は蔵の整理をしたり文化祭に行ったり、イネがセーラー服を着たら昔の感覚が甦ったり、最後はイネがアクシデントで心まで若い頃に戻ってしまって正蔵のことを忘れてしまったりしますけど、やっぱり真面目な話が多いんですよね。田舎の過疎化問題を描いていたり、昔は学校に行きたくても行けなかったとか、イイ話が多くて良質な作品なんだということは分かるんですけど、そういうのをショートギャグの形式で描かれても、なんか求めてるものじゃない感じがして、どうしても入り込みにくい作品でした。そういうわけで今回で視聴は打ち切らせてもらいます。