2024春アニメ 4月15日視聴分 | アニメ視聴日記

アニメ視聴日記

日々視聴しているアニメについてあれこれ

2024年春アニメのうち、4月14日深夜に録画して4月15日に視聴した作品は以下の5タイトルでした。

 

 

響け!ユーフォニアム3

第2話を観ました。

今回はサブタイトルは「さんかくシンコペーション」となっています。メインで描かれていたのは北宇治高校吹奏楽部の幹部3人、久美子と秀一と麗奈の3人のトライアングルの在り方であったと思います。具体的には吹奏楽コンクールの自由曲を3人で決めるようにと滝先生に言われて、それにこの3人がどう対処するのかというストーリーでした。それに並行して描かれたのは新たなメンバーが加わった新生吹奏楽部の内部での不穏なムードと、それになかなか上手く対処出来ず悩む久美子部長の姿でした。久美子の苦悩については、今回のメインストーリーである自由曲の決定の場面と対比する形で描かれていると見なすことが出来ますが、個々のトラブルや不穏なムードに関しては今後の物語の展開に繋げる伏線描写と考えればいいでしょう。

前回は過去シリーズから繋げて3期をスタートさせるエピソードであり、今回はコンクールに向けて動き出す幹部3人を描きながら今後の伏線を散りばめていった、まさに「今期の序盤」といえるエピソードであったといえます。だから物語的な盛り上がりはまだまだこれからなのであり、今回はまだ全然前フリといえます。今期は現状「夜のクラゲは泳げない」と「ガールズバンドクライ」あたりがスタートダッシュの勢いが凄くて、正直言ってこの作品はそれらに比べるならば少し出遅れ気味です。

しかし私はまだ現状では「響け!ユーフォニアム3」の圧倒的優位は変わっていないと思います。「夜のクラゲは泳げない」と「ガールズバンドクライ」も終わらせ方次第では可能性はあるとは思いますが、現状の序盤が勢いがあるのはこれら2作品が「始まり」を描く物語なのだから当然なのです。「響け!ユーフォニアム」は既に始まっている物語ですから、現状の序盤で物語を立ち上げていく勢いが足りないのは仕方がない。それでも現状でこの作品はそういうスタートダッシュの凄い作品にクオリティだけで肉薄するぐらいの地力がありますが、それよりも重要なのは、この作品が高校生の部活動を描く作品であるという宿命ゆえにクール終盤が絶対的に強いということです。何故なら高校生の部活動の物語というのは「終わりの物語」だからです。特にこの3期は主人公の久美子の最後のコンクールの物語でありシリーズ最終章ですから、終盤は圧倒的に強い。この「響け!ユーフォニアム3」の終盤の圧倒的な追い上げを躱すためには、他の作品は中盤までによほどの大きなリードを奪っていなければいけないが、この作品の地力の強さを考えると終盤前の段階で他の作品にセーフティリードを許しているとは到底思えない。そうなるとこの作品に負けないぐらいの終盤の強さを他の有力作品が持てるかどうかが焦点になってくる。「夜のクラゲは泳げない」や「ガールズバンドクライ」あたりにはそこを期待したいところです。

さて、それで今回の話ですが、まず前回のラストで久美子が遭遇した謎のユーフォニアム奏者の少女「黒江真由」ですが、彼女がやはり久美子のクラスへの転入生であることが明かされます。なんでも九州の吹奏楽の強豪校である清良女子高から転校してきたらしい。清良女子高の吹奏楽部は全国大会常連であり、北宇治高校よりもレベルは高いといえます。ユーフォニアム奏者である真由も当然ながら吹奏楽部に属していたようで、その演奏のレベルが久美子に勝るとも劣らない上級者であるのは演奏を聴く限り明らかです。

ちなみに前回のラストで真由が初対面の久美子の名前を言い当てたのは、転入手続きの時に滝先生から「吹奏楽部の部長は黄前久美子さんといいます」と聞かされていたから、久美子に会った時に何となく分かったのだそうです。つまり自分のユーフォニアムの演奏を聴いて屋上までやってきて話しかけてきた赤いスカーフの3年生の女生徒の姿を見て「この人が吹奏楽部の部長の黄前さんなのか」と直感したということなのでしょう。

ただ、そのように転入して真っ先に滝先生と吹奏楽部の話をしているということは、真由は吹奏楽部に興味があるということであり、入部を考えているということなのかと思いきや、どうもそう単純な話ではないようです。真由は自分が入部して部内の力関係に影響が出たら迷惑になるだろうと言って、それが嫌だから入部しないと言う。

つまり、もし入部したら真由は一番の新参者でありながら同時に一番の実力者ということになり、しかも最上級生ということになる。そうなれば1年や2年の中には真由を慕う者も出てきたり、それを面白く思わない部員も出てきたりして、現在の部内の平穏な体制を乱す結果になってしまうかもしれないということです。それは真由が言外に「自分が一番上手い」と言っているということなのだが、別に思い上がっているわけではなく事実としてそうなのでしょう。それが事実であることは真由の演奏を聴いた久美子は十分に承知している。

しかし、それでも滝先生に吹奏楽部のことを質問したりしているところを見ると、真由が本心では吹奏楽部に入りたいと思っているのも間違いない。学校にユーフォニアムを持ってきて演奏しているのも、それが習慣になっているからなのだろう。おそらくあの演奏レベルの高さを見る限り子供の頃から吹奏楽をやっていて、高校でも全国レベルの強豪校で2年間みっちり吹奏楽部で頑張ってきて、いよいよ最後のコンクールに臨む3年生に進級した途端、親の仕事の都合か何かで急に転校することになり、心ならずも吹奏楽部を去る羽目になってしまったのでしょう。

それで転校先の学校で吹奏楽部に入って一度は失ってしまった「最後の年の全国大会での演奏」という夢を叶えたいという想いを抱えながら、そんな自分の勝手な想いのために転校先の吹奏楽部の皆の迷惑になってしまってはいけないという想いとの間で葛藤しているのでしょう。真由自身が2年間吹奏楽部で頑張ってきたからこそ、北宇治で2年間頑張ってきた久美子たちの気持ちも分かるのであり、久美子たちの邪魔になるようなことはしたくないのです。

そういう真由の気持ちが分かるので、久美子は誰も迷惑なんて思わないと言って真由を吹奏楽部に誘います。すると真由も心が揺らぎますが、それでも久美子に「本当にいいの?」と確認して、自分はもし入部したらユーフォニアムをやるけど、本当にそれで久美子は大丈夫なのかと念を押す。真由としてももし入部すれば出来るだけ目立たないようにして部内の力関係に影響しないように気を使うことは出来る。だが演奏でウソをつくのは難しい。自分がユーフォニアムをやることで、楽曲による楽器の編成次第では今までユーフォニアムをやっていた子の誰かがコンクールメンバーから外れたり別の楽器に回される可能性は出てくる。ユーフォニアム担当である久美子自身が本当にそれで大丈夫なのかと真由は確認したいのです。

それを聞いて、久美子は確かにもしそんなことになって自分や後輩の奏がコンクールに出られなくなったりしたら嫌だという想いは持ったものの、正直にそう言ってしまうときっと真由は入部を辞退してしまうのだろうと思い、大丈夫だと伝える。それを聞いて真由も決心できたようで、滝先生に入部したいと伝えると言ってくれます。だが、それでも真由は「迷惑だと言ってくれたら私は何時でも辞めるから」と付け足す。そして「私、皆と楽しく演奏したいから」と言う。つまり、他の人をおしのけてまで演奏する気は無いということです。

久美子はそれが真由の本意ではないことは分かっていた。そんな「楽しく演奏したい」というだけの気持ちで清良女子の吹奏楽部員など務まらないだろう。あんなに演奏が上手くなったりしないだろう。もともと真由は上手くなるため、そして全国に行くために必死で励んできたはずであり、実力優先主義の世界で揉まれてきたはずなのです。

そして、それは北宇治だって同じなのだと久美子は思った。2年前の麗奈と香織先輩の一件も、1年前の奏と夏紀先輩の一件も、「北宇治吹奏楽部は実力優先主義で全国を目指す」という結論で皆が納得して受け入れて、そうして前に進んできたはずなのです。だから真由のように「皆と楽しく演奏したいだけ」みたいな姿勢で入ってこられても逆に困ってしまう。

しかし、これが単に甘えた認識の1年生がそういうことを言っているのなら上級生としてちゃんと諭してやれば済む話なのだが、真由の場合は3年生であり、むしろ北宇治よりも更に厳しい環境を知った上で、あえて遠慮してそういうことを言っている。しかも同じ学年であり自分より演奏が上手いかもしれない相手ですから、久美子としても下級生に説教するようなワケにはいかない。だから真由の発言に違和感は覚えながらも、どういう言葉をかけていいのか分からず、そのまま黙って真由を見送ってしまったのでした。こうして、とにかく真由は入部したのでした。

その後、放課後の部活の時間になり、毎年恒例のサンライズフェスティバルの準備に入るということを麗奈が部員全員に伝えます。野外イベントのサンライズフェスティバルにマーチングで参加するのは毎年恒例であり、この場が新1年生にとって初めて観客の前で演奏する場となる。まぁ例年は新1年生の中でも初心者はまだ演奏はさせてもらえないのだが、今年は初心者でも演奏してもらうことになるかもしれないと麗奈は皆に伝える。

サンライズフェスティバルの後もコンクールまでにやるべき行事は目白押しであり、去年までは参加するだけであった久美子も今年はそのスケジュールを組んで手配などをしなければいけないので目が回りそうでした。去年は優子先輩や夏紀先輩はこんな大変なことをやりながら自分の練習もやっていたのかと思い、久美子はよくそんなことが出来ていたものだと驚き、自分にはそんな器用さは無いと痛感して自信をちょっと無くします。さっきの真由の件だって、希美先輩や奏の件にもちゃんと対処していた優子先輩や夏紀先輩ならもっと的確な対処が出来たはずだとも思えた。

そんなことを考えて上の空であった久美子は、ミーティングの最中に新1年生のクラリネット経験者の沙里が不安そうな表情でいるのに気付くことはなかった。沙里は麗奈がサンライズフェスティバルに向けて1年生は上級生に分からないことを相談するようにと言った時に不安そうな表情になっていたのだが、何を考えて不安になっていたのかはこの場面だけではよく分からない。沙里は経験者だからおそらくサンライズフェスティバルでは演奏するのは確実だが、そこに何か不安を抱えているのかもしれない。この時、沙里は視線を泳がせて誰かのことを探しているように見えたので、誰か相談したい先輩でもいるのかもしれない。後の方のシーンで沙里が今年の新入生指導係をやっている2年生の梨々花を慕っている様子が描写されたので、もしかしたら梨々花に何かを相談したいと思っているのかもしれません。確かにこの時の沙里の視線の先には梨々花の姿があったように見えました。

しかし久美子はミーティングの後はパート練習で初心者ばかりの低音パートの新1年生の練習も見なければならないので気が忙しくてそれどころではない。今日からさっそく練習に参加してくる真由のことも気になっていたが、とりあえず新入生への対応の方を優先せねばならず、真由への対応は奏に任せることにした。そうしてパート練習用の教室に行こうとしたところ、パーカッションで同じクラスのつばめがやって来て、新入生として低音パートに入った妹のすずめの様子について聞いてくる。久美子は特に問題は無いと答えますが、つばめはずいぶんとすずめのことを心配しているようでした。「ちょっと変わった子だから」と言うつばめの言葉を聞いて、気が急いていた久美子は割と適当に対応して「ずいぶん心配性なんだな」と思っただけで深く考えることなく、つばめと別れてパート練習の教室に向かった。

そうしてパート練習の教室に行くと、葉月がすずめ達3人の新入生の指導をしていたが、奏と真由の姿が見えなかった。それで美玲とさつきに奏は何処に行ったのかと聞くと、真由と2人で別教室でじっくり話をしているのだという。何だか面倒なことになりそうな嫌な予感がして久美子がその別教室に行くと、やはり何だか妙な雰囲気になっていた。奏も真由もとてもにこやかでフレンドリーな雰囲気だったのだが、久美子は奏の本性はそんな穏やかな人間ではないことは知っている。これは奏が自分の本性を隠している時の態度であり、奏が相手に心を開いておらず警戒している時の態度でした。

奏がそういう態度をとる時というのは、通常はその相手は奏のウソっぽい態度に違和感を覚えて戸惑うものですが、この場では問題はむしろ真由も奏と同じような不自然に穏やかな態度に終始していることでした。ただ久美子は先だって真由と話していたので、真由がそんなウソっぽい態度をとっている理由は分かっていた。真由はとにかく波風を立てないようにするために、奏の変な態度に対してもひたすら友好的に接しようとしているのです。そして、それが逆に奏を苛立たせて警戒させているのでしょう。奏自身がそんなふうに自分の本心を隠して取り繕ったような笑顔で他人に接することが多く、1年前に新入生として入ってきた時にはそれで散々に新入生指導係の久美子を振り回していました。その後、久美子たちと打ち解けた奏は素直になりましたが、そんな奏だからこそ、1年前の自分と重なるようなウソっぽい笑顔で固めた真由を見て警戒しており、気に食わないと思っているみたいです。

それで奏と真由が嫁と小姑の化かし合いみたいな変な会話をしていて久美子は困惑する。真由の抱えている特殊な事情について奏に説明すべきかとも思ったが、よくよく考えると、真由が他の部員に迷惑をかけないようにやたら気を使っている姿勢というのは、1年前の奏とよく似ていた。奏も部活の皆に嫌われたくなくて、ワザと下手な演奏をしてオーデシションを落選しようとしていた。そして、北宇治吹奏楽部ではそんな考え方はしないのだと奏に諭したのは久美子と夏紀先輩でした。その自分が相手は上級者で同級生の真由だからといって真逆の態度をとっているなどと奏に知られては面倒なことになると思い、久美子は奏に真由の状況についてちゃんと説明することが出来なかった。

そうしていると、久美子は滝先生に呼ばれて麗奈と秀一と一緒に職員室に行き、そこで滝先生にコンクールの自由曲を幹部3人で決めるようにと言われる。滝先生は候補曲を3曲示し、この3曲を聴いた上で3人で決めるようにと言う。正確には「意見を聞きたい」という申し出であったが、滝先生は生徒に決めさせて意見を受けた場合はこれまで必ず異論をはさんだことがないので、実質的に自由曲を3人で決めるようにという指示でした。

しかし1年生の時も2年生の時も自由曲は滝先生が決めていたので、久美子はどうしてなのかと問い返す。すると滝先生は久美子の質問が意外だと思ったような態度で、特に大きな理由はなく、こういうことは色々試しておきたいだけだと答える。滝先生も別に常に自分が自由曲を決めるのが正しいと思っているわけではなく、生徒に決めさせることも試してみようという、それだけのことみたいです。ただ、滝先生は「3人のことは入学した時から知っているということも大きいかもしれません」とも付け加えた。つまり、この3人ならば良い結果になるだろうと思えたからこそ初めての試みに踏み切ることが出来たのも確かみたいです。久美子たちの学年は滝先生にとって初めて2年間続けて指導した学年であり、だから久美子と麗奈と秀一のことはどういう人間なのかよく分かるのです。少なくとも北宇治に赴任してきたばかりの時に初めて出会った晴香やあすか達、1年間指導した段階で幹部となった優子や夏紀よりも、滝先生にとっては久美子たち3人はよく知った相手ということになるのでしょう。だからこの初めての試みがこの3人ならば上手くいくと確信があるのでしょう。

しかし久美子は新入生や真由を迎えてバタバタしてしっかり対処が出来なかった反省もあってずいぶん自信喪失しており、こんな自分が晴香先輩や優子先輩にも任されていなかったような大役を果たすことが出来るのだろうかと思い悩み、帰りの電車の中でも麗奈や秀一を相手にグチグチ言います。それを聞いて秀一は久美子を元気づけてやろうと思って「それだけ部長として滝先生に信頼されてるってことだろ」と言いますが、久美子が帰った後で秀一は麗奈に叱られてしまう。

麗奈はあんな言い方をしたら、まるで滝先生に信頼されているのは久美子だけなのだから久美子が1人で決めるべきだと言って余計にプレッシャーをかけているみたいだと言い、部長である久美子が弱音を吐けるのは幹部である自分たち2人の前だけなのだから、変な意地を張らずにちゃんと支えるようにと秀一を叱る。秀一はそんなつもりで言ったわけではないと弁解するが、確かに久美子が特に滝先生の信頼が厚いように感じて多少僻んでいた気持ちが自分にあったことは気付き、そんな自分の中の毒気がああいう嫌な言い方になってしまったのかもしれないと反省した。そして、久美子の意見に従うばかりだったり、役割分担という形に甘えて相手任せにしたりせず、常に幹部3人で支え合っていくべきだと肝に銘じたのでした。

一方で久美子はすっかりプレッシャーを感じてしまっていて自由曲のことで頭がいっぱいになり、翌朝の練習の時にすずめが何か久美子に相談しようとしているのに深く考えることなく放置してしまった。そして放課後に体育館でサンライズフェスティバルの後進の練習となったが、相変わらず奏と真由は表向き仲良さそうにしているが妙な距離感のままであまり仲良くなれていない様子であった。それを見て久美子は気にはなったが適切な言葉もかけることが出来ず傍観するだけだった。

ところが、そうしていると、久美子はすずめに話があると呼び出されて、姉であるつばめのことで抗議を受ける羽目になってしまった。どうもすずめは姉のつばめがサンライズフェスティバルで太鼓を叩く役目ではなくて旗を振る役目であることに不満を持っているようです。2年生のパーカッション担当の子ですら太鼓を叩くというのに3年生の姉のつばめが1年生みたいに楽器を持たせてもらえずに歩かされるのは扱いが低いんじゃないかと、すずめは憤っているのです。

更にすずめは姉のつばめがもともとドラム志望だったのにマリンバをやらされていることにも不満を持っているようで、苦情はマリンバの件にも飛び火する。しかし「アンサンブルコンテスト編」でも描かれたように、つばめがマリンバ係に変わったのは本人の適性に合わせた順当な判断であり、つばめ本人も納得しており、むしろ今はマリンバを始めたことがきっかけでこれまではコンクールメンバーなんて自分には無縁だと思っていたつばめの意識が変わり、最後の年にマリンバで初めてのコンクールメンバーを目指すことをモチベーションにしている。そのことをよく知っている久美子はすずめがつばめと意思疎通が出来ていないのではないかと疑った。

それで事情を聞いてみると、すずめは「お姉ちゃんは優しすぎるから言いたいことが言えないところがあって、だから私が代わりに言わないといけない」と言う。つまり、どうやらすずめが勝手な思い込みで姉のことを心配して暴走しているようだということが久美子には分かった。そこに慌ててつばめがやって来て、旗振りは自分がもともとやりたかったので最後の年にやりたいと思って自分で希望したのだと、何度もそう言ったのにすずめが理解しようとしなかったのだと説明してすずめの誤解を解き、久美子はすずめに「これからはお姉ちゃんの言うこと信じてあげてね」と笑顔で諭して、すずめを叱りはしなかった。

久美子にすずめを叱れる筋合いなどなかったのです。誰も悪くない。悪気など誰にも無く、互いに相手のことを想い合って、その想いがすれ違っていただけなのです。奏と真由の件にしても同じことだった。奏と真由の様子がおかしいこともとっくに分かっている。すずめもつばめも事前に何度も異常を示すサインを送ってきていた。ただ単にそれに気付いていながら何もしなかった自分が悪かったのだと久美子は反省した。

優子先輩ならばきっと事前に気付いてケアしたはずだと思い、やはり自分は部長に向いていないのではないかと落ち込む久美子であったが、そんな久美子に麗奈は「滝先生が自由曲の決定を私たち3人に任せたのは、きっとこの3人だからなんだと思う」と言い、それは晴香先輩とあすか先輩の先々代幹部や、優子先輩と夏紀先輩の先代幹部では無理だったのだと言う。そんなはずはない、自分達があの先輩たちよりも優れているはずがないと思う久美子であったが、麗奈は自分と秀一は選んだ自由曲は同じ曲だったと言い、久美子にもどの曲が一番良いと思っているのかと問いかける。久美子は候補の3曲の中で一番難しい「一年の詩」だと答える。すると、それは麗奈が選んだ曲、秀一が選んだ曲と同じであった。

それが麗奈が言う「この3人だから」という根拠であった。いや、この3人が優れているという根拠になるのかどうかは分からない。ただ、晴香先輩とあすか先輩の先々代幹部や、優子先輩と夏紀先輩の先代幹部とは違うということは確かでした。先輩たちは幹部同士できっちり役割分担して1人ずつがそれぞれの仕事をしっかりこなしていた。でもこの3人は役割分担をしているようでしておらず、同じことを一緒にやって、それでいてぶつかったりせず支え合っていける。同じことをやっても意見が食い違わないところがこの3人の特徴であり美点だった。それが本当に正しい幹部の在り方なのかどうかは分からない。ただ今回こうして「一年の詩」という素晴らしい曲を決定することが出来たということで、少しは自信を持ってもいいんじゃないかと、「一年の詩」の旋律を聴きながら久美子は思うのでした。

ちなみに今回のサブタイトル「さんかくシンコペーション」ですが、「さんかく」は「三角」であり、久美子と麗奈と秀一の北宇治吹奏楽部幹部のトライアングルを指しますが、「シンコペーション」というのは音楽用語で、複数の音節を連ねることで躍動感を生み出す手法のことです。つまり、晴香とあすか、優子や夏紀のように互いに独立して別個の役割をこなす場合よりも、この3人が役割を重ねながら互いに支え合う関係の方が今までにない躍動感を北宇治吹奏楽部にもたらすかもしれないということを言いたいサブタイトルなのだろうと思います。

そうして、コンクールの自由曲は「一年の詩」と決定し、サンライズフェスティバルが終わった後は本格的にコンクールに向けての練習を開始すると滝先生は宣言し、麗奈が部員全員を前にして「全国大会で金賞を獲りに行きます!」と宣言したところで今回は終わり、そして次の曲が始まるのでした。

 

 

転生貴族、鑑定スキルで成り上がる

第2話を観ました。

今回は戦乱の時代に近づいているのでアルスがリーツを連れて街に人材を探しに行く話で、父から魔法の能力を持つ人材が欲しいと言われたので魔法のスキルを持つ者を探します。すると奴隷として売られていて逃亡して、今は街でスリをしている少女シャーロットに魔法のものすごい才能があるということを見抜いたアルスはシャーロットをスカウトします。

だがシャーロットはアルスが貴族の上から目線だから気に入らないと言って拒否します。アルスはシャーロットには魔法の才能があるのだと言い、いつか貧しい人々が幸せに暮らせる世の中を作るため協力してほしいと懇願しますが、シャーロットは自分は魔法など使ったことが無いと言い、更にアルスのことを庶民の実態を分かっていないと批判します。アルスは確かに自分は街の貧民の人々の実態に気付くことなく表面的な豊かさを見てはしゃいでいたことを自覚し、今の自分ではシャーロットを勧誘する資格は無いと反省して引き下がる。だがその後、シャーロットが奴隷商人に囚われてしまったところで今回は終わり次回に続きます。基本的にいつも真面目な話みたいで、特に今回はアルスが挫折して悩んだりしてちょっと良かったと思います。

 

 

無職転生Ⅱ ~異世界行ったら本気だす~ 第2クール

第14話を観ました。

今回はルーデウスとシルフィの結婚披露宴が描かれたエピソードでした。とりあえず目出度い限りであり、良かったです。儀礼的なシーンが多かったので、そういう場面はあんまりコメントしても仕方ないんですが、特筆すべきシーンとしては、まずナナホシに対してシルフィが「ルーデウスと同郷」と言っていたのはどういう意味なのかと質問した場面です。

あれはつまりナナホシがルーデウスのことを自分と同じ異世界転生者だというのをカモフラージュするために言った言葉だったのだが、ナナホシはシルフィがルーデウスと同じ村の出身であったことを知らなかったのでそういう誤魔化し方で通ると思って言った。それが怪しいことは当然シルフィは気付いていたのだが、あえてその時はそれ以上はツッコまなかった。シルフィ自身が正体を偽っていたし、その時点でルーデウスとそこまで近しい関係でもなかったからです。しかし、こうしてフィッツがシルフィであったということまで明かして、ルーデウスとも結婚すると決まった以上は、ずっと気になっていたナナホシの不可解な発言の真意を確かめておきたいと思ったのでしょう。

これに対してナナホシは「自分と同じ言語をルーデウスが扱えたので同郷だと勘違いしただけ」と説明した。ナナホシとしては、ここで真実を明かす必要など無く、むしろそんな面倒な真実を明かすのはリスクが大きいので、こうしてあくまで誤魔化したのでしょう。それにルーデウスが異世界人だなどとシルフィが知ってしまえば夫婦関係にも微妙な悪影響を及ぼす危険もある。だからあえて波風を立てるようなことを言いたくなかったのは当然といえます。

ただ、もちろんシルフィはナナホシがウソを言っていることは分かっているでしょう。ルーデウスとナナホシの関係性はどう見ても「同郷と勘違いしていただけ」には見えなかった。2人が過去に何らかの因縁があったのは間違いないとシルフィには見えている。そして、ナナホシの過去とフィットア領転移事件に何かの関係があることも想像はついている。だからその事件で家族を失っているシルフィには簡単な問題ではないのです。そしてナナホシの過去にルーデウスが絡んでいるのだとしたら猶更です。今後んもルーデウスはナナホシと共同で何か謎の研究を続けるのであり、それはどうやらフィットア領転移事件に関わる研究であるらしい。そのルーデウスの妻となる立場のシルフィとしては、このことは重要な問題なのです。

しかし、その場ではシルフィはそれ以上はナナホシに食い下がることはしなかった。それ以上にこの場で確かめたい別のことがあったからです。それはエリナリーゼが自分の祖母であるのかどうかという問題でした。これはルーデウスにも全く寝耳に水の話でしたが、シルフィは父親から「自分の母はパウロの冒険者パーティーの仲間だった」と聞かされていたそうです。そのこと自体は別にどうということのない話だったのですが、ルーデウスがラノア魔法大学に入学してきた時に一緒に入学してきたエリナリーゼと妙に親しかったのでどういう関係なのか質問したところ、父のパウロの冒険者パーティーの仲間だったとのことで、エリナリーゼがエルフであったことから、もしかしてエリナリーゼが自分の祖母なのかもしれないと、ずっと気になっていたようです。ただ、もしかしたら違うかもしれず、あまり立ち入ったことを聞くのもマズいと思って黙っていたのですが、こうしてルーデウスと結婚することになりパウロが義父となる以上、それぐらい訊ねてみてもいいだろうと思い、この機会にそれを確認しようと思っていたのです。すると結婚を祝う言葉を伝えに来たエリナリーゼがシルフィと喋り始めると急にボロボロ涙をこぼし始めたのでルーデウス達はビックリしたが、それでシルフィはやはりエリナリーゼが自分の祖母であり、そのことを知っていながら今まで隠していたのだということに気付いた。

エリナリーゼはやはりシルフィの祖母であったわけだが、呪いのせいで常に多数の男性と性交しなければいけない宿命ゆえにトラブルの絶えない人生であり、子供を作ったりしても自分が傍に居たら不幸にしてしまうと考え、自分の名前を明かさずに独り立ちするまでは養育して別離するということを繰り返してきたそうです。それなら最初から子供など産まなければいいだろうとも思うが、そこはもう理屈ではない愛情によるものなのでしょう。だから彼女は愛する男とだけでなく、愛する子供とも別離を繰り返す悲しい人生を送ってきたのであり、シルフィのことも孫だと気付いていて格別の思い入れを持っていることを隠していたようだが、披露宴の場で感極まってしまったようです。

そうしたエリナリーゼの事情を知った恋人のクリフがエリナリーゼのことを無責任に子供を作って捨ててきた酷い女だと幻滅してしまうのではないかとルーデウスは危惧したが、クリフはエリナリーゼが自分が想像していた以上に繊細で傷つきやすい女性なのだということを知り、絶対に彼女の呪いを解いてみせると決意を強くしていた。そして、より確実に彼女の呪いを解くためにルーデウスに協力を求め、ルーデウスも快く応じるのでした。

あと特筆すべきは、披露宴からの帰り際にアリエル王女の要請でルーデウスがルークとの決闘をさせられたことです。ルーデウススはアリエル達の意図がよく分からなかったが、アリエルとルークのただならぬ決意に押されて決闘を引き受け、よほどの事情がある真剣勝負なのだろうと警戒したルーデウスはルークに勝利して決闘は終わりました。決闘の後、アリエルはこの決闘は自分たちの「意地」なのだと説明した。

それを聞いてルーデウスは「自分がシルフィに相応しい男か試されたのだろう」と考えたが、そういう側面もあるのでしょうけど、アリエルとルークの真意はもっと情念の深いものだったのだろうと思います。アリエルとルークはアスラ王国の未来のために命を捨てる覚悟で戦っており、今後もそうして戦い続けるのが彼ら王族や貴族の宿命なのです。しかしシルフィは転移事件のせいでそのアリエル達の戦いに巻き込まれただけであり、今後も戦い続ける義務などはない。だからこうしてルーデウスと結婚したのを契機にアリエルはシルフィをお役御免にして自由にしてやろうと考えている。

しかし、これまでにもお役御免にする機会はいくらでもあった。それなのにアリエルやルークがシルフィを手放さなかったのは、ずっと一緒に戦ってきたシルフィと離れたくなかったからです。シルフィもそうした想いでアリエルの傍から離れようとしなかった。そうした絆を断ち切ろうとアリエルとルークが決断出来たのはシルフィがルーデウスと結婚したからでした。言い換えると、シルフィがルーデウスと結婚しなければアリエルとルークはずっとシルフィと一緒に居ることが出来たのです。さんざんルーデウスとの仲が上手くいくようにシルフィの背を押してくれた2人であったが、同時に内心ではそんな複雑な感情を抱いていたのです。だから、アリエルとルークはシルフィの結婚を祝福する気持ちを持ちながら、同時に自分達とシルフィの別れを決定づけたルーデウスに対して怒りの感情を抱いていた。その理不尽な怒りの感情を解消しておくためにこの決闘は必要だったのです。そういう決闘をしたのだということをルーデウスから聞かされたシルフィも、アリエルとルークの気持ちを察して微笑んで頷き、2人との別れを受け入れたのでした。こういう感じで披露宴は終わり2人の結婚生活が始まり、次回に話は続きます。

 

 

死神坊ちゃんと黒メイド(第3期)

第26話を観ました。

今回はシャーデーの分身が現れて坊ちゃん達の仲間を襲ってくるという意外な展開となりました。冒頭の場面でシャロンがシャーデーにずっと眠ってしまう呪いをかけられた時の様子がちょっと描かれましたが、シャロンはアリスの病気をシャーデーに治してもらう代わりにずっと眠り続ける呪いを自ら進んで受け入れたみたいですね。つまり、坊ちゃんの祖父絡みの事情で呪われたというわけではないみたいです。だが、それならどうして、いくらアリスの病気を治すためとはいえ、シャーデーは友人であったはずのシャロンにそんな呪いをかけるような仕打ちをしたのか、そのあたりは謎のままです。

とにかくシャロンは躊躇うことなく呪いのリンゴを口にして眠りについたのですが、もともとはそれを受けてシャーデーがアリスの病気を治して、シャロンはずっと眠り続けたというだけの話だったのでしょう。だが2期の最後に坊ちゃん達が過去に戻ってシャーデーに接触した結果、過去のシャーデーが未来の坊ちゃん達が過去に介入してこれないようにするために眠りについたシャロンの身体に目玉状の自分の分身体を仕込んでおき、未来においてシャロンを眠りから目覚めさせて分身体をシャロンの身体から解き放ち、分身体に坊ちゃん達を襲わせようとしたようです。

シャロンが突然に目覚めたのはそういう理由だったわけですが、シャロン自身もそんなことは気付いていないし、坊ちゃん達もそんなことは気付いていない。シャロンは本邸に行きガーベラに会うが、ガーベラは偽者ではないかと疑い警戒する。だが一応シャロンを屋敷に住まわせることは許可する。またウォルターはシャロンが目覚めたことにビックリしますが、坊ちゃん達が過去に戻ってシャーデーに会った影響でシャーデーが何か仕組んだのではないかと警戒する。そんなウォルターの前に分身体が現れて攻撃してくるがウォルターは分身体を返り討ちする。

また別の分身体はカフを襲撃するが、ザインが時を操る魔術を使ってカフを救い分身体を倒す。別の分身体はダレスを襲ったが分身体ではダレスの相手にはならず倒される。残り1つの分身体は坊ちゃんの屋敷を襲撃し、坊ちゃんの身体に触れたことで死んでしまうが、その前にアリスにシャロンが呪いを受けたのはアリスの病気のせいだと告げ、アリスはショックを受けます。一方坊ちゃんは自分がニコの言うように確かにシャーデーを殺せることを実感し、どうしてシャーデーは自分を生き物を何でも殺せる身体にしたり、ニコを不老不死にしたりと、自身に不利になるような呪いをかけたのだろうかと不思議に思います。そしてショックを受けたアリスのためにピアノを弾いて慰めてあげたところで今回は終わり次回に続きます。

 

 

じいさんばあさん若返る

第2話を観ました。

今回も正蔵とイネの日常が描かれたり、孫の詩織が家出してきたり、次男の貴弘の診療所に行ったりする。また、2人が若返った経緯がちょっと詳しく描かれたりする。なんか2人が若い頃から大事にしていたリンゴの木が台風で倒れて最後の力で金色のリンゴを実らせて、それを食べて2人が若返ったので、若返りはリンゴの木の2人の人生をかけた親切に対する恩返しだったらしい。これはイイ話でした。オレオレ詐欺を改心させて自首させた話とか、新聞の文字を読ませて告白させようとする話はまぁまぁ面白かった。貴弘がイネの病気を治すために医者になり、イネが若返ったので自分が治したいという夢は叶わなかったが泣いて喜ぶという話は良かった。まぁ慣れたので最初ほど違和感は無くなってきたが、ショートコメディを繋げていってるだけなので徐々に飽きていくんだろうとは思います。