2024冬アニメ 3月12日視聴分 | アニメ視聴日記

アニメ視聴日記

日々視聴しているアニメについてあれこれ

2024年冬アニメのうち、3月11日深夜に録画して3月12日に視聴した作品は以下の3タイトルでした。

 

 

姫様”拷問”の時間です

第10話を観ました。

今回も含めて残りは3話ですが、今回はなんと水着回で、海に行っての拷問となります。トーチャーが拷問内容を説明しますが、今回の担当者は陽鬼と陰鬼で、ビーチチャンバラで姫様が陽鬼と陰鬼と対戦して、お互い頭に付けた紙風船を割れば勝ちだそうです。それはビーチチャンバラそのものであって、何処が拷問なのかと思わずエクスも突っ込んでしまう展開ですが、とにかく勝負に負ければ姫様は秘密を喋らなければならないのだそうだ。なんでそんなので秘密を喋らねばならないのか意味不明だが、それを了承する姫様も姫様です。しかし姫様は自分が勝った場合はどうするのかとトーチャーに質問する。するとトーチャーは姫様が勝利すればどんな願いでも叶えると約束する。仮に姫様が釈放を願えばそれも叶えるのだそうだ。しかし陽鬼と陰鬼は魔王様主催のビーチチャンバラ大会のタッグ部門の優勝者だそうで、ビーチチャンバラでは魔王軍最強だという。しかし魔王軍は遊んでばっかりですね。魔王様は福利厚生を頑張り過ぎです。

そうして試合開始となるが、自信満々で何か凄いフォーメーションを仕掛けようとしていた陽鬼と陰鬼は、あっさり陰鬼が姫様に頭の紙風船を割られて失格となってしまう。それは当たり前であって、姫様は騎士団長をやっていたぐらいだから剣術は強いのです。どうやら囚われた後の姫様が醜態を晒し続けたせいで、トーチャー達は姫様が騎士団長をやっていたことを忘れていた模様。いつもエクスがご丁寧に負けフラグで姫様が王国の姫にして騎士団長とか言ってたのに全然聞いてなかったんですね。

ここで姫様が自慢げに過去の修行の回想をするが、回想シーンがジモチとデザートを賭けて遊んでるだけだったので台無し。全く強者感はありませんが、実際強いのです。そこで1人残った陽鬼は最終兵器と言って巨大な機関砲型の水鉄砲を出してきて、その水しぶきで姫様の頭の紙風船を割ろうとする。もはやチャンバラでも何でもない。陽鬼たちはこんな卑怯な手段でビーチチャンバラ大会で優勝してたんですね。まぁ魔王軍なので卑怯でもいいんですけど。

しかし姫様はこれも軽く防いでしまう。このままでは姫様を釈放する羽目になってしまうと危機感を覚えたトーチャーは自分も加勢しようとするが、対戦相手は陽鬼と陰鬼と言ってしまっており、もし加勢すれば前言を翻すことになってしまう。ここでトーチャーの心の中で「心の中の悪魔」「心の中の政治家」「心の中の文筆家」「心の中の革命家」が前言を翻すよう囁きかけてくる。この単にトーチャーのコスプレを見せたいだけみたいな無駄な演出の後、トーチャーが招集したのか、他の魔王軍キャラが皆で押し寄せてきて浜辺でビーチチャンバラ大会となります。なんかマッドカイザーまで居て笑ってしまった。そうして姫様は楽しく遊んで、充実した気分で牢屋に帰宅して眠ったのでした。釈放の話とかはウヤムヤになった。そもそも姫様はもう釈放されたくないのではないかとさえ思える。

続いては、そんな姫様を救い出そうとして、また性懲りも無く白騎士ルーシュがやって来る話です。ルーシュがいつもの場所で魔王城を見ていると、そこに魔王がやって来てしまい見つかってしまう。ルーシュは相手が魔族だということは分かっているが魔王だとは気付いておらず、とにかく只者ではない相手だということは本能的に察知して奥義っぽい技を繰り出して攻撃するのだが、魔王には全く通用しない。魔王は声優のリリースイベントに行った帰りだと言い、攻撃するために来たのではなくたまたま通りかかっただけだと説明して、ルーシュのことを人間がたまたま迷って魔王城の近くに来てしまっただけだと思って声をかけただけなのだと言って落ち着かせようとしますけど、ルーシュは魔王の話を信じようとはしない。

それでルーシュは最大奥義っぽい技を放つが、それも魔王には全く通用せず、技の反動で崖から落ちてしまい魔王に助けられる。どうして魔族が人間を助けるのかと問うルーシュに対して魔王は「同じ命だ」とカッコいいことを言うが、付け加えて、ルーシュの甲冑の胸のあたりに付いている十字型のエンブレムが「起動騎兵ソウルクロス」というアニメの主人公チームのエンブレムだと気付いたからだとも言う。

つまり魔王は同じアニメのファンであるということが分かって、ルーシュに対して特に親近感を抱いたみたいなのです。ルーシュも国王軍から支給された甲冑がそのエンブレムを付けても違和感ないデザインであったのを良いことに自分の好きなアニメキャラのエンブレムを付けてしまうぐらいのアニオタであり、そのエンブレムを知っていて、しかも自分も持っていると告白した魔王に対して一気に親近感を覚えて、さっきリリースイベントに行っていたというのも嘘ではなかったのだと思い、すっかり相手を魔王軍に所属していない普通の善良な魔族だと思い込み、アニメ談議に花を咲かせる。こうして2人は友達となり、ルーシュは出直すことにして帰っていきました。

続いてはバニラが姫様を拷問しようとする話です。友達がいなくて家で一人でトランプ遊びをしていたバニラは寂しくなって、拷問にかこつけて姫様とトランプをしようと思いつく。それでバニラは牢屋にやって来て、姫様に「秘密を話せば私とトランプが出来るぞ」と言って誘惑してくる。つまり姫様がトランプ遊びをしたくなって我慢出来なくなって屈服するはずだという作戦みたいです。確かに姫様は以前にもゲームがしたくなって我慢出来なくなって秘密を喋ってしまったことがある。それと同じようなタイプの拷問だといえる。そしてあの時も姫様は「秘密を喋ったからもう用済み」という理由で拷問の後はゲームに興じることになった。それと同じで、今回も姫様が屈して秘密を喋った後は一緒にトランプ遊びが出来るというバニラの思惑であった。

確かに姫様はトランプも好きだった。姫様はトランプに関する回想をしますが、これがまたジモチとデザートを賭けていつも勝負して負けていたという話で、ジモチがいつも子供相手に大人げないことばかりやっているのが笑えるし、姫様のデザートへの執着心にも呆れます。全然いい想い出じゃなかったんですけど、姫様はトランプが楽しくて好きだと言う。ならばやはり今回も屈してしまうのかというと、さすがにトランプをやりたいという欲望ぐらいは我慢出来るらしい。

まぁよく考えたらゲームの時だってゲームそのものをやりたい欲望に屈したわけではなく、友達と2人プレイをしたことがないので、友達のいなかった姫様がその誘惑に屈してしまっただけでした。だからトランプをやりたいという程度の誘惑にはもともと屈する姫様ではないし、今の姫様には魔王軍にたくさん友達もいる。まぁ友達がみんな魔王軍というのが問題ではあるが。とにかくそういうわけで姫様はバニラの誘惑は断ることが出来た。

それでバニラは思惑が外れて焦ってしまう。このままではトランプが出来ないと焦ったバニラは、姫様に大したものじゃなくてもいいからとにかく何か秘密を話してほしいと懇願し始める。その必死な様子を見て、姫様はバニラが自分とトランプをしたいのではないかと思い、そういうことなのかと質問すると、バニラはそんなことがあるはずがないと必死に否定してベラベラと喋り出して、逆に2人で出来るトランプ遊びをやりたくてこんな拷問を思いついたということがバレバレになってしまう。

それを聞いた姫様はトランプがしたいのなら回りくどいことをせずに正直に言ってくれればいいのにと言うのだが、バニラは自分は誇り高い名家の娘なのだから友達など要らないのだと意地を張って、そんなことは出来ないのだと言う。だから拷問という回りくどい手段を使ったのだと姫様はバニラの心情を理解した。それで姫様はバニラに自分の秘密を喋ってやることにした。何故、姫様がそこまでバニラの心情に寄り添ったのかというと、姫様はバニラの姿に過去の自分を重ね合わせたからであった。

実は姫様もかつては国王軍で騎士団長をしていた頃は「誇り高き騎士に友達など不要だ」と意地を張っていた。だが本当は友達が欲しくて、それであくまで公務という名目で他の騎士や令嬢などを招いてお茶を呑んだりしていた。本当は一緒にお茶を飲む友達が欲しかっただけなのだが、誇りが邪魔をして、そんな自分の正直な気持ちを伝えることはなかった。結局はその相手に裏切られてしまい戦場で相手を殺すという結末になってしまい「あの時、正直に友達になりたいと言っていればこんなことにならなかったのではないか」と姫様は後悔することになった。

そんな自分の過去の姿と、名家の娘としての誇りに縛られて本心を言えないでいるバニラが重なって見えて、姫様はバニラには自分と同じようにはなって欲しくないと思ったのです。それで姫様は「私もかつては誇り高き騎士に友など不要だと思っていたが、本当は友達が欲しかった」と笑顔で言い、そうした本当の気持ちこそが自分の今までずっと隠していた秘密なのだと言う。それを聞いてバニラは姫様が自分が素直になってトランプを通して友達を作れるようになるためにこんな話をしてくれたのだと気付き、感激して涙を流して「私もです」と自分の隠していた本心を明かす。

こうして姫様は一応は拷問に屈した形となったが、バニラもトランプをやりたいという秘密を明かしたことで、2人はあくまで対等な友人同士としてトランプ遊びに興じることとなり、姫様の「本当は友達が欲しかった」という秘密を報告された魔王は、自分にも新しいアニオタ友達が出来たことを思い出して親近感を覚えるのでした。そしてED曲となり、その後のCパートではトーチャーが仕事帰りに街に出て外食で牛丼屋に行き親子丼を食べるという話でした。それにしても魔族の街がそこらへんにある日本の街並みそのもので世界観がワケが分からなさ過ぎていつもながら笑えます。

 

 

SYNDUALITY Noir 第2クール

第22話を観ました。

今回も含めて残り3話となりますが、今回かなり早い展開で物語が進みましたから、今期で物語が綺麗に完結する可能性が高いんじゃないかと思えました。まだちょっと確信は持てないんですけどね。イストワール絡みの話を本格的に膨らませて展開しようと思えば1クール使うぐらいは余裕で出来そうですから、1期が「ドリフター編」、2期が「イデアール編」、3期が「イストワール編」という構成もアリだとは思う。ただ今回を終えた後の残り2話でイストワールの話を終わらせることも可能でしょうし、まだどちらなのかは分からない。イストワールの話をどう膨らませるか次第ですね。ただ現実的に考えて、オリジナルアニメで3クールもやるとは思えないので、上手く残り2話でまとめるのだろうと今は思います。次回の内容を見れば確信を持てるとは思うんですけどね。

そういうわけで今回は展開が早かったんですけど、かといって駆け足だったわけではなく、じっくりとバトルアクションを見せて楽しませてくれるエピソードでした。そういう派手な痛快アクションを堪能させてくれる回であり、とても良かったと思います。このところ人間ドラマっぽいエピソードが続いていましたから、ここでアクション回は正解でしょう。最後の意外な超展開も驚かせてもらいましたし、トキオとマハトの決着もついたし、カナタの改造した新しいデイジーオーガでの戦いも見事なもので、主人公らしいカッコ良さを見せてくれました。大満足のエピソードでありました。

展開が早かったというのは、前回のエピソードと今回のエピソードの間に挟まるべき展開の描写が一気に省略されていた部分です。それは残り話数で話を終わらせるためでしょうし、今回じっくりアクションを見せるためであったからでしょう。それに、そういうところをじっくり描いても冗長になって物語のテンポが悪くなるだけですから、これで良いと思います。原作付きの作品の場合は省略した方が1クール内のテンポが良くなるようなエピソードでもしっかり原作通りにやらなくてはいけなくてテンポが悪くなるケースも多々あります。確かに原作の段階で「名作」と言えるようなレベルの作品ならばそんなことにはならないんですが、並のレベルの作品の場合はそういうケースは結構あります。アニメは出来るだけ余計なものは省く方が見やすいんですけど、漫画や小説などは細部を作り込んだ方が見やすい。それは媒体の違いなので仕方ないことです。でも原作ファンが多い場合は「原作改変だ」とか批判されるのが怖くてなかなか省略は出来ずテンポが悪くなってる場合は多い。オリジナルアニメはその点、1クールアニメとしての構成を優先して作るという面で融通が利いて良いと思います。アニメが余計な要素を省いた場合、その時点では薄味に感じたり駆け足過ぎるとか思っても1クール終わって見返すと適切な判断だったと分かる場合が多い。逆に原作付きアニメであまりに原作に忠実にやると最後が中途半端に終わって結局は1クールの完成度が下がることも多い。

それで今回、何が省略されていたかというと、まずはマリアがイストワールに行くためのロケットを完成させるまでの描写が完全に省略されていた点と、それに関連してミステルの電脳内のブラックボックスの内容を解析した部分の描写も省略されていた点です。そこをじっくり描いてもそれはそれで面白かったとは思いますが、この物語の主題はそこにはあんまり関係ないということなのでしょう。そう考えると、やはりこの物語は「イストワールの謎を解明する物語」なのではなくて、あくまで「人間とメイガスの絆の物語」なのではないかと何となく思えてくる。あくまでここからクライマックスはカナタとノワールの物語を描くのが主題になっていくのではないかと思います。

そういうわけで今回、冒頭からいきなりロックタウンにあるマリアのラボの近くにリニアカタパルト方式のロケット発射台が完成していて、スペースシャトルみたいな形の2機の新型の宇宙機が出来上がって発射準備が進んでいる場面から始まりました。前回、マリアとミステルの2人でロケット資材調達のためにカルタゴにあるチュニス宇宙港に向かっていく場面が描かれて、それがノワールがシエルの代わりにライブをやってこれからノワールとしてカナタの傍で生きていこうと決意した場面と同じ時系列でした。だから、あのライブからそれなりに日数は経過していることになります。2機の宇宙機はもともとチュニス宇宙港に保管してあった打ち上げ前の機体を改修したので突貫工事で仕上げられたらしいので、そう考えるとこの冒頭の場面は前回から何年も経っているというわけではないでしょうけど、前回から数カ月は経過していると見ていいでしょう。

チュニス宇宙港にはこの宇宙機の未完成の本体や必要資材や燃料なども残っていたそうです。カナタ達が宇宙港に行った時、管制室やパラボラアンテナは電力を供給すれば作動しましたし、燃料もカナタが誘爆用に使ったぐらいだから使用可能なものが残っていたのでしょう。「新月の涙」以前に作られた施設であり、「新月の涙」から百年以上は経っているみたいですが、それでもまだ使用可能なものは意外にあったみたいです。前回の戦闘時にミステルが地下に格納庫みたいなものを発見していましたが、おそらくあの格納庫の中に今回の宇宙機の元になった作りかけの機体があったのでしょうね。

また、今回の場面でマリアの作った発射台の施設の中にチュニス宇宙港の管制室にあった機器も運び込まれていて使えるようになっているのが描かれていました。あの時、マハトの攻撃の影響で機器は破損してしまいましたが、管制室の機器もロックタウンに持ち帰ってマリアが修理して使えるようにしたみたいですね。おそらく破壊されたパラボラアンテナも補修して使えるようにしたのだと思われ、おそらくそれを使うことによって今度こそしっかりイストワールの位置を捕捉出来るようになったようです。だから宇宙機をただ単に宇宙に向けて飛ばすだけではなくイストワールに到達させる目途が立っているわけです。

しかし、いくらマリアが優秀な科学者だといっても、短期間でそこまで様々なことを一気に出来るようになるわけがなく、マリアの言うには「ミステルのブラックボックスに記録された知識あってのこと」らしいです。つまり宇宙機の改修も発射台の建造も管制室の補修も、ミステルの電脳内にあったブラックボックスの中に記録されていた旧文明の知識があってこそ可能だったみたいですね。そもそも宇宙港に行った段階でマリアの知識だけでは、そこかしこに転がっている資材や燃料など、どれが使えるものであるとか、どれが必要なものであるとか判別も出来なかったはずです。

つまり、前回、宇宙港に向かって出発した段階で既にミステルの電脳内のブラックボックスは開くことが出来るようになっていたことになります。だからこそマリアとミステルの2人で宇宙港に行って成果を上げられるという勝算があったのでしょう。しかし、もともとミステルの脳内のブラックボックスはアメイジアの科学力をもってしても開くことが出来なかったものであり、それを開くためにパスカル計画が立案されたものであるはずです。そしてパスカル博士が死んでパスカル計画が頓挫した時点ではブラックボックスは開くことは出来ておらず、その後、現代においてノワールの形で再起動してカナタと出会ってからも、ミステルが覚醒してからも、ブラックボックスは開いていなかった。アルバがノワールの脳内を調べた時もブラックボックスは開くことが出来なかったはずです。

そのブラックボックスが一体どうして現時点では開いているのかというと、まずその時期は、ミステルが記憶の修復のためにノワールを消去しようとしてノワールがそれを拒んだためにノワールが壊れかけてしまって以降であり、カナタ達がロックタウンに帰還してきた時以前ということになる。そうなると、やはりノワールの反乱によってミステルが壊れかけて、そこからノワールが脳内から出ていった後にミステルが復活して記憶の修復も完了した際にブラックボックスも開いたと見るべきでしょう。

ただ、それはおそらくブラックボックスが開く最後の一押しとなったに過ぎないのだと思います。そんな程度の機械的トラブルで偶然に開くようなブラックボックスであるなら、もともとアメイジアの科学力で開くことは出来ていたはずです。おそらく、ミステルが壊れかけて復活する以前から、ブラックボックスは大きなショックさえ与えれば開く状態にまでなっていたのでしょう。アルバが調べた段階で開くことが出来なかったのは、アルバではそこまで大きなショックをノワール(ミステル)の電脳に与える決断が出来なかったからです。実際はその段階でもブラックボックスはノワール(ミステル)を壊す覚悟さえあれば開くことは出来るぐらいになっていたのだと思います。

それはおそらく「パスカル計画」の成果なのでしょう。パスカル博士が自分が地上世界に行くために強行したパスカル計画でしたが、「外の世界に触れることでメイガスの脳が進化してブラックボックスが開く」というパスカル博士の仮説は正しかったのです。20年前にミステルがパスカル博士と冒険した日々の刺激、ノワールがイストワールから降ってきて脳内に入ってきた刺激、再起動後にノワールとしてカナタ達と過ごした日々の刺激、ミステルが覚醒した後のカナタ達と過ごした日々の刺激、それら全てが積み重なってブラックボックスが開く条件は整いつつあったのだと思われます。そこにミステルの記憶の修復時に起きた大きなトラブルが最後の一押しとなってブラックボックスが開いたのでしょう。

ただ、ミステルが未だにイストワールの内部の詳細な情報は持っていないところを見ると、ブラックボックス内にあった情報はイストワールに関して特化した情報だったわけではなく、旧文明のテクノロジー全般に関する情報だったようです。どうやら旧文明の時代においてもイストワールというのは特別な存在であったか、あるいはイストワールは旧文明とは何か別の異質な存在であったのかもしれない。だから未だイストワールに行ったらそこに何があるのかは謎のままではあるのですが、それでも宇宙機を作って飛ばしたり、イストワールの位置を捕捉してそこに宇宙機を到達させるためにはミステルのブラックボックスの補助は不可欠ということになります。

そういうわけでミステルはこのイストワール到達計画の要であり、管制室で色々と複雑な演算を行っています。ノワールはその助手みたいな感じで手伝っており、いよいよ打ち上げ準備が整ったところです。ただチュニス宇宙港で調達出来た資材や燃料は宇宙機2機を完成させて飛ばすだけの量しか確保できなかったので、打ち上げは2回しかチャンスが無い。ミステルはパスカル博士の遺志を受け継いでイストワールに行くつもりですが、まずは1号機でイストワールに行くのはカナタに譲るつもりみたいです。それは単に打ち上げ実験も出来ない状況でいきなり本番の打ち上げなので失敗の可能性もあるわけで、まず1号機にカナタとノワールを乗せて飛ばしてみて成功すればそれで良し、失敗すればそのデータを2号機の打ち上げに活かして、2号機はより安全に打ち上げて、そこにミステルとマリアが乗るという、かなりナカタの扱いが酷い計画でした。

そういうわけで、まず1号機でカナタとノワールがデイジーオーガも載せてイストワールに向けて飛び立つという日を迎えましたが、そこにイデアールが襲撃してきます。今回の一番最初の場面はマハト率いるイデアールの部隊がロックタウンを襲撃する準備を整えて出撃する場面だったのですが、ここでのヴァイスハイトの訓示を聞くと、彼がマリアの宇宙機の完成を待って襲撃を命令したことが分かります。

もともとイデアールがノワールを奪おうとしていた理由は、諜報員であったシエルの情報によって、ノワールがパスカル計画に関連して脳内に旧文明の遺産に関するブラックボックスを入れた0型メイガスである可能性が高いと判断したからでした。それが一旦もう少し様子を見ようということになった矢先にミステルが覚醒して、ミステルの話を聞いてシエルがミステルこそがパスカル計画のメイガスだと確信し、更にイストワールが宇宙空間に存在するという重大情報も入手してヴァイスハイトに報告し、ミステルの捕獲が決定したがチュニスでそれに失敗し、更にイデアールにおびき寄せたカナタも取り逃がしてシエルも失ってしまった。この後すぐにヴァイスハイトは力押しでミステルを奪うことも出来たはずだがそうはしなかった。その時点ではシエルを失ったことによる何らかの動揺があったからとも考えられるが、その後も数ヶ月も何も仕掛けて来なかったのは不自然です。

イデアールの方針としては、まずミステルを確保してブラックボックスを回収すべきはずです。しかし、そうはしなかったのは、おそらくヴァイスハイトはロックタウンでイストワールに向けて飛ばす宇宙機を作っているという情報を掴んで、それをワザと邪魔せずに完成させてから横取りしようと考えたからなのでしょう。シエルというカナタ達の身近に潜入させた諜報員は失ったものの、出入り自由なロックタウンですから、当然イデアールは他にも諜報員を送り込んで動向は探らせていたはずです。それでマリアが町を挙げてイストワール行きの計画を進めていることは当然ヴァイスハイトの耳にも入ったはずです。

問題は、どうしてヴァイスハイトがマリアの宇宙機を横取りしようと考えたのかです。それは要するにイデアールには宇宙に行ける乗り物が無いし、自力で作ることが出来ないからなのでしょう。イストワールが宇宙にあることをヴァイスハイトがもともと知っていたかどうかは分からない。基本的には「イストワールは何処にあるのか分からない」とイデアールでは認識されていた。そもそもイストワールに何があるのかすら謎とされてきた。だがヴァイスハイトは妙にイストワールが真の楽園だと確信している様子だった。それが単なる狂信なのか、それとも彼だけは何かを知っていたのか、それについてはまだ不明です。

ただ、もし仮にイストワールが宇宙空間にあるということをもともとヴァイスハイトが知っていたとしても、シエルからの報告で初めて知ったにせよ、いずれにしてもイデアールの科学力では宇宙に行ける乗り物は作れなかったのでしょう。イデアールの前身であるアメイジア復興組織も、そしておそらくアメイジアでも、宇宙に行ける乗り物は作ることが出来ず、それが可能だったのは「新月の涙」以前の旧文明だけだった。だからその旧文明のテクノロジーが記録されたブラックボックスを持つミステルと組んでいるマリアだけが宇宙機を作ることが出来たのです。

ただ、そう考えると、アメイジアがブラックボックスを開こうと躍起になっていたり、アメイジア復興組織がブラックボックスを回収しようとしていたのも、ブラックボックスがイストワールに行く鍵だということが分かっていたからなのだと思われ、それはつまり彼らの上層部は「イストワールが宇宙空間にある」ということは知っていたということなのかもしれない。ヴァイスハイトはそれを何処かで知った可能性はある。

しかし、これはミステルさえ確保すれば宇宙機はイデアールでも作れるということでもあり、それならどうしてヴァイスハイトはミステルを先に確保してイデアールで宇宙機を作ろうとせず、マリアの宇宙機を奪うなんていうリスクの高い作戦を立てたのかという謎は残ります。カナタがイデアールから逃げてロックタウンに帰還した直後に攻勢をかけた方がミステルを奪える可能性は高かったし、ミステルがマリアと共にチュニスに向かったことをもし知っていたとしたら、そこを襲撃した方がより楽勝だったはずです。それなのに何ヶ月も状況を放置したら、当然ロックタウンではイデアールがミステルを狙っていることは分かっていますから迎撃態勢は整えるわけで、時間が経てば経つほど防衛体制は強固になるに決まっている。

だからヴァイスハイトの方針はどうにも不可解であり、そんな状況を不利にするようなことをしていながら、マハトにはミステルの確保と宇宙機の強奪を命じて、作戦の失敗は許さないみたいな理不尽なことを言う。それでシュネーもだいぶヴァイスハイトには不信の念を抱いているようです。そうして戦闘開始となるが、案の定、ロックタウン側は防衛準備が出来ていて、マイケル率いるアヴァンチュールの連中やエリーやクラウディアらが迎撃し、マリアが各所に仕掛けた罠も機能してイデアール部隊は大被害を被ることになります。

それでもギルボウを操縦したマハトは味方部隊を率いて空からの攻撃でロケット発射台を急襲しようとするが、この部隊をカナタが迎え撃つ。ここでカナタの改造した新型デイジーオーガの能力が披露されますが、なんとレールガンを装備していたり、攪乱用のチャフを発光弾と共に発射する機能がついていたり、攻防ともに格段にパワーアップしています。レールガンはリニアカタパルト建造の副産物だそうで、思いっきり電力を消費するので多くは撃てないみたいですが、これらは全てミステルのブラックボックスの旧文明のテクノロジーを利用したものでした。そして、おそらく同じく旧文明のテクノロジーを使ったのでしょうけど、なんとデイジーオーガがジェット噴射で空を飛べるように改造していました。これは先のチュニスでの決闘の際に空を飛ぶギルボウに苦戦した経験をフィードバックした装備であり、マハトに対抗するための装備でした。

こうして敵部隊を撃破していったカナタは空中戦でマハトと一騎打ちを繰り広げることになりますが、さすがにマハトの方がパイロットとしての技量は上なので、カナタは誘導弾を一発かわしきれず命中しそうになってしまう。しかし、そこにトキオの操縦するジョンガスメーカーが現れて誘導弾を撃ち落としカナタの危機を救います。

トキオは前回、ノワールのライブの最後の曲の途中で楽屋から姿を消して以来行方知れずだったのですが、どうやら数ヶ月かけてジョンガスメーカーの全面改修をしていたようです。それはマハトやヴァイスハイトたちイデアールの連中と決着をつけて自分の想いをぶつけるための準備だったようです。それで、ジョンガスメーカーはマハトのギルボウと互角に戦うために空を飛べるように改造してあった。トキオはもともとイデアールの者ですから、空を飛べるようにコフィンを改造する技術は入手可能だったのでしょう。

そしてトキオは自分がマハトと決着をつけるからカナタはロケット発射台に戻って宇宙機とミステルを守るようにと指示し、カナタはロケット発射台に向かう。そしてトキオとマハトの一騎打ちとなり、トキオは自分の話を聞くようにとマハトに言うが、マハトは聞く耳は持たない。それでトキオは自分が勝負に勝ったら話を聞いてもらうと言う。それに対して、シュネーの演算で組んだ攻撃でマハトはレーザー光線とミサイルの波状攻撃を敢行し、それに対してムートンがメイガススキル「オーバークロック」を使って、超スピードでの演算でそれを回避する。

そこからそれぞれ持ち味を生かした互角の攻防を繰り広げる両者であったが、マハトは勝負を急ぎ、レーザーノリミッターを解除して広範囲を破壊してトキオを仕留めようとします。それでトキオを遂に倒したかに見えましたが、トキオは囮で誘導したその爆炎に紛れて姿を隠してマハトの背後に現れて不意をつき、接近戦に持ち込み、もつれ合って共に落下してジョンガスメーカーがギルボウを叩きつけてトキオがマハトに勝利する。それでトキオは自分の話を聞いてほしいと言い、マハトも勝負に負けた以上は仕方ないと観念して話を聞こうとするのだが、そこに突然ヴァイスハイトの乗ったタコのような形態のコフィン「ノアゲームチェンジャー」が超高速で突っ込んできてジョンガスメーカーをぶっ飛ばしてしいまい機能不全に陥れる。

そしてヴァイスハイトはマハトに「最後の一撃は君に委ねる」と言い残してロケット発射台に向かう。マハトは勝負に負けた自分が動けなくなったトキオを討つことに躊躇するが「大義のために君自身がその手を汚せ」とヴァイスハイトに言われてしまい、自分は自分の信じる正義よりもイデアールの大義で世界を救うために自分の手は汚すことを選ぶと誓ったのだということを思い出し、トキオにトドメを刺そうとして近づく。

一方、マリアのラボ上空に到達したヴァイスハイトはそこを拠点に抵抗するエリーやマイケル達のコフィンを攻撃して一気に撃破して、ロケット発射台に侵入する。そこでヴァイスハイトは発射準備の整った宇宙機を見て「地上の人間にしちゃ上出来じゃないか」などと言う。これは一体どういう意味で言っているのか不明です。ヴァイスハイトは地上の人間ではなくて「天上の人間」つまりイストワールの人間という意味なのでしょうか。しかしヴァイスハイト自身がイストワールに行く手段が無くて、こうしてマリアの宇宙機を奪おうとしているぐらいなのですから、ヴァイスハイトがイストワールの人間であるとは思えない。だから、おそらくヴァイスハイトは自分がイストワールを手中にするという妄想が過ぎて、既にイストワールの王にでもなった気分で地上の人間を見下しているということなのでしょう。

このヴァイスハイトの侵入に対してマリアが抵抗し、ヴァイスハイトはマリアを殺そうとしますが、それを止めさせるためにミステルが姿を現して自分に用があるのなら自分にだけ手を出すようにと言う。するとヴァイスハイトはミステルを「計算人形」と呼んで見下して捕獲して、ノアゲームチェンジャーの触手で身体を弄って自我を奪い自分の言いなりになる人形のようにしてしまってノアゲームチェンジャーに取り込んでしまい、発射準備の整った宇宙機にノアゲームチェンジャーごと乗り込み、ミステルのブラックボックスを開いて宇宙機の発射態勢に入る。カナタはまだロケット発射台に辿り着いておらず、マリアからそうした状況の連絡を受けて驚く。

そしてヴァイスハイトは回線を通じてその場に居る敵味方全てに対して、これから自分が1人でイストワールに向かうことを告げる。イデアールの者達は自分たち全員でイストワールに行くものだとばかり思っていたのでヴァイスハイトの言葉を聞いて驚愕します。しかしヴァイスハイトは構うことなく「エンダーズやブルーシストに怯えることのない時代がやって来る」「僕がイストワールの玉座に着くことによって世界は救われる」「もうじき新世界の扉が開く」「悲しみも苦しみも無く計算人形も必要としない世界の扉が開く」と好き勝手なことを言って、そのまま宇宙空間に向けて飛び立っていきます。

ヴァイスハイトの言葉が一体どこまでが本気なのか正気なのかも不明だが、とにかくヴァイスハイトが先にミステルを奪ってイデアールで宇宙機を作ろうとしなかった理由は、そもそもイデアールの連中すらヴァイスハイトにとっては邪魔者であり、ヴァイスハイトはイデアールの連中を利用した挙句に騙して切り捨てて、自分1人でイストワールを独占することが最初からの目的だったのだということであったのはハッキリしました。その上でヴァイスハイトが目指している「新世界」というのが何処まで実現可能なのか、そもそもヴァイスハイトがイストワールについて何処まで知っているのか、これらはまだ多くは不明のままです。そしてヴァイスハイトがイストワールに向かったことで地上の世界に何が起こるのかもまだよく分からない。

ただ、ヴァイスハイトがメイガスの存在しない世界を目指しているということは今までイデアールでは知られておらず、初めてそんなことを聞いたマハトは動揺する。マハトはイデアールによって救済された新世界では当然のようにメイガスは存在するものだと思っていたからです。そうして混乱するマハトに向かってトキオはジョンガスメーカーから出てきて、ヴァイスハイトがメイガスを邪魔者と見なして使い捨てて抹殺しようとしているのだと教える。そしてシエルがヴァイスハイトによって使い捨てられたことを思い出すようにと説得する。そして「お前はシュネーがいない世界で平気なのか?」と問いかける。

それに対してマハトはあくまでトキオの言葉に従うことを拒絶し、トキオとの決着をつけた上でヴァイスハイトに真意を質すと言い、トキオを殺そうとする。だが、それをシュネーが制止してギルボウの機能を停止させる。そしてコクピットに姿を現してシュネーは「マハト様」と呼びかけ抱きしめる。普段は「マイロード」としかマハトのことを呼ばないシュネーであったが、あのトキオがイデアールを去った日以来の「マハト様」呼びを復活させたのでした。そしてシュネーはマハトに「こんなことが貴方の望みなのですか?」「貴方の本当にやりたかったことを思い出してください」と呼びかける。

シュネーはあの10年前の日、本当はマハトがトキオと共に外の世界に行って、世界の救済などよりも単に人間とメイガスの楽園を作りたいと思っているのだと感じて、それでマハトの背を押そうとしていた。しかし結局はトキオとマハトは共に行くことが出来なかった。その後、マハトはイデアールの大義に従うことを決意し、そんなマハトに「マイロード」と呼んで従ってきたシュネーであったが、シュネーはそれはマハトの本当に望んでいることではないのではないかとずっと疑問に思っていた。それでもイデアールの大義の先にマハトの望みが叶う世界があるのならばそれでもいいと思っていたのだが、ヴァイスハイトの目指す世界の先にメイガスがいないのならば、それはマハトの望む世界ではない。何より、シュネー自身がマハトと共に居られない世界など嫌だった。そしてマハトもそう思っているのだと信じたかった。そして、ヴァイスハイトの暴走でイデアールの大義も崩壊した今、その望みを叶える道を共に歩める同志はトキオしか考えられない。だからシュネーはマハトにトキオを殺させたくなかった。そうして、そのシュネーの言葉に心動かされたマハトは、自分があの10年前の日、本当はトキオと一緒に外の世界に行きたかったのだということを思い出し、涙を流して崩れ落ちる。そうして戦いは終わり、物語は次回に続きます。

 

 

道産子ギャルはなまらめんこい

第10話を観ました。

今回も含めて残り3話ですが、今回は春休みが終わって新学期となり、翼たちが2年生に進級します。北海道にも春がやって来たわけですが、北海道の4月は温かくはなってきたがまだ寒くて、桜が咲くのは5月らしいです。2年生になってクラス替えがありましたが、翼も美波も沙友理も松尾も同じクラスになりました。

まずクラス委員長を決めることになりますが、松尾が翼を委員長に推薦し、美波も沙友理も賛成して推薦して、翼も皆の役に立つならと引き受けて、翼が委員長になることになった。そして副委員長を決めようということになったが美波がすぐに手を挙げて立候補して美波が副委員長になった。でも沙友理も手を挙げようとしていたのだが、美波の方が早く手を挙げたので、沙友理は誰にも気付かれないうちに手を下ろしてしまっていた。

その日の夜、翼と沙友理は初めてオンラインで一緒にゲームをして遊びます。その途中、沙友理はみんな積極的で偉いと言い、自分は消極的なまま何も変わっていないと言って落ち込む。しかし翼は沙友理もスキ授業で上から滑るのに挑戦したり、自分にゲームを教えてくれたり、色々と変わったと思うと言う。それを聞いて沙友理は自分が変われたのは翼のおかげだと思う。

翌日、クラス委員の仕事で放課後残って作業していた翼と美波であったが、美波は副委員長に立候補した理由は翼と一緒に居る時間を増やしたかったからだと言う。そして美波は真剣な顔をして、ゴールデンウィークのうち1日空けておいてほしいと言う。翼に伝えたいことがあるのだそうだ。そういうところで今回は終わり次回に続きます。ラスト2話で翼と美波に何か進展があるのかと期待させるような引きでしたが、案外そういうのとは違ってハートウォーミングな話なのかもしれないですね。