2024冬アニメ 2月11日視聴分 | アニメ視聴日記

アニメ視聴日記

日々視聴しているアニメについてあれこれ

2024年冬アニメのうち、2月10日深夜に録画して2月11日に視聴した作品は以下の6タイトルでした。

 

 

結婚指輪物語

第6話を観ました。

今回は火の指輪編の後編で、サトウが猫人の国ニーダキッタの姫であるグラナートと火の指輪を賭けて戦うという話でした。まずは試合に備えて稽古に励むサトウの様子が描写されますが、サトウは指輪の魔法の力を使わずにあくまで自分の力でグラナートに勝って自分の実力を認めさせることに拘っています。グラナートはもう見合い試合に飽いていて八百長して負けてやってもいいと言ってくれているぐらいなので、どのような勝ち方をしようとも火の指輪は譲ってくれそうです。だから指輪の魔法の力を使って勝利すればそれでいい。それでもサトウが指輪の力に頼らない自分の力をグラナートに認めてもらいたがっているのは、サトウが単に火の指輪を手に入れるだけでなくグラナートに心から夫として認めてもらいたいと願っているからではないかとヒメは疑います。それでヒメは素直にサトウを応援する気持ちになれない。

そうしてサトウとグラナートの試合が始まりますが、そこに深淵王の黒い指輪によって操られた深淵の騎士がサトウを倒そうとして魔物を引き連れて襲ってくる。猫人たちが魔物に対処する中、グラナートは深淵の騎士に立ち向かうが劣勢に立たされる。それを見てサトウは指輪の魔法の力で深淵の騎士に対抗しようとするがパワー不足で太刀打ち出来ない。このところずっと自分の力で戦うことに拘り過ぎてヒメやネフリティスと親睦を深めることを怠っていたため、指輪の力が十分に引き出せなくなっていたのです。

しかし、そんな劣勢の中でもグラナートは「たとえどんなに頼りなくても指輪王を守るため戦うのが我らの使命」と言って諦めずに戦おうとする。そうしたグラナートの使命感の強さを見て、サトウは自分の実力を認めさせることにのみ拘っていた自分を恥じ、自分も使命を果たすために出来ることをやろうと決意し、グラナートのサポートに回る。そうして不十分な指輪の力を上手く使って突破口を開きグラナートが深淵の騎士に一撃を入れるのを助ける。そうして深淵の騎士が怯んだところで、グラナートがサトウに剣を託して、サトウが深淵の騎士を倒した。

この戦いを終えてグラナートはサトウを見くびっていたことを詫び、今は実力は足りていなくてもサトウには指輪王としての資質があると認めて、火の指輪を譲ると言ってくれた。これで全て丸く収まったかに思えたが、サトウはここで再び自分の実力でグラナートに勝つことに拘り始めて、改めてグラナートに決闘を申し込む。ヒメはそれを見てサトウがやはり1人の男としてグラナートに認められることに拘っているのかと思い嫉妬しますが、ネフリティスはそうではなくて、サトウはヒメに認められたくて戦っているのだと言う。

実はサトウがグラナートに自分の力で勝つことに拘っていた理由は、本来はヒメやネフリティスの力である指輪の力を借りて戦って勝っても、最初にグラナートにカッコ悪く負けた自分がグラナートにリベンジしたことにならず、自分はカッコ悪い夫のままで妻であるヒメに顔向け出来ないと、そういうことを気にしていたからだったのでした。それがつまらない個人的な意地であることを自覚して深淵王との戦いの場ではそうした想いには拘らないことは決意したサトウではあったが、それでも個人的にはやはりグラナートに勝ってヒメにカッコつけたいという想いは大事にしたいと思ったのです。

そうしたサトウの想いを知ったヒメは嬉しく思って、思わず「勝ったらエッチさせてあげる!」とハッパをかけてしまう。そうしてサトウは大いに燃えて決闘を始めるが、そうしたサトウを面白がったのか指輪がサトウの意識に語り掛けてきてグラナートの動きを予測して教えてやると言ってくる。サトウは指輪の力を使うことを躊躇うが、指輪はこれは姫たちの力ではなくお前が引き寄せた力だと言い、どうも初代の指輪王の意思が語り掛けているっぽい。それでその指輪の声に従いサトウはグラナートから一本取ることに成功し、グラナートは心の底からサトウを夫と認めたのでした。

それでグラナートはさっそく子作りをしようと言ってサトウをベッドに誘うが、サトウはヒメが先約だと言って約束通りヒメとベッドインするが、疲れて寝てしまいエッチは未遂で終わる。そしてサトウが起きるとグラナートが婚礼の儀を行うと言い出し、ヒメもネフリティスも同席した婚礼の場でグラナートはニーダキッタはこれから指輪王サトウに仕えて深淵王と戦うと宣言し、サトウたちは強力な援軍を得ることとなった。

その後、サトウはヒメとエッチするのは元の世界に戻ってからにすると言い、結局エッチはお預けとなった。それでもオッパイだけは揉ませてもらうことになったがグラナートやネフリティスも乱入してドタバタ展開で終わり、次回に続きます。次回はおそらく当初の予定通りに水の国に行くことになるのでしょう。まぁ今回はグラナートとの決着までは面白かったんですが、その後のラブコメ展開は割とテキトーな感じでイマイチでしたかね。というか、サトウがヒメに一途すぎて、ちょっとネフリティスやグラナートの立場が無い感じで、ハーレムラブコメとしてはあんまり出来が良くないような印象なんですよね。それをカバー出来るぐらいファンタジーとしてストーリーが盛り上がればいいんですけど、風の指輪編に比べて火の指輪編はちょっとそのあたりが弱かったように思えた。水の指輪編では巻き返しを期待したいところです。

 

 

ゆびさきと恋々

第6話を観ました。

今回は告白回で、雪と逸臣が交際を始めるところで終わり、特殊EDであったし、どうも中締めっぽいエピソードでしたね。全12話構成ですから、ここまでが前半戦であり、次回からの後半戦では交際するようになった2人に起きるドラマを描いていくのでしょう。それで今回の告白回ですが、雪と逸臣の遣り取りを実に丁寧に描いていてずっと惹きつけられっぱなしでした。気が付けば終わっていたような感じで、とても良かったと思います。

ただ相変わらず雪視点がメインで、逸臣の心情はぼかしてあるところが多いので読めないところが多い。雪の感情はこれ以上無いぐらい丁寧に描いてるんですけど、逸臣が考えていることはまだ謎が多い。そこを考えるのが楽しいのですけど、それを楽しいと思って視聴出来る人ばかりでもないことも分かります。

今期の作品の中でラブストーリーの筆頭といえば、この「ゆびさきと恋々」と「僕の心のヤバイやつ」の2作品が双璧となるのでしょうけど、この2作品が全く対照的であるところが面白い。「ゆび恋」の男性メインキャラの逸臣は心情描写が乏しいのに対して「僕ヤバ」の男性メインキャラの市川は心情描写が実に克明です。また、市川が冴えない容姿の陰キャオタクの中学生男子であるのに対して、逸臣はイケメン高身長の3ヶ国語を喋る大学生であり、市川が何気ない日常会話さえ自分にはその資格すら無いと苦悩するほど自己肯定感が低いのに対して、逸臣は「ただしイケメンに限る」と表現されるキザな振る舞いでグイグイくる。まぁ逸臣の場合はそれは雪を相手にする時に限っているが、例えばエマやりんのような他の女性に対する雑な態度さえ、やはり「イケメンに限る」のであって、市川には到底出来ないモテ男オーラ溢れる行動だといえます。

それで、どっちが男性視聴者が共感出来るのかというと、それは圧倒的に市川の方なのであり、逸臣に共感出来る男性視聴者は少ないだろう。女性視聴者の中でも「逸臣カッコいい」という人が多数派だとは思うが、「イケメンだから許されてるけど、ちょっとね」とやや否定的に見る人もいるでしょう。まぁ逆に男性視聴者の中にも「いくらなんでも市川キモすぎ」という人もいるでしょうけどね。逆に女性視聴者では山田に共感できる人よりは雪に共感出来る人の方が多いでしょうけど、自然体で心情描写がまだ多めの山田はまだ女性視聴者の支持は多めであり、男性視聴者で逸臣を支持してる人よりは多いと思う。女性視聴者は市川を男性として支持する人はあんまり多くはないだろうけど、市川と山田のカップリングが双方の心情描写が豊富なのでカップリングそのものを支持してる人は多いと思う。だが雪と逸臣のカップリングの心情描写は現状は雪の側からの一方通行なので、このカップリングへの支持は市川と山田のカップリングへの支持に比べると少ないとは思う。

つまり総合すると、ラブストーリーとして共感度が高いのは「ゆび恋」よりも「僕ヤバ」の方なのであり、だから現状「僕ヤバ」の方が人気があるのだといえます。そして「ゆび恋」のネックになっているのが逸臣なのです。もちろんこの2作品が現状は今期の1位争いをする作品である以上、「ゆび恋」や逸臣がダメということは全然ないんですけど、あくまで「僕ヤバ」に一歩及ばない理由として逸臣という存在があると考える人は多いと思う。そして、それは私も同感です。

但し、私はキャラへの共感性とか好感度よりもストーリー重視派なので、聴覚障碍者の特殊な事情をラブストーリーに上手く落とし込んだ脚本の完成度の高さを評価して「ゆび恋」の方を「僕ヤバ」よりも僅かに高評価してきました。その一方で、まぁ私も男性視聴者なので逸臣というキャラにどうしても共感出来ない部分は確かにあった。脚本の出来の良さがその逸臣への共感の低さをずっと上回っていたので高評価が続いていただけです。だが、脚本の完成度は相変わらず高いままではあるが、今回はさすがに逸臣のイケメンムーブが凄すぎて、ちょっと許容量を超えてしまった。ダメだったとか出来が悪かったという意味ではなく、逸臣の心情だってよく見ればちゃんと分かるのですけど、これは印象の問題であって、ちょっといくらなんでも糖度が高すぎた。「ただしイケメンに限る」という印象の方が強くなってしまいストーリーに入り込むのをちょっと邪魔するレベルになってしまった。少女漫画に慣れてる人なら許容範囲だったんでしょうけど、普段あまり少女漫画を読まない人間にはちょっと許容量以上だったと思う。それでもこの作品が名作であるのは何ら変わりないんですが、今回は「僕ヤバ」の方がまた物凄い神回だったので、ちょっと「僕ヤバ」が逆転してしまいましたね。

ただ、じゃあこのまま「僕ヤバ」の勝利なのかというと、そうとも言い切れない。「ゆび恋」の今回のエピソードは告白回だから一見キメ回っぽいですけど、そもそも今回で締められたクール前半の6話分がまるまる溜めの展開なのであり、クール後半のドラマの方がどう見てもメインっぽいからです。おそらくクール後半には逸臣の心情も克明に描写されていくことになるのでしょう。それに対して「僕ヤバ」はもう既にピークに入っているので、もちろんここから更に盛り上がっていくのでしょうけど、クール後半の爆発力は、まだ描いていないドラマを多く残しているぶん「ゆび恋」の方が少し上なのではないかと思う。だからまだここから「ゆび恋」が逆転する可能性は十分あると思います。まぁクール後半の爆発力への期待感ならば、現在好位置につけている作品の中では「勇気爆発バーンブレイバーン」「シンデュアリティノワール」「戦国妖狐」の方が更に上なので、まだまだトップ争いはどうなるか分かりません。

そういうわけで今回は中締めではありましたが、そんなに話の内容が濃かったわけではない。むしろ作画と演出と言葉のチョイスのレベルの高さが際立つエピソードでありました。あまり深く考えず、ただただエピソードの美しさを堪能すればいいと思えました。まず前回ラストで「俺なら大丈夫ってどこまで?」という逸臣からの質問への答えの手話が「ぜんぶ」だという意味だと伝えた途端、いきなり指先にキスをされた雪がビックリして腰を抜かしてしまう場面から始まります。逸臣はビックリして心配してきますが、その態度があまりに普通なので、雪としても逸臣の気持ちが今一つ掴み切れない。キスといっても唇にしたわけではなく、帰国子女の逸臣ならば顔へのキスでも挨拶程度の意味合いなのかもしれない。ましてや指先へのキスなど特に深い意味は無いのかもしれない。

それで雪は逸臣がどういう気持ちでそんなことをしたのか確かめるために一旦落ち着いて、さっき自分が伝えた「ぜんぶ」という答えがちゃんと逸臣に伝わっていたのかスマホでの遣り取りで確認します。文字入力で明確に伝えたわけではなく指文字でしたのでちゃんと伝わってない可能性も十分あったからです。すると「ぜんぶ」というのはちゃんと逸臣に伝わっていた。ただ「逸臣さんなら全部大丈夫です」という雪の気持ちが伝わったとしても、それだけでは抽象的すぎて、そこに込められた雪の逸臣への恋心が伝わっているとは限らない。「何をされても気にしません」ぐらいの親友的な強い信頼感程度と解釈されても当然といえます。だから雪はまだ逸臣がどういうつもりで指先にキスをしたのか分からない。

ただ普通はそういう親友的な信頼感と解釈して当然の言葉に対してキスで返すというのは不自然なので、やはり恋心が伝わっているという疑惑もある。それでも逸臣が帰国子女なのでそのあたりの判断は難しいのだが、そもそもこの場に逸臣がいきなりやって来てからの会話の流れ的に雪自身が半ば恋心を伝えるつもりで「ぜんぶ」という指文字を書いているので、それに対する逸臣の反応が雪の恋心を察しての回答であるように見えてくる。

逸臣の方も黙って雪の方をじっと見てくるので雪もそうなのかと思って、なんで見てくるのか尋ねると、逸臣はスマホ入力で、りんが京弥に会いに店に来ていたことを引き合いに出して、雪は自分に会いに来ていたのかと質問してくる。この質問を受けたことで雪は自分の気持ちが伝わっていたのだと確信して頷くが、逸臣はこういう質問をするということはこの時点では確信があったわけではないということになります。そうなるとさっきの指先へのキスはどういう意味だったのかはやはり謎なのですが、逸臣は雪が頷いたのを見て「なんとなくそうかなと思ってた」と返す。

ただ、これだけでは単に雪が逸臣に憧れていたという程度の意味合いと解釈されている可能性がある。もしそうだとすると、さっきの指先へのキスには深い意味は無いか、あるいは逸臣が軽薄な男であるという解釈も可能になってしまう。だから雪は自分の想いが「憧れ」ではなくてちゃんと「恋」なのだと伝えるために手話で「好きです」と思い切って伝えるのだが、逸臣は京弥からの電話がかかってきて雪の手話を見ていなかったので雪は愕然とします。

更に逸臣がこれから店に行かねばならないことや、その後すぐに海外に行って1ヶ月以上日本に居ないということも伝えたので雪はちょっとガッカリして、「好きです」と改めて伝えるタイミングを逸してしまいます。これから1ヶ月以上も会えないタイミングで愛の告白をしても仕方ないと思えたのです。それに逸臣が旅先に手話の動画を送ってほしいとか、帰国したらたっぷり時間を作ると言ってくれたので、雪は逸臣が自分にしっかり好意は抱いてくれていると確信出来てそれで満足し、自分の想いは逸臣が帰国してきてから改めて伝えようと思う。

ただ、逸臣が部屋から出て行く前にどうしてもさっきの指先へのキスの意味だけは確かめておかないとモヤモヤすると思い、その意味を逸臣に質問します。別に深い意味が無かったのならそれでもいいのです。そうハッキリ分かった方が1ヶ月以上もあれこれ妄想して悩まなくて済みますから、逸臣が海外に行く前にそれだけは聞いておこうと思ったのでした。

これに対して逸臣は雪の頭に手を置いて撫でます。これは手話で「可愛い」という意味であり、逸臣もその意味は雪に教えられて知っています。だから雪は逸臣が「雪が可愛かったから指先にキスしてしまった」と答えているのだと解釈する。それは逸臣が雪に恋をしているという意味ではない。単に好意を抱いているというレベルです。好意を抱いているからといって普通は日本人は相手の手にキスはしないのだが帰国子女の逸臣ならばあり得るのだろうと解釈できた。それで雪は納得すると同時にちょっと残念には思った。「好きだから」という回答を全く期待していなかったわけではないからです。それでも、雪は自分が逸臣を好きだという気持ちをいずれ伝えることの方を重視していて、逸臣に好きになってもらうことにそんなに強く拘っているわけではないので、深く傷つくということはなかった。

だが逸臣が雪の頭を撫でたのは実際は「可愛い」という手話の意味合いではなかった。逸臣は単に雪の頭を押さえて視線を下に向かせたかっただけだったのです。その上で雪に向かって口パクで「好きになっていい?」と伝えていた。だが下を向かされている雪には背の高い逸臣のその口パクは見えないので、それは雪には伝わっていない。というより、逸臣は雪にそれを見られたくなかったので雪を下に向かせたのです。雪に伝わらない言葉をわざわざ口パクで表現するというのは全く意味不明な行動ですが、こういう意味不明な行動をとってしまうというのは、実際は逸臣がテンパっていたからです。

雪の「どうしてキスしたのか?」という質問に「好きになっていい?」と返してしまったが、それは雪に見られるのが恥ずかしくて雪が見えないように頭を押さえつけてしまっての行動でした。それが雪には「可愛いから」という意味に誤解されただけであり、逸臣の本心は「雪を好きになりたい」であったのです。しかも「好きだからキスした」という質問に対する明確な回答ではなく「好きになりたい」というのは質問に対する答えになっていない、そもそも混乱した回答だといえます。つまり、さっきのキスは逸臣自身がまだ雪のことを好きだという気持ちに整理がついていない状態でフライング気味にやってしまった行為だということになる。

どうも逸臣という人間は表情の変化に乏しいので常に沈着冷静でクールな人間のように誤解されがちですが、それなりに心が揺れ動く場合もあるようで、今回はそういう状況だったのでしょう。もともと雪のことが気になっていて、雪がもしかしたら自分のことを好きなのかもしれないと期待する気持ちもあって、それで「俺なら大丈夫ってどれぐらい?」と思い切って切り込んで質問したら「ぜんぶ大丈夫です」と返事があって舞い上がってしまって思わず指先にキスをしてしまったのでしょう。それで雪がビックリしてるのを見て逸臣も早まったと思って焦り、雪の自分への想いが恋なのか確かめようとして、りんと京弥の話まで持ちだしてずいぶん回りくどい質問を慎重にして雪の気持ちを探ろうとしたが確信は掴めず、せっかく雪が手話で「好きです」と告白してくれたのに京弥からの電話のせいで見逃してしまい、急いで出かける羽目になってしまったのでモヤモヤした気持ちのまま部屋を出ようとしたところ、雪に「どうしてキスしたのか?」と切り込まれてしまい慌てたのでしょう。

それですぐに「好きだから」と言えればよかったのですけど、いきなり気持ちの整理がつかないので一旦雪の頭を押さえて雪が見えない状態で「好きになってもいい?」と口パクで言って練習してみたところ、雪が勝手に「可愛い」という手話だと誤解して納得して話を終わらせて「時間は大丈夫ですか?」と言ってきたので逸臣の方が拍子抜けしてしまい、雪にとって自分にキスされたことはそんなに大したことではなかったのかとちょっとガッカリしてしまい、そのまま部屋を出ていってしまい、「好きになってもいい?」と気持ちを告白しかけてお預けを喰らった形でモヤモヤした気分のままロッキンロビンのバイトに出勤していく羽目となったのでした。一方で部屋に残された雪は逸臣の気持ちが「可愛いからキスした」だとハッキリ分かって混乱は収まり、冷静になってみると逸臣に指先にキスされたこと自体が嬉しくて舞い上がってしまい、部屋に戻ってきたりんに抱き着いたりしてしまいます。

そうしてモヤモヤした気持ちのまま出勤した逸臣は、店で京弥がしつこく雪に対する気持ちを問い質してくるので、ついムキになって珍しく雪に対する自分の気持ちを語ります。それによると、逸臣は透明な雪に影響を与えたいのだそうです。そうして雪の変化をずっと見ていたいと思っていたのだそうです。このあたりの逸臣の感情が恋であったのかどうかはちょっとよく分からない。何か別の感情であったのかもしれません。ただ、それが何であったにせよ、逸臣が「今は見てない」「ずっと雪に見とれてる」と言っているところを見ると、少なくとも今はもうそれが完全に雪への恋心に変わっているのは間違いないと思われる。

ただ、結局はその恋心を伝える機会を逸してしまった逸臣はモヤモヤした想いを抱えたままであり、もうこのまま海外に行くまで雪に会う機会は無いだろうと残念に思い、帰国してから雪に想いを伝えようと決めたのだが、そこにりんが雪を連れて飲みに来たので、逸臣はこの機会に告白すれば海外で1ヶ月以上モヤモヤせずに済むと思い、思い切って雪に想いを伝えようと決意した。それで雪を店の外に連れ出して2人きりになり、手話で「俺たち付き合おう」と伝えた。

手話で伝えることを選んだのは、大事な感情を伝える言葉だったからだということは雪にも理解できた。そして「付き合う」という手話は雪は逸臣には教えていなかった。手話ノートにも書いていなかったのでしょう。だから、これは逸臣が雪に内緒で独自に調べてマスターした手話でした。それは、それだけ逸臣にとっては重要な言葉だということであり、大事にしたい気持ちだということを意味していた。そして雪に新鮮な気持ちで届けたいと思って準備していた言葉だったのだということは雪にも伝わったのでした。

それでも、雪は逸臣が自分に対してそんな気持ちを抱いてくれていることがまだ信じられず「なんで?」と問い返す。逸臣は広い世界に生きている人であり、自分のような障害を持った人間をわざわざ選ぶ理由など無いはずだと雪は思ったのです。しかし逸臣は「この先も海外に行って色んな人に会うだろうけど、何処に行っても雪は居ない」と答える。つまり、逸臣にとっては海外に広がる世界よりも雪の方が大事だということです。その逸臣の気持ちを知って雪は嬉しさのあまり涙で滲んで逸臣の唇の動きを全部は読めないほどであったが「雪が欲しい」という逸臣の言葉はハッキリと読み取れた。

そうして呆然とする雪の両手を掴んで「返事、〇?」と逸臣はあの「俺を雪の世界に入れて」と伝えた時に雪が〇の字を両手で作って応えてくれた時のように雪の両手で大きく〇の字を作らせて返事を迫ります。それに対して雪が何度も頷いたので、逸臣は「そうか」と応える。その態度があまりにアッサリしているので雪はちょっと拍子抜けしますけど、そもそも逸臣は過剰な感情表現が苦手な人間だということは視聴者目線ではそろそろ理解出来ててきています。「もっと手話がんばる」と伝える逸臣の雪への言葉から、逸臣も新たな感情表現に挑戦しようとしていることは分かる。

その後、店内に戻って逸臣は雪と交際することになったことを京弥とりんに報告して、2人は驚きますが、りんが喜んでくれるので次第に雪も逸臣と付き合うことになったのを実感していきます。逸臣の方は相変わらず感情が表には出ていませんでしたが、店内でビールを呑んだりして、いつもよりもちょっと昂っているということは京弥も気付きました。

そして逸臣はすっかり雪のちゃんとした彼氏モードで、たとえりんの部屋に泊まる日でも雪の門限を守らせなければ雪の親に申し訳が立たないと、雪を送って帰りますが、りんには店に残って京弥と2人きりにさせてあげるという気遣いをしたように見せて、実際は雪と2人きりになりたかっただけなのでしょう。そして、雪が気にしていたとりんから聞いたエマに渡した合鍵の件もちゃんと説明して、もう二度とエマに鍵は渡さないと言って雪を安心させます。そして手を繋いでりんの部屋まで雪を送り届けて、雪がパスポートを取ったら一緒に海外に行こうと約束して別れますが、最後に名残惜しくなって思わず後ろから雪を抱きしめたりしてしまいます。そんな感じで遂に互いの想いが通じ合って付き合うことになった2人ですが、ここから1ヶ月ほど逸臣は海外に行くという。さて、ここから2人の関係がどうなっていくのか、続きは次回を楽しみにしたいと思います。

 

 

ぶっちぎり?!

第5話を観ました。

今回は荒仁がNGボーイズの心土にNGボーイズに勧誘される展開となりました。なんか童貞を捨てさせて貰えそうなので釣られてるんですけど、そこに真宝が来て魅那斗會とシグマの抗争を仕組んだ件で心土を問い質そうとするが心土に負けて捕らわれてしまう。真宝は荒仁に助けを求めるが荒仁は真宝に向き合うのを避ける。子供の頃に年上の不良に真宝がボコられてる時に怖気づいて逃げた過去に向き合うことから逃げてるのですね。

一方、千夜は心土の中に旧知の魔人っぽい一夜が居るのではないかと疑っていて、心土も荒仁の中に千夜が居ることを疑っている模様で、やはり心土の中に一夜という魔人がいるみたいです。また、心土の過去も描かれて、もともとは不良に絡まれているところを拳一郎に助けてもらったヒョロガリだったが拳一郎に憧れて自分を鍛えて魅那斗會に入ったがタイマンで凶器を使って拳一郎に否定されたことを逆恨みしているっぽい。

そして魅那斗會とシグマの抗争を始めて潰しあったらそこにNGボーイズが乱入して両方とも潰すというのが心土の計画で、荒仁は心土がまほろに手を出そうとしていると知って腹を立て、すると千夜が強制的に荒仁に合体させられて荒仁は心土をぶっ飛ばす。一方、魅那斗會とシグマの抗争の方は脱出した真宝が仕組んだのは心土だと教えて止めようとして、そこにNGボーイズに追われて荒仁がやって来て、NGボーイズが真の敵だと両チームとも知ることになった。だが摩利人と拳一郎はそんなことは関係ないとばかりに喧嘩を始める。そういうところまでが今回は描かれました。

まぁそういう感じだったわけですが、着地点が見えないのでテンポが悪いのかどうかイマイチ分からないが、なかなか抗争が始まらないのはやっぱりテンポが悪い印象。そもそも内容的に今後面白くなりそうな気がしない。適当にまとめて終わるんでしょうけど、この後最終話まで見続けたいという気が起きない。そういうわけで今回で視聴を切らせてもらいます。

 

 

僕の心のヤバイやつ(第2期)

第18話を観ました。

今回は卒業式エピソードで文句無しの神回でした。卒業式といっても現在2年生の市川や山田の卒業式ではなくて、1学年上の卒業式です。南条先輩の学年の卒業式というわけです。その卒業式で在校生代表による送辞を市川にやってほしいと担任の先生が教室で頼んできます。どうも送辞を引き受けてくれる2年生が居ないらしくてリハーサルも出来ないことで先生も困っているようです。それで学業成績の良い市川にお鉢が回ってきたんですが、当然ながら市川は嫌がって辞退しようとする。

だが山田がそれを聞いて「すごい」と言って寄ってくる。そこに関根たちもやって来て、関根は市川は成績が学年2位だからやればいいとか言ってくる。ただ山田は市川が学年2位だと知らなかったらしくちょっと驚きますが、市川はテストの際に関根に自分は学年2位だと自慢していたらしい。それを聞いて山田は市川が自分の知らないことを関根には自慢していたことをちょっと嫉妬します。ただ、成績なそ関係なくあくまで送辞は辞退したい市川であったが、山田がやけに期待した眼差しで見てくるので、とにかく正式な送辞の人が見つかるまでのリハーサルだけの代役ならばやってもいいと答えてしまう。

そしてリハーサルとなりますが、送辞として登壇した市川は萎縮してしまいマトモに声が出なくて卒業生、在校生の前で大恥をかいてしまう。ただ本番で恥をかくことに比べればまだマシというもので、こんな醜態を見せれば本番の送辞は断りやすくなったと自分に言い聞かせる市川であったが、山田は発声の練習をしようと言って市川を体育館の倉庫に連れていく。山田は全然諦めていないようです。そうして山田のペースに乗せられて発声練習した成果が出て市川はちゃんと送辞を読めるようになったが、ただ本番で登壇した時に委縮せずに声が出るかどうかは別問題です。そもそも市川は本番に登壇する気などもともと無いと言っているはずなのです。ただ、そんなことを言っておいて山田に発声練習をやろうと言われて付き合ってしまっているので、結局は山田に期待されると断り切れないのだといえる。

山田の方はまだ市川が学年2位だということにこだわっていて、やっぱり関根には言っていたことを自分には言ってくれていなかったことを気にしているようです。ただ、それはさておき、山田は市川が自分の仕事を見に来てくれて、自分が頑張っているところを見たという話をして、だから自分も市川の頑張る姿を見たいのだと言う。それが山田が市川に送辞をやって欲しいと思っている理由でした。自分は市川に自分の頑張っている姿を見てもらえて嬉しかった。だからきっと市川も自分に頑張っている姿を見てもらったら嬉しいはずだと山田は思ったのです。いや、山田が市川に頑張っている姿を見てもらって嬉しかった理由は、市川のことを好きだからなのだから、もし市川が山田に頑張っている姿を見てもらって嬉しく思うのならば、それは市川も山田のことを好きだからだということになる。そうであったら良いなと山田は思っているのです。

ところがその時、体育館の倉庫の外に誰かがやって来る。それで2人が息を潜めていると、それは南条先輩と3年の女子みたいで、女子生徒が南条先輩に「付き合ってほしい」と言うのだが南条先輩は山田を好きだからと言って断った。その遣り取りを聞くと南条先輩が山田のことを真剣に好きであることが伝わった。それを聞いて山田が黙ったままであるのを見て、市川は山田にも南条先輩の真剣な想いは伝わったと思った。そう思うと、自分が山田の真剣な想いを無視したままだと南条先輩に負けてしまうように思えてきて市川は焦った。それで市川は山田の想いに応えて卒業式本番の送辞を引き受けると宣言する。そうして胸を張れる自分を山田と南条先輩に見せようと思ったのだった。

ただ、そうして送辞を引き受けてしまったものの、やはり人目を気にして緊張してしまう。小学生の頃は人目を気にせず登壇することなど何ともなく、他の生徒たちを愚民がゴミのようだと見下しているようなガキだったのだが、中学受験に失敗して以降すっかり自信喪失して人目を気にして萎縮するような人間になってしまったのです。それでも母親や姉の前で原稿を読む練習をしたり、初めてオシャレ美容院に行って髪をセットしたりして「胸を張れる自分」を演出しようとして、ちょっとズレた方向での努力を積む市川であった。

そうしてそれなりに準備万端で迎えた卒業式本番の日、まぁ先生が用意してくれたテンプレの原稿を読むだけだから何とか乗り切れるだろうというぐらいの自信は持てた市川であったが、セットした髪がワックスが無くなると元に戻ってしまうことも知らず、元の髪型に戻って焦ってしまう。それで吉田に髪をセットし直してもらったりして、それを見て山田が嫉妬して髪を弄ってきたりするが、小林が3年になったらクラス替えだという話を出して、山田も不安がるが市川は大丈夫だと言って山田を励まし、希望を持とうと言う。

そうして卒業式が始まるから体育館に行くことになるが、市川が服のポケットに入れていた送辞の原稿を確認すると、出てきたのはオシャレ美容院に行った時の会話のために作っていたどうでもいいフローチャート表だった。どうやら家を出る時に送辞の原稿と間違えてポケットに入れてきてしまったらしい。つまり送辞の原稿は家に忘れてきたということであり、市川は真っ青になる。それで姉の香菜に電話して家から原稿を学校まで持ってきてもらうことにしたが、本番の時間に間に合うかどうか微妙だった。それでも香菜は「大丈夫!」と言って引き受けてくれた。

ただ、やはりそうはいっても物理的に間に合うかどうか不透明だったので、市川は先生に事情を話して辞退しようかと考える。そこに山田が来て「どうしたの?」と聞いてくるので、市川は山田に事情を説明しようかとも考えたが、あれほどハッキリやると宣言した以上は今更やめるとは言い出せず煮え切らない態度をとってしまう。それで市川は本番を前に不安がっていると誤解されただろうと思い、てっきり山田が「頑張って」と励ましてくると思い、そうして励まされるとますます辞退しづらくなってしまうと警戒する。だが山田は「頑張って」とは言わず「大丈夫」と耳元で囁いて、秋田犬のキーホルダーを渡してくれる。

それで市川は意を決して体育館に向かい、卒業式が始まりますが、送辞の登壇の時間が迫ってくるにつれて、また市川は不安になってきて、やっぱり先生に相談しようと考えて担任の先生のところに行きますが、先生は卒業式に感動していて、市川が送辞を引き受けてくれたことを感謝し始めるので市川は事情を説明しづらくなってしまい、そのままステージの方に連れていかれてしまう。そうしてステージ袖に立たされて市川は進退窮まってしまうが、そこにイマジナリー京太郎の声が聴こえてくる。

自分は昔の自分とは違う無能な陰キャに過ぎない。そんな自分に山田も香菜も先生も「大丈夫」だと期待するが、そんなふうに期待されても迷惑だと自分を卑下する市川に向かって、イマジナリー京太郎は「無能な陰キャを山田や先生が応援していると思うのか?」と問いかける。そして「あの頃のお前は本当のお前じゃないのか?」とも問いかける。そして「そのキーホルダーを見つけたのは誰だ?」と問いかけてくる。それは市川自身だった。市川がこのキーホルダーを雪の日に見つけて、そんな市川だからこそきっと大丈夫だと信じているということを山田は伝えてくれたのだ。そうした山田の想いが分かるから、市川は体育館に来たのだ。姉の香菜が信じてくれていることが分かっているから逃げなかったのであるし、先生が信じてくれていることも分かっているから送辞を引き受けたのです。市川は自分がみんなに期待されていることが分かっていて、その期待に応えようとしている。それは市川が自分が本当は期待される資格のある人間だと分かっているから。いや、自分を信じているからです。イマジナリー京太郎は市川に向かって「お前のことが一番好きなのは俺だぞ!」と一喝し「俺から目を逸らすな」と言う。

そうして市川は登壇して送辞を原稿無しで読み始める。冒頭の方は暗記していたのでテンプレの原稿のまま暗誦する。声はしっかり出ていたので、リハーサルの時の市川の醜態を知っている卒業生も在校生も目を見張る。南条先輩も驚いた顔で市川を見ます。だが途中、「卒業した先輩たちが未来に厳しいこともあるかもしれない」というくだりで市川の暗記している範囲が終わってしまいます。しかし市川は意を決して、ここからはアドリブで自分の今の想いをぶつける。

これからも辛いことはあるかもしれない。それでも結局一歩を踏み出すのは自分自身だ。そんな単純なことに気付くことが怖くて逃げていた。でも光と出会ったからもう逃げ出さない。そう市川は言ったが、その光とはもちろん山田のことであったが、それだけではない。それは友であり、恩師であり、この学び舎で得た経験ですと市川は卒業式っぽく、いやなんだか卒業生っぽく言ったが、それは確かに市川の本心でもあった。それら中学生活の全てが市川に期待をしてくれて、市川に自分を信じる力を与えて、自分を好きにならせてくれた、そうして自分に一歩を踏み出す勇気を与えてくれた、そういうかけがえのないものだったのです。っしてそれは市川だけでなく卒業生全員にとっても同じことだった。それゆえ「だから大丈夫!挑戦をやめないで、自分を好きになって、全ての出会いが宝物になりますように!」という市川の言葉は卒業生全員の心に響いたのでした。

そうして万雷の拍手に送られてステージから降りた市川は「愚民どもがゴミのようでした」という言葉を残して緊張のあまり先生の腕の中に倒れ込み保健室に運ばれた。そこに山田がやって来て送辞が良かったという話をしょうとしたところ、保健室に南条先輩がやって来て市川に「送辞、とても良かった。めっちゃ響いたよ」と軽く言い、市川は空虚な言葉だと感じる。そのまま南条先輩は山田にこの場で話があると言い、市川は山田に秋田犬のキーホルダーを返してベッドで山田と南条先輩が会話するのを聞くことになった。

南条先輩が山田を好きだということは山田も知っているわけで、当然その話なのだろうということは予想がつく。すると山田は南条先輩が高校に行ったらサッカーをやるのかと質問する。どうしてそんな話をするのかと南条先輩は不思議そうにするが、山田は元サッカー部の南条先輩が部活を引退した後もよくサッカー部の練習を見ていたから、よほどサッカーが好きなんだと思ったからだと答える。それを聞いて南条先輩は一瞬嬉しそうにするが、サッカーを続けてもプロになれるわけでもないし遊んでる方が楽しいから高校ではサッカーはやらないとか、カッコ悪いことを言う。それを聞いて山田は寂しそうな顔をします。

その一方で南条先輩は山田が仕事を頑張ってることを褒めて、山田が頑張っていると自分も嬉しいし山田を尊敬しているという話をします。それを聞いて市川は自分と同じ気持ちなのだと感じるが、南条先輩はそういう話をしたいわけじゃないと言って話を自分で遮って、急に「好きだ」と山田に告白して「第二ボタンを貰ってほしい」と言う。好きな先輩の第二ボタンを卒業式に貰うのは女子生徒の習わしであり、第二ボタンを受け取るこということは山田は南条先輩が好きだということになる。だから南条先輩は山田にも自分を好きになってほしいという意味のことを言っているのです。その南条先輩の勇気は市川には無い勇気でした。

しかし山田はそうした南条先輩の気持ちがよく分かると言う。相手が頑張ってるのを見て嬉しくなったり、嫌われるんじゃないかと不安になったり、そういう気持ちがよく分かると言う。それはつまり誰かを好きになるという気持ちであり、山田はそういう気持ちを以前は知らなかったが、市川を好きになって理解出来るようになったのです。ついさっき送辞を頑張る市川を見て同じ感情に襲われたばかりでもありました。そうして山田は「私、好きな人がいるんです!」と言って涙を流す。そうして秋田犬のキーホルダーを両手を合わせた上に置いて「だから手が塞がっていて受け取れないんです」と、南条先輩の申し出を断るのでした。それは市川への想いで心がいっぱいで、他の人のことは考えられないということです。

山田は体育倉庫で南条先輩が自分を好きだと言っているのを聞いた時から南条先輩の気持ちに真摯に応えなければいけないと思っていたのか。いや、おそらく以前から南条先輩に真摯に向き合おうとは思っていたのだろう。だからサッカー部の練習を見つめている南条先輩のことも見ていた。でも、それは南条先輩は好きだからではなく、市川のことを好きになったことによって南条先輩の自分への気持ちも理解出来るようになったからです。だから山田は誠意をもって南条先輩の申し出を拒絶したわけだが、涙を流していたのは南条先輩のためにではなかった。それは市川のことを好きだからこそ溢れ出た涙だったのです。

市川は自分自身が山田のことが好きで涙を流したことがあるから、相手が好きで涙を流すことがあるのだとは知っていた。そして山田が自分と一緒にいる時にたびたび泣くことも知っていたが、その涙は同じ理由によりものかどうかは確信は持てていなかった。何か別の理由で山田が泣いている可能性もあると思っていた。しかし、こうして「好きな人がいる」と言って泣く山田の姿を見て、市川は山田が自分といる時に泣いていたのは自分のことを好きだからだということにようやく気付いた。

一方、南条先輩は満足そうに微笑むと「俺の卒業式は終わり」と言って立ち去っていく。そして市川に山田の連絡先を教えてもらったと嘘を言い、山田にそれは嘘だと即座に否定されると「引っかかんないか」と憎まれ口を叩いて保健室を出ていく。そして廊下で聴き耳を立てていた間宮先輩がどうしてワザと嫌われるような嘘を言ったのかとか、サッカーを辞めたのも怪我が理由だとどうして言わなかったのかと問い質して、南条先輩が同情で交際が始まったらいけないとか言ってるところを見ると、どうやら南条先輩は最初から山田にフラれるために告白をしたみたいです。

おそらく南条先輩は山田が市川のことが好きで自分のつけ入る隙が無いことは分かっていて諦めたまま卒業していこうとしていたのでしょう。だが市川の送辞が本当に南条先輩の心に響いて、それで南条先輩はちゃんと山田に告白して、そうすることによって自分を好きになって、中学生活で本気で好きになった山田を含めて全てを宝物にして旅立っていきたいと思ったのでしょう。そのように市川の送辞に背を押された南条先輩の挑戦の結果、市川は「山田は僕が好き」という事実に遂に気付くことになったのでした。さて次回から一体どうなるのか期待が膨らみます。

 

 

最強タンクの迷宮攻略 ~体力9999のレアスキル持ちタンク、勇者パーティーを追放される~

第6話を観ました。

今回はルードがアバンシア迷宮でクランを立ち上げて運営を開始するのですけど人手が足りなくて他のクランと同盟を結ぼうという案が出るのですが田舎の弱小クランなので舐められて断られてしまい傘下に入るようにと言われてしまう。更に聖女であるニンを渡すように要求されたりして、ニンの意思を確認したら拒否してほしいと言われたのでルードは他の有力クランにニンの引き渡しを拒否した上で改めて対等な同盟を求める。そして他の有力クランが未だに攻略出来ていない迷宮を自分たちが攻略して実力を示してみせると宣言し、それが達成出来れば対等な同盟を結べるという約束を取り付けます。

その他、アバンシア迷宮の管理者をやってほしいとマリウスに頼まれたルードがそれを引き受ける場面も描かれました。なんだかゲーム画面みたいな操作で迷宮の配置を変えたり新しいモンスターを生み出したりする描写はあんまり好みではなかったですが、この作品は基本的にそういうゲーム的要素は多めなんですよね。ただマリウスのキャラは面白くて、ルードが管理者を引き継いだ代わりにマリウスがクランの仲間に加わったのは良かった。

今回の内容自体はルードとニンの関係とか、舞踏会の場面もスカッとしたし、別に悪くなかったんですけど、結局また迷宮攻略なんですよね。この作品、ミもフタも無いんですけど迷宮攻略シーンが一番つまらない。何ともありきたりのアクションの連発で、そもそも主人公のルードの戦い方がどうしても地味なんですよね。この退屈アクションをかなり丁寧にじっくり描いてくるのでちょっと退屈です。それにもう一旦は魔石を手に入れてマニシアの病気はマシになってるし、それをまた繰り返すだけで、どうも物語の着地点がボヤけてきてしまった。その上でもっさりしたアクションをこれからも見せられていくとなると、ちょっとこの先楽しめる気がしなくなってきた。現状の出来自体は別にそこまで酷くはなくて、随所に良い場面もあるんですけど、やっぱりキャラの魅力の掘り下げがイマイチ足りないし、1クール観続ける気があんまりしなくなってきて、今回で視聴を切らせていただきたいと思います。

 

 

薬屋のひとりごと

第18話を観ました。

今回は猫猫の両親についての真実が明らかとなる話でした。明かされた真実が衝撃的だったので強い印象には残るエピソードではあったが、ちょっと話の繋がりがよく分からないところもあって、今回のお話自体が面白かったというわけではない。こういう分かりにくい作劇がこの作品のスタイルなのかもしれませんね。小説のアニメ化というところで色々難しいのかもしれません。原作ファンが多い作品であり、原作をしっかり尊重して綺麗にアニメ化しているので原作ファンが喜んでいる作品という印象です。そのこと自体は良いことだと思うんですが、作品によってはそういう作り方は原作ファン以外の人間には敷居が高くなることもある、そういうタイプの作品のように思えてきました。

原作ファンが多いのだから原作ファンが喜ぶような作り方をするのが正解であり、そのこと自体は何ら非難されるべきことではない。ただ原作未読の私にはちょっと分かりにくいというだけの話で、それも全然分からないというほどではない。「メタリックルージュ」よりは余程分かりやすい。ただ「メタリックルージュ」の場合は分からない話を分かりたいと思えるような設定や世界観の魅力があるのですが、この作品の場合、個人的には現状そこまで設定や世界観で惹きつけられているわけでもないので、分かりにくいと興味を失ってしまいそうになる。まぁ「メタリックルージュ」でそんな状態に陥っている人も多いとは思いますが、こういうのは結局個人の嗜好の問題で、やっぱり嗜好に合う合わないなんてどうでもよくなるぐらい分かりやすくて面白い作品が結局は上位作品ということになるのですよね。

今回の内容的には、まず猫猫が壬氏が女を買いに行ったと誤解して2人の気持ちがすれ違ってしまい、その後、猫猫が緑青館の離れで梅毒が悪化して療養している老いた妓女を見舞うのですが、どうやらこれが猫猫の実の母親みたいです。しかもこの母親は猫猫が赤ん坊の頃に殺そうとしたっぽい。猫猫の闇深い性格はこのあたりに起因してるようですね。

この母親が既に梅毒で神経をやられているようで正気ではないのですが囲碁をしようとしたりしていて元は高級妓女だということが分かる。高級妓女だったはずなのに梅毒に罹っているということは妓女としての価値が下がって下賤な客を取らされるようになったということであり、そこに「妓女の価値を下げるにはどうすればいい」という壬氏の質問に不快そうに「子を孕ませればいい」と答える猫猫の描写を重ね合わせれば、猫猫の母親は子を孕まされて妓女としての価値を下げられて下賤な客を取らされて梅毒に感染して人生が転落の一途を辿ったのだろうと推測出来る。ならば自分の不幸の元凶として我が子である猫猫を殺そうとしたというのも頷ける。実に胸糞悪い話ではあるが。

そして羅漢が「緑青館の高級妓女の価値を落としてやった」と言っていることから、猫猫の母親を妊娠させたのは羅漢であると推測できる。つまり猫猫の実の父親は羅漢ということになる。今回の話の中でハッキリそう明言もされました。しかも羅漢はそんなことをしておいて未だに緑青館に出入りしていたり猫猫に手を出そうとしている。羅漢というのはとんでもないクソ野郎です。しかし身分が高いので逆らうことは出来ない。

そういう理不尽で哀愁漂う世界観自体は嫌いじゃないんですが、そこから動き出す物語が現状は見えていないのでイマイチです。まぁ安っぽい復讐劇や「ざまぁ展開」にならないところはこの作品の美点ではあるとは思いますけど、猫猫が現状は闇の中に立ち止まったままであり、灼岩や雪のように何らかの形で救われる段階に至っていないので盛り上がりに欠けるんですよね。まぁさすがに猫猫の設定は激重なのでそう簡単に救われるものではないのでしょう。いずれ壬氏との関係を通して救われていくのでしょうけど、そこに至るまで話数を費やしすぎ感もある。