2024冬アニメ 2月9日視聴分 | アニメ視聴日記

アニメ視聴日記

日々視聴しているアニメについてあれこれ

2024年冬アニメのうち、2月8日深夜に録画して2月9日に視聴した作品は以下の3タイトルでした。

 

 

ダンジョン飯

第6話を観ました。

今回は絵画の中の食い物を食べるという話と、ミミックという魔物を食べる話の2本立てでした。まず絵画の中の食い物を食べるという話だが、ダンジョンの中の高級な食堂のような場所に飾ってある絵画が、内部に生きた人間を引きずり込むホラー仕様の絵画であるので、ワザとその中に引きずり込まれて絵画の世界に入れば、絵画の中に描いてある食べ物を食べることが出来るんじゃないかとライオスが言い出して、それで命綱を身体に巻き付けてライオスが絵画の世界に入っていく。人間を引きずり込む絵画そのものが一種の魔物みたいなものだから、絵画の中の食べ物を食べるというのは、ある意味ではこれも「魔物を食べる」ということの一種といえますね。

それでライオスが最初に入った絵は王子が誕生したのを喜ぶ王様の様子を描いた絵画であり、ライオスはそこで果物をつまみ食いしようとするが、誰も食事をしていない場であったので食べるような雰囲気にならず断念して引き返す。それで次は会食っぽい絵を探して入っていくと、それは王子の結婚式の場面を描いた絵画の中であり、さっきの絵で誕生した王子が成長して新郎となっていた。その祝祭の場でライオスは肉をつまみ食いしようとするが、いきなり王様が血を吐いて倒れてしまい大騒動になったので食べられるような雰囲気ではなくなり、仕方なくそこらにあった食料を持って帰る。だが現実世界に戻るとそれらの食料は消えてしまっていて、どうやら絵画の中の食べ物は現実世界に持ち出すことは出来ないと判明する。

それで次はしっかり絵画の世界の中で食べようと考えてライオスはまた別の会食の場面っぽい絵の中に入っていく。するとそこは戴冠式の祝祭の宴の席であり、さっきの王子が王位を継いだ場面のようだった。そこでライオスはフルコースの料理を腹いっぱい食べたのだが、ここまでの3枚の絵の世界にずっと共通して登場してきていたエルフの道化師のようなキャラが、ライオスがたびたび現れていることに気付いていて、外部からの侵入者だと気付き、ライオスはそのエルフの魔法で殺されそうになるが、命綱で仲間に引っ張り上げてもらい間一髪で現実世界に戻る。だがあれほど絵画の世界の中で食べたのに、現実世界に戻ると空腹状態に戻っていた。どうやら胃の中に入った食べ物も現実世界には持ち越せないようだった。それでさすがにライオスももう絵画の世界の中の食い物を食べるのは諦めたのだった。

これはなかなか斬新な発想のエピソードで、単体の話としても十分に面白かったんですが、どうもそれだけの話でもないように思います。3つの絵画の中の世界が全て同じ世界を描いたものであり、そこに登場するのが王族であり、それがダンジョン内の高級な食堂っぽい場所の壁に掛かっていたとなると、このダンジョンはもともと城であったのだから、これらの絵画はその城に住んでいた王族の歴史を描いたものと考えられる。そうなるとライオスはこのダンジョンがかつて王族の住む城であった過去の時代に行っていたということになる。ならば、このダンジョンが形成されるようになった経緯のヒントがそこにあったのかもしれない。そう考えると、あのライオスが遭遇したエルフの道化師のような男、もしかしたらアイツがこのダンジョンを作ったという「狂乱の魔術師」なのかもしれない。根拠は無いが、何となくそういう気がする。もしそうだとすると、彼は未だにダンジョンの最深部に潜んでいて、ライオスのことも覚えているのかもしれませんね。

後半パートはチルチャックがトラップの部屋に1人で閉じ込められた際にミミックに襲われてしまうが、トラップをわざと作動させて間一髪のところでミミックを仕留めることに成功して命拾いする話。トラップ職人のチルチャックらしさ全開のアクションがメインのエピソードでした。ミミックというのはよくゲームでも登場する「箱に擬態したモンスター」であり、箱を覗き込んだ冒険者を引っ張り込んで喰ってしまう。「葬送のフリーレン」でもよくフリーレンが引っかかっていたという描写のあるアレです。大抵は正体不明の箱の化け物というふうに描写されるが、この作品では箱を住処にしているヤドカリのような姿に描写されていて、仕留められた後は塩茹でにされてカニ料理みたいに喰われてしまいましたね。

 

 

勇気爆発バーンブレイバーン

第5話を観ました。

今回はアライド・タクスフォースが日本遠征に向かう途中の航海の日々を描いたエピソードでした。前回のラストでデスドライヴズの侵略で東京が壊滅していることが明らかとなり一気にシリアス展開となり、今回一気に戦いが始まるのかとも思ったんですが、そうはならずに一旦ワンクッション置いて、激戦を前にした戦士たちの訓練や束の間の休息を描いたエピソードとなりました。要するに明白なる溜め回なのですが、戦いに向かって皆の想いが1つにまとまって盛り上がっていく描写が秀逸な、溜め回として稀に見るほどの高い完成度になっていて、そこらへんの並みのキメ回よりよほど良かったと思います。キメ回なんてものはとにかく派手なことをしておけばそれなりにキマるのであって、こういう溜め回の完成度を上げる方がよほど繊細さを要するのであり、見事であったと思います。まぁそれでも溜め回は溜め回ですから、他の上位作品のムチャクチャ面白いエピソードに比べると若干劣るのですけど、それでもこういうハイレベルな溜め回を作れる作品ですから、この後に来るキメ回への期待感は非常に高まるというものです。

今回まず冒頭は、日本到着まであと7日となったアライド・タスクフォースの艦隊の航海の場面、空母の甲板上でブリーフィング前に呑気なひと時を過ごすイサミやヒビキ達の様子から始まります。前回のラストシーンで東京が火の海になっているのを見て激しいショックを受けていたヒビキ達でしたが、今はずいぶん呑気な様子です。これは内心はショックを受けた状態でも任務遂行のためには平常心でいなければいけないので、無意識に心を鈍感な状態にしているのでしょう。それで反応が薄めでどうでもいい話ばかりしていて、ちょっと呑気な様子に見えるだけなのでしょう。ただ、そんな中でイサミだけはちょっと深刻な表情を垣間見せていて、1人だけちょっと様子が違うようです。東京壊滅のことももちろん心に暗い影は落としていますが、あの東京壊滅の映像を見て以降、イサミの悩みはそれ以外にもあるようです。

そうしてブリーフィングが始まりますが、ここでスミスと一緒にブリーフィングルームにやって来たルルがやたら喋るので驚いた。前回は「ルル」と「スミス」と「カレー」しか言えなかったはずだが、あれから数日経った今では、幼児ぐらいのレベルでは会話が出来るようになっている。異常なスピードで言語を習得していっているようです。どうやらスミスの私物である特撮ヒーロー作品の動画を食い入るように見て言語を覚えていっているようです。スミスがヒーロー志向が強いのは、どうも特撮ヒーローへの憧れが原点みたいですが、ルルもその思想に染まっていっているようで、元気いっぱいのワンパク少女に育っています。ただ、まだまだマトモな会話が成立するレベルでもないのでブリーフィングの場でも邪魔でしかないのですけど、スミスから離れようとしないので、ブリーフィング中は静かにしているようにという約束で参加しているようです。まぁしかし、たどたどしい言葉で喋りまくり動き回るルルは凄く可愛いです。

ブレイバーンもモニターで参加したブリーフィングの内容は7日後に日本に上陸する作戦についてのもので、その中でイサミが乗り込んだブレイバーンがどの部隊よりも先に日本に上陸するという方針が発表された。つまり敵の待ち構える中ブレイバーンがまず突っ込んでいき敵を蹴散らして味方部隊が上陸出来る状況を作るのだ。そしてブレイバーンが「私とイサミが君たちの進む道を切り開く」と宣言すると皆の意気は上がり、ブリーフィングに参加していたイサミは兵士たちからもみくちゃにされて激励される。だがイサミは皆に調子を合わせているように見せながら、何故か少し決まり悪そうに目を逸らしたり険しい顔をして視線を落としたりしている。そうしたイサミの態度の微妙な違和感にスミスは気付いた。

それでスミスは東京の惨状を見て自衛隊の皆がやはりナーバスになっているのかと思い、元気づけようと考えて、ブリーフィングの後、米軍の提供で自衛隊の皆にも空母メシのステーキを振舞おうと言い出し、皆で食事の席につく。するとヒビキ達はやはり食欲が出ないようで、それで自分たちがやはり落ち込んでいるのだと自覚して、かえってナーバスになってしまった。日本が火の海になっている状況で自分たちがこんなふうに呑気に食事をしていてもいいのだろうか。既に助けるべき相手は存在しないかもしれないし、自分たちが行っても何が出来るのだろうか。そんなふうな空しい感情がこみあげてくる。

しかし、そんな中でイサミだけは「それでも俺たちは食べないと、助けに行った時に全力で戦えない」と言って無理にでも肉を口に放り込んで呑み込む。イサミは決して助けるべき相手がいないなどと思って諦めたりはしていない。そして自分が何も出来ないなどと悲観的になってもいない。自分は同胞を助けるために日本に行くのであり、そのために摂る食事にはちゃんと意味はあるのだという強い想いを持っている。そんなイサミが先陣を切ろうとしているのだと思うと、ヒビキ達も心が奮い立ち、イサミに続いてステーキを口に運び始める。

そんな様子を見てスミスはイサミや自衛隊の皆を頼もしく思いつつ、それでも違和感は拭えなかった。イサミは決して日本の惨状を見てナーバスになっていたわけでもなく、先陣を切ることに怖気づいていたわけでもなかった。しかし、それならば何故あんな決まりの悪そうな顔をしていたのだろうかとスミスは思ったのです。まだ何かイサミは別の悩みを抱えているのではないだろうかとスミスは考えたが、それが何なのか分からない。もしかしたらブレイバーンならばイサミの抱え込んでいるものに気付いているのではないかと思ったのだが、ブレイバーンは最近、あの東京が火の海になっている映像を見た後、妙にイサミと距離を置いているように見えた。

それで食事の後、スミスがブレイバーンに「イサミの傍に付いてやらなくていいのか?」と質問すると、ブレイバーンは「今はイサミは仲間たちと共にいた方がいい」と答える。やはりブレイバーンはイサミが何を悩んでいるのか分かっているようだとスミスは感じ、そしてブレイバーンはその解決のために適切な行動をとっているのだろうとも思えた。イサミが何を悩んでいるのかは自分には分からないが、相棒であるブレイバーンがちゃんとそれを理解して適切な対処をしてくれているのならば自分の出る幕は無いだろうとスミスは安堵した。

それでも老婆心ながら一応スミスはブレイバーンに「どうも気負い過ぎているように思うんだ」とイサミのことを心配しているということを告げる。イサミが何を悩んでいるのかは分からなかったが、以前はどちらかというと冷めた男で、ちょっと前まで随分後ろ向きですらあったはずのイサミが、あの東京の火の海の映像を見た後はやけに前向きになっているように見えた。よく考えたらあんな必死にステーキを口に放り込むような男ではなかったはずだとスミスは思った。あんな惨い映像を見たら気が昂ってそうなっても当然だとも考えられたし、どちらかといえば前向きになるのは良いことだとも思えたが、やはりイサミのキャラに照らして考えると、それが違和感の正体だと思えた。つまり気合が入り過ぎていて、気負い過ぎている状態のように見える。どうしてそんなに気負っているのかは正確には解らなかったが、このままでは日本に着く前にイサミがバテてしまうんじゃないかとスミスは心配になっていたのでした。

それを聞いてブレイバーンは「その通りだ」と言うので、ブレイバーンもイサミが気負い過ぎていることは分かっていたようでした。ならばブレイバーンが何か対処してくれているのだろうとスミスは思ったが、ところがブレイバーンは「だが私にも出来ないことはある」と意外なことを言う。スミスは驚いて「アンタが出来なきゃ他に誰がいる?」と問い返すが、ブレイバーンはスミスに「イサミと共に戦う仲間であり同じ人間である君だけがしてあげられることがあるだろう」と謎かけのようなことを言う。つまり自分にイサミの悩みを解決しろとブレイバーンは言っているのだとスミスは気付き、しかもブレイバーンはイサミの悩みの正体についても教える気は無いようだということも分かった。おそらく誰かに教えられて気付くのではなく自分で気付いた上でイサミにぶつからなければ意味は無いのだろう。そして、その悩みを解消してあげることが出来るのは、ブレイバーンではなく、同じ人間の仲間である自分なのだということはスミスにも分かったが、さてその悩みの正体についてはよく分からず首を傾げて考え込む。そうしたスミスを見下ろして、ブレイバーンは「私も、私にしか出来ないことをしようじゃないか」と言う。

その後、日本上陸作戦のための準備や訓練が進む中、スミスはイサミの様子を観察し続けた。一方でブレイバーンも空母格納庫内に与えられたブレイバーンの私的スペースのような場所で何やら作業に勤しんでいる様子。それがどうやら「私にしか出来ないこと」みたいです。スミスも「自分だけがイサミにしてあげられること」が何なのかを知るために、まずはイサミの悩みの正体を知ろうとしてイサミを観察し、時には話しかけようとも考えたが、どうもイサミが気負っているせいなのかちょっと他人に対して壁を作っているように思えて話しかけることが出来なかった。そうして日本上陸の6日前、5日前が過ぎ去っていき、日本上陸4日前になって空母甲板上にスミスが居ると上空に艦載機が飛び立っていく姿が見えて、甲板上の皆で手を振って送り出した時、イサミだけが手を振っておらず黙って艦載機を見上げているのが見えた。

それでスミスはイサミの抱えている悩みが何なのか分かったような気がした。甲板上で味方の艦載機に手を振って送り出すのは期待と激励の意味です。それが兵士の流儀というものであり、イサミだってそのことは分かっているはずで、以前は手を振っていたはずです。だが今のイサミはどうやら味方に期待して激励して送り出す気持ちになれないみたいだとスミスは気付いた。普通の兵士ならばそんなことはあり得ない。味方の兵士全員が全力で戦ってくれると期待し合って激励し合って、そうして一体となった力を発揮してこそ戦えるのです。だが今のイサミは違う。ブレイバーンとイサミの2人だけで他の兵士たちなど居なくても戦えるのです。だからイサミは他の兵士たちに期待していない。期待しなくてもいいし、激励しなくてもいいのです。

ならばイサミは他の兵士たちを軽侮しているのかというと、そんな風には見えなかった。イサミは常に他の兵士たちをリスペクトしているように見えた。それに他の兵士たちを軽侮しているのなら、あんな決まりが悪そうな態度にはならないでしょうし、イサミがあそこまで気負う理由にもならない。イサミが気負っているのは味方の兵士に期待していないことと関係があるはずだと考えたスミスは、つまりイサミは味方の兵士に期待せずに自分とブレイバーンだけで敵と戦おうと考えて気負っているのだということに気付いた。それはつまり、決して楽勝ではないということです。そりゃ当たり前です。東京が火の海になっていたのだから、日本で待ち構えるて敵の力はハワイを襲撃してきた敵の比ではないだろう。ブレイバーンでも勝てるかどうか分からない。ましてや他の兵士など何の助けにもならないだろう。だからイサミに期待されなくて当然なのだ。

そこまで考えてスミスはようやくイサミの本当の気持ちに気付いた。そんな意味不明に強大な敵との戦いにイサミは味方の兵士たちを出来れば参加させたくないのだ。出来ることなら自分とブレイバーンだけで戦いを勝利で終わらせて、味方の兵士たちが死なないようにしたい。だから期待はしないし激励して戦場に送りだす気分にもなれない。ブリーフィングの時もブレイバーンが「私とイサミが君たちの進む道を切り開く」と言った時もそれでイサミは表情を曇らせたのです。出来れば兵士たちがそんな危険な戦いに突き進む道を切り開きたくないというのがイサミの本音なのでしょう。他の兵士がイサミに「アンタの後についていくからな!」と言って激励した時もイサミが決まり悪そうに目を逸らしたのは「出来ればついてきてほしくない」と言いたいけど言えない気まずさによるものだったのでしょう。

そりゃ誰でも戦友に死んでほしくないし、危険なことはしてほしくない。それでもいざ戦いとなればそんなことは言っていられない。1人で戦って勝ってしまえる人間などいないからです。だからこんなイサミみたいな心境になることは普通はない。しかしイサミとブレイバーンならばそれは可能なのです。実際ハワイではそれを何度か可能にした。だからイサミは日本でも同じように出来るかもしれないと思っていたのでしょう。味方の損害を出さずに自分とブレイバーンでカタをつけることが可能だと思っていた。ところがあの東京の火の海の映像です。自分とブレイバーンでも勝てるかどうか分からない。でも自分とブレイバーンが負けたら次は仲間たちが戦って皆殺しに遭う。だから絶対に負けられないと気負っている。無理かもしれないけど、何としても自分とブレイバーンだけで戦って勝利して、味方の兵士たちを殺したくない。そんな無理難題を自分に課して気負っているのがイサミの苦悩の正体だったのです。

だからこれはブレイバーンには解決できない悩みだったわけです。イサミから見ればブレイバーンはそうして苦悩する自分と一心同体の存在なのであり、第三者的にアドバイスしてくれるような相手ではないのです。だからブレイバーンはスミスにその役割を託したわけだが、スミスだってイサミにどういう言葉をかけていいのか分からなかった。イサミのそうした苦悩は圧倒的な強者ゆえの悩みなのであり、自分のような凡人の立場で助言など出来そうにないと思えた。

それでイサミに話しかけられないまま、日本上陸の3日前の夕刻となり、スミスはふとルルと共にブレイバーンの格納庫の私的スペースに立ち寄ってみると、そこには何やら大型のロボットや武装などが置いてあり、それらは特撮ヒーロー作品のキャラのようだった。どうもブレイバーンが超次元プリンターとかいう機械で作ったものらしい。何だかよく分からないが、これがブレイバーンが「私にしか出来ないこと」と言っていたことらしい。一見すると遊んでいるだけみたいに見えるが、どうやら来るべき戦いに向けた準備みたいですね。このあたり詳細はいずれ明らかになるのでしょう。ブレイバーンも「今じゃない」と言ってますし。すいえば最初の戦いの時も変なレバーについて「今じゃない」と言っていたし、ブレイバーンにはまだ幾つか隠し玉があるっぽいですね。

まぁそれは置いておいて、スミスはブレイバーンにイサミに全く話が出来なくて困ってると相談し、それに対してブレイバーンは「会話とは言葉だけでするものではないだろう」と助言する。それを聞いてスミスは「それならば拳で語り合ってみよう」と思い付き、翌日、イサミにボクシングでの対戦を申し込む。それは個人的な試合のつもりだったのだが、TS部隊の指揮官のサタケに許可を取ったところ、いつの間にか空母甲板上の特設リングで兵士たちに取り囲まれての特別試合のようになってしまい、兵士たちは勝手に賭けまで始めて大いに盛り上がってしまっていた。どうやらサタケの差し金であるようで、レフェリーとして副官のプラムマンまでリングに上がってきて、何やら大袈裟なことになってきてスミスもイサミも困惑します。

そうして試合開始となり1ラウンド戦いますが、イサミはボクシング経験者なので技術はイサミを上回っていたが空手をやっているイサミの一撃の破壊力はスミスの想像以上で、スミスは「拳で語り合う」というのは自分の身がもたないことに気付く。そこで2ラウンド開始早々にスミスは拳で語り合うのは諦めて、クリンチを仕掛けてそのままイサミを押し倒して強引に会話しようとする。これを見てイサミのセコンドのミユが腐女子なので興奮したりします。しかしスミスの行為は明らかに反則なのだが何故かレフェリーのプラムマンは見て見ぬフリをする。どうもサタケと示し合わせて何か企んでいるようです。更にブレイバーンが特製のブームマイクをリング上に差し入れてきてイサミとスミスの会話を拾おうとしてくるので、サタケとプラムマンとブレイバーンで示し合わせて何かやってるみたいです。

そのままグダグダで2ラウンドが終わり、3ラウンドに突入すると、もうスミスもイサミも開き直ってリング上で打ちあいながら言いたいことを言い合い始める。するとサタケの指示を受けてブレイバーンが電波ジャックでアライド・タスクフォースの全ての艦艇や基地に向けて、このイサミとスミスの会話の音声を流し始める。こうして2人の会話を全兵士達に聞かせることがサタケ達の狙いだったようです。

そうして、スミスはイサミと激しく打ち合いながら「どうしてそんなに気負ってるんだ!?」と問いかけ、イサミは最初は否定していたが、遂にキレて「気負って何が悪い!!」と殴り返す。それでスミスはやっぱり自分の予想通りだったと自信を深めて「おおかた俺らを自分とブレイバーンだけで守らなきゃとか思ってんだろう!」とイサミを殴り、イサミは「そうだ!その重みがお前に分かるか!?」と言い返してスミスを殴り返す。イサミは確かに自分とブレイバーンが戦って他の兵士を守ろうとは思っていたが、それがかなり無理っぽくて重圧になっていたこともここで認めてしまった形となります。それでも、これを聞いた兵士たちには、イサミがいかに自分たちを大切に想ってくれて苦しんでいたのかが切実に伝わった。

スミスだってそうしたイサミの想いは分かっている。だがスミスは「分かりたくもないね!!」とイサミを殴り返す。そして「見くびるなよ」と言い、全ての兵士たちの想いを代弁するように「君たちに守ってもらおうなんて、此処にいる誰1人思っちゃいないぜ!」とイサミに言い放つ。それに対してイサミはあんなワケの分からない敵にはワケの分からないブレイバーンじゃなきゃどうしようもないのだと言い、兵士は仲間のために平気で命を投げ出すものだと指摘し、自分はそれが嫌なのだと言う。このままではこの戦いでは大量の兵士が犠牲になるだろう。その犠牲を出来るだけ少なくしたい。それが出来るのが自分とブレイバーンなのだから気負うのは当たり前だろうとイサミは思う。仲間に死んでほしくない、守りたいと思うのが何が悪いのだともイサミは思う。そして「もう誰も死なせたくねぇんだ!!」と叫んでスミスに殴りかかる。

しかし、スミスはそのイサミのストレートを華麗に躱すとカウンターで猛烈なアッパーカットを打ち込み、イサミは痛烈なダウンを喫します。普通はそうなればレフェリーは対戦相手のスミスをニュートラルコーナーに下がらせてイサミのカウントを取るのだがプラムマンはダウンしたのを見て見ぬフリをして突っ立ったままで全くレフェリーの仕事をしない。それでスミスはそのまま倒れたイサミの前に仁王立ちになり「立てよ!」と挑発する。そして「俺たち全員を守るんだろ?だったら俺なんかに負けてる場合じゃないよなぁ!?」と言い、そのままイサミに馬乗りになり「思い上がるな!君が死んでも誰も悲しまないとでも思っているのか?」と問いかけ、イサミが答えられずにいるとスミスは絞り出すような声で「そんなわけないだろ!」とその答えを言う。

ここでスミスが「拳で語り合う」という安易な思い付きでボクシング勝負をしたことが結果的に功を奏したようです。イサミは自分はブレイバーンと同じ絶対的強者として仲間たちを守る義務があると思って自分を追い込んでいた。スミスだってイサミのそういう立場を慮ってかけてやれる適切な言葉を見つけられずにいた。しかし、こうしてスミスにぶちのめされたことによって、イサミが決して絶対的な強者などではなく、スミスや皆と同じ傷つきやすい1人の人間だということを全員が思い出すことが出来たのです。そして、そんなちっぽけな人間であるイサミが精一杯背伸びして仲間を守ろうとしてくれているのだ。そんなイサミに死んでほしいなどと誰が思うだろうか。イサミに傷ついてほしいと思う人間が誰がいるだろうか。自分たちを守ろうとしてイサミが死んだりすることを誰も望むはずがないだろうと、スミスはイサミに伝えたのです。それこそがスミスがイサミに伝えるべき言葉だったのであり、ブレイバーンではなく同じ弱い人間であるスミスにしか伝えられない言葉だったのです。

イサミは自分は皆に期待されているのだから、皆を守るために死んでもいいのだと思っていた。そしてそれによって苦しんでもいた。だからスミスの言葉を聞いて「だけど、みんな俺に期待して」と反論しようとしたが、スミスは確かに期待してると認めながら「けどな!俺たちの命を背負い込む必要なんて無いんだ!」と言う。スミスがイサミに期待しているのは自分たちを守ろうとして死んでくれることなどではない。もっと前向きな期待なのです。「君とブレイバーンと共に戦えるから俺たちは命を賭けられるんだ!」とスミスは言う。自分たちを守るために同じ弱い人間でありながら命を賭けようとしてくれるイサミ、何の関係も無い宇宙人なのに地球人の我々のために危険な戦いに身を投じようとしてくれるブレイバーン、この勇気ある2人と共に戦えるからこそ自分たちも命を賭けて戦うことができる。そうした戦士としての誇りをもたらしてくれる存在としてスミスも全兵士たちもイサミとブレイバーンに期待しているのです。決して自分たちの代わりに死んでほしいと期待しているのではない。戦友として共に戦うことを期待しているのです。そして最後まで死なないでほしい。

そのことをスミスは伝えようとしたが、勢い余ってイサミの顔をグローブで圧し潰しそうになっていたのでプラムマンに制止され、そこに起き上がってきたイサミがキレて「俺は絶対に死なねぇ!!」と絶叫して殴ってきて2人はダブルノックダウンとなる。いや普通に反則でしょと思うが、プラムマンは今度はしっかりカウントを取り始めて、2人とも立ち上がるが10カウント目でスミスが倒れて、イサミの勝利となる。ボクシングの試合としては最低だったが、来るべき戦いに向けて全ての兵士の心が1つになる素晴らしい試合となりました。

そして試合後、空母の甲板上で夕陽を見ながら「結局、言いたいことを言い合っただけだった」と反省するスミスに向かってブレイバーンは「これで良かったんだ」と言葉をかけ、イサミは改めて「俺はお前と」と言い、それが「お前と共に戦う」という意味だということを悟ってスミスも笑顔となります。こういう時、戦士同士に過剰な言葉は不要なのであり、言葉じゃなくても通じるものです。だからブレイバーンは「会話とは言葉だけでするものではないだろう」と言ったのであり、プラムマンのリング上でスミスの言葉を遮ったのでしょう。そしてここでもイサミがその言葉を最後まで言い終わる前にルルが口を挟んでイサミが強いので戦おうとか言い出して、イサミにドロップキックをお見舞いしてイサミは吹っ飛ばされて海に落ち、ブレイバーンが慌てて変形して水中に飛び込み救助するというドタバタで今回は幕引きとなります。そしてCパートでは東京で待ち構えるデスドライヴズの不気味な巨大ロボットが映し出されて次回以降の激闘を予感させてくれました。次回も楽しみですね。

 

 

メタリックルージュ

第5話を観ました。

今回はなんとも難解な内容でしたね。こりゃ世間では不評でしょうねぇ。ここまでのエピソードをポップに描けていたらこういう難解な伏線回も歓迎されるんでしょうけど、ここまでもやたら暗くて小難しかったですから、ここでこういう難しい話が来たらギャップがあるわけでもなく、ただただ「ますます難しくなった」と思われてしまうだけでしょう。制作側はここまで結構ポップに描けていたつもりなのかもしれないですけど、正直アメリカンなノリがダダ滑りしてる感は否めない。

それでも私はストーリーは面白くなるんだろうと期待はしています。いや正直「面白くなる」かどうかはちょっとよく分からなくなってきてる。ただ全ての謎が繋がって納得感のある形に落ち着いてくるのだろうとは思っている。ジャンル的には好みなので、納得感のある形にさえなれば、私としては満足出来るとは思っています。ただジャンル的に好みでない人にはだいぶキツくなってきてるんだろうとは思います。

今回に関しては内容的に超重要回なんだろうとは思う。そうじゃなかったら逆に問題で、あそこまで思わせぶりな描写を積み重ねておいて、あれがあんまり意味が無いなんてことはあり得ない。ただ現時点ではそれらの意味深描写が何を意味してるのかはよく分からない。考察の余地は大いにあるんでしょうけど、私は「解釈」は好きだけど「考察」というものはあんまり好きじゃない。いずれエピソードが進んで今回の内容を「解釈」で読み解くことが出来るようになった段階で頭を使った方が楽しそうですので、今回は割とテキトーに流します。

本筋の流れとしては、今回はルジュがヴェルデとの戦いの後で気絶している間に移動カーニバルによって捕らわれてしまい、それをナオミが救助に向かい、2人で脱出に成功するという内容であり、ヴェルダのイドはナオミが回収に成功したのでウェルズタウンでの任務は無事に完了しました。だからウェルズタウン編は今回でどうやら終わりであり、ルジュとナオミは次の任務に向かうのでしょう。ヴェルダの正体はアフダル医師であり、ヴェルダはルジュによって倒されたのであり、もうこれで出番は終わりでしょう。バスで乗り合わせた謎の女ジルは今回1カットだけ登場しましたが特に何をしたというわけでもなく、いずれ再登場するのでしょう。

あと、途中でバスに乗り込んできた謎の墓荒らしの男はエデンという名であり、今回はナオミが移動カーニバルに侵入してルジュを救出するのをサポートしてくれました。もともとルジュとナオミの正体については知っていた様子ですが、現時点で敵というわけではないようです。少なくとも移動カーニバルとは敵対的関係にあるのは間違いないとは思う。そしてエデンはルジュと同じようなグラディエーターの姿に変身したので、ネアンであるのは間違いなく、もしかしたらインモータルナインの1人なのかもしれないですね。ただエデンがルジュ達に接近している理由は未だ不明のままです。

ウェルズタウンにおけるエピソード内容に関しては、ヴェルデの正体がアフダルで、ルジュがアフダルを倒してイドを回収するということで決着はついており、CFNが治安当局によって壊滅させられたりするようなお話に関しては特にこれ以上深入りはしないのだろうと思います。ネアンが不自由な存在であり、そのことをルジュが知ったことによって今回の移動カーニバルに捕らわれた際に見た夢の内容に繋がり、ルジュが自分の任務について疑問を抱いていくという流れなのでしょう。

それで今回のルジュの夢の内容なんですが、蝶とかサナギとか幼虫とか、そういうシンボリックな意味合いの強いものは考察好きな人には大好物なんでしょうけど、現時点ではいくらでも解釈の幅が広がってキリがないので、そのあたりは今回は触れません。ルジュが何人も登場したりするのも、まぁ過去の記憶なんでしょうけど、色々とシンボリックに解釈は出来そうで、ややこしいので特に深入りはしません。

過去の記憶の光景を覗いている感じのルジュを呼ぶ仮面の全身黒タイツ男は移動カーニバルの座長「人形使い」がルジュの精神に干渉してきているということでしょう。ただ、そのルジュの過去の記憶の光景の中に一瞬エデンの後ろ姿が映り込んでいるのは謎でしたね。ロイ・ユングハルト博士とジーン・ユングハルト次長が一緒に登場しており、2人は父子であり、ルジュもロイの娘でありジーンの妹ということみたいだが、この過去の記憶の中のルジュはネクタルを身体に打っており現在のルジュとは仕様が違う印象です。

一方でロイとジーンはネクタルを打つ必要が無く、どうしてネクタルを打たないのかとルジュが問うと「必要無いから」と答えている。これは現在のルジュと同じ仕様のネアンだから打つ必要が無いということなのか、それとも2人は人間だから打つ必要が無いということなのか、どっちの意味なのかは不明です。ただジーンが母親のこと「僕とルジュを作った人」と言っているところを見るとジーンもまたネアンであるような気もするが、「作った」というのが「出産した」という意味も含むのならジーンは人間である可能性も残る。

ただ今回明らかになったのが、ルジュを作ったのがロイ博士の方ではなくてルジュの母親だということです。つまりロイ博士の妻ということになるが、もしかしたらロイ自身もその母親が自分の夫として作ったネアンである可能性もある。何にしてもこの母親は超重要人物なのだが今回は黙ってピアノを弾いている以外はほとんど描写は無かった。

ルジュが現在のような仕様になってインモータルナインを狩る任務をするようになったことについて母親が関与していたのかどうかは不明だが、ロイ博士の方は関与していたようです。そもそも今回の過去の記憶の断片を見ていると、そうしたルジュの過去の出来事に関する認識自体が後でロイやジーンによって刷り込まれたものであるようにも見えてくる。本来のルジュハインモータルナインやネアンに敵対した存在ではなかった可能性もあり、それがロイやジーンの思惑で騙されて動かされていたようにも見える。とにかくロイとジーンはインモータルナインと敵対しており、ジーンの言うにはインモータルナインは父であるロイが作ったものらしく、「インモータルナインがロイを殺した」とルジュに吹き込み、ルジュは復讐のためにインモータルナインを狩っており、そうした秘めた目的について知っているのはルジュとジーンの2人きりだという。つまりナオミも知らないということなのでしょうか。

ただ移動カーニバルの座長「人形使い」の認識はそれとは違っていて、インモータルナインは全てのネアンの祖であり長い間隠れていたのだという。そうなると時系列がどうなっているのかちょっとよく分からなくなってくるが、少なくともジーンの言っていることとは矛盾してくる印象です。ただインモータルナインが人間を憎んでいてロイはそれを止めようとして殺されたとも人形遣いは言っており、これについてはジーンの言ってることと矛盾は無く、ジーンと敵対しているというわけでもない印象です。

この人形使いの目的は「ネアンを自由にすること」らしい。そして、そのために「イブ」というコードを探していた。おそらく「イブ」というコードが「アジモフコード」を無効化してネアンを呪縛から解き放つものなのでしょう。ルジュが人間を傷つけることが出来るのは「イブ」というコードが内蔵されているからであり、インモータルナインも同様なのだと思われる。人形使いは「イブ」を手に入れてネアンを自由にして世界を変革したいようです。それはつまりネアンが人間に叛逆できる世界ということになります。ならば移動カーニバルはインモータルナインやアルターと繋がっているのかというと、どうも話はそう単純ではなさそうな気がする。

とにかく人形使いは「イブ」を探すためにルジュを捕えたようで、最終的にルジュを解放しますが、その際に「私はもう手に入れた」と言っており、「イブ」を手に入れた可能性が高い。なんか青い髪のルジュが出てきましたけど、あれが「イブ」なのかもしれない。もしそうだとすると事態は危機的ということになりますが、移動カーニバルは火星を去っていった。そしてルジュとナオミは飛び立つ移動カーニバルの宇宙船から脱出して、ルジュは移動カーニバルに捕らわれていた間の記憶がほとんど無く、夢の内容も覚えていないので、ナオミもルジュに起きた出来事も把握していない状態ですが、そういう感じで2人は次の任務に向かうようですね。