2024冬アニメ 2月7日視聴分 | アニメ視聴日記

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日々視聴しているアニメについてあれこれ

2024年冬アニメのうち、2月6日深夜に録画して2月7日に視聴した作品は以下の1タイトルでした。

 

 

悪役令嬢レベル99 ~私は裏ボスですが魔王ではありません~

第5話を観ました。

今回はユミエラに人間らしい感情が芽生える素晴らしいエピソードでありました。とにかくパトリックが男前ですね。そしてユミエラが無表情可愛いすぎる。また相変わらずユミエラのズレた感じが面白い。前向きに頑張ってみたら全部裏目に出る感じが笑えるんですけど、そこが悲哀にも繋がって、そこの寂しさが元のゲームシナリオでのユミエラの悲劇に繋がっていたのではないかという可能性の示唆と、そこを改変して運命を好転させていくカギとしてパトリックへの想いがこうした悲哀から浮上してくるという作劇は良かったと思います。

冒頭は先日の野外演習で魔物呼びの笛を吹きまくった件でユミエラが学園長に注意されたり、中央貴族組の演習ではバカ3人だけがレベルアップしてアリシアはレベルアップしなかった件とか、魔道具耐久テストでユミエラがチート過ぎて笑うしかないこととか、まぁこのあたりのコントはどうでもいいでしょう。この後、野外演習後にパトリックがユミエラに話しかけてくれるようになったという描写となり、ユミエラはパトリックが人望があって、それなのに自分のようなボッチにも構ってくれて、剣筋も美しいと感心して、レベルアップでパワーがあるだけの自分などよりも立派な人間だと思う。そしてユミエラはパトリックが自分がこの世界で今まで最も仲良くなれた人間だと思えて、パトリックの声はよく通るようにも思う。それは自分にとってパトリックが特別な人であり、パトリックも自分を特別に思ってくれているからなのではないかとユミエラは思ったりもしてしまう。

それでも不器用なユミエラがいちいち剣の稽古でパトリックをパワー過剰で吹っ飛ばしてしまい、そのたびにグロい闇回復魔法で傷を治してちょっと引かれてしまうのは笑える。しかしパトリックは、相変わらずユミエラが魔王ではないかなどと噂されている件についてはキッパリ否定して、ユミエラが黒髪のせいで差別されているのに堂々としているのは偉いと褒めてくれる。また闇魔法を使うことを隠さない点も堂々としていて素晴らしいと言ってくれます。パトリックにそんなふうに言われてユミエラはドキドキしてしまいます。

そもそもユミエラが闇魔法を使えたのは生まれついて決まっていた属性であり、レベルアップはユミエラの子供の頃からの努力の賜物であったが、闇魔法を使えたこと自体は生まれついての運命のようなものだった。そして、それはこの世界ではあらぬ差別を受けるものであった。転生者であるユミエラはそのあたり無頓着であったが、よくよく考えたら元のゲームのキャラであるユミエラも生まれつき闇魔法を使える体質だった可能性が高い。そして現在のユミエラとは違い、そのことで差別されて深く傷つき、黒髪を差別されたことも合わせてコンプレックスを抱えて成長し、闇魔法を使うことは隠していたのかもしれない。

ゲームのストーリーではユミエラは終盤に闇落ちしてから闇魔法を使うのが描かれていたが、実際はもともと闇魔法が使えたのかもしれない。それをずっと隠していて、一方で光魔法を使うことで皆に大事にされているアリシアへの嫉妬を募らせて、それで最終的に闇落ちしてパワーアップしたのかもしれない。ユミエラはそんなふうに元々のゲームキャラのユミエラの人生について思いを馳せてみた。ゲームキャラのユミエラの心情について彼女が真面目に考えたのは初めてのことであったが、それは自分との決定的な違いを感じたからだった。それはつまりパトリックの存在であり、ゲームキャラのユミエラにはパトリックのように黒髪や闇魔法も含めてユミエラを受け入れてくれる相手が存在しなかったが、その一方で自分にはパトリックが存在するということを考えたのです。それだけ現在のユミエラにとってパトリックは大きな存在となりつつあるということであり、もしかしたら現在のユミエラが最終的に闇落ちの運命を回避するための重要なキーマンがパトリックなのかもしれない。

そして数日後、二度目の野外演習となり、相変わらず運営側のユミエラは暇を持て余してダークバインドとジャンケンをして遊んだり、闇回復魔法でドン引きされたりしていたが、廃ゲーマーの血が騒いでユルい野外演習をもっとギリギリのキツいものにしたくなっていく。実際その方がレベルアップには効率が良いのです。それで善かれと思って、また魔物呼びの笛を出して吹こうとするが、それは学園長にも禁止されていてパトリックとも「もう吹かない」と約束していたのでパトリックに笛を取り上げられてしまう。

それでユミエラは効率重視の持論を展開してパトリックと口論となり、熱くなっていつの間にかタメ口になった挙句、要は大事なのは緊張感なのだと主張して他の生徒たちに「私の魔法で負傷して緊張感を出すか、それとも魔物呼びの笛を吹いて緊張感を出すか」の頭のおかしい二択を迫って、生徒たちが怯えて「笛」と答えたので即座にユミエラはパトリックから魔物呼びの笛を取り上げて吹いてしまった。

それでパトリックが呆れてユミエラを睨みつけてから他の生徒たちに指示して魔物への迎撃態勢を整えさせるのを見送って、ユミエラはパトリックに嫌われてしまったと思い落ち込む。ただ、その理由が「タメ口をきいてしまった」ということであるのが可愛い。パトリックの家の方がユミエラの家よりも身分が上なのでそんなふうに思ったようだが、家の問題よりも、そんなふうに個人のレベルアップのことしか考えらえずにアツくなって言葉使いまでおかしくなってしまうような未熟な自分がパトリックのような皆の指揮に長けた優秀な人格者の傍に居るのには相応しくないと思えたのです。

更に、皆の指揮を執るパトリックが集団全体に自分の号令が聞こえるように風魔法を使って声が通るようにしていることに気付いたユミエラは、自分にだけ特別にパトリックの声がよく聞こえると思って自分とパトリックが特別な関係であるかのように夢想していたのは単なる勘違いだったのだと思う。更に他の魔法も細やかに駆使して集団戦をこなしていくパトリックの姿を見ていると、ユミエラは個人で強くなることしか考えたことがない自分のような寂しい人間はパトリックとはどういう話題で喋ったらいいのかも分からなくなってしまう。

そうしてパトリックと口も利かないまま学園に戻ってきたユミエラだったが、そんなユミエラにアリシアが話しかけてきて先日の魔王だと疑った件を謝罪してくるのだが、そこにエドウィン王子が割って入ってきてユミエラが魔物呼びの笛をまた使ったという件で非難してきて、仮にユミエラが魔王でないとしても王国にとって危険人物である点は変わりないと誹謗中傷してくる。それを聞いてユミエラがやはりこの国に自分の居場所は無いのだと絶望しかけたところ、そこにパトリックが割って入ってエドウィンに反論し、ユミエラのやり方も一理あり地方貴族の子弟たちの間では一定の支持があるのだと説明してユミエラを弁護し、エドウィンに対してユミエラの件で口出しをしないよう求める。

それでエドウィンは引き下がり、ユミエラはパトリックに礼を言い、演習の時にタメ口をきいたことも謝りますが、パトリックは気にしていない様子だった。それどころかパトリックはユミエラが演習の後ずっと元気が無いようだったから気にして声をかけようとして来たところにちょうどエドウィンがユミエラに絡んでいる現場に出くわす羽目になったようだった。そんなパトリックの親切な想いを知ってユミエラは「ありがとう」と感謝の言葉を伝えて、初めて微かに笑顔になる。そしてユミエラはやはり出来ればパトリックと友達になりたいと思うのだが、それは自分のような人間にはやはり難しいことだろうとも思うのでした。