2024冬アニメ 2月2日視聴分 | アニメ視聴日記

アニメ視聴日記

日々視聴しているアニメについてあれこれ

2024年冬アニメのうち、2月1日深夜に録画して2月2日に視聴した作品は以下の3タイトルでした。

 

 

ダンジョン飯

第5話を観ました。

今回は昆虫食の話と聖水でアイスクリームを作る話でした。まず冒頭はライオス達とは別の冒険者パーティーの話が描かれますが、これはあんまり本編には関係なくて、この冒険者パーティーが迷宮に潜ってゾンビの群れと戦って退治した後、ゾンビが持っていた宝箱を開けたら金銀財宝が入っていて大喜びするんですが、その後に場面が変わってライオス達の一行がダンジョンを歩いてくると、さっきのその場所でその冒険者パーティーが全員死んでるんですよ。

それでライオス達が彼らの死体を片付けるんですが、彼らの周囲にはさっきの宝箱の中に入ってた金銀財宝のコインなんかが散らばっていて、それをチルチャックが触ろうとしたらライオスの剣が急に暴れ始める。この剣は以前に「動く鎧」の事件の時にライオスが回収した剣で、中に軟体生物が隠れている。ライオスはそのことを知っているが他の仲間には秘密にしている。その軟体生物が剣の中で急に暴れ始めて、まるで剣を抜くように言っているようだと思ったライオスは剣を抜きます。するとチルチャックが触ろうとしていたコインが急に羽根を広げて飛び立ち、他のコインも同じように飛び回った。

実はこれらはコインに擬態した昆虫で「コイン虫」というらしい。宝石箱に入っていたネックレスや王冠なども同様で、昆虫が擬態したコイン虫のお仲間でした。こういう金銀財宝に擬態した昆虫というのが迷宮内には生息しているらしく、しかも毒を持っているらしいので、冒頭に登場した冒険者パーティーはコイン虫の毒で全滅したようです。そのコイン虫たちはマルシルの失神呪文で全部失神させて大人しくして捕獲に成功しましたが、これを昆虫だから食えるということでセンシが食べられるやつを選り分けて料理に取り掛かる。

そうしてネックレスを串焼きにしたり、コインを炒めたり、王冠を砕いてジャムにしたりします。これが何とも見た目がカラフルでピカピカで気色悪いんですが食べてみると意外に美味い。ライオスも炒めたコインを再び剣に近づけてみたりして、どうやら剣の中の軟体生物が自分たちを仲間だと認識してくれているようだと分かり秘かに嬉しがったりしますが、軟体生物の件を皆に内緒にしたままなので皆はライオスを挙動不審に思って気色悪がります。最後は、センシが「食べられない」という方に選り分けたぶんを迷宮の穴に投げ捨てたところ、実はそれは本物の財宝だったと聞いてマルシル達が愕然としたというオチでした。

そして後半パートはライオス一行が迷宮内の幽霊が多いエリアを通って、幽霊に取りつかれそうになってしまうが、以前はそういう時はライオスの妹のファリンが魔法で上手く対処してくれたのですが、ファリンはレッドドラゴンに喰われてしまって今は居ないわけで、それで幽霊から逃げ回ることになる。皆は「ファリンがいれば上手くいくのに」と口惜しく思い、ライオスも「ファリンじゃなくて自分がドラゴンに喰われていたらこんな苦労することもなかっただろうに」と思ったりする。

だがセンシはファリンとは会ったことがなく、ファリンの不在に心を捉えられることなく現実的に対処し、幽霊を退治するために聖水を作ろうと言い出す。センシは聖職者ではないので本物の聖水は作れないが、古来各地で魔除け効果などがあるとして民間で使われてきた清めのものを全部ぶち込んで火で煮詰めた即席の聖水もどきを作り、それを瓶に詰めてロープで振り回して幽霊たちを退治していく。

そうしたセンシの姿を見て、ライオスは自分たちはファリンに捉われ過ぎていたと反省し、今は自分たちしかいないのだから自分たちのやれる方法で工夫して対処していくしかないのだと心を決め、センシから聖水の瓶を受け取り幽霊退治をしていく。そうして幽霊を退治し終えると、聖水の入った瓶は幽霊の冷たい霊気に当てすぎたせいか凍っており、中で聖水がアイスクリームになっていた。どうやら清めの塩が足りないので代わりに砂糖を結構入れたのでそういうことになったらしい。他にも色んなものをゴチャゴチャ入れたのだが、それらが混然一体となって不思議な美味しい味わいのアイスになっていた。そして、それを食べてライオスは「ファルンがいたらこんな美味しいアイスは食べられなかったね」なんて調子に乗って言ってしまうが、これはさすがに言いすぎであり、皆にドン引きされてしまったのでした。

 

 

勇気爆発バーンブレイバーン

第4話を観ました。

今回はハワイ基地において戦いに備える日々がコミカルに描かれた後、最後に急激にシリアス展開となりました。第1話の終盤以降は完全にギャグアニメと化していたのですが、やはり単なるギャグアニメではなかったようですね。すっかりネタアニメとして持て囃されるようになった中、それだけでは終わらないはずだと期待して待ち続けた甲斐がありました。まぁもう少しギャグアニメっぽく描いてから方向転換しても良かったかなとは思う。その方がより感動的になったような気もするんですが、意外に早めに再びの方向転換をしたということは、更にもう1回大きなどんでん返しが用意されているのかもしれないですね。まだまだ奥深い作品になるような気がします。

ただ今回は第1話同様にラストの壮大なオチに繋げるためのフリに1話を費やすような構成であるため、今回のエピソード自体にストーリー上で大きな展開はありません。第1話も色んなことは確かに描かれましたが、要するに突然に侵略を受けて絶望的状況になったというのが描かれただけであり、ドラマ的にはそれほど重要なことが描かれたわけではなかった。それと同じで、今回も戦いの前のハワイでの束の間の平和が描かれただけであり、もしかしたら全部冗談だったというオチなんじゃないかとまで思わせておいて最後にオトすためのフリでしかなかった。だからあまりドラマ的に盛り上がったわけではない。戦闘シーンも無かったし日常回と言っていいでしょう。ただ、主にルル関連で重要な情報も散りばめられていました。

まず冒頭はハワイでブレイバーンを中心にして新たに編成されたアライド・タクスフォースで地球上のどこを救援に行こうかという各国の軍幹部の会議が開かれているのが描かれました。そもそもハワイにいる軍幹部たちはそれぞれの母国の状況がどうなっているのか正確には把握出来ていない。どうやらハワイ同様に世界中が一斉にデスドライヴズの攻撃を受けたようなのだが、それもブレイバーンがそう言っているだけであり傍証がある話ではない。何者かによって母国が攻撃を受けたこと自体は間違いないが、その被害程度なども不明です。もしかしたらデスドライヴズによる地球侵略なんていう話はブレイバーンの与太話であってちょっとしたテロ事件だったという希望的観測もあるし、実際にデスドライヴズによってハワイに加えられた苛烈な攻撃という現実に照らせば最悪の事態もあり得る。

とにかく一刻も早く母国に戻って状況を確認したいと皆が思っていた。本音を言えばアライド・タスクフォースなど解散して各自がそれぞれの母国にすぐに戻りたいところだったが、ブレイバーンは皆が家族のもとに今すぐ戻りたい気持ちは理解出来ると言いながら、このハワイで共に戦ったアライド・タクスフォースもまた家族なのであり、この家族で一丸となって世界中に散らばる皆の家族に順番に会いに行こうと呼びかける。それはつまり、ここにいる皆で一丸となって行動しなければ太刀打ち出来ないほどに世界の状況は厳しいのだということを意味していた。そうしたブレイバーンの観測に未だに疑念を感じる者もいないではなかったが、それでもそれが最上の安全策なのだということは誰もが理解出来た。こうした未知数の状況においては安全策をとるのが定石であり、結局はブレイバーンの意見が通り、アライド・タクスフィースは一致団結して地球上の各地域を順番に回って状況を確認し、場合によっては戦闘を行い拠点の奪還を図るということとなった。

問題は、まず何処に向かうのかということであったが、ハワイからまず向かう先は太平洋を東に進んでのアメリカか、太平洋を西に進んでの日本かということになる。このアライド・タクスフォース自体が日米両軍で主に構成されているのだから、その二択が順当といえる。そして、この二択に関しては双方の利害に絡めての議論で決めてはどうしてもこの場合はどちらかにしこりが残る。そこで完全に第三者であるブレイバーンが「救援が来るとしたら朝陽と共に来る方が良いか、夕陽と共に来る方が良いか」という命題を出し、ブレイバーン個人の意見として「夕陽も捨てがたいが朝陽の方が私は好きだ」と言ったので、まずは日本に向かうことになった。日本に行ってまず日本を解放し、そこから世界一周して世界中を解放してから最後にアメリカを解放するという壮大な遠征の始まりです。まぁ全てがブレイバーンの冗談であって戦いなど起きなければそれに越したことはないのだが。

そうしてハワイ基地で遠征の準備が始まったが、そんな中でイサミがいきなりクソダサいプラグスーツみたいなのを着て現れる。これは自衛隊の整備班のミユが作ったものだそうで、これによってイサミは全裸で戦わずに済むようになるようです。どうやらスペルビアとの戦いの後でブレイバーンのコクピット内でイサミの服がキャストオフして全裸になってしまったのは、必殺技を繰り出した際の衝撃によるものだったようです。ブレイバーンが趣味で脱がしていたわけじゃなかったんですね。ちょっとホッとしました。それで、どうせ服を着ても必殺技を撃てば破れてしまうので仕方なくコクピット内では全裸だったわけなんですが、このミユの作ったスーツは必殺技を撃った際の衝撃を外部に放出するギミックが付いていて、これなら必殺技を撃っても破れないのだそうです。しかもエアバッグ付きなのだそうです。なんでエアバッグが必要なのかはイマイチ分からないが。

とにかくこれでイサミは全裸でブレイバーンに乗って女子たちに「キモい」とか言われなくて済む。しかしこのスーツが死ぬほどデザインがダサいので、結局は女子たちに笑われてしまう。クールなタフガイキャラだったはずのイサミの女子株はブレイバーンに会って以降は大暴落の一途であり、イサミの不遇はなかなか終わりません。そんなイサミの前にスミスがやって来てクソダサスーツを「とてもクールだ」と褒めてくれる。スミスはブレイバーンに乗りたがっていたぐらい変人なのでもしかしたら本気でクールだと思っているのかもしれませんが、イサミにはスミスが自分をバカにしているようにしか聞こえない。

それはイサミがスミスに対して、非常に劣等感を抱いていて、やっかみのような感情に捉われているからだった。その理由は、前回の水中の敵との戦いの後、イサミがモーテルで裸で抱き合っているスミスとルルに出くわしてしまったからです。イサミにしてみれば自分が女子たちに「キモい」とかバカにされながら気色悪いブレイバーンの中で全裸で戦っている時に、戦いもせずに美少女とモーテルでイチャイチャしていたスミスを許すことが出来なかった。いや、猛烈に羨ましかった。どうして自分ばかりが不遇でスミスばかりがモテるのかという強烈な劣等感を覆い隠すためにイサミはスミスを「戦いもせず女と遊んでいたクズ」と見下すことで自分を慰めていた。

そんなスミスがやって来て、女子たちが「ダサ」とか言って笑っているイサミのクソダサスーツを「とてもクールだ」と笑顔で褒めてきても、イサミにはスミスが嫌味を言っているようにしか聞こえない。しかもそのスミスの腕にはルルがまるで娼婦のように腕をからめてずっとくっついている。なんて羨ましいと思ってイサミはますます腹が立ってきて、スミスのことを「基地内にまで女を連れ込んで腕を組んで、なんてけしからん奴だ」と見下す。

しかし実際はスミスは海岸で拾ったルルを敵の正体を知る手掛かりだと思って保護しただけなのであり、モーテルでスミスが上半身裸であったのはいきなりルルの呼吸が止まってしまったので人工蘇生術をやる羽目になり汗だくになって脱いだだけだったのであり、ルルを裸にしたのだってルルが目を覚まして襲いかかってきて慌てて応戦している時にルルの着ていたプラグスーツの解除ボタンを誤って押してしまいルルが全裸になってしまっただけなのです。そうして暴れるルルを押さえ込んで暴力を止めさせたところにちょうどイサミがやって来てその姿を見てしまった。しかも何故か急にルルが友好的になってスミスに抱き着いてきたのでイサミの誤解がますます深刻になってしまったのです。

そうした誤解についてスミスはイサミに説明しようとするが、イサミは聞く耳を持とうとしない。いや、イサミもスミスとルルの事情については今となってはもう知っていて、自分がモーテルでスミスを罵倒したのは誤解によるものだということもイサミはもう分かっている。しかし分かっていても羨ましいものは羨ましいのであり、自分の不遇と比べると腹は立ってくる。それにスミスとルルの事情が分かったからこそ腹立たしい面もあった。要するにルルは自分が戦った相手であったスペルビアに乗っていた敵なのかもしれない相手なのであり、結局はスミスの監視下に置くということで預けられたと聞いたが、なんだか随分と楽しそうにしている。自分が命懸けで戦った敵かもしれない相手と楽しそうにしているスミスを見てイサミはイラついていたのです。

それでイサミはスミスに対して当てつけのように「俺はブレイバーンのパイロットとして忙しいのでアンタと喋るのは時間の無駄だ」と言って立ち去ろうとする。スミスがブレイバーンに乗りたがっていたのに拒否されて傷ついていることはイサミも知っていたが、敵と馴れ合っているようなスミスにはそもそもそんな資格は無かったのだとでも言いたげな嫌味な言い方であった。そして、そこには「自分は気持ち悪いブレイバーンに乗らなきゃいけないのにお前は女と遊ぶ任務で羨ましいな」というやっかみの感情も含まれていた。

そんな酷いことを言われてスミスがショックを受けると、スミスにくっついていたルルはイサミがスミスを虐めたと思ったのか、急に激怒してイサミを思いっきりぶん殴る。するとイサミは吹っ飛んでしまい倉庫の壁にぶち当たり、その衝撃でスーツのエアバッグが作動してしまい、大きくエアバッグが展開した状態で転がってしまいます。スミスは慌ててルルを羽交い絞めにして制止しますが、そこにブレイバーンが飛んで来て、イサミに必殺技の打ち合わせをしようと言ってくる。それでイサミは拗ねたようにしてスミスを無視してブレイバーンと去っていくが、拗ねてスミスに突っかかってスミスの連れのルルにぶん殴られて顔を腫らしてエアバッグを引きずりながら歩いていくクソダサスーツのイサミはホントにカッコ悪い。

この後、スミスが自衛隊ヒロイン達と一緒に自衛隊名物のカレーを食う場面となりますが、すっかり女子会の一員になってるスミスが可笑しい。ただスミスとしても好き好んで女子会に加わっているわけではなく、これにはちゃんと事情がある。あのモーテル事件の後、ルルは米軍当局に引き渡したのだが軍医による検査の結果、普通の地球人と同じような身体構造をしていることが分かった。ただ消化器官が全く未発達で固形物を食べたことが無い身体だと思われた。また手の甲の部分に未知の物質で出来た器具があるということぐらいが目立った特徴だった。ただ尋問しても「ルル」という言葉と、スミスが教えた「スミス」という言葉以外喋らないので話にならず、それで米軍当局も困って、やたらルルが懐いているスミスの監視下に置くという形で預けたのです。このようにルルはあのモーテルで全裸になって以降、やたらとスミスに懐いていてくっついて離れようとしない。言葉もスミスが教えた「スミス」という言葉をやたら気に入って連呼しているので、それでスミスとルルはやたらイチャイチャしてるように見えてイサミをイラつかせたりしたのだが、スミスにとってはルルはまるで赤ちゃんのような感覚であった。

ただ、そうはいっても身体の方はしっかり女性の身体なので、トイレや風呂の時までくっついていられるのはスミスも困ってしまっていて、それで自分以外のの女性にも慣れてもらえれば世話を分担してもらえると考えて、こうしてルルを連れて女子会に加わっているのです。するとルルが自衛隊カレーに興味を持ってしまい食べさせたら気に入って大食いして、消化器官が発達していないので嘔吐してしまったりして、それでスミスが米軍の軍医にこっぴどく叱られたり、何だかんだで皆で戦いの前の束の間だが楽しい時間を過ごし、ヒロイン達もルルのことを可愛がってくれるようになった。

しかし、このルルとは一体何なのか、ちょっと考えてみる必要があるでしょう。現在のルルの状態を見ると、まるで生まれたばかりのヒナ鳥が最初に出会った相手を親鳥だと認識してくっついて回っているようです。言葉もロクに喋れないこともあり、まさにスミスを親と認識している赤ちゃんのようです。消化器官が全く発達しておらずこれまで固形物を食べたことがないというのも、生まれたばかりの身体だという証です。つまり、ルルはあのスペルビアから飛び出したカプセルに乗っていた搭乗員なのではなく、まさにあの時に生まれたのではないかと思われるのです。つまり、あれは脱出用カプセルではなく「卵」だったのではないでしょうか。あのカプセル状の物の中から出てきたルルの身体が粘液のようなものに塗れていたのも、あの粘液は卵白のようなものだったのかもしれません。あのスミスがルルと出会った夜の浜辺のシーンがウミガメの出産の場所でのシーンであったというのも、あの時にルルが卵から生まれたことを示唆する暗喩だったのかもしれません。

そうなると、スペルビアがブレイバーンに倒された瞬間に卵を生んで、そこからルルが生まれたということになる。そんな奇妙なタイミングで卵を生むというのが偶然のタイミングであるとは思えず、人型のデスドライヴズは死ぬ時に卵を生む習性があるのかもしれない。そして、その卵から生まれるのがたまたま地球人と同じような生命体であるなどという偶然があるはずがないので、もしかしたら人型のデスドライブズは自身が死んだ直後に侵略先の星の知的生命体と同種の個体を生む習性を持っているのかもしれません。もしそうだとしたらそれはどういう意味のある行為なのか?ブレイバーンがスペルビアに向かって「私とイサミがお前を変えてやる」と言っていたセリフと何か関係があるのか?ブレイバーンがルルの名前を知っていて、ルルの様子を見守っているように見えることと何か関係があるのか?そのあたりはまだ謎だらけです。

それらの謎はひとまず置いておいて、イサミはブレイバーンに気晴らしに行くよう促されて閉鎖されたホテルに連れていかれ、そこで軍人たちが集まって出撃前夜の酒盛りをしている場に行く。イサミはまた笑いものにされるんじゃないかと委縮するが、意外にもイサミはヒーローとして歓迎される。そしてイサミは米軍人たちが日本を取り戻す作戦に張り切っているのを見て、申し訳なく思って「あなたの母国が心配じゃないのか?」と質問する。すると米軍人たちは「一緒に戦い続ければ地球を一周して朝陽と共にアメリカに行ける」と言ってくれる。それを聞いてイサミは彼らと共に地球を取り戻すために戦いたいという想いが湧き上がってきて、スミスとルルのことやブレイバーンのことでウジウジ悩んでいた気持ちが解消していった。

そうして大いに盛り上がっての帰り道、イサミは管制官のホノカと久しぶりに会い、スミスとルルの話題が出たのでちょっとムッとしてしまうが、ホノカは「ルルちゃんが無関係だといいですね」と言う。出来ればルルを敵として扱いたくない。そもそも敵など本当は存在していなくて、侵略戦争なんて何かの間違いであってほしい。現実逃避をしているわけではなく、一番大事なのは敵と戦うことではなく、出来るだけ多くの人が無事でいてくれることなのだというホノカの言葉によって、イサミは自衛官としての自分にとって最も大事なことを思い出すことが出来た。そして、誰かと争ったりいがみ合ったりするためではなく、自分は多くの人々の無事を守るために戦うのだと決意し、気持ちがスッキリして、スミスとも共に命を賭けて戦おうと思えたのでした。

そうして東京に向けて飛ばした無人偵察機が東京上空に到着して映像を送ってくる時が来て、皆でその映像を見ることとなった。すると上空からの映像は雲が厚くて何も見えず、どんどん高度を下げていっても画面は暗いままで、どうも奇妙であった。そしてかなり高度を下げるとようやく東京が見えてきて、そこは火の海でした。東京全域から黒煙が上がっていて上空は視界がゼロになっていたのです。やはりブレイバーンの言っていたことは嘘ではなく、世界中がデスドライヴズによる侵略を受けているようであり、東京は壊滅状態で戦闘すら行われている様子も無く、生存者がいる様子すら無かった。そして無人偵察機もデスドライヴズと思われる敵に撃墜され、アライド・タスクフォース全体に絶望感と悲しみと、そしてこれからの地球奪還のための苦しい戦いを予感しての緊張感が走るのでした。

 

 

メタリックルージュ

第4話を観ました。

今回はウェルズタウンで幻影のヴェルデの行方を探すという話の続きでした。前回のラストシーンでルジュがネアンによる居留地の自治を目指す組織CFNのリーダーのユバルを殺したという濡れ衣でCFNに捕まってしまい、ウェルズタウンの警察がユバル殺害事件を知ってCFNの捜査に乗り出し、同時にウェルズタウンに怪しげな移動カーニバルがやってきたところで終わりました。今回はその続きということになりますが、まず移動カーニバルは冒頭でウェルズタウンに飛行船で到着し、ラストシーンで謎の行動を開始したという描写のみであり、実質的には何の動きも無かったといえます。警察の方はユバル殺害事件を口実にして、かねてから目障りだったCFNを壊滅させようとして動いているようですが、それ以上の深い意図は無いようで、別に真理部やアルターと繋がっていたりルジュを狙っているというわけでもないようです。ただ単にCFNを潰すために動いている。ただ、警察にユバル殺害事件の発生を密告して警察がCFNを潰すよう動くよう誘導した何者かが存在する。そいつがおそらくユバルを殺した真犯人です。だが、そいつは同時にルジュを罠にも嵌めている。つまり、その真犯人はCFNを潰すという意図の他に、ルジュを陥れたいという意図も持っているようです。

それでCFNに捕まったルジュですが、小鳥ロボを介してナオミは警察がCFNに乗り込むとルジュに伝え、すぐに逃げるよう指示します。隠密行動しているルジュが警察に拘束されたら厄介なことになるからです。ルジュの力なら拘束を解いてすぐにでも脱出出来るはずです。しかしルジュは脱出しないと言う。ユバルはCFNにアルターの内通者が居ると言っていたので、おそらくユバルを殺したのはその内通者であり、その内通者が自分を罠に嵌めたのだろうとルジュは思っていた。ならばその内通者は拘束した自分に接触してくるはず。その内通者はおそらく幻影のヴェルデ本人かその手掛かりを持つ者であり、内通者が接触してきたら必ず幻影のヴェルデを見つけ出して倒してイドを回収して今回の任務を完了させるとルジュは言う。

ナオミはいつになく任務に燃えているルジュに違和感を覚えるが、ルジュはこれでも反省していたのだった。ルジュはナオミが「ネアンは道具だ」と言うのを聞いて反発して喧嘩別れして任務を放り出したが、居留地に入ってネアンの実態を見た結果、ナオミの言うとおりネアンは使い捨ての道具として扱われていた。それでルジュはナオミに反発して任務を放り出したことを反省して、自分1人でカタをつけてやろうと思っていたのです。だがナオミはそんなルジュに協力するために自分の居留地に行くから待っているようにと言う。それはナオミ自身の自由意志であり、ナオミは「私もあんたも真理部の道具じゃない」と言ってくれる。それで2人は仲直りし、ルジュはナオミがやって来るのを待つと言う。

そしてCFN幹部のデュマによるルジュへの尋問が始まる。このデュマは前回の描写でアルターの内通者であると匂わせる描写のあったネアンだが、デュマはルジュが真理部のエージェントであること、ルジュがユバルからネアンを救ってほしいと頼まれていたことも全て把握済みであるとルジュに伝える。その上で、真理部の任務に縛られているルジュにはネアンを救うことは出来ないと罵倒する。そして「もっと自由に欲望のままに生き、殺したい奴を殺し、救いたい奴を救うべきだ」とそそのかす。更にデュマは「そうすればサラ・フィッツジェラルドも救えたのに」と嘲笑う。これを聞いてルジュはデュマこそがアルターの内通者だと気付きます。「サラ・フィッツジェラルド」というのは第1話でルジュが倒したヴァイオラの偽名であり、それを知っているのはアルター関係者しかあり得ないからでした。

それでルジュは拘束を解いてデュマを攻撃しようとするが、デュマはルジュをユバル殺害犯と信じ込んで敵意を向ける他のネアン達をルジュにけしかけて、その混乱の隙にその場から逃げ出す。ルジュは無関係のネアンを傷つけたくないので抵抗することが出来ず、その隙にデュマを見失ってしまうが、小鳥ロボで一部始終を見ていたナオミもデュマがアルタオーの内通者だと気付いていて独自にデュマの追跡を行います。すると、そこに警察が突入してきてCFN構成員たちを次々に拘束または破壊していき、CFN本部は大混乱に陥り、ナオミによるデュマ追跡も困難を極めます。こういう状況を見る限り、ユバル殺害にデュマが関与していることは確実であり、おそらく警察に密告したのもデュマなのでしょう。アルターの内通者であるデュマはアルターの言いなりにならないユバルやCFNを邪魔だと判断して潰しにかかり、ついでにアルターの敵であるルジュも罠にかけて始末しようとしたというところなのでしょう。

ネアン達はアジモフコードで人間に逆らうことが出来ないので警察によってほぼ無抵抗に駆逐されていきますが、ルジュはアジモフコードの支配を受けていないので警察官たちを倒して他のネアン達を逃がしてあげます。そしてルジュ自身も警察の包囲を突破して逃げようとしますが、リオンが現れてルジュを逃げ道に案内してくれます。一方でナオミは小鳥ロボでの追跡でデュマを見失ってしまうが、ちょうど居留地に入ろうとしていた守護局のアッシュ捜査官を見つけて、上手く騙して一緒に居留地内に入ることにする。

この時、ナオミが居留地の門を守る警察官をどかせるために言った言葉が「居留地に潜入しているのはロイ・ユングハルト博士殺害事件の容疑者」であったが、これで警察官が動揺してナオミ達を居留地内に入れたことから「ロイ・ユングハルト」という人物がよほどの大物であることが分かる。そして、ここで殺されたユングハルト博士のフルネームが明らかになったことで、真理部の次長のジーン・ユングハルトとは別人であることも判明した。ただロイとジーンには何らかの深い関係はあるのかもしれない。

一方、リオンに案内されてウェルズタウンからの脱出を図っていたルジュですが、そもそもルジュがユバル殺害の容疑をかけられたのはリオンに「ユバルが呼んでいる」と言われて指定場所に行ったらそこでユバルが死んでいたからでした。だからリオンはどう考えても怪しい。そのユバルがこうして再びルジュの前に現れてルジュを逃がそうとしているというのは何か別の意図があるように思えてならない。それにユバルはCFNの構成員ではなくルジュがネアンであることも知らないはずなのに、いつの間にかルジュがネアンであるという前提で話をしている。そうなると、もともとリオンはルジュが真理部のエージェントであることも知っていた可能性が高く、アルターの関係者なのではないかとルジュは疑った。もしかしたらリオンがユバルを殺した真犯人であり、今度は逃亡を手助けしているように見せかけて人知れず自分を始末しようとしているのではないか、そしてリオンこそが幻影のヴェルデなのではないかとルジュは警戒した。

しかし、リオンはそうしたルジュの疑惑を否定して「僕はあなたを連れてくるよう頼まれただけだ」と弁明する。しかし、その弁明をしながらリオンは隙を見てルジュの腕に注射をして、ルジュは意識が朦朧としてしまう。どうやらネアンに作用する神経毒のようなものみたいで、ルジュは混濁する意識下でヴァイオラと他2人のこれまでに倒したインモータルナインの3人の幻影を見て、自分がネアンの敵であるかのような妄想に支配されそうになるが、兄と慕うジーンのことを想い毒の作用に打ち勝ってリオンを取り押さえます。

そんな神経毒を持参してきていたということは、やはりリオンは最初からこの場でルジュを始末するつもりで逃亡の手助けをしているフリをしていたのでしょう。ただ、その前にわざわざルジュにユバル殺しの容疑をかけたということは、ルジュを容疑者に仕立てた上で殺してしまい、それによってユバル殺害の真犯人を隠蔽しようとしたということなのでしょう。そして、その真犯人がどうやらリオン自身であったらしいことがこの後に示唆されます。

それは、その場に突然アフダル医師が現れたのを承けて、リオンが自分がユバルを殺したことを白状したからです。リオンの言うには、アフダルはアルターと繋がっていて、デュマからユバルを殺すよう命じられて困っていたのだそうだ。それでリオンはアフダルを救いたくて、アフダルに頼まれてユバルを殺したみたいです。おそらくルジュに罪を被せてルジュを始末してリオンとアフダルが罪から逃れるというのもアフダルに指示された作戦だったのでしょう。そうしてリオンはアフダルと共に自由を手に入れようとしていたのだという。

ところがアフダルは「自由など幻だ」と言い返し、全てはリオンが勝手にやったことだと言ってリオンを殺してしまう。そして、医師として居留地に潜入してCFNを監視していたことも、医師として真摯にネアン達を救っていたことも、どちらもアルターの任務だったのであり自由な意志などではなかったのだと言い、例の黒いネアンに変身する。アフダルこそが「幻影のヴェルデ」の正体だったのです。

ルジュも変身して戦闘が始まりますが、アフダルの神経ガスを生成する能力でルジュは苦戦する。アフダルはルジュのことを自分やリオンと同じように「自由を求めながら自由を得られない哀れな存在」だと決めつけ、自由になるためには死ぬしかないと言って殺そうとする。だがルジュは苦戦の末にヴェルデを倒してイドを抜き取り、そのまま力尽きて倒れます。同じ頃、居留区には例の謎の移動カーニバルの一団が迫っていたというところで今回は終わり次回に続きます。

なお、デュマを追って居留区に入ったナオミはデュマを発見して追跡しますが、ナオミの前に現れたデュマはインモータルナインのジャロンの擬態でした。前回デュマがジャロンに会う場面がありましたが、あの後、おそらく内通者のデュマを始末してジャロン自身がデュマに擬態して入れ替わっていたのでしょう。そうなるとアフダル(ヴェルデ)に会いに来てユバルを殺すよう依頼してきたのはジャロンだったのであり、ヴェルデは彼の言動からすると本心ではアルターに縛られることを嫌っており葛藤はあったようだが、やはりアルターから逃れることは出来ないと観念してリオンに命じてユバルを殺させてルジュを罠に嵌め、最終的にリオンを使っておびき出したルジュも始末しようとしていたのでしょう。おそらく、それら全ての計画をヴェルデに指示したのはジャロンであったのだと思います。

ただ、ジャロンは正体を現した後、ナオミに「本当はルジュを殺したかった」と告白しています。実際、尋問の時などにはジャロンはデュマに化けた状態でルジュを殺せる機会はいくらでもありました。だが、それが出来なかったのはどうやらアルターの上層部の指示であるようです。おそらく「シルヴィア」と呼ばれるボスの意向なのでしょう。そのあたりどういう事情なのかは現時点では不明ですが、とにかくジャロンにも「自由」は無いようでジャロンは不満のようです。それでジャロンは代わりにナオミを殺そうとしますが、それも急に途中で止めてしまう。どうやらナオミにも何か秘密があるようで、そのことにジャロンも気付いたようです。これも今は詳細は不明です。

まぁ今回はだいたいそういう内容だったわけですが、一応これでヴェルデは倒したということになるんでしょうけど、ちょっとヴェルデの事情に関しては不明な点が多くて、これはヴァイオラの時も同じだったんですが、どうも敵側の事情の描写には消化不良感がありますね。ストーリー自体は全体的に面白いし、ルジュやナオミの話はよく出来てるんですけど、敵側がちょっと物足りないのは気になるところではあります。まぁこのウェルズタウンの話は移動カーニバルの件もあってまだ続くようですから、ヴェルデの話も続きがあるのかもしれませんけどね。