2024冬アニメ 1月12日視聴分 | アニメ視聴日記

アニメ視聴日記

日々視聴しているアニメについてあれこれ

2024年冬アニメのうち、1月11日深夜に録画して1月12日に視聴した作品は以下の5タイトルでした。

 

 

ダンジョン飯

第2話を観ました。

今回は面白かったです。マルシルのキャラの魅力が炸裂してましたね。ダンジョン飯を食いたくなくて悪夢まで見てしまったというのに脂身を喰いたがっていると勝手にセンシに誤解されてバジリスクという鶏と蛇のキメラみたいなモンスター狩りが始まってしまう。結局モンスターを喰う羽目になるんですね。ライオスとかノリノリで、新米パーティーの連中やマルシルがバジリスクに襲われてピンチになると、センシとコンビでバジリスクを仕留めます。凄いアクションだったんだけど、ニワトリを威嚇するような戦い方が滑稽すぎて笑える。

その後、新米パーティーのメンバーがバジリスクの毒で死にかけているというのに悠長にバジリスク料理を作り始めるライオス達を見てマルシルは怒る。まぁバジリスクの肉が毒消しらしく、料理して食った方が効きが良いらしいのだが、すごく丁寧に料理していてすごく薄情に見えて笑える。しかも患者に肉を食わせた後、回復魔法をかけるのを忘れてバジリスク料理に夢中になってるマルシルが一番薄情だったりする。てゆーかダンジョン飯食べたくなかったんやないんかい。

その後、ドン臭くて役立たずなので足手まとい扱いされて落ち込むマルシル。よく考えたら酷い扱いだな。なんでコイツ居るんだというレベル。大コウモリの獲り方とかマンドレークの獲り方とか知ってるって主張するけど、全部本で得た知識ばかりでセンシの方がもっと実地で役に立つ知識を持っていてマルシルは立場を無くす。それで悔しいマルシルは、皆を見返してやろうと大コウモリを使ってマンドレークを抜くという奇妙な方法をえらく苦労して実践するのだが大失敗する。

マンドレークは地面から抜くと叫び声を上げて、その叫び声を聞くと気が狂ったり死んだりする。それで大コウモリを使って遠隔でマンドレークを抜いたのだが、大コウモリがマンドレークの叫びで狂ってしまいムチャクチャに飛び回ってマルシルの方に来てしまい、マルシルもマンドレークの叫びを聞いて頭がおかしくなってしまう。それでアホの子になってしまったマルシルが可愛い。でもアホになったお陰で役立たずで寂しいという本心を皆に言えたマルシルは皆に励まされ仲直りして正気に戻る。イイ話なのかな?イイ話ということにしておこう。

とにかく大コウモリまで獲れたのはマルシルのお手柄で、しかもマンドレークも叫ばせた方がアクが取れて美味しくなることも判明し、マルシルの本から得た知識も意外とた役に立つことも分かり、しっかり話にオチもついた。やっぱりこれイイ話なんじゃないでしょうか。それでマンドレークとバジリスクを使ってオムレツを作る。

その後、罠の多いルートを通って、チルチャックの罠回避スキルを使って天ぷら料理を作ろうとセンシがアホなことを言い出し、罠のギロチンで大コウモリの肉を切ったり、罠の火炎で天ぷら油を加熱したりして、大コウモリのから揚げとマンドレークのかき揚げを作って皆で喰います。罠の専門家なのでセンシに料理助手みたいに使われてしまったチルチャックであったが、センシはチルチャックの罠の扱いの技術を褒め称え、今後1人ではこのような料理は作れないと寂しそうに言うので、チルチャックは普段は他人に罠のことを教えたりしないのだが、センシに罠の扱い方を教えてあげます。やっぱり最後はなんかイイ話っぽくまとめるところもちょっとクセになります。

 

 

勇気爆発バーンブレイバーン

第1話を観ました。

この作品はオリジナルアニメで、なんかロボットアニメなんだろうなということぐらいしか事前情報が無くて、上のキービジュアルも昨晩のリアルタイム視聴の後で公開されたから、こんな作品だとはホントに全く想像してなくて視聴したのでマジでビックリした。現状、この作品の第1話で目撃した内容が今期最大のサプライズだったと言っていいでしょう。最初からこのキービジュアルが出てれば大体どういう作品か分かるものだが、事前に出てたティザービジュアルが男2人が並んでるだけだったから、第1話の後半の内容との落差が凄い。全くこんなことになるなんて想像もしていなかった。それにしてもティザービジュアルにデカデカと出てた男2人の扱いがこの本ビジュアルであまりに小さくて笑ってしまう。一番小さいじゃないか。ほぼロボと美少女しか映ってないし。全くふざけまくってますね。いや本編はそれでも男2人がメインっぽいんだが、あえてこうしたふざけたキービジュアルを出してくるあたり、全く遊び心に溢れていて素晴らしい。

第1話の内容というのは、ほぼ視聴者を驚かせることだけが目的となっているもので、ストーリー的に特に意味があるものがあったとは思えない。いや重要な場面はいっぱいあったんでしょうけど、どうせ次回以降にちゃんと説明するんでしょうし、どうせ次回以降に出て来る情報量の方が圧倒的で、今回の内容なんてどうでもいいと思う。今回はとにかく全編かけて視聴者をドッキリにかけるような心意気が素晴らしかったと思う。見事に騙されましたからね。しかもそれをずっと、どんなに流れが変わっても、一貫して超絶クオリティで描き続けて、どうしてそこまで一生懸命になって人を騙して笑わせようとするのか、そのモチベーションが謎すぎて大爆笑でしたよ。ホントに見事な第1話だったわけで、これだけのドッキリを見事に決められた以上は、これを最高評価しないわけにはいかない。これでクオリティが低かったらサプライズだけだと見なして低評価も出来るんですけど、色んなベクトルで常に超絶クオリティで、しかもちゃんとアツい話だったわけですから、これを低く評価するとか無理でしょ。ある意味、こういう壮大な遊びを見るためにアニメ視聴をしてるようなものですからね。

いや、最初はリアルロボットのシリアスなバトルが始まったのかと思ったら、それが実は日米の両軍がハワイで合同軍事演習をやっていたということが判明して、ここでまずちょっと騙されたわけですが、まぁこんなのは序の口です。どうやら軍隊に人が搭乗するロボットが主戦力として導入されている近未来の設定みたいで、完全に世界観はリアルロボット系のように見えた。それも殺伐とした戦闘メインじゃなくて、日米両軍のそれぞれのTS(人型機動兵器、つまりロボット)のエースパイロットのイサミ・アオとルイス・スミスの友情が育まれていったり、自衛隊の女隊員たちがみんな萌え系の可愛い子ばっかりだったり、イサミとルイスがTSでのタイマン勝負をしようとか言い出したりして、なんかハワイアンリゾートを舞台にしてミリタリー青春ドラマでも始まるのかと思わせてくれた。

ここまででもロボット戦闘のアクションや、軍人同士の交流のドラマなど、かなり見応えのあるものであったのだが、第1話も後半に差し掛かり、イサミとルイスがタイマンの約束をした翌日の演習が始まろうという時、突然に流れが変わって、宇宙空間に謎の宇宙船が出現して地球に向けて何機も謎の巨大飛行物を発射してくる。その巨大飛行物は地球各地に突き刺さり、まるで高層ビルのような巨大要塞としてその姿を現します。そして、そこから小型の飛行物体、つまりUFOみたいなものが無数に飛び出してきて地球人に向けて容赦ない攻撃を開始する。

ここでまずちょっと唖然としてしまい「なんか違う番組が始まった」感があった。日米のロボット部隊の兵士たちのライバル関係みたいな話なのかと思ってたら、いきなりまるで宇宙戦争みたいな話になったからです。だが、これぐらいならまだ十分に意識を切り替えるのは可能で、そもそも勝手にミリタリー青春ドラマと思っていたのが間違いだったのだと思えた。もともと日米両軍が協力して宇宙からの侵略者と戦うお話だったのだと。

それでイサミやルイスの活躍を拝ませてもらおうと気持ちを切り替えて、突然に始まった宇宙人との戦争の行方を追いかけますが、なんだかどんどんヤバい状況になっていく。敵のUFOはバリアーみたいなのを張っていて地球側の攻撃が通用しない。それで地球側の航空機なんかは一方的に撃墜されていく。そして敵UFOは世界各地の大都市を襲撃して夥しい数の民間人も殺されていく。なんかずいぶん絶望的状況だなと、見ていてちょっと焦ってきます。それだけ絶望的状況の描写がハンパなく徹底しています。なんか「マヴラブ」とかに近い感覚です。

日米両軍が演習していたハワイ付近にも敵の要塞みたいなのが1つ落下してきていて、基地が攻撃を受けて壊滅的状況となる。それで演習地に展開していたTS部隊も基地の救援に行くことになり、実戦装備に切り替えた上で基地に急行します。そんな中でイサミは腕利きでクールなパイロットではあるが実戦は初めてであるので怖気づいてしまったりする。一方でノリと勢いで戦うタイプのルイスは敵UFOのバリアーが近接戦闘で攻撃を一点集中すれば破れるということを発見して、反撃の口火を切ります。そうして全員で奮戦して、なんとか味方の負傷者が撤退する時間を稼いでいたところ、敵の要塞からの熱線攻撃でTS部隊は壊滅し、ルイスやイサミは大破した搭乗機から投げ出される。そして搭乗機に中に閉じ込められて逃げられない同僚たちを救出しようとするイサミに向かって敵要塞の熱線の第二波が発射されて絶体絶命となりますが、そこで謎の光が天から降ってきて熱線を弾き返し、イサミは死を免れる。

ここからです。ここから今回、全く予想外の展開となり、この後はもう笑いが止まらなくなる。天から降って来て敵要塞の熱線を跳ね返したのは、なんと巨大なロボットであり、しかもこのロボットは「待たせたな、イサミ」「助けに来たぞ!」と爽やかな声で喋ったのです。なんかシャキーンって光ったりしてるし、カラーリングも赤と白を基調にして派手だし、デザインも派手だし強そうだし、動きがいちいちキザだし、明らかに日米両軍が保有しているリアルロボット系のTSとは別系統のスーパーロボット風に見えます。しかもロボットが喋るとなると、これは「勇者シリーズ」のスーパーロボットではないですか。最もリアルから遠いところにある「勇者シリーズ」のスーパーロボットが、この作品のここまでのリアルロボットの世界観の中に突然として現れたミスマッチ感は凄まじい。浮きまくりです。だが、それが面白くて仕方ない。

イサミは目の前に急に現れた現実離れしたスーパーロボットが喋って自分の名前を呼んだことに驚愕していました。当然こんなロボットの知り合いはいませんから、なんで自分の名前を知っているのかも謎すぎます。まぁそもそもロボットが喋ってる時点でありえないんですけど。しかもこのロボットはイサミに向けて手を伸ばして「さあ、私に乗ってくれ」とか言い出す。このロボット、なんでそんなにイサミに親し気なのか知らんけど、イサミもかなり戸惑います。でも、なんか凄い熱意で迫ってくるのでイサミも押し切られて搭乗口みたいなところからそのロボットの中に入ってしまう。

すると中は謎空間になっていて、イサミの周囲にコクピットのようなものが現れますが、なんか上の方に出現したレバーにイサミが触れようとすると「違う!それはまだ早い!」とか、なんかロボットが焦って一喝したりする。何なんだよコイツ。だったら出現させなきゃいいだろうに。もうワケが分からなくて、こいつが何か言うたびに笑ってしまいます。

それでイサミがとりあえず覚悟を決めて下の方にあるレバーを握ると、ロボットの顔がチェンジして、さっきまでの無表情な感じじゃなくて、ちょっと表情が動く感じのモードに変わる。なんか機械っぽくない生き物っぽい感じで、しかも喋るわけで、まさに「勇者シリーズ」っぽいスーパーロボットです。

そしてロボットが「さあ!行くぞ!」と気合を入れて敵要塞目掛けて突っ込んでいくと、BGMが高らかに「バーンバーンババーンバーンバババーンババーン!ブレイバーン!」という合いの手から始まって流れ始める。この戦闘曲の流れる中、勢いよく戦闘シーンが始まるが、ロボットの拳は敵UFOのバリアーを突き破って敵UFOを容易く撃破する。凄いパワーです。だが多数の敵UFOからのビーム攻撃によって動きがとれなくなってしまう。それでイサミが呆れて「迎撃用の装備は無いのか!?」と問うと、ロボットは「あ!」って思い出したように肩から剣のような武器を出して「バーンブレイド!」と叫んで剣を構える。いちいち名前言わんでいいだろ。てゆーか、イサミに言われるまで忘れてたクセに剣の名前だけはしっかり覚えてるとか、もうツッコミ処しかない。しかもこのバーンブレードを振うたびに「ズババババーン!」とかいちいち叫ぶのがウザくてウザくて。まぁ勇者シリーズのロボットなら仕方ないのかもしれないが、いちいちうるせぇ。黙って戦うということが出来ないのか。

更に、ここでイサミがキレ気味に「さっきから何なんだ!この歌!」と叫んでおり、なんとさっきからずっと流れていた戦闘曲は、てっきり視聴者にだけ聞こえているのかと思ったら、なんとコクピット内でもずっと流れていた模様。いや、戦闘中にそれは気が散るわ。もう笑い過ぎて腹が痛くてたまらん。しかしロボットはこの曲が流れている方がノリ良く戦えるのか、凄い勢いで戦って敵UFOの群れを撃破していく。というか、この戦闘シーンがすごい作画で、さっきまでのリアルロボット風の戦闘シーンも良かったけど、このスーパーロボット風のパースがムチャクチャな戦闘シーンの完成度が異様に高い。それが余計に場違い感が凄くて面白くて笑えてくる。

そしてロボットは敵要塞に突っ込みながら「さあ!一緒に叫ぶぞ!必殺技の名を!」とトンデモないことをイサミに向かって言い出す。一緒に必殺技の名を叫ぶことに一体何の意味があるというのか謎ですが、もうとにかく鈴村さんの声が、いや謎のスーパーロボットの声が凄い勢い過ぎて、ロボットが「勇気一刀流奥義!」と叫ぶと、思わずイサミも「ゆ、勇気一刀流奥義!」とか続けて叫んでしまう。ここ、イサミがちょっと涙目になってるのがツボでした。しかし「勇気一刀流」って何なんだよ。そして、それに続く技名は「ブレイブザーン」とロボットが叫び、その一振りで敵要塞を両断して撃破してしまった。もうワケが分かんないけど、とにかくここは構図がムチャクチャ格好良かった。

そして戦いが終わった後、一同は唖然としており、イサミもコクピット内で呆然としていた。そんなイサミにロボットが「これからもよろしくな、イサミ」と声をかけたので、イサミはどうして自分の名前を知っているのかという疑問を改めてロボットにぶつけたのだが、どうもこのロボットはマイペースすぎて会話が噛み合わないようで、自分の名前を名乗っていなかったと言ってイサミに詫びて、自己紹介を始める。そうしてロボットが名乗った自身の名前は「ブレイバーン」であった。いや「バーンブレイバーン」やないんかい。じゃあ「バーン」は一体何なんだよ。そうして再びあのウザい戦闘曲が流れて今回は終了する。どうやらこの曲がOP曲みたいですね。ちなみに歌っているのは鈴村さん、じゃなくてブレイバーン本人です。何なんだよもう。しかし、改めて聞くと古臭いけどムチャクチャ盛り上がる名曲でした。

 

 

即死チートが最強すぎて、異世界のやつらがまるで相手にならないんですが。

第2話を観ました。

今回は夜霧と知千佳が町に辿り着き、盗賊に襲われるが夜霧が全員殺して、その後、衛兵に連行されそうになるがギフトを持っていないので疑いが晴れて宿を紹介してもらう。その宿で夜霧と知千佳は別々の部屋に泊まるが、知千佳の部屋に知千佳の守護霊のもこもこが現れて知千佳を鍛えるとか言い出して、知千佳は特訓を受けたっぽいんですが、別にその後は強くなった描写は無かった。いずれ知千佳が戦う場面もあるのでしょう。

その後、クラスメイト達に追いつこうとして列車に乗っていると、勇者サンタロウとアグレッサーという侵略者のロボットが交戦しているのに巻き込まれて、それで夜霧が非道なサンタロウを殺してロボットと仲良くなる。一方、賢者の吸血鬼が勇者に襲われるけど返り討ちにして、賢者シオンとお茶会して夜霧に興味を持ったみたいです。相変わらずクズしか登場しないが、なんか全体的に意味が分からない。まぁまだ2話なので様子見を続けます。

 

 

百妖譜

第1話を観ました。

この作品は中国の小説が原作の中華ファンタジーみたいで、宋代の中国を舞台にしている物語みたいです。妖怪がたくさん出てくるみたいなんですが、それらの妖怪の原案はもともと「山海経」という中国古代の地理書に書かれていた妖怪たちみたいですね。そうした「山海経」の妖怪たちを使って宋代の中国を舞台にした物語を新たに作った中国の小説を原作として中国で作られたアニメ作品の日本語吹き替え版であり、中華アニメということになります。だから完全に中国の価値観で制作されている。中華アニメでも現代を舞台にしているものはまだ現代日本人の感覚でも親近感は持てるんですけど、昔の中国を舞台にした中華アニメはちょっと価値観が理解出来ないものが多いです。その点、同じように昔の中国を舞台にした作品でも「薬屋のひとりごと」みたいに日本人が作った作品とは全然違う。この作品も価値観がどうも理解出来なかったので1話切りさせていただきます。

 

 

メタリックルージュ

第1話を観ました。

この作品はオリジナルアニメで、SF設定のバディものということぐらいしか事前情報は入れずに観ました。あと制作会社のボンズの25周年記念作品ということで、作画や演出がかなり気合の入ったものになるのだろうとは思っていました。あとはストーリーさえ面白ければ今期の本命作品となるんじゃないかと期待していました。それで今回ついに第1話を観たわけですが、ストーリーも面白くなりそうだと思えました。ただ、まだムチャクチャ面白くなるとまでは確信は出来ず、つまらないということはないだろうということぐらいは確信出来たという感じ。

ちょっと難しそうなストーリーなんですよね。それをあんまり説明的に描かないようにした第1話という感じだったので、まだ分からないところが多い。なんか一般ウケを狙う気があんまり無くて、我が道を行くという感じの作りになっているようです。説明ゼリフというようなものがほぼ一切無くて、断片的に散りばめられた事実を拾い集めて、何となく物語の輪郭が見えてくるという印象でした。そういう硬派なSF作品は私は大好物ですけど、世間的にはあんまり人気は出なさそうですね。

ただ第1話単体としてはしっかり1つのストーリーが完結していて、これはこれで完成度は高かったと思います。加えて期待通りの作画と演出のハイレベルさでしたので、高評価せざるを得ない。ただ物語の全体像がまだ見えてこない点でどうしても物足りなさはありますが、それはそういう全体の構成なのだから仕方ない。第1話単体の評価はそれとは別問題ですから、今回とりあえず高評価とします。これから物語の全体像が徐々に分かってきて、尻上がりに面白くなってきてクール後半はかなり盛り上がってくる作品になりそうで、個人的にはかなり有望株と思えました。私のランキングではこういう作品が最終的に1番になるパターンが結構多いのです。まぁ今期は他にも結構そうなりそうな作品があるので、まだどうなるか分かりませんが、それら他の作品もまだ最高に盛り上がってるというわけでもないので、現時点ではこの作品は相対的にはかなり上位ということになりそうです。

物語の舞台は火星であり、近未来の設定のようです。人間が火星に移住して都市を築いて豊かな社会を形成している世界観なんですが、この火星の都市では人間と「ネアン」という人造人間が共に暮らしており、ネアンは下層市民のような扱いで人間に使役されていて重労働などしているみたいですね。人間はネアンを差別し迫害しており、人間よりも格下の存在として扱っており、ネアンには人間に逆らうことが出来ないようにする「アジモフ・コード」という装置が埋め込まれているようで、人間の理不尽な迫害に従うしかないようです。

また、ネアンは定期的に「ネクタル」というエネルギー体のようなものを打たないと機能停止してしまうようですが、このネクタルは人間が打つと気持ち良くなれる麻薬のような作用もあるようで、裏では高値で取引されているようです。本来はネアン専用のものですから下層労働者であるネアンが高値でネクタルを手に入れているというわけではなく、ネアンには安価で提供されているのでしょう。だからネクタルを高値で買っているのは本来はネクタルを所有し使用してはいけない人間なのであり、人間を相手にネクタルを違法に高値で売る犯罪組織があるみたいです。そしてネアンからネクタルを奪って高値でそのような犯罪組織に売り飛ばす不心得者の人間もいるみたいです。

そういう不心得者たちが自分たちを正当化するために流しているデマなのかどうかよく分かりませんが「ネアンは宇宙人のスパイ」という噂もあるようです。ただ、それが突拍子も無い話という扱いも受けていないようです。この時代の人間たちは「宇宙人」を「来訪者」とも呼んでおり、宇宙人の実在そのものは疑っていないようです。ただ「ネアンが宇宙人のスパイ」というのは信憑性の低い話という扱いは受けているようですが、そんな噂が一応成り立っているということは、ネアンが人間社会が作り出したものだという確固たる証拠も無いということなのでしょうか。このあたりどうにも奇妙です。

そのあたりはまだ謎なんですが、とにかく今回はこのネクタル密売組織については「人間がネアンを搾取している」というこの物語世界の中で描かれる人間社会の歪さを表現するために登場しているという印象で、今回のメインストーリーとは関連はあることはあるんですが、あくまで本筋ではない。今回はこの密売組織に潜入した謎のネアンの犯罪者であるらしきジャロンという男が暗躍していたり、密売組織のボスの愛人であるクラブの歌姫のサラが今回のもの物語の主役バディの標的であるという程度の関わりとなります。

今回の本筋のストーリーは、このクラブの歌姫のサラの付き人をしているボーッとした少女ルジュが実はネアンであり、ナオミという捜査官らしき人間の女の指示でサラの正体を探っているということがストーリーが進むにつれて判明してくる。そしてサラの正体も実はネアンであり、ナオミはサラの正体は「インモータル・ナイン」の1人である「煉獄のヴァイオラ」だと見なしている。この物語世界におけるネアンは明らかに人間と見分けがつく人造人間としての姿形をしているのだが、ルジュにしてもサラにしても外見上は全く人間と見分けがつかない。それはつまり彼女らが特別製のネアンだということなのでしょう。そして、「インモータル・ナイン」というのはそうした特別製のネアンの重大犯罪者のメンバー9人ということなのでしょう。後でジャロンもそのうちの1人であるということが分かり、ルジュはその一員ではなく、むしろその9人を狩る側の特殊なネアンだということも判明します。

ストーリーが大きく動き出すのは、サラが「赤いグラディエイター」と呼ぶ怪人に襲われたことに端を発します。どうやらサラはインモータル・ナインの命令でネクタル密売組織のボスに近づいて愛人となり密売情報を手に入れて、インモータル・ナインにその情報を流したようです。ジャロンが密売組織に潜入していたのはサラの情報に基づいてネクタルを横取りするためであったようです。ただ、インモータル・ナインがネアンで構成される組織だとするなら、ネクタルは本来はネアンの所有物であり、それを人間に売るために横取りした密売組織の方が本来は泥棒のようなものですから、インモータル・ナインはネクタルを正当な所有者に戻そうとした、ある意味では正義の行いをしようとしたとも解釈出来ます。

ただ、ジャロンの言うには、その作戦は失敗したとのことです。赤いグラディエイターが現れて密売組織の構成員を皆殺しにして大量のネクタルを奪っていってしまったので、ジャロンはネクタルを手に入れることが出来なかったそうです。そして、その赤いグラディエイターがサラのことも襲撃した。つまり赤いグラディエイターはインモータル・ナインを敵視している者なのであり、既にインモータル・ナインのうちの2人が赤いグラディエイターに殺されているみたいです。

それでサラは次は自分が狙われるのではないかと恐れます。しかし、どうもサラの立場は微妙みたいです。サラやジャロンで構成されるインモータル・ナインが属する組織の名前は「アルター」というようですが、サラはそのアルターから抜けようとしていたようです。サラは組織を抜けるのを許してもらう見返りに今回の情報を提供したみたいです。だが、そうしてサラがもたらした情報に乗ったところ、赤いグラディエイターが現れてネクタルが奪われたので、組織のトップの「シルヴィア」というボスはサラがそもそも裏切っているのではないかと疑っているようで、サラを赤いグラディエイターから守ろうとはしてくれないようです。まぁ結局、組織を抜けようとしている時点でサラは組織から切り捨てられているのでしょう。

ただジャロンは個人的にはサラの手助けをしたいと言ってサラの相談に乗ってくれます。それで最近身辺に近づいてきた者はいなかったかとジャロンに問われて、サラは最近ルジュを付き人に雇ったことに思い当たり、ルジュが赤いグラディエイターなのではないかと疑う。それでルジュを待ち伏せしてサラはルジュと2人きりになり、ルジュは既にナオミからサラが「煉獄のヴァイオラ」だと聞いていたので2人は対決ムードとなりますが、そこにいきなり赤いグラディエイターが現れてルジュを襲い、ルジュは吹っ飛ばされてしまう。

サラはてっきりルジュが赤いグラディエイターだと思っていたのでビックリしますが、その場に現れた赤いグラディエイターはジャロンが擬態した姿だった。つまり、密売組織の構成員を皆殺しにしてネクタルを奪ったのも、サラを襲ったのも、赤いグラディエイターに化けたジャロンの仕業だったのです。どうしてそんな手の込んだことをしたのかというと、サラに「自分が赤いグラディエイターに狙われている」と思い込ませて、サラが赤いグラディエイターと戦うように仕向けようとしたからでした。アルターにとって赤いグラディエイターは脅威であり、戦わねばいけない相手であったが、戦うのはリスクを伴うことであったので、組織を抜けると言っている裏切り者のサラを赤いグラディエイターにぶつけることを思いついたようです。組織はサラに組織を抜けた後の平穏な暮らしなど提供する気は毛頭無かったということですね。

では、どうしていきなりジャロンが乱入してきたのかというと、サラがルジュと戦う気が無いことに気付いたからです。サラはルジュのことを気に入っており、仮にルジュが赤いグラディエイターであったとしても話し合いでカタをつけようとしていたのです。だがルジュがサラの正体を知っていたことから、ジャロンはルジュは敵であると判断し、敵である以上は始末すべきだと考え、サラが殺す気が無いのなら自分が殺そうと思ったようです。ただ、さすがにルジュが全く無抵抗に倒されたのでジャロンも拍子抜けし、サラはルジュは赤いグラディエイターではなく普通の人間だったのだと思い、自分の判断の過ちを悔やむ。

だがここで死んだと思われたルジュが赤いグラディエイターに変身し、実はルジュこそが本物の赤いグラディエイターであったことが判明する。そしてルジュは赤いグラディエイターではなく、その変身態の真の名前「メタリックルージュ」を名乗り、ジャロンは逃げ去り、サラは覚悟を決めて「煉獄のヴァイオラ」という戦闘モードに変身し、ルージュとヴァイオラの戦闘が開始される。

ヴァイオラは戦いながら「なぜ私たちを殺そうとするのか?」とルージュに問いかける。ヴァイオラはネアンとして人間に迫害されて貧しい暮らしを送ってきて、ただ自分も人間と同じように幸せになりたかっただけで、それでアルターを頼り、インモータルナインに昇り詰めたようです。そして最終的には「ただ自由に歌いたかった」という理由でアルターからも抜けて幸せになろうとした。だが組織には裏切られ、ルージュには命を狙われる。どうしてそんなことになるのか。幸せになろうとするのが何がいけないことなのか。自分たちと人間のどこが違うというのかと、ヴァイオラはルージュに問いかけ続けますが、ルージュは何も答えない。そしてナオミの支援を受けてヴァイオラに勝利し、核のようなものを抜き取って去っていく。ヴァイオラが死んだという明確な描写は無かったが、おそらく死んだのでしょう。

ルジュもまたネアンであり、ネアンが人間に理不尽な迫害を受けていることは知っており、ヴァイオラの気持ちも理解は出来たはずです。だがヴァイオラも最終的にアルターを抜ける道を選んだということは、やはりアルターやインモータルナインは大きな過ちを犯しているのでしょう。だから、たとえネアン側に理があったとしても、ルジュもナオミも戦い続けなければならないのであろうと思われ、ルジュとナオミが次の目的地を目指して旅立っていくところで今回は終わり、次回に続きます。