2023夏アニメ 8月3日視聴分 | アニメ視聴日記

アニメ視聴日記

日々視聴しているアニメについてあれこれ

2023年夏アニメのうち、8月2日深夜に録画して8月3日に視聴した作品は以下の4タイトルでした。

 

 

Helck

第4話を観ました。

今回は遂にこれまでのコメディ展開からシリアス展開に移行しました。まぁ相変わらずギャグも挟みながらなのですが、新たに多くの謎を増やしながら急激な展開が描かれたのでした。これまでに出てきた謎についてはほとんど解明されないままですので謎が増えまくっただけみたいな感じになりましたが、とにかく面白いので文句は無いです。

まず前回のラストシーンの続きで、ウルム城での魔族側の魔王候補4人組と翼の兵士の戦いが描かれます。前回ラストでヒュラが翼の兵士のリーダーに腕を斬り落とされてしまったが、ヒュラにトドメを刺そうとする翼の兵士のリーダーをヴァミリオは止めようとはしない。ケンロスとドルーシは他の翼の兵士の相手をしており、ヒュラを救えるのはヴァミリオだけであったがヴァミリオがヒュラを救おうとしなかった理由は2つある。そのうち1つはヘルクの出方を見極めるためだった。もしヘルクがヒュラを見殺しにするようならヘルクは魔族の敵だと判断できる。だがヘルクは翼の兵士がヒュラにトドメを刺すのを制止した。

ただ、ここでヘルクは翼の兵士のリーダーを「エディル」という名前で呼び、そう呼ばれた翼の兵士のリーダーもヘルクに対して「お久しぶりです」と挨拶して兜を取る。このエディルという翼の兵士のリーダーはどうやらヘルクとは旧知であるようでした。そしてヘルクとエディルは謎めいた会話を交わす。ヘルクは「自我を無くさずに済んだようだな」とエディルに声をかけ、エディルは「俺は覚醒率が高かったようなので」と答え、「覚醒率」というものが低い者は自我を失うのだということを示唆した。そしてヘルクもそうした「覚醒」というものの起こす現象について把握しているようでした。

思うに、そうしたヘルクとエディルの会話にも全く興味を示すことなく戦い続けている他の翼の兵士たちは「自我を失くした」状態なのでしょう。つまり「覚醒率」というのが低い連中のようです。つまり「覚醒」をした物が「翼の兵士」なのであり、ヘルクとエディルが旧知であることから、エディルや他の翼の兵士たちも人間なのだろうとヴァミリオは思った。翼の兵士が人間の領域からやって来たことも考え合わせると、やはりそういうことなのだろう。人間が「覚醒」というものをすると翼が生えて「翼の兵士」になるのだろうとヴァミリオは思った。

しかし「変身」ではなくて「覚醒」というのが気になる。まるで人間の本来の姿が「翼の兵士」のような姿であり、本来の姿に覚醒したということのようにも聞こえる。そうなると全ての人間が「翼の兵士」に変わる可能性もあるということになる。エディルは「戦えば戦うほど覚醒率が上がる」というようなことも言っており、「覚醒した仲間はまだこれからやってくる」とも言っている。そして魔界の奥に進み魔族と戦うのだとも言う。やはり翼の兵士の目的は魔族の殲滅であるようです。

ただ、こうして翼の兵士たちと相対してみて分かったが、翼の兵士は確かに通常の人間よりは強いが、それでも魔族に勝てるほど強くはない。実際ヴァミリオに襲い掛かった翼の兵士は一蹴されたし、ケンロスもドルーシも翼の兵士を倒している。だからヴァミリオは翼の兵士が魔界に進撃してくると聞いても、それほど脅威には感じなかった。

しかし、ここでエディルは意外な言葉を放つ。「自分たちは勇者として覚醒した」と言うのです。これを聞いてヴァミリオは驚愕する。勇者というのは人間界では滅多に現れないものだからです。それがこんな大量に現れるわけがない。いや、そもそも勇者がこんな程度の強さであるはずがない。勇者といえば魔王を倒せるほどの強さを持つ存在である。こんなヒラの魔族のケンロス達に倒される勇者などいるはずがない。いや、実際にウルム城の魔王ウルムは翼の兵士たちに倒されているが、それはあくまで翼の兵士の数に押し切られたのだろうとヴァミリオは思った。

だが、ここでヴァミリオは先ほどから気になっていた、エディルの言っている「覚醒率」という言葉の意味がハッと腑に落ちた。おそらく翼の兵士の中でも「覚醒率」の高い者もいれば低い者もいるのだ。実際、ヒュラの腕を一瞬で斬り落としたエディルは他の翼の兵士より強い。そのエディルは自身のことを「覚醒率が高い」と言っていた。エディルぐらい覚醒率が高い翼の兵士がまだ数多く存在しているのなら魔王ウルムが討たれたのも分からないことはない。

ただ、それでもエディル程度の強さならばまだ本物の勇者にはほど遠い。そのエディルがリーダーであるということは、まだ翼の兵士たちは勇者として完全には覚醒していないのだ。エディルも「戦えば戦うほど覚醒率が上がる」と言っており、つまり、翼の兵士たちはまだ勇者として覚醒したばかりであり、発展途上なのだとヴァミリオは気付いた。

一体どうやって人間たちが勇者に覚醒する方法を編み出したのかは全く謎だが、それにしてもそうなるとこれは厄介なことになったとヴァミリオは思った。エディルの言葉を聞く限り、翼の兵士たちは戦い続けながらどんどん覚醒率を上げていき魔界を進軍していき、遂には全員が完全な勇者に覚醒して魔族を滅ぼして「人間だけの平和な世界」を作ろうとしているらしい。実際、翼の兵士たちが全員完全な勇者に覚醒してしまえば魔族の王都は滅ぶだろう。いや、そもそも人間全員が勇者になるかもしれないのだ。そうなれば魔族に生き残る道は無い。

これまでは唯一の勇者であるヘルクの動向さえ注視していれば魔族を守れるとヴァミリオは思っていた。しかし人間全員が勇者に覚醒するかもしれないとなると、もうヘルクの動向などどうでもよくなってくる。人間たちが完全なる勇者に覚醒してしまう前に一刻も早く滅ぼさねばならない。それしか魔族の生き残る道は無い。これまでは人間界と魔界に住み分けて何とか共存してきたが、人間側が勇者に覚醒して魔族を滅ぼすという意思を明らかにした以上、魔族側も自分たちが生き残るために人間を滅ぼすしかなくなってしまった。最悪の選択だが、もうそれしか道は無いのだとヴァミリオは思った。

そう決意してヴァミリオは翼の兵士たちに攻撃を開始して倒していく。また、ヒュラも起き上がってエディルを奇襲してその翼を斬り落とした。ヴァミリオがヒュラを助けようとしなかった2つ目の理由がこれだった。ヒュラは再生能力の強い種族で、腕が斬り落とされてもすぐに再生する。だからヴァミリオはヒュラがエディルにわざと斬られて油断を誘っているのだということは分かっていたのです。ただ、そうしてエディルの油断を突いたヒュラはエディルの首を斬ることも造作も無かったはずだが、あえて翼を斬ってエディルを殺さなかった。また、ヴァミリオも翼の兵士を全滅はさせずに半分は残して戦いが終わらないようにしていた。それはこの戦いが新魔王を決める決勝戦でもあるからであり、ヘルクとヒュラとで翼の兵士のリーダーであるエディルを倒すという目的に向けて競い合う必要があるという判断だったからでした。いや、要するにヴァミリオもヒュラも、ヘルクがどう動くか見極めようとしていたのです。

魔族が生き残るためには人間全てを滅ぼすしか道が無くなったとはいっても、いずれにせよ新魔王は決めねばならない。そしてヘルクが本当に本気で新しい魔王になって人間を滅ぼすというのであれば、こんなに心強いことはない。しかし、もし既に完全覚醒した勇者であるヘルクが人間側の味方をするとなれば、ただでさえ翼の兵士の出現で危機が高まっている中、非常に深刻な状況となる。だから出来るだけ早くヘルクが敵か味方か判別して、敵に回ると分かればこの場で全力を倒しておかねばいけないとヴァミリオもヒュラも思っていた。だからヒュラはヘルクの旧知であるエディルを絶体絶命の状況に置いて、ヘルクがそれに対してどう動くのか見極めようとしたのです。そして、エディルにトドメを刺そうとしたヒュラの剣をヘルクが止めたことにより、ヴァミリオもヒュラもヘルクは魔族の敵であり人間の味方だったのだと結論づけた。

ところがヘルクはここで奇妙なことを言う。ヒュラに対して「翼の兵士は殺してはダメだ」と言うのです。ヒュラやヴァミリオはそれがどういう意味か分からず困惑するが、エディルはヘルクの言葉の意味が理解出来たようで「ヘルクさん、まさか」と何かを言いかける。すると上空から剣が降ってきてエディルの身体を貫く。見上げると上空には新たに飛来してきた翼の兵士が1人浮かんでおり、どうやらその新手の翼の兵士がエディルを攻撃したようです。どうして仲間であるエディルを攻撃したのか謎ですが、エディルはそのこと自体はそう意外なことではなかったようで、そのままさっきのヘルクへの言葉を続け「全て知っているんですね。知った上で」と言う。

つまり、どうやらエディルがここまでヘルクに対して言っていた言葉は決してエディルの本心ではなかったようなのです。勇者に覚醒した翼の兵士が魔界に進軍して魔族を滅ぼして人間だけの平和な世界を作るということをエディルは得意げに喋っていましたが、それに対して確かにヘルクはずっと冷ややかに黙って聞いているだけでした。あれはヘルクが魔族側についているとかそういう理由ではなく、根本的にそれがエディルの真意ではないと分かっていたからだったのでしょう。

どうやら何か重大な事情があるようですが、それが何なのかは分かりません。ただヘルクはその事情を知っているみたいで、その事情を知った上でヘルクはこうして魔界に来ているみたいです。そして、ヘルクは翼の兵士を殺すと何か良くないことが起こるということも知っているみたいです。ヒュラに対して言った「翼の兵士は殺してはダメだ」という言葉のニュアンスは、単にエディルを殺してほしくないという意味ではなく、エディルを殺すことでヒュラたち魔族側にも何か良くないことが起きるというニュアンスに感じられました。

ただヘルクもエディルが知っている事情の全てを把握しているわけではないようで、エディルが続けて「あと少しで道は完成だったのですが仕方ありません」と言うのを聞いて「道?」と問い直している。だが「あなたとは戦いたくない」というエディルの言葉を聞いて何かを察したようで、慌ててヴァミリオたちに向かって「すぐここから離れるんだ!」と叫ぶ。だが次の瞬間、彼らの立っている地面が崩壊して、その下に出現した真っ黒な空間に彼らは落ちていく。

そしてヘルクは何処かに消えてしまい、ヴァミリオたち魔族4人がその底に降り立つと、そこには奇妙な装置があった。それは魔族の城を魔界の毒から守る結界を作り出す結界石みたいだったが、その上に変な穴のようなものが浮かんでいた。それを見てヴァミリオは「空間移動術で作られたゲート」だと言う。空間移動術というのは魔族の世界でも未完成に終わった技術のはずだったが、どうやら翼の兵士が術を使ってウルム城の地下の結界石を利用してゲートを開いたようだった。

つまりエディルが言っていた「道」というのはこのゲートのことなのであり、翼の兵士たちがウルム城を占領した真の目的は城の地下の結界石を利用してこのゲートを開くことだったのだと思われます。そんな技術をどうやって翼の兵士たちが手にしていたのかも謎ですが、つまり翼の兵士たちが魔界に攻めてきた真の目的は魔族の殲滅ではなく、いや魔族の殲滅も目的なのかもしれないが、最重要の目的は何処かに繋がる「道」を開くことだったようです。しかし一体どこに繋がる「道」なのでしょう?また、ヘルクもこの「道」について知らなかったようですから、翼の兵士の計画の全貌まではヘルクも把握はしていないのでしょう。ただエディルの言葉を聞いた後すぐにヴァミリオ達に逃げるよう指示しているところを見ると、空間移動術を利用した何らかの仕掛けがあるというところまでは把握していたのではないかと思います。

ゲートの先には何があるのか?それについてはケンロス達は「人間の国があるんじゃないか」と言っていますが、果たしてどうでしょうか。翼の兵士たちは城の外から攻めてきたので、少なくともこのゲートを使って人間界から現れたわけではないでしょう。城を占領してからゲートを開いて、そのゲートを使って人間界に帰ろうとしていたとも考えられるが、来る時はゲートを使っていないのだから帰る時だってゲート無しで帰れそうなものです。それにそんな魔界と人間界を繋ぐゲートなんてものがあったら、ゲートを通って人間界に魔族が来る危険もあるわけで、そんなものをわざわざ作る意味がよく分からない。

ただ、何にしてもエディルの言葉を聞く限り、このゲートは未完成のようですから、本来の目的地に繋がっていない可能性が高いとヴァミリオは判断した。しかもこのゲートは術が途中で放棄されて失敗しているので暴走し始めているようで、ヴァミリオ達は吸い込まれそうになる。このままでは何処かワケの分からない世界に飛ばされてしまうかもしれない。ドルーシの結界で一旦危機は脱しましたが、それも長くはもたない。こうなったらドルーシの結界が消える前に結界石を破壊してゲートのパワーの源を断ち閉じさせるしか生き残る道は無い。

そういうわけでヴァミリオがドルーシの結界から飛び出して結界石に接近して攻撃して破壊することにしたのだが、結界に吸い寄せられた変な置物みたいなものがヴァミリオの後頭部を直撃してヴァミリオが一瞬気絶してゲートに吸い寄せられてしまい、すぐに目覚めて結界石の破壊に成功しますが、すぐにゲートは閉じないのでそのままヴァミリオはゲートに吸い込まれていく。するとそこにヘルクが現れてヴァミリオを救い出そうとするが、ヘルクもヴァミリオと一緒にゲートに吸い込まれてしまいました。そうしてヴァミリオが目覚めると、そこにはヘルクの姿は無かったがヘルクのマントはあったので一緒に何処かに飛ばされたのは間違いない。そしてその場所は何だか南の島みたいな場所でしたが、よく見ると青空には月みたいなものが2つ浮かんでいたりして、奇妙な場所でありました。さて一体どうなるのか次回が楽しみですね。

 

 

自動販売機に生まれ変わった俺は迷宮を彷徨う

第5話を観ました。

今回はまずハッコンがヒュールミと一緒に魔導具のコンテストみたいな大会に出るんですが、そこで他の魔導具技師が出してきた魔導具が死んだ人間の魂を閉じ込めたロボットみたいなやつで、それが暴走して大会がメチャクチャになり、ヒュールミが暴走を止めて死者の魂を救ってあげるという話が描かれました。なんかいきなりホラー展開でしたが、ハッコンが全く活躍せず、役に立っていなかった。

その次は、なんか大手食堂チェーンがハッコンのいる集落に進出してきて集落の飲食店がピンチだということで、ハッコンがインスタント食品の自販機にフォームチェンジして食べ物を出して、それを参考にして集落の飲食店が新メニューを開発して大手食堂に対抗して勝利するというお話。まぁ自販機を使ったお話としては悪くはないんですけど、さすがにちょっと飽きてきたかも。単に自販機ネタだけで話を作るのはそろそろ限界かもしれないですね。

最後は、愚者の騎行団の団長が次の遠征にハッコンも一緒に行ってほしいと頼んでくる。前回助けてもらった恩もあるし、ハッコンはラッミスが行くというのなら行くことにします。そしてラッミスも強くなるために遠征に行きたいと言う。ラッミスは魔物に故郷の村を全滅させられて親も殺されたという過去があり、魔物に仇討ちをしたいみたいです。そのためにはハンターとして経験を積んで強くなりたいみたいです。そんなラッミスをハッコンが花の自販機にフォームチェンジして花を渡して励ますというところで今回は終わり、次回は遠征に向けての話になるんでしょうかね。実際、自販機ネタで話を作るのはそろそろ限界という印象なので、遠征とか仇討ちという展開は良いんじゃないかと思います。今後に期待しましょう。

 

 

わたしの幸せな結婚

第5話を観ました。

今回は遂に波乱の展開となりました。これまでも不穏なムードはあったのですが、いよいよ辰石家の当主の実が行動を開始しました。前回で清霞が美世に結婚を申し込む形になり2人の絆は完全に出来上がり幸せいっぱいになったわけですが、その2人の幸せを潰しにかかろうという陰謀が動き出し、美世が誘拐されてしまう展開となりました。

まず冒頭は美世と清霞の幸せいっぱいラブラブな場面から始まります。初デートの時に行った呉服屋の女主人が久堂家にやって来て、美世に反物を合わせてくれます。この時初めて美世は清霞が自分の着物を作るために初デートに連れ出したのだと知ったことになります。それで美世は感激して清霞に礼を言いますが、清霞は背を向けて素っ気ない態度で、照れている様子です。ただ清霞の表情はまだ硬く、デレデレという感じではない。どうやらまだ清霞には心配ごとはあるようです。

心配事の1つは、奇妙な式神による監視などの不穏な動きで、どうやら美世が薄刃家の血を引くことと何か関係があるようだが詳細は分からない。そしてもう1つは、前回の話で清霞が斉森家に出向いて美世に謝罪するよう求めた件です。それに関してまだ斉森家から確とした返事は無いようです。清霞が斉森家に美世への謝罪を要求した理由は、それによって美世の心の傷が癒えることを期待してのことでした。美世の心の傷については清霞がプロポーズしたことによってだいぶ癒えたとは思いますが、それでもまだ完全ではないと清霞は思っているのでしょう。だからまだ清霞は浮かない顔をしていると思われます。それに沈黙を決め込んでいる斉森家も不気味で、そういう点も清霞は引っかかっているのでしょう。美世が薄刃家の血を引くことを知っているのも斉森家であるし、もともと美世に危害を加えていたのも斉森家ですから、清霞は例の式神も斉森家の差し金ではないかと疑惑を抱いているのでしょう。

おそらく清霞は斉森家と辰石家の間で薄刃家の血を引く美世を譲り渡す密約があったことなど知らないでしょうから、式神の一件の背後に辰石家が存在しているとは気付いていない。その辰石家の当主である辰石実は、美世が清霞と仲が深まっていることに危機感を募らせていました。実も斉森家当主の慎一も、清霞は異能を持たない美世をすぐに斉森家に返すと見越していたのです。だから、美世が斉森家に戻されてから辰石家で引き取れば良いと思っていたところ、予想外に清霞が美世を気に入ってしまっているので美世を手に入れられなくなり計算が狂っているのです。

そこで実はとりあえず清霞の身辺や久堂屋敷の周りを式神で探ったのでしょう。おそらく実は清霞が美世の過去を調べたり美世が薄刃家の血を引くことを知ったことなどまでは把握していない。たまたま清霞がそのことを知った直後に実が送った式神の存在に気が付いたので、美世を狙った動きであると直感しただけであり、実際は実は清霞の身辺を探っていたのでしょう。また久堂家の屋敷には結界が張ってあるので式神は侵入できず、だから実は美世と清霞の仲がどれほど深まっているのか詳細は把握出来ていないと思われます。

だから実は斉森家の慎一から聞いた話として「久堂家から婚約者候補を寄越すよう言われたので美世を送るしかなかった」という状況から、清霞が何となく美世を気に入っているという程度の話だと思っていた。そして、それならば異能を持たない美世ではなく異能を持つ香耶が婚約者になるというのであれば清霞はその話に乗って美世を送り返してきて、辰石家が美世を手に入れることが出来ると考えた。それで実は香耶に「美世が久堂家で幸せになっている」ということを教えて対抗意識を煽って、香耶が「自分が美世に代わって久堂家に嫁ぎたい」と言い出すよう仕向けた。

香耶と婚約した幸次がもともと美世と想い合っていたことは実も把握していたし、香耶がそのことを知っていることも実は把握していた。香耶は子供の頃から母の香乃子に美世には絶対に負けないようにと叩き込まれてきたので、美世が自分よりも幸せにしているのは許せない性格に育っており、美世と仲の良かった幸次を奪って自分の婚約者としたことで勝ち誇っていたのだが、幸次が自分を愛していないことも分かっていた。しかし美世が格上の家柄である久堂家の当主である清霞と婚約者となり幸せになっているということになると、幸次に愛されていない自分よりも美世の方が幸せに思えて香耶にとっては耐えがたいことであった。だから香耶は美世の幸せを壊して自分が代わってその幸せを得ようとして清霞の婚約者の地位を得たいと思う。

香耶の性格ならばきっとそんなことを考えるだろうと見越して、実は「本来は香耶が久堂家の嫁になるはずだった」かのようなことを言って香耶をたきつける。すると香耶はまんまとその思惑に乗せられて、父の慎一に自分が久堂家に嫁げるようにお願いすると言い出す。それを聞いて実は愚かな娘は扱いやすくて助かるとほくそ笑みます。これで香耶の懇願を受け入れて慎一が香耶を久堂家に差し出せば美世は久堂家を追い出され、そうなれば美世は辰石家のものとなるだろうと実は考えるのでした。

そんなことになっているとは露知らず、美世は先日、花と再会させてもらったお礼にということで、花を久堂家の屋敷まで連れてきてくれた五道も招いてもてなしたいと言い出し、五道は命令されて車の運転をしただけで別に大したことはしていないのだが、それでも美世が是非にというので清霞も美世の意思を尊重して、五藤を自宅に招いて夕食会をすることとなった。

そうして清霞が五藤と一緒に屋敷に戻ってくると、美世は新調されたばかりの例の桜柄の振袖を着て出迎えた。これを見て五藤が綺麗だと褒めるのですが、これは清霞が美世のために自分で初めて選んだ反物でこしらえた振袖です。その初お披露目なのだから清霞を差し置いて五藤がまず最初に褒めるのはちょっとマズいでしょう。私が清霞なら五道は出入り禁止にするレベルです。まぁ五道はそんな経緯で作られた振袖とは知らないし、初お披露目とも知らないのだから単に褒めただけなのでしょうけど、清霞の方はそんな五道の不調法も気にならないぐらいに、その振袖を着た美世の美しさに見惚れてしまったようで、呆然として「綺麗だ」と言います。これを聞いて、五道に綺麗だと褒められた時は普通に対応していた美世も顔を赤らめて俯いてしまい、全く五道と清霞では対応が違う。もう凄いラブラブだと悟った五道が来たのを後悔するレベルでした。そうして美世は五道をもてなし、五道は美世と清霞のラブラブっぷりをさんざんからかったりして酔っ払い帰っていきました。

一方、香耶は斉森家の屋敷に戻って父の慎一に自分を久堂家の嫁にやってほしいと頼み込むが断られてしまう。慎一は先日、清霞がやって来て美世と結婚するつもりだと言われ、しかも美世に心からの謝罪をしなければ結納金も渡さないと脅されていたので、そんな状態で美世ではなく香耶を婚約者として差し出すなんて言ったら清霞を刺激しかねないと思い、香耶の素っ頓狂な頼みなどマトモに取り合う気にもなれなかったのです。

そもそも慎一は清霞に迫られた美世への謝罪についてはどうするつもりなんでしょう。おそらく慎一自身は形ばかりの謝罪ぐらいは平気でやれる人間なのでしょうから、金欲しさに心からの謝罪をするフリぐらいするでしょう。しかし、おそらく妻の香乃子が美世の母への憎悪もあって意地でも美世に謝罪などしたくないと言い張っているのだと思います。それで慎一としても身動きが取れないで困っているのだと思われ、そんな窮地で香耶の変な思い付きの相手などしていられないという気分なのでしょう。

しかし、それでは香耶の気が収まらない。父の慎一が味方になってくれないという悔しさを打ち消すために安直に味方を作ろうとして幸次に声をかける。幸次は美世のことを好きで、美世が久堂家に婚約者として行ったことに納得していないはず。ならば美世の代わりに自分が久堂家に行くことに賛同してくれるはずだと考えて、香耶は幸次に「美世お姉さまと婚約できる」という話を持ち掛け、幸次の父の実も協力してくれると言っているのだから幸次にも協力してほしいという話をする。ただ慎一に断られてしまった以上、現時点で具体的な作戦があるわけでもなかったので香耶はそれ以上は幸次には詳しい話はしなかった。

実の方は香耶を愚かな娘で使い勝手が良いと舐めていたのでしょうけど、香耶がこの秘密の動きを幸次に喋ってしまうほど愚かだというのは計算外だったと思います。実際、実は幸次の助けなど必要としておらず、むしろこうして不用意に香耶が幸次に喋ってしまったために幸次が父の実と香耶が美世に絡んだことで何かおかしなことをしようとしていることに気付いてしまった。それで翌日、幸次が気になって実家の辰石家に行ってみると、異能者と思われる怪しい連中が出入りしていて物々しい雰囲気となっており、幸次はますます疑惑を深めていく。それで屋敷に入り、父の書斎に行くと、実もいきなり幸次が来るとは予想していなかったようで、書斎の中には実と香耶が2人で密談中で、幸次は驚きます。

実は香耶から慎一に相手にされなかったという話を聞いて、香耶を使って慎一を動かして美世を久堂家から返してもらう作戦は頓挫したと悟った。そこで、斉森家の当主である慎一があくまで美世と清霞の婚姻を進めるというのであれば、美世自身に清霞との婚姻を辞退させるように仕向ける作戦に変更しようという話をして、その手配をしていたところであったのです。そこにいきなり幸次が乗り込んできて、香耶が「お姉さまと婚約者を取り換えるのよ」と幸次に説明を始めたのを見て、実は香耶が幸次に秘密を喋ってしまったと悟り、ちょっと面倒なことになったとは思った。

幸次の方は香耶が美世の口から婚約破棄させるようなことを言っているのを聞いて、いったい父と香耶が美世に何をしようとしているのかと驚き、疑惑の目を向けますが、実は「悪いようにはしないからお前は見ているだけでいい」と余裕の態度であしらいます。そもそも実は幸次に最初から何も期待していないと同時に何の脅威にも感じておらず、全く相手にしていないのです。

しかし、香耶が帰った後、辰石家の利益のため美世を手に入れるためなら手段は選ばないという実の言葉を聞いて幸次は怒りを爆発させて異能を発動して実を攻撃する。かなり強力な念動力のような力でしたが、これを実は全く問題とせずに止めてしまい、逆により強力な念動力で幸次をねじ伏せてしまいます。実はかなり強力な異能者であるようです。ただ実も感心していたぐらい幸次にも異能の才はあるようです。しかし幸次は異能の訓練をマトモに受けていないみたいなので全く実の相手にならなかったのでしょう。

その頃、多忙ゆえに朝食を食べずに官舎に出勤した清霞にお弁当を差し入れようと、ゆり江と共に官舎へ徒歩で出かけた美世は、その帰り道で奇妙な車に拉致されて連れ去られてしまいました。その車からは透明人間のような者が降りてきて美世を連れ去っていき、これも何らかの異能なのでしょう。おそらくは辰石家に出入りしていた異能者の仕業であり、実と香耶の差し金と思われます。美世はいつもは清霞から渡されていた御守りを外出時は言いつけ通りに常に持ち歩いていましたが、この日に限っては新しい振袖に合わせて作って貰っていた新しい巾着袋を手にしており、急いで家を出たものだからいつもの巾着袋から御守りを移すのを忘れてしまい、持っていませんでした。おそらくこの御守りには何らかのセキュリティ的な機能があるのでしょうけど、それが無い状態で美世はなす術なく拉致されてしまったのです。

慌てて官舎に戻ってきたゆり江から美世が攫われたと聞いた清霞は愕然としますが、おそらく斉森家の仕業だろうと考える。だが、そこに幸次がやって来て美世を助けるために力を貸してほしいと頼んできたことによって清霞は美世を攫ったのが辰石家なのだという事実に気付くことになった。幸次は余計な邪魔をしないようにと実が拘束していたのですが、どういうわけか辰石家の長男の一志が幸次の拘束を解いて美世を助けるよう行動するよう背を押したので、幸次は自分の力だけでは美世を救えないと悟り、清霞のもとにやって来たのです。一志というのは前回の初登場時は嫌な人間みたいに見えましたが、案外イイ人なのかもしれないですね。とにかく、実が香耶を利用するという作戦が裏目に出て、香耶の口が軽いせいで幸次が陰謀を知ることになり、幸次を通して清霞も辰石家の企みを知ることになってしまったわけです。これで次回は清霞が美世を救出するために動くことになるのだと思われ、非常に楽しみになってきました。

なお、今回1つ気になったシーンとして、久堂家で美世が居眠りしていて悪夢にうなされる場面があったのですが、まずその夢の内容が、子供の頃に継母の香乃子に蔵に閉じ込められる場面は以前にも出てきたお馴染みの場面だからいいとして、それに先立つ場面が奇妙でした。何か黒い靄がかかったような人間たちがたくさん苦しんでいる様子で、これは一体何を意味しているのか現時点では不明です。

そして悪夢にうなされている美世を清霞が見つけて介抱する場面で、清霞が「異能の残滓」を感知する描写も気になります。清霞は同時に「結界が破られた形跡は無い」とも言っており、外部からの侵入者が異能を使ったわけではないようです。そうなると屋敷内部で異能が使われた形跡があるということになるが、これはもしかしたら美世自身が異能を発現したのかもしれません。もしそうだとすると、悪夢が引き金となって睡眠中に異能が無意識に発現したのかもしれない。ならば、あの奇妙な悪夢が美世の異能発現のカギを握っているのかもしれないですね。

ただ、清霞は異能の残滓に関しては、それが美世のものであるとは思わなかったようで、むしろ美世が悪夢を見てうなされている様子であることから、まだ美世の心の傷が癒えていないのかと考えて胸を痛めます。実際、蔵に閉じ込められたトラウマも悪夢の中で観ているわけですから美世の心の傷は癒えていないのでしょう。ただ、そうしたトラウマと変な靄のかかった情景がセットになった悪夢を見た時に異能の発現があったかもしれないということは、そもそも異能の発現にトラウマの刺激、あるいはトラウマの克服が何らかのきっかけになるという可能性もある。そうなると、もしかしたら次回あたりに描かれるであろう美世に対する香耶や実による脅迫行為などが美世の異能発現に繋がるという展開もあり得るのかもしれないですね。

 

 

白聖女と黒牧師

第4話を観ました。

今回はセシリア達の居る教会にヘーゼリッタというお客がやってきます。ヘーゼリッタは前回セシリアが町で出会った女性で、この町で探している人がいると言っていましたが、その探し人というのはアベルのことだったみたいです。ヘーゼリッタは大きな町の良家の子女で、アベルはその町の大きな教会の牧師をしながら彼女の家庭教師をしていたようですが、それを途中で放り出してこの町に来てローレンスの教会に転がり込んだようです。

それでヘーゼリッタはアベルを連れ戻すためにやって来たらしいが、アベルは戻る気は無いようです。ただヘーゼリッタは前回、この町に住む聖女にも興味を示しており、教会にやって来たのはアベルを連れ戻すためだけではなく聖女を見るためでもあったようです。そうしてヘーゼリッタはセシリアと会いますが、まさか前回たまたま町で会った女の子が聖女だとは思わなかったようで少し驚いていました。

ただ聖女というのは珍しい存在らしいので遠方から聖女を見に来る人というのはよくいるようで、最初はヘーゼリッタもそういうタイプの来客なのかと思われましたが、どうもちょっと違うようでした。どうやらヘーゼリッタはセシリアではなくて牧師のローーレンスの様子を見に来たようでした。

実はヘーゼリッタの住んでいた大きな町には昔は聖女がいて、ヘーゼリッタは子供の頃その聖女と仲良くしていたのですが、その聖女は病気で死んでしまったらしい。聖女の周囲にいた人々が聖女を神聖な存在として持ち上げて金儲けに利用していたようで、そのために聖女は人間として扱われず医者にかかることも出来ず亡くなったのだという。

ヘーゼリッタはそうした聖女を金儲けに利用する人々を嫌っており、アベルの居る教会に聖女が居ると聞き、ローレンスのことも聖女を金儲けに利用する悪い人間なのではないかと疑い、見に来たようなのです。だがローレンスがセシリアのことを1人の人間として大切にしているのを知り、自分の誤解であったと気付く。実はアベルはそうしたヘーゼリッタの心の傷を癒すために、わざとヘーゼリッタがこの教会にやってきてローレンスとセシリアの姿を見るよう仕向けていたようでした。

その後、ヘーゼリッタは教会に泊まりながらローレンスやセシリアと接して、ローレンスがセシリアを1人の女性としては大事に出来ていないことに気付き、2人の不器用なラブコメをアベルと共に見守る立場になります。そして今回の最後のパートでは、ローレンスが神学校時代に作ったという謎のキモ可愛い人形をどうしたらもっと皆に可愛いと思ってもらえるかセシリア達が考えるみたいな話が描かれました。まぁ今回はこんな感じで、最初はヘーゼリッタの悲しい過去に絡んだ感動話になるのかと思ったんですが、割とあっさり解決して、その後は割と薄味の普通の話という感じでしたね。