2023年夏アニメのうち、7月1日深夜に録画して7月2日に視聴した作品は以下の5タイトルでした。
ホリミヤ -piece-
第1話を観ました。
この作品は2021年冬クールに放送された「ホリミヤ」の第2期ということになっていますが、「ホリミヤ」の続編というわけではない。「ホリミヤ」というアニメは最終話で掘や宮村といったメインキャラ達が高校を卒業して完結しているからです。今回の第2期の第1話の冒頭はその第1期の最終話で描かれた卒業式の場面から始まる。といっても第1期最終話のシーンの使い回しというわけではなくて新たに作られた映像だったと思うけど。
その卒業式から高校3年生の時の出来事の断片を振り返っていくような感じで、この第2期は進んでいくようです。そもそも、この「ホリミヤ」という作品は漫画原作だが、大元の原作漫画はウェブコミックで、それも現在のような出版社のウェブコミック配信サイトで連載されている類のウェブコミックではなく、原作者の個人のサイトで2007年から2008年にかけて掲載されていた自主制作の4コマ漫画みたいなやつでした。それがかなりの分量で、後にそれらが再編集されて普通のストーリー漫画として作画も別の人が担当して雑誌連載されたのが2011年から2021年にかけてでした。
2021年のアニメ「ホリミヤ」は基本的にこの雑誌連載分の漫画「ホリミヤ」をベースにしているのだが、この原作漫画が単行本で全16巻、話数で全122話もあって、とても1クールのアニメには収まりきらない分量であったにもかかわらず、2021年のアニメ「ホリミヤ」では原作漫画の第1話から物語が始まり、原作漫画の最終話が描かれて終わっている。つまり、原作漫画の中からエピソードを抜粋して構成されていたのであり、2021年の「ホリミヤ」ではアニメ化されていないエピソードが原作漫画には大量に存在している。今回のアニメ第2期「ホリミヤ -piece-」は、そうした原作漫画の中でアニメ化されていなかったエピソードを中心に構成されるのでしょう。
ただ、もともと第1期の「ホリミヤ」は物語の始まりから終わりまでを描いていることから、第2期を作るつもりは無かったのだと思います。その前提で、1クール13話で完結する物語として構成したのが第1期の「ホリミヤ」だったわけですから、この物語の重要エピソードは第1期で既に使用されているのだと思います。もちろんアニメ化という前提無しで同じ漫画に載っていたわけですから、1期で未使用の原作エピソードも1期で使用されたエピソードと面白さ自体は変わらないのだろうとは思います。ただ、第1期を観た者は物語の結末を知ってしまっていますし、各キャラの過去も知っているし、人間関係がどうなっていくのかも知ってしまっています。第1期の時はそれが分からない状態で「これからどうなるんだろう?」とワクワクしながら楽しめたのですが、この第2期ではそういう楽しみ方はあまり出来ない。
ならば第1期を観ていない人の方が楽しめるのかというと、今回の第1話なんかはいきなり修学旅行の話から始まり、宮村が風呂に入れなくて困っているという話が描かれるのだが、これは「宮村が学校の皆には内緒で身体にタトゥーを入れている」という第1期で描かれた内容を知っていないと意味が分からない。また今回の後半パートでは、前半パートでは長髪メガネだった宮村がいきなり髪を短くしてコンタクトを装着してイメチェンしており、第1期で描かれた宮村が髪を切ってイメチェンしたエピソードを観ていないと意味が分からない。このように第2期は第1期を観ている人のために作られており、完全にファン向けの作りになっている。そして上述のように、第1期を観ている人は話の結末まで知ってしまっているために、第2期では第1期の時ほどは先の展開にワクワクは出来ない。つまり、どうも第1期よりは楽しめない作りになっているのです。
そうなると、もし第2期が第1期に優る点があるとすれば個々のエピソードの面白さの面ということになるが、第1期では当然ながら原作漫画から特に面白いエピソードを選んで使っていたであろうから、おそらく未使用エピソードも同等に面白いのだろうとは思うが、第1期のエピソードを大きく超えて面白いエピソードが多数残っているということもないと思う。
そういうわけで、現時点ではこの作品は第1期の「ホリミヤ」を観てこの作品の物語世界やキャラに愛着のある視聴者が、更に詳しく深く「ホリミヤ」の物語を楽しむとい意義の作品と考えるしかない。そして私自身がそういう「ホリミヤ」愛好家の1人であるから、今回の第1話もとても楽しめました。ただ「ホリミヤ」初見の人や、「ホリミヤ」にそこまで愛着の無い人が私と同じぐらい楽しめるかというと、それは疑問符がつくのは当然であり、それは制作側も当然分かっているはずですから、もしかしたらこのまま1クールこの調子でいくわけではなく、何か仕掛けがあるのかもしれません。まぁ私個人的には、そんな仕掛けなどは無くても十分に気楽に楽しめる内容であったので満足ですけど。
ただ、1期のストーリーの合間を埋めて補完するようなエピソードが飛び飛びで描かれる感じなので、この2期単体で一連のストーリーを楽しめるような作りには今のところなってない印象ですね。今回も前半パートと後半パートの間で時系列がだいぶ飛んでいて、話の繋がりが無い感じでしたし、エピソードのたびに「これは1期の1話と2話の間ぐらいの話か」とか考えなくちゃいけないのもちょっとメンドくさい。
今回の前半パートでは修学旅行に行ってタトゥーを隠すために皆と一緒に風呂に入らないで済むようにしようとしている宮村をタトゥーのことを知っている石川が「宮村は生理だ」というバカなフォローをして、それで何となく皆が納得してしまって傷心の宮村が同じくタトゥーのことを知っている掘に女子部屋のシャワーを使わせてもらうという展開。
堀と同室の吉川が遊びに出ていたのでタトゥーのことがバレずに掘の部屋のシャワーを使えたわけだが、ホテルの部屋で2人きりな状況なわけで、そこで宮村が「男子が困っていたらこんなふうに簡単に部屋に入れるの?」と堀を咎めてしまう。危ないからそういうのはやめたほうがいいという忠告のつもりで宮村は言ったのだが、堀は「宮村が好きだから」安心して部屋に入れたのであって、他の男をホイホイ部屋に入れるわけがないと思っているので、宮村にそんなことを言われて侮辱されたように感じて腹が立つ。でも「宮村が好きだから部屋に入れたんだよ」と言えないし、まだそんな自覚も無い。なんとなく宮村だから2人きりでも大丈夫と思えただけ。
それで堀が「宮村は何もしないでしょ」と言うと、今度は宮村が堀に異性として意識されていないのかと思ってしまって寂しく感じて、ちょっと堀に嫌味な感じで「なんで何もしないと思うの?」と問う。それで堀は宮村が「自分に何かする気がある」のかと思って意識してしまい、どう答えていいか分からなくなり、その場では2人はちょっと気まずい感じのまま別れてしまう。それで翌日、堀が一生懸命その答えを考えて、夜に宮村がまたシャワーを借りたいと言ってきたらその答えを言おうと思っていたら、風呂に入りそびれた人はあとで大浴場に入れるということが分かって宮村は堀の部屋には行かないと言うので、堀は肩透かしを食らって不貞腐れるのだが、宮村のことを真剣に考えるようになる1つのきっかけとなった。
まぁそういうお話だったわけだが、この話は第1期の最終話を観た後で観てしまうと、堀と宮村の距離感の遠さに一瞬戸惑ってしまう。第1期の最終話の段階ではもう堀と宮村は交際していて結婚の約束までしてしまっているので、こういうまだ相手に対する自分の気持ちすら互いにまだ無自覚な感じの遣り取りというのは違和感がある。これは第1期のまだ第1話とか第2話のあたりの頃の堀と宮村ならではの距離感なのです。実際、今回の前半パートの宮村はまだ長髪メガネなので第1期序盤の宮村なのであって、そこはむしろ分かりやすい。それでも「これは第1期の序盤の話なんだな」と考えてからでないとこのシーンの面白味がなかなか伝わってこないのはちょっと面倒ではある。
これでは宮村が髪を切ってしまって以降のエピソードになったら、ますます第1期のどのあたりに挿入される話なのか分かりにくくなってしまうと思っていたら、今回の後半パートのお話がさっそく宮村が髪を切った直後のお話になってしまいました。おそらくこの第2期内で時系列が戻ったりすることはないと思うので、この後も飛び飛びに話が描かれていくのでしょうけど、全部宮村の髪が短いバージョンだと思います。そうなると季節感とかシチュエーションでだいたい1期のどの時系列の話なのか想像していくしかない。ますます面倒ではありますが、ただ今回の後半パートの話は、1期の話との繋がりは希薄な内容だったので単体のエピソードとして普通に楽しめました。
特に宮村が堀に借りたセーラー服を着る話とかは爆笑しました。レミは可愛かったし、ツダケンの声の担任教師が1期ではあんまり見せ場が無かったけど今回はテキトー教師っぷりがしっかり笑える内容だったし、宮村と仙谷がどうにかしてプールの授業をサボろうとして担任教師と繰り広げるアホみたいな遣り取りも面白い。ちなみの後半パートの時点ではもう宮村は堀と公認のカップルになっており、前半パートが高校3年の春で、後半パートは高校3年の夏休み前というところでしょう。こういう後半パートみたいな感じで、この第2期は連続したストーリーではなくてそれぞれのエピソード単体を日常ギャグアニメ感覚で楽しんでいけばいいんじゃないかとは思います。もともと、正統派ラブコメ作品でありながら同時に、普通のラブコメ作品よりはブッ飛んだギャグセンスの光る作品でもありますので、日常ギャグアニメとしても十分に楽しい。とりあえず現状はそんなふうに楽しもうと思っています。ただ、おそらくラブコメ的にも盛り上げてくると思うので、その部分はちゃんと1期の話と照合しながら、より深く感動を求めていきたいとは思います。
ライザのアトリエ 常闇の女王と秘密の隠れ家
第1話を観ました。
人気ゲームが原作の作品で、今回は初回1時間スペシャルでしたが、話の内容はまだほんの導入という感じで、まだ面白くなるのかならないのかもちょっと分からないですね。主人公のライザの住む場所は「何の変哲もない島」だといいますが、湖の中にあって、住民は島の外に出てはいけないという仕来たりがあったり、島には遺跡がたくさんあって、その遺跡を目当てに錬金術師がやって来るような、何か秘密のありそうな島です。ただライザにとっては島の暮らしは退屈みたいで、島の外に冒険に出たいと夢見ている。それで幼馴染の2人と一緒に島の外、湖の対岸にある土地にボートで出て行って、そこの森でちょっとした冒険をしていたところ、スライムとか妖精に出くわしたり、クラウディアという少女と出会ったりして、最後は危ないところを錬金術師に助けられて、その錬金術師が島に滞在するというので、錬金術というものに興味の湧いたライザは自分に錬金術を教えてほしいと頼み込んで、実地で色々やらされているとライザに錬金術師の才能があることが分かってライザが大喜びという第1話でした。
こんな感じで、ストーリーが動き出すのはここからであって、現時点では特に面白いというわけではない。世界観的にもいかにもありがちな異世界設定であって特に目新しさというものも無く、そもそも私は錬金術というものに興味があまり持てない。だからちょっとストーローを楽しめるか不安ではあるんですが、日常描写が丁寧で、キャラもみんな立っていて魅力的で、女の子もみんな可愛くて、とりあえず楽しめそうだと思えました。特にやはり何と言ってもライザの太ももが魅力的ですよね。いや他も含めてとにかくライザが魅力的です。身体ももちろんですけど、性格も含めて結構好きなタイプです。ライザを見ているだけで今回はずっと楽しめました。だからまぁ、とりあえず期待を込めて様子見したいと思います。
AYAKA -あやか-
第1話を観ました。
主人公が島の出身で不思議な能力を持っていて、子供の頃に島で大災害のようなことが起きて父親が死んだらしいのだが、その後は島を出て養護施設で暮らしていたが、急に島に戻って暮らすことになるという話みたいです。それで、島から迎えに来たちょっと年上の男も能力持ちで、父親の三番弟子だとかいう。まぁそういうわけで島で主人公が暮らし始めて能力を使いこなせるように指導を受けたり、色んな陰謀や事件に巻き込まれたりしていくのでしょう。イケメンがたくさん出て来てスタイリッシュな異能力バトルという感じなのでしょう。オリジナルアニメですけど、おそらく女性向け作品なんだろうと思います。まぁこれは私の嗜好に合う感じではないので1話切りで良いのではないかと思います。
うちの会社の小さい先輩の話
第1話を観ました。
漫画原作のラブコメ作品で、とりあえず片瀬詩織里センパイが可愛いというだけの話でしたが、それだけでとりあえずは観れた。その程度には片瀬センパイが可愛い。まだまだ可愛さの引き出しはありそうなので、しばらく様子見をしたいですね。話の内容も、もうちょっと展開があるのかもしれない。現状のままだとすると、さすがにストーリー面では物足りないが、これだけで終わるとも思えないので、ストーリー面もまだ伸びしろは有ると思いたい。
作劇的には、ちょっと篠崎くんの妄想と現実の区別が分かりにくい。片瀬センパイがエロい感じになってるのが篠崎くんの妄想なのかと思ったら現実だったりして、現状イマイチ片瀬センパイがどういう人かよく分からない。片瀬センパイも篠崎くんのことを意識してたりするんでしょうかね?あと、篠崎くんの幼馴染という早川さんが今後どうメイン2人に絡んでくるのかこないのかも気になるところですね。まぁとりあえず頭空っぽにして観ながら様子見というところでしょうか。
実は俺、最強でした?
第1話を観ました。
なろう系ラノベ原作で、ゲップが出るほどに「なろう」的な要素が詰め込まれた第1話でしたね。イジメられて引きこもっていた男が部屋の中で突然死して異世界に転生して最強のパワーを与えられたというところから始まる。てっきり死んだのは高校生ぐらいかと思っていたら30前のオッサンだったらしい。それで異世界では赤ん坊から始まるのだが、国王の子として生まれたのに魔力の計測器が二桁までしか表示しない仕様だったため本当はレベルが1002だったのにレベル3だと勘違いされて森に捨てられてしまい、そこで狼の魔物みたいなのに襲われるけど結界魔法で返り討ちにして手下にして、その後は事情を知る辺境の領主に拾われて育てられて成長して、手下になった狼魔物のフレイとか、妹とかと一緒にこれからワチャワチャしていくみたいです。
とりあえず結界魔法というやつが万能すぎて呆れた。ご都合主義にも限度というものがあるだろうに。まぁ基本はギャグアニメなんでしょうけど、このギャグがどこまで笑えるかが重要となってくる。ちなみに今回は全く笑えなかった。まぁしかしこれからカラも増えるのでしょうし、こういう作品は勢い重視ですし、とりあえず様子見です。