2023冬アニメ 最終順位 | アニメ視聴日記

アニメ視聴日記

日々視聴しているアニメについてあれこれ

昨晩、「もういっぽん!」の最終話のレビューを投稿しましたが、これで2023年冬アニメの視聴対象作品の全ての作品の全話の視聴が終わりました。本当はその投稿に一緒にして2023年冬アニメの最終順位も添えたかったんですけど、「もういっぽん!」のレビューが長くなってしまったため、文章量が容量オーバーとなってしまい、一緒に投稿出来ませんでした。そこでこうして別投稿として、2023年冬アニメで視聴対象としていた全34作品+1作品の個人的な最終的順位とランク分けを以下に示し、更に総評を添えたいと思います。

 

◆Sランク(大満足した作品)

1位 もういっぽん!

2位 虚構推理 Season2

3位 不滅のあなたへ シーズン2 <11話から20話までの評価>

4位 メガトン級ムサシ(第2期)

5位 TRIGUN STAMPEDE

 

◆A+ランク(満足できた作品)

6位 進撃の巨人 The Final Season 完結編 前編

7位 トモちゃんは女の子!

8位 ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん

9位 ヴィンランド・サガ SEASON2 <1話から12話までの評価>

10位 イジらないで、長瀞さん 2nd Attack

 

◆A-ランク(普通に観れた作品)

11位 シュガーアップル・フェアリーテイル

12位 転生王女と天才令嬢の魔法革命

13位 ツルネ ーつながりの一射ー

14位 REVENGER

15位 冰剣の魔術師が世界を統べる

16位 英雄王、武を極めるため転生す

17位 最強陰陽師の異世界転生記

 

◆Bランク(退屈だった作品)

18位 スパイ教室

19位 NieR:Automata Ver1.1a <8話まで視聴>

20位 ノケモノたちの夜 <8話まで視聴>

21位 犬になったら好きな人に拾われた。 <8話まで視聴>

22位 ブルーロック <18話まで視聴>

23位 ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン 第3クール <30話まで視聴>

24位 東京リベンジャーズ 聖夜決戦編 <30話まで視聴>

25位 Buddy Daddies <4話まで視聴>

26位 魔王学院の不適合者 ~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~Ⅱ <5話まで視聴>

27位 痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。2 <4話まで視聴>

28位 アルスの巨獣 <4話まで視聴>

29位 異世界のんびり農家 <6話まで視聴>

 

◆Cランク(苦痛だった作品)

30位 お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件 <8話まで視聴>

31位 便利屋斎藤さん、異世界に行く <5話まで視聴>

32位 氷属性男子とクールな同僚女子 <3話まで視聴>

33位 齢5000年の草食ドラゴン、いわれなき邪竜認定 <3話まで視聴>

34位 人間不信の冒険者たちが世界を救うようです <3話まで視聴>

35位 老後に備えて異世界で8万枚の金貨を貯めます <3話まで視聴>

 

 

簡単に総評しますと、視聴対象作品は上記では35作品ありますけれども、そのうち「進撃の巨人」は1話だけのスペシャル特番であって、厳密には今期1クール通しての視聴対象作品とはいえないので、正式には視聴対象作品は34作品です。当初は36作品だったのですが、途中で別クールに移動になった「久保さんは僕を許さない」と「あやかしトライアングル」を除外したので34作品ということになりました。

この視聴対象作品の34作品のうち、最終話まで視聴した作品が17作品というのは通常クールより少なめであり、しかも通常クールよりも視聴対象作品の数が多めなので、それだけ途中で視聴を打ち切った作品の数が多いということになる。最終話まで視聴した17作品のうち16作品はAーランク以上に収まっており、ほぼそれなり以上の出来だったといえます。

一方で途中で視聴を打ち切った作品も17作品あり、これに加えて一旦視聴を打ち切っていたが復活した作品も2作品あり、更に放送延期の影響で途中で今期作品から除外された作品も上記の2作品があったりして、今期は視聴打ち切りとなった作品が多いクールであったといえます。しかも、今期は放送延期作品が多かったという事情もあり、この視聴打ち切り作品もかなりバラエティに富んでおり、通常クールの視聴打ち切り作品とはちょっと傾向が違うとはいえます。

ただ、放送延期作品の中でも続きを観る気がある作品は「久保さん」や「あやトラ」みたいに今期作品からは除外してます。他の放送延期作品で途中で視聴を切っている作品は放送延期が決まる前に視聴を切っていたりしており、もともと放送延期は関係なくどっちにしても視聴は切っていた作品です。

また、途中で視聴を切った作品は全てBランク以下にしていますけど、今期は私が単に飽きてしまって途中で視聴を切った作品が割と多めなので、そういう作品の中には割と世間的には評価の高い作品もあり、それらは私がA-ランクに置いているような作品よりもクオリティや世間的評価は高かったりもします。だから、これはあくまで私の主観での評価であって、ここでA-ランク以上の作品数が少なめだとか、Bランク以下の作品が多めだとか言っても、世間的な評価とは違うといえます。ただ私は世間的評価は高くてもBランクに置いている有名作品は出来は良くないと思ったのであり、良いと思ったら途中で視聴を切ったりはしていないはずです。

あと、途中で視聴を切った作品のうち、一応はその後も視聴を続けていた作品も結構あったんですが、大半はやっぱり面白くなりそうもないと思えてすぐに観るのを止めてしまいました。そんな中で3作品だけ視聴を復活させた作品もありましたが、そのうち1作品はやっぱり視聴を止めてしまい最後までは観ませんでしたので、復活して最後まで観たのは2作品ということになります。

まぁ結局、Bランク、Cランクの下位作品は数自体は多かったが、数が多いぶんバラエティに富んでいて、特別にレベルが低いというわけではなかった。むしろ、このようにA-ランク以上にはどうにも届かない作品が多かったということ自体が今期の全体的なレベルの低さを表しているのだといえるでしょう。

 

一方でA+ランク以上の上位作品の数は10作品あるように見えるが「進撃の巨人」は厳密には今期の1クール作品ではないので除外すると9作品であり、通常クールに比べるとかなり少ないといえます。更にこの中で「メガトン級ムサシ」はほぼ実質的には前クールの作品なので、今期の上位作品の充実感はかなり低いといえます。もちろん、しっかりSランクやA+ランクにランクインしているのだから、この上位作品の個々の作品はレベルの高い作品ばかりです。そこは別に他のクールに比べて大きく劣るというわけではない。ただ、やはりそうした優れた作品の数が少なめであるというのが今期の全体的なレベルの低さを表しているといえる。

Sランクは5作品であり、通常クールに比べて少なめではあるが、そのSランク作品の質は他のクールに比べて特に低いということもなく、トップクラスのレベルは別に低くはない。だがやはりSランクが5作品というのは少ないといえます。またA+ランクの作品数が実質4作品と非常に少ないのも問題で、対照的にBランクが非常に多い。Bランクには、途中で飽きてしまわずに最後まで観ていればそれなりに良かったんじゃないかと思える作品もあり、そういうのがもしA-ランクあたりに残っていればそれなりに良いクールには見えたかもしれない。毎クールそういう作品はありますが、今期は特にそういう作品が多い印象はあります。そういう意味では結果は紙一重だったのであり、そんなに絶対的にダメなクールというわけではなかったと思います。ただ、それでもやはりA-ランクばかり増えてもA+ランクが増えなければ不作クールという印象は否めないでしょう。

確かにA+ランク以上の上位作品の数の少なさは否めないが、放送延期で除外した作品のうち「久保さんは僕を許さない」はもし除外していなければ確実にA+ランクには入っていたであろうし、嗜好の違いで早々に1話切りした「お兄ちゃんはおしまい」は実際は我慢できないほどでもなかったので、もし観ていれば確実にA+ランク以上には入っていたと思うので、この2作品があればA+ランクも別にそんなに極端に少ないという印象ではなかったはずです。

まぁ実際はそうはなっていないので「豊作クールだった」とはどうしても言えませんし、やはり「不作クール」という印象になりますね。私の中ではそんなに酷いクールだったという印象ではないのですが、Sランクが5作品で、A+ランクが「進撃」を含めても5作品という状況では、これよりもSランクとA+ランクの作品数では勝っていた2022年夏クールを「不作クールだった」と断じてしまった以上、今期を「不作クールではない」と言うのはダブスタとなってしまいますから、やはり今期は不作クールだったと言うべきでしょう。

おそらく私の中で2022年夏クールよりもマシな印象になっているのは、SランクとA+ランクの作品の平均的レベルが2022年夏クールよりはちょっとマシな印象だからなのでしょう。2022年夏クールはSランクもA+ランクも割とギリギリ下の方に引っかかっている作品が多くて、それで数が今期よりも多かったわけですが平均的レベルも下げていて、それでイマイチな印象になっていたわけですが、今期の場合はそのギリギリ引っかかっているべき作品が下のランクに落ちて作品数自体が減ってしまっているわけで、なんとなく少数精鋭で印象は良いんですが全体的にはやはりレベルは低いといえます。これはやはり2022年夏クールよりは下に評価しなければいけないでしょう。嫌いなクールじゃないんですけどね。

 

特に今期において特徴的なのはSランク作品の影の薄さです。5作品あるんですが、この5作品全部が今期放送してたことを知らない人も多いんじゃないかと思う。「もういっぽん!」はさすがに名前ぐらいは知っている人は多そうですがダークホースぐらいの扱いなんじゃないでしょうか。「虚構推理」は雪女が出なくなったら失速して消えたと思い込んでる人が多そうだし、「不滅のあなたへ」はEテレの夕方アニメという扱いで深夜アニメの仲間としてカウントされてなさそうですし、「メガトン級ムサシ」はそもそも今期アニメとして扱ってない人の方が大部分だろうし、「TRIGUN STAMPEDE」は旧作ファンの酷評で黒歴史作品扱いになってしまってる。全部ちゃんとフラットな目で見ればムチャクチャ面白いんですけどね。

特に「もういっぽん!」以外の4作品の空気っぷりは酷いものです。まぁ「もういっぽん!」も酷い扱いではあるんですが、まだ「内容は良いけど不遇な作品」という認識ぐらいは持ってもらえてる。他の4作品はそんな認識すら持ってもらえてない。今期はそれなりに内容重視で作品を評価してる人は大抵は1位が「もういっぽん!」で、2位が「トモちゃんは女の子!」という感じのクールという認識でしょうけど、私の見立てでは「もういっぽん!」と「トモちゃん」の間にこの空気みたいな4作品があります。まぁ「もういっぽん!」と「トモちゃん」の良さに気付く時点でかなり「通」なんですけどね。普通のアニメファンの人達は「お隣の天使様」とか「転生王女」とか「おにまい」が今期の覇権だとか言ってるんでしょう。

そういう意味で、今期というのは本当に面白い作品を発見することがまず難しい厄介なクールだったといえます。他のクールならこんなことは起きない。前評判の高い作品がそのまま半分ぐらいは本当に面白いからです。今期はそもそも前評判の高い作品というのが無かったし、多くの人が見そうなジャンルの作品にはあまり出来の良い作品が無くて、ニッチな作品の方に出来の良い作品が多かった。例えば「お隣の天使様」が覇権だとか言ってる人って、絶対に「もういっぽん!」を観てないでしょう。でも「もういっぽん!」を観る人はよほどの柔道マニアでない限りは満遍なくアニメを観る人が多いから「お隣の天使様」も観てる人が多い。そしてこの2作品を観てる人は好き嫌いは置いておいて、どっちが出来が良いかと問われれば「もういっぽん!」と答えるでしょう。だがそんな人は少数派であり、多くの人は「お隣の天使様」を観て「もういっぽん!」は観ていない。そして「お隣の天使様」が覇権だと言う。いや、それがけしからんと言いたいわけじゃないんですが、多くのアニメファンが観そうなジャンルの作品がイマイチの出来で、ニッチな作品の方が出来が良いクールというのは、多くの人が本当に面白い作品を見つけにくくなってしまうということを言いたいだけであり、今期がその典型であったということです。

私は作品の順位をつける際に、世間の人気など全く考慮せずに自分の感じた面白かった作品の順番に並べていき、かなり世間の人気ランキングとはズレたランキングにはなりますが、それでも通常のクールではSランクやSSランクの作品の中には世間的にも人気を得た作品が必ず複数入っていました。しかし今期のSランク作品の5作品の中には、そういう世間で人気を得た作品というのは皆無です。まぁそもそも今期において「人気作」というものが存在したのかというと疑問ではあるんですが、とにかくこんなことは初めてかもしれない。それぐらい今期は面白い作品が世間に認知されにくい特殊なクールであったといえます。まぁこういうのを世間では「不作クール」と言うのでしょう。世間に認知された作品、例えば「お隣の天使様」や「転生王女」を覇権だとか言ってみたところで、内実が伴っていないから、あまり多くの賛同も得られず、結局は覇権不在みたいになってしまうからです。まぁ世間的には「面白い作品が少なかったクール」と思われてしまってるんでしょうけど、私的には「面白い作品はあったけど見つけてもらいにくかったクール」という印象ですね。

 

こんなふうに、決して悪いクールではなかったので「不作」だとか言って全否定するのはあんまり好きじゃない。やたらと今期を「不作だ」「不作だ」と言って前クールや次クールと比較して小馬鹿にするような人も目につきましたが、とても失礼なことだと思いました。細かく比較すれば確かに前後のクールに比べたら全体的には劣るとは思いますが、馬鹿にされるほど大きな差があるとは思えません。例えばSランクが0個とか、そこまで極端なことになるのなら馬鹿にしても仕方ないとは思いますが。

私は今期はちゃんと楽しめたし、感動できる作品もあったし、素晴らしい出来だと感心するような作品もあった。そういう満足度では他のクールとは差は無い。そのように自分が楽しんでいるのに、その一方で「不作だ」などと貶す気にはなれない。そんなことは失礼だと思うからです。だから、こうしてクールが終了してから「不作クールと言っても仕方ない」と言ってるのです。ちなみに2022年夏クールだって終わってから「不作クールだった」と言ってます。

今期は、上位作品のレベル自体は高かったが、その数がやや少なめであり、人気作が少なかったために上位作品の世間での認知度が低かったため、極端な不作クールだったと誤解されているクールだったと総括していいと思います。ちゃんと観れば前後のクールと全く変わりなく楽しめたクールなのですが、それが難しいクールであった。それは作り手にも受け手にも不幸なことでした。面白い作品を見つけにくかったという点では私も同様で、別に私がSランクにしている5作品やA+ランクにしている4作品で今期の面白い作品を網羅できているとは思わない。例えば途中で視聴を打ち切ってしまった「Buddy Daddies」や「便利屋斎藤さん異世界に行く」はちゃんと観続けていれば面白かったみたいです。1話切りした「お兄ちゃんはおしまい」も面白かったみたいで、嗜好の合わなさも我慢できる範囲だったかもしれないので少し惜しいことをしたとは思っていますし「HIGH CARD」も悪くなかったみたいです。こんなふうにみんな面白い作品に気付かずに切ってしまうものですが、私が上位に挙げた作品も今期はそうやって世間で多くの人に切られてしまったものが多く、その確率が通常クールよりも高かったのだと思います。

 

次に、今期のランキングの推移を大まかに振り返っていくと、まずは前クールからの継続で既に盛り上がっていた「不滅」と「ムサシ」に加えて、1話から安定の面白さだった「もういっぽん」と、1話から映像が凄かった「トライガン」と、1話のインパクトが凄かった「転生王女」「ノケモノたちの夜」、このあたりがダークホース的に上がってきて、加えて1話の印象は「東京リベンジャーズ」が強かったですね。そこに2話からの雪女編の完成度の高さで「虚構推理」が加わってきて、スロースタートながら徐々に盛り上がってくるように見えた「ヴィンランドサガ」も加わってきて、当初の最上位作品はだいたいこれぐらいでした。その下に最上位の予備軍として「ツルネ」が控えていて、次いで「ブルーロック」「長瀞さん」「ツンデレ悪役令嬢」「ストーンオーシャン」「REVENGER」「久保さん」がA+ランクにあるという感じでした。

当初期待されていた「スパイ教室」「ニーア」「お隣の天使様」は微妙なスタートでしたが、これなら割と豊作クールになるかもしれないと当初は思えました。だが過去篇に入ってから急速につまらなくなった「東京リベンジャーズ」が真っ先に最上位作品から消えて、クール中盤に入ると視聴も打ち切るまでになった。同様に「ブルーロック」も「ストーンオーシャン」も飽きてきてクール中盤には視聴を打ち切ることになり、「久保さん」は面白かったが放送延期でクール中盤には消えた。また、最上位作品のうち「ノケモノたちの夜」が失速して落ちていき、やがて視聴打ち切りにまで至った。

そしてクール中盤には最上位作品のうち「転生王女」がテンポが悪くなってA+ランクに落ちて、「ヴィンランドサガ」もスローペースは否めなくなりA+ランクに落ちた。A+ランクでは「ツルネ」は意外に伸びてこなくて現状維持で、その他「長瀞さん」「ツンデレ悪役令嬢」も現状維持する中、「REVENGER」が失速していき下位に落ちる一方で「トモちゃん」が急上昇してきた。また「虚構推理」は中盤少し勢いが落ちてSランクから落ちたが終盤に入ると勢いを取り戻してSランクに復帰して一気に順位を上げていった。

クール終盤に入ると「もういっぽん」「不滅」「ムサシ」「トライガン」「虚構」というSランクが固定となり、「ヴィンランドサガ」「トモちゃん」がSランク予備軍として期待されたが結局届かなかった。特に「トモちゃん」は惜しかった。「ツンデレ悪役令嬢」は終盤盛り上がったがA+ランク止まりで「長瀞さん」も現状維持となり、一方で「転生王女」と「ツルネ」は下位に落ちていきました。Sランク内では「不滅」「ムサシ」は早めに完結して順当な終わり方をしたが、常に安定して終盤も勢いを増した「もういっぽん」には及ばず、「トライガン」は続編制作決定で話半ばで終わり少し弱い終わり方となり、「虚構推理」は最後まで見事な脚本力で躍進したが、それでも「もういっぽん」にはあと一歩及ばなかった。というか一番最後に終わった「もういっぽん」の終わり方が完璧すぎて、結果論としては「もういっぽん」の圧勝クールということになりました。

 

続いて各ランク別に各作品の総評を簡単にしていきます。まずSランクは5作品全部が不人気作だったという珍現象となったが、最初から最後まで毎回安定して面白かった「もういっぽん!」を軸としての推移となりました。「もういっぽん!」は他の作品より1週遅く始まったのだが、「もういっぽん!」が参入して以降は基本的には「もういっぽん!」が1位という状態がずっと続いていた印象で、「不滅のあなたへ」「メガトン級ムサシ」「虚構推理」が時々すごく良いエピソードで瞬間的に1位に上がったりもするんですが、同じ週の「もういっぽん!」も必ず出来が良いので、結局は総合力で「もういっぽん!」がいつの間にか1位を守っているという状況が続きました。

当初はSランク作品であった「ヴィンランドサガ」や「転生王女と天才令嬢の魔法革命」がA+ランク以下に落ちていく中で「トライガン・スタンピード」はずっとSランクをキープしましたが、「もういっぽん!」を脅かすようなことは一度も無く、「不滅のあなたへ」「メガトン級ムサシ」に比べるとやはりちょっと下という印象で最後までいきました。一方で一度は中盤にA+ランクまで落ちた「虚構推理」は終盤のエピソードがかなり面白かったので、既に終了して「もういっぽん!」に次ぐ2位と3位を占めていた「不滅のあなたへ」と「メガトン級ムサシ」を最終的には追い抜いて、「虚構推理」が2位まで上昇して、「もういっぽん!」の終盤が崩れれば「虚構推理」が1位の可能性もあったが、やはり「もういっぽん!」が崩れることはなく、「もういっぽん」が1位で逃げ切り、最終的には圧勝したという感じです。

その「もういっぽん!」は女子高生の柔道部活青春モノですが作画が美麗でもなくキャラデザも萌え要素も無く、地味な作品だと思って観る人が少なく私もノーマークだったが、作画に関しては柔道シーンの描写が素晴らしく、日常シーンのギャグタッチの描き方も巧く、キャラも素朴で可愛らしかった。何といってもストーリーが秀逸で、第1話時点で完成度が際立っていたが、ここを起点にして各キャラのドラマが重層的に繋がっていくクール前半の展開は完成度が極めて高かった。ここまでは主人公の園田未知を中心として話が展開されていくが、クール後半からは3年生部員の姫野紬が登場し、クール前半から繋がる未知たちのドラマにおける初めての全国大会でもあり、姫野にとっての最後の大会でもある金鷲旗大会編に突入していき、未知と姫野のダブル主人公のような構成となって更に盛り上がっていき、様々なサブキャラのドラマも全て繋がり感動的なクライマックスに至り、結局は一番最後に今期最高の最終話を迎えることとなりました。これほど全話の完成度も高くてクールの随所に何回も感動回が入り、部活アニメかつ柔道アニメとして名作となったとなれば、文句無しの1位とするしかないでしょう。

2位となった「虚構推理2期」は全12話内に6つのエピソードを盛り込んだオムニバス形式の構成の独特のホラー要素込みの推理ミステリーで、物語の流れよりも各パートの完成度で勝負する作風。1期が爆死した作品なので2期を観る人は少なく、私も過度な期待はしていなかった。しかし脚本の質の高さと密度の濃さでは今期随一で、膨大なセリフ量の会話劇は圧巻で惹き込まれ、1期より2期が面白いという珍しい作品となった。特に序盤の雪女編が素晴らしくて「もういっぽん!」と互角の勝負だった。中盤の2編では少し勢いは落ちてA+ランクに落ちたが、終盤の長編のスリーピングマーダー編が非常に面白くて一気にトップクラスに返り咲いた。良い回は確実に「もういっぽん!」より上だったが、ただ各編にフリ回がある構成上、どうしてもほぼ毎回キメ回の「もういっぽん!」には及ばなかった。スリーピングマーダー編の終了時点では先に最終話を終えていた「不滅のあなたへ」に僅かに及ばず3位だったが最終話の鰻屋の話が非常に秀逸で「不滅のあなたへ」を差し切って2位となった。

そうして最終的に3位となった「不滅のあなたへ2期」は前クールから続く連続2クール作品の後半部分10話分にあたり、前世編のクライマックスにあたるレンリル攻防戦が描かれた。唯一無二の壮大で独特な世界観で哲学的なテーマを扱う難解な作品であり、あまり一般受けはしない作風でEテレの夕方枠というのもあり案の定不人気であったが物語のクオリティは非常に高くて今期ナンバーワンでしょう。全編を通して非常に質の高くて深みのあるドラマが描かれた。前半は戦いの始まる前の準備期間で少し地味な話が続いたが後半は戦いが始まり怒涛の勢いとなり、最終話はこれまでの物語を全て回収した見事な大団円と、サプライズ的な3期への引きを魅せてくれて瞬間的には1位に立った。ただ、やはり前半が溜め回が続いたのもあり、後半の盛り上がりでも「もういっぽん!」にはあと一歩及ばなかった。それでも非常に強い作品で、鰻屋の最終話で追いついてきた「虚構推理」と実際は甲乙つけ難かったが話数が少ないぶんを考慮して2位の座を「虚構推理」に譲った。

4位の「メガトン級ムサシ2期」は実質的には前クールの作品で、全15話のうち10話が前クールに放送されていたが、放送延期を繰り返した作品で結局最終話の放送が3月後半にまでズレ込んだので今期の作品として扱うことにした。そんな有様なので観ている人は少なかったと思うが、そうした流れの悪さを度外視して内容だけをフラットに観れば非常に素晴らしかった。壮大なスケールで展開されるスーパーロボットアニメで、アクションは爽快でド迫力で、各キャラの群像劇も激アツでした。脚本はシンプルな作りでベタな展開なのだが設定がアツいので、我が道を行く感じで深い人間ドラマを凄い勢いで魅せてくれた。終盤の盛り上がりはちょっと神がかっていて瞬間的に1位になったりもしたが、前半が溜め回が続いたことや、少し雑な部分があったり、子供向けギャグ演出などもあって、やはり「不滅のあなたへ」よりは少し下という印象でした。

Sランク下位作品の「TRIGUN STAMPEDE」は過去の名作のリメイクのハードSFで、実は旧作の前日譚だったらしい。3DCGアニメなのだがCGの出来がトンデモなく素晴らしくて、アクションが非常に映えて、主人公のヒーロー性や壮大な世界観ともマッチして映像が非常に見応えのある作品だった。話の内容は旧作とはかなり違うようで旧作ファンには不評で、旧作ファンぐらいしか観ない作品なのでこれは致命的で不人気作となった。ただ私は旧作を観てないのでフラットに観ることが出来て、各話の構成も上手だったし、謎だらけの世界観が回を追うごとに謎が明かされていくのがワクワクした。前半は謎解きと映像の迫力が良いバランスだったのだが後半に謎解きが進んでいくにつれてアクションが地味になっていき、最終話は素晴らしいアクションで締めたが、お話の方は続編に続くということでちょっと中途半端になってしまい「不滅」や「ムサシ」には及ばなかった。

 

次いでA+ランクだが、まず最上位に「進撃の巨人」の完結編の前編を置いているが、これは3月3日の深夜に1話だけ放送した作品なので今期の視聴対象作品には含まない。ただ「進撃の巨人」の4期の続きなので実質3話分の分量ということで1つの作品としてランキングに含めることにはした。内容的には史上最高レベルに面白くて文句無しのSSランクだが、分量的に実質3話分相当ということで順位は補正して2ランク下げてA+ランクの最上位に置いた。秋には後編も放送されるので、それも同様の扱いとして、年末の総合ランキングでは前後編合わせておそらくSランク作品として扱うことになるでしょう。

だから「進撃の巨人」はあくまで別枠扱いであり、今期のA+ランクの最上位はおそらく「ヴィンランド・サガ2期」だと思っていました。もともとSランク間違い無しだと思っていた「ヴィンランド・サガ2期」が意外にスロースタートでちょっとSランクは厳しそうだと分かって以降は、そのまま「ヴィンランド・サガ2期」がA+ランクの最上位でフィニッシュすると思っていたのですが、意外にも「トモちゃんは女の子!」と「ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん」が「ヴィンランド・サガ2期」の上位にきました。「ヴィンランド・サガ2期」の出来自体は良かったんですけど、「トモちゃんは女の子!」と「ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん」の終盤の出来が予想以上だったのです。

そういうわけで実質的にA+ランクの最上位は「トモちゃんは女の子!」です。当初は大して期待していなかったが、序盤からギャグやキャラがかなり面白くてA+ランクに定着してきて、中盤以降それまでモヤモヤしていた過去の経緯などが明かされていきラブコメとしての面白味が非常に増してきてA+ランク上位からSランクを窺うまでになった準Sランク級作品です。キャラもブレることなく人間味とネタに溢れる素晴らしさを最後まで維持し、ストーリーも見事なハッピーエンドで完結して、非常に完成度の高いラブコメといえる。ただちょっと綺麗にまとまりすぎていて突き抜けたものに欠けるという印象で、Sランクのラブコメ作品とするにはちょっとあと一歩足りなかったといえます。本当に惜しかった。

「ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん」も準Sランク級の作品で、斬新な設定から始まり出オチになることなく丁寧に物語を積み上げていき見事な感動の大団円で締めた作品であり、物語的には「トモちゃん」以上、いや1クール限定の物語の完成度なら今期一番だったかもしれない。ただ、それは原作の持つ強さであり、アニメ作品への落とし込み方やアニメ自体の完成度はイマイチではあった。丁寧に原作を再現しすぎたきらいがあり、もっとイベントを取捨選択してテンポを良くすればSランクにも入れた作品なので惜しかった。作画もちょっと良くなかった。それでも物語の地力があるので常にA+ランクにあり、終盤の盛り上がりでA+ランク最上位に迫った。

一方でA+ランクの下位には「ヴィンランド・サガ2期」と「イジらないで長瀞さん2期」があり、「ヴィンランド・サガ2期」は非常にクオリティの高い作品なので最初はSランクだったのだが、お話があまりにスローペースだったので1クールかけて次第に順位を下げることになった。毎回良いシーンが必ずあって、全体的な雰囲気も最高なので、これをA-ランクに下げるというのは考えられないのだが、さすがに話が進まなさすぎるので「トモちゃん」や「ツンリゼ」には追い抜かれた。まぁこの作品の場合は連続2クール作品で、春からの後半クールでは話が動くのでそこからが本番の作品といえる。

「イジらないで、長瀞さん2期」は安定して面白かったが、時々つまらないエピソードも混ざるのがこの作品の通常運転で、まぁA+ランク中堅あたりの順位がこの作品の定位置といえる。その誤差の範囲内だがちょっと想定より低めの位置ではある。おそらく2期は最初から長瀞がデレ気味なので終盤の盛り上がりでもっと強めのデレが欲しかったのだが、それがちょっと物足りなかったので1期の終盤のインパクトに及ばなかったからだろう。序盤から中盤は1期以上の評価だったんだが終盤の柔道大会編より後がちょっと期待外れだったので総合的に1期よりちょっと下の評価になった。

 

A-ランクは今期はA+ランク作品が少ないぶん多めでした。終盤になって、もともとA+ランクにあった作品がいくつか落ちてきたからです。それが「転生王女と天才令嬢の魔法革命」と「ツルネ2期」でした。「転生王女と天才令嬢の魔法革命」は綺麗な作画、丁寧なストーリー、魅力的なキャラ描写で決して悪くない作品だったのですが、結局「魔法革命」をやる前に話が終わってしまったり、イマイチ納得できない展開などもあったので「満足した」という意味のA+ランクには出来ないと判断しました。「ツルネ2期」も弓道作画は素晴らしくて、ストーリーも悪くないんですが、結局全体的にフワッとしたお話で、弓道の良質なイメージアニメみたいで、あまり深く突っ込んだ物語にならなかった。そういう点では1期に劣るように思えて、1期の物語が終わった後に新たな物語が始まったという印象までは持てなかった。それで「満足した」とまでは思えなかったといえます。

この2作品を抑えて最終的にA-ランクの最上位となったのは「シュガーアップル・フェアリーテイル」であり、上記2作品とは違って、主人公が当初から掲げていた目標を達成し、それと引き換えに大切なものを失うまでの完結性の高い物語がしっかり1クールかけて描かれていて、少しダークな独特の世界観もあって物語の完成度では明らかに優れていた。物語は2期に続くのだが締めも引きも良くて完璧なフィナーレだった。A+ランクに上げても良いかとも思ったんだが、全体的に地味であり序盤と中盤ダレた部分もあるので上げなかった。

これらA-ランク上位の3作品はA+ランクにしようかずいぶん迷うほどの出来で、実質ほぼA+ランクと言ってもいい。一方、A-ランク下位にはだいぶ物足りなさは感じたがそれでも楽しめた作品が4作品あり、「REVENGER」は中盤はかなり退屈だったが序盤と終盤は良い感じで、しっかり物語を完結させたのは良かった。世界観やキャラは渋くて魅力的で個人的には好きだった。「冰剣の魔術師が世界を統べる」は基本的に話はつまらないクソアニメですがギャグが振り切っていて面白くて一旦切っていた視聴を復活させて最終話まで完走した。終盤前まではA-ランク上位だったのだが終盤があまりに意味不明展開で順位を下げた。「英雄王、武を極めるため転生す」はストーリーはかなり適当で最後も中途半端だったが、主役イングリスのキャラが面白くて何とか完走できた。独特の世界観の魅力もあった。「最強陰陽師の異世界転生記」はお話はありきたりでつまらなかったが丁寧に作ってるのは悪くなかった。ヒロインが可愛いから最後まで観れたというのはある。

 

Bランクは12作品もあり非常に多い。このうち「犬になったら好きな人に拾われた」は15分アニメなので補正で1ランク下げてあり、実質はA-ランクの作品です。ただ、15分アニメの場合はA-ランクでも面白くなければ視聴を切りますので、8話で切っているということはその程度だったということです。残るBランク11作品のうち最終話まで完走したのは「スパイ教室」だけだが、「スパイ教室」は一旦視聴を切っていたのを復活させてA-ランク最下位に置いていたのだが、最終話まで観てやっぱりつまらないと思ってBランクに落としたものです。また「NieR:Automata」は8話で放送延期になるまでは全話観て、それから視聴を切ったので一応今期分は全話観てることになりますが、まだ何だかよく分からないですね。おそらく9話以降は観ないので永遠によく分からないままなんでしょう。それ以外のBランクの9作品は全話観ていないのであまり確かなことは言えない。

ただ「魔王学院の不適合者2期」は私が切った後すぐに放送延期になったが、リスタート後は観ようとは思わない。その後の評判を聞く限りでは「ノケモノたちの夜」や「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います2期」は切って正解だったようで、「アルスの巨獣」と「異世界のんびり農家」はむしろ切らずに観続けていたらもっと評価が下がっていたようです。まぁ「のんびり農家」はバカバカしさは嫌いではなかったが。「アルスの巨獣」はやっぱり読み通りに酷い雰囲気アニメだったようですね。逆に切って失敗だったのが「Buddy Daddies」であり、これは実は面白かったらしい。ただ個人的には好みの作風でなかったという判断自体は間違いではないと思う。

問題は「ブルーロック」「ストーンオーシャン3期」「東京リベンジャーズ2期」の人気作トリオだが、これはもう飽きてしまったんだから仕方ない。少なくともA-ランク下位作品などよりもクオリティが高いしエンタメ作品として一定以上の面白さをもっていることも承知しているが、観続ける気力が湧いてこなくなってしまった。原作ファン向けの作品であり、原作ファンから見て楽しいのは理解はするけど、原作ファンではない私から見れば、ここまで長く引っ張って観続けられるほどの内容ではなかった。面白い面白くないの問題以前に、これらの作品はそもそも2クール以上の視聴に耐えるほどの物語性が足りなかったと思われます。1クールだけなら凄く面白かったんですけどね。その点「進撃」「鬼滅」「ヴィンランドサガ」などとはタイプが違う。これらの良質な長編作品はちゃんと1クールごとに特色を変えて飽きさせず楽しませてくれるだけの物語の幅の広さがあるが、この今期の人気作トリオは一本調子で、これでは2クール以上になると原作ファンじゃなければ飽きて当然です。

 

そしてCランクですが、6作品の中で「齢5000年の草食ドラゴン」は15分アニメなので実質はBランク作品ですが、まぁどっちにしても大した作品ではない。他のCランク5作品も全部途中で視聴を切っているので大したことは言えない。ただ、後の評判を聞いた感じでは「便利屋斎藤さん異世界に行く」は終盤面白かったらしいので切らなかった方が良かったみたいですね。逆に一旦切っていたのを視聴復活した挙句、終盤まで引っ張って結局は耐えられず視聴を切った「お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件」はそれなりに観たので「やっぱりキツかった」ぐらいは言える。あと、最下位の「ろうきん8」はもし最後まで観続けていれば、かなりネタアニメとしては楽しめたみたいですね。ちょっと惜しい気もしました。

 

 

なお、クール開始前の期待順位との照合ですが、事前の期待順位は下記の通り。

 

1位 不滅のあなたへ シーズン2

2位 ツルネ ーつながりの一射ー

3位 ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン 第3クール

4位 東京リベンジャーズ 聖夜決戦編

5位 メガトン級ムサシ(第2期)

6位 ヴィンランド・サガ SEASON2

7位 イジらないで、長瀞さん 2nd Attack

8位 ブルーロック

9位 魔王学院の不適合者 ~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~Ⅱ

10位 痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。2

 

一応は上記10作品が本命グループというところで、その他に期待作品に挙げていたのは「虚構推理 Season2」「スパイ教室」「NieR:Automata Ver1.1a」「久保さんは僕を許さない」「お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件」「ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん」でした。

もともと未知数の要素の多いクールで、予想が難しいとは断っていましたが、この事前予想と実際の最終順位とを比べてみると、だいぶ事前予想とは異なる結果になってしまったことが分かります。事前予想のトップテン予想には無かった作品が最終結果のトップテンには「もういっぽん!」「虚構推理」「トライガン」「トモちゃん」「ツンリゼ」「シュガーアップル」の6作品も入ってきており、そのうち「もういっぽん!」「トライガン」「トモちゃん」「シュガーアップル」は期待作にも挙げていませんでした。特に今期最大のサプライズといえるのは、ノーマークから1位に駆け上がった「もういっぽん!」であり、それに次ぐサプライズは同じくノーマークから上位に食い込んだ「トライガン」「トモちゃん」でしょう。「虚構推理」と「ツンリゼ」も期待作には一応挙げていましたが、そんなに期待していたわけではないので、それなりにダークホースだったと思う。まぁこの2作品はダークホースとしての期待感はあったので、その期待には応えてくれたといえます。あと、1話切り候補だった「転生王女と天才令嬢の魔法革命」が意外に良くて、最後は順位が下がってしまったが、かなり楽しませてもらえたのは予期せぬ収穫でした。「シュガーアップル・フェアリーテイル」も全くノーマークだったが堅実な出来で良かったです。

一方、事前予想のトップテン作品のうち、最終順位のトップテンから消えてしまった「ツルネ」「ストーンオーシャン」「東京リベンジャーズ」「ブルーロック」「魔王学院」「防振り」は期待外れに終わったことになります。まぁ「ツルネ」は内容的には全然期待外れではなくて結構満足はしてるんですけど、なんか期待値が高すぎて予想よりも順位は下がってしまっただけですが。また期待作として挙げていた中では「スパイ教室」「ニーア」「お隣の天使様」も期待外れに終わったといえます。逆に「不滅」「ムサシ」「ヴィンランドサガ」「長瀞さん」はだいたい事前予想に近い順位に落ち着いており、期待通りの結果を出したといえます。

 

 

最後に、今期のランキングで印象的だった作品を挙げます。「面白い作品」とか「良い作品」ならばランキング上位作品を挙げれば済む話なので、ここではあくまでランキングを見渡した上で今期ランキングにおいて重要な意味があったと思えた作品のことを言っています。

それはやはり、まずは萌え要素無しの正統派部活モノでノーマークから1位となった「もういっぽん!」でしょう。そして1期が爆死しながら2期で成功してダークホース候補から2位となった「虚構推理」も印象的でした。また、やはりノーマークから超絶3DCGアニメでSランク入りした「TRIGUN STAMPEDE」も今期のランキングでは印象的な動きをした作品といえます。またA+ランク作品では、やはりノーマークから躍進した「トモちゃんは女の子!」、ダークホースとして成功した「ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん」が挙げられます。

一方、悪い意味で印象的だった作品を挙げるとするなら、終盤まで引っ張って観てしまったせいで酷さが骨身に沁みた「スパイ教室」と「お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件」が当初は期待作だっただけに強烈な印象を残しました。今期の期待外れ感を象徴する2作品であったと思います。まぁ「天使様」は好きな人は好きみたいですけど。私もネタアニメとしては「スパイ教室」より「天使様」の方が好きです。

あとは、順位的には中堅クラスなんですが内容的に強烈な印象を残したのは「冰剣の魔術師が世界を統べる」でした。振り切ったクソアニメかと思いきや、意外に緻密に組み立てられたどうでもいいシュールギャグの連発に大いに笑わせてもらいました。今期の最大の癒し枠であったと言っていいでしょう。

以上、今期のランキングで印象的だった作品は「もういっぽん!」「虚構推理」「TRIGUN STAMPEDE」「トモちゃんは女の子!」「ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん」「スパイ教室」「お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件」「冰剣の魔術師が世界を統べる」の8作品だったということになります。

あと、今期の出来も良くて終わり方から見ても続編が期待できそうな作品の中で、特に続編が待ち遠しい作品としては「もういっぽん!」「虚構推理」「メガトン級ムサシ」「イジらないで、長瀞さん」でしょうね。「ヴィンランドサガ」は連続2クール作品なので続きは現在やっていますし、「不滅のあなたへ」「トライガン」「シュガーアップル」は続編が決定しています。

「トモちゃん」と「ツンリゼ」は素晴らしいハッピーエンドで綺麗に完結しており続編は無いでしょう。「REVENGER」もハッピーエンドとは言い難いが綺麗に完結はしている。「転生王女」は話は完結はしていないのですが綺麗にまとめて終わったので続編は無さそう。それは「もういっぽん!」も同様で、本音を言えば続編を作ってほしいけど続編無しでも納得のいくまとめ方はしている。「ツルネ」も綺麗にまとめたので続編無しでも違和感は無い。「冰剣」「英雄王」「陰陽師」は続編を匂わせる終わり方はしたけど多分続編は無いでしょう。「スパイ教室」はおそらく続編やるでしょうけど観るかどうか微妙ですね。その他の作品は途中で視聴を切ってますので続編があっても観ません。